獣王島の話はこれで終わり!長かった…
色々とお待たせしました。
『山が海に落ちた』…当然聞かない言葉だ。だが現にそれは起こった。
島民だけでなく、この島に生きる動物も目が飛び出そうなくらい驚いた顔をしている。
ドウ「い…一体…何が…!?」
ムラ「派手にやっているようだ」
そこにムラサキが現れた。
ドウ「あなたは…おさかなマントさん!!」
ムラ「うむ…今はムラサキだ」
ドウ「これってウタさん達が…!?」
ムラ「そうだろうな…」
ムラサキはそう呟き、船へと向かう。出航の準備をしにいくようだ。
パシャ!
ムラ「ん?」
「あ、すみません!」
1人の女性がムラサキをカメラで撮る。一言謝るとそそくさとどこへと行ってしまった。
ムラ「なんだ?」
ドウ「この島に取材とかで来ていたカメラマンのマノリタという女性です」
ムラ「ふん…撮るなら撮ると言えばいいものを…」
一方、ウタ達はマザーズデーと共に海に落ちた山の方へ向かっていた。ウタはあの後自分の身体に戻り眠ってしまった。
ケイ「今更だけどウタちゃんのあの状態って何?」
ラフ「簡単に言えば幽体離脱よ」
レイ「簡単すぎよ!?」
簡単すぎる説明にツッコミを入れていると、浜辺に到着。そこからセイヤが斬った山が見える。
ケイ「流石兄貴だ!覇気を封印されても『粒装刃』の威力はあの時と同じだ!!」
ラフ「これをセイヤがやったのね…強いと思っていたけど、これほどなんて…」
レイ「セイヤの技の殆どが一撃必殺が多い。でもそれは覇気があってこそ…」
ザバァアアア…!!!!
『!!!?』
Mr.6「ハァ…ハァ…ハァ…!!」
海からMr.6が現れた。あの時、吹き飛ばされる瞬間に最大の咆哮を放ち、身体の軌道を変えてダメージを軽減した。
Mr.6「見つけたぞ…ケセランパセランッ!!!!」
バッ!!
マザ「兄さん…」
Mr.6が飛びかかろうとした時、マザーズデーが両手を広げて立ち塞がった。
Mr.6「どけマザーズデーッ!!こいつは!!」
マザ「無理だよ…叶わないの…」
Mr.6「なにを」
マザ「もう…いやだぁ…!」
Mr.6「!?」
マザーズデーの目から大粒涙が溢れる。それを見たMr.6は目を見開き驚く。
マザ「お兄ちゃんが傷つくの…もう見たくない…!なんでそこまでするの?そこまで傷ついてまですることなのッ!!?どうして気づいてくれないのよ!!?こんなに痛い思いしてるのになんでわからないのよッ!!!ずっと痛いままなのッ!!だから…助けてよぉ…お兄ちゃん…!!」
ドンッ、ドンッとMr.6の胸を叩き、泣き叫ぶ。マザーズデーの辛さが身も心にも伝わってくる。それに応えるようにゆっくりと、優しく抱きしめるMr.6。
マザ「お願いだからぁ…やめてよぉ…!!やめてよぉおおおお…!!!!」
Mr.6「ごめん……本当にごめん…アディ…」
『アディ』…マザーズデーの本名だろう。その名を聞き、益々泣き叫ぶ。
彼女はずっと嫌だったんだ。エージェントになるのも、自分の名を言えないのも…
彼女の愛が、兄を止めた。
Mr.6「すまなかった…そして感謝する」
土下座をするMr.6。妹のアディの心を救ってくれた。
Mr.6「もうお前達を襲わない!!数々の無礼、申し訳なかった…!!」
ケイ「気にするな。俺達は海賊だからな」
ニー「ニーニャ…許さない」
ラテ「私もよ。ニーニャに酷い目合わせてすぐ許せると思わないことね」
リコ「同感」
レイ「まぁ、島民にしたことも含めて今までのことは許さないけど、償いたいなら勝手にしなさい」
ラフ「ちゃんと反省しなさいね」
それぞれ許す気はないが、謝罪は受け取った。ウタの方は眠っているが親指を立ててサムズアップする。どうやら夢のウタが操っているようだ。
セイヤ「お〜い!」
するとセイヤが現れた。
ケイ「兄貴!!」
セイヤ「ムラサキが出航の準備ができたそうだ!島のみんなからも助けてくれたお礼に食料を貰った!いつでも行ける!」
出航準備ができたことを伝えにきた。
ケイ「もう行くのか?」
レイ「当然よ…ここにいても医療器具の替えは手に入らないし、また寄生虫にやられるかもしれないからね」
ラフ「そういうことよ。だからウタ…」
ウタ「うううううううぅ…!!」
ラフ「歌えないからって寝ながら暴れるのやめなさいッ!!」
レイ「あんた病人でしょうがッ!!!」
寝ながら暴れるウタ。それを止める皆。
レイ「と、とりあえず!このまま船に戻るわよっ!!」
ラフ「またね!!」
ケイ「皆に謝るんだぞーっ!!」
そう言って去っていく。
Mr.6「……」
アディ「お兄ちゃん、これからどうする?」
Mr.6「暫くあの山に住む。あとはゆっくりでいい…今は、お前と休暇を楽しもう」
アディ「!?…うんっ!」
2人は手を繋ぎ、海に落ちた山を目指し歩く。その道中、手に持った金色の欠片を眺める。
Mr.6「…こいつは、暫くはいいな」
ドウ「もう行かれるんですか?ゆっくりしていってくださいよ!」
セイヤ「悪いな。また来たらゆっくりさせてもらう」
ラフ「色々ご迷惑かけちゃったわね〜!」
レイ「また来るわね〜!」
ケイ「じゃあなー!!」
シラ「ケッセラ〜…セランッ!!」
皆が手を振り、獣王島に別れを告げる。
船はどんどん離れていく。島民だけでなく、動物達もこちらに手を振っていた。
ピー「さらば、未来の歌姫よ…」
レイ「…で、あんたらはいつ降りるの?」
ラティア、ニーニャ、リコリスもディーバ・ラパン号に乗っていた。
ラテ「それなんだけど…私とニーニャを…仲間にして欲しい」
『!?』
ラテ「私達、行く宛もなく島から島へ渡るだけだったから…これからはこの船で世界を見るのも面白いと思ったの。それに…医者が必要でしょ?」
寝ているウタを見ながら呟く。
ニー「ラティアと一緒…ならいい…」
ケイ「おいおい!それはちょっと勝手じゃねぇのか?そもそも次の島で降ろしてくれって言っておいて!それにあんたら賞金首を狙うやばい奴だろ!!」
セイヤ「待てケイト…まぁ気持ちはわかるが、医者が必要なのは本当だ」
ケイ「でも医者なら姉貴がいるだろ!なぁ姉貴!」
レイ「……私は間近で彼女の手術を見た。まさに神業だった…認めたくないけど、彼女がこの船に乗るのは賛成よ」
ケイ「え…!?」
レイ「私は最高の医者になる夢がある…あんたの技を盗むためにも、ここで降りられちゃ困るのよっ!」
ラテ「フフフ…私の技、盗める物なら盗んでみなさい」
ケイ「じゃ、じゃあリコリスは!?」
リコ「私は金さえ貰えれば別だけど…」
セイヤ「そのことなんだがな…この船の会計士になってくれないか?」
セイヤからの提案は会計士にならないかと言われ、少し驚くリコリス。
リコ「へぇ…私に財布番を?」
セイヤ「どうもうちは金欠不足でね。できるだけ金を稼ぎたい。そこで金に目がないあんたなら、船に乗りながらでも金儲けや管理ぐらいできるだろ?」
リコ「失礼ね。まぁ金好きなのは認めるけど…それだけのために私を仲間にするって?」
セイヤ「ここの連中は…金を使いすぎる…!!」
『え?』
セイヤ「レイナは服に金を使い!!」
レイ「あー…」
セイヤ「ムラサキは建物の弁償代の代わりに高額な刀を買わされ!!」
ムラ「むっ…」
セイヤ「挙句にはラフエルとケイトの使わないであろう無駄な調理器具ばっかり買って…」
ラフ「絶対あれは使うわよッ!!」
ケイ「『全自動包丁研ぎ機』はすげぇんだって!!」
セイヤ「そのせいで金が殆どないんだろうがッ!!お前らちょっとは反省しろッ!!」
『すみません…』
ラフエル、ケイト、レイナ、ムラサキを正座させるセイヤ。
セイヤ「というわけで、仲間になってほしい。ウタ、良いだろう?」
寝ているウタに聞くと笑みを浮かべて親指を立てる。
リコ「ふ〜ん…仲間ねぇ…賞金稼ぎの私を仲間にしようなんて…面白い船だね…いいわ。仲間になってあげる」
セイヤ「本当かっ!?」
リコ「ええ、その代わり全ての財布は私が預かるわ」
セイヤ「いいだろう」
『よくないだろッ!!?』
セイヤ「文句あるのか?」
『いえありません』
リコ「これは退屈しなそうだね…(それにあのウタの仲間になればライブの運営も任されて金が入る…)クフフフ…クヒャヒャヒャヒャヒャ…!!」
こうして仲間が増え、ウタ達の冒険はまだまだ続く。
セントラル・フィフス島…
ここは宝樹アダムの近縁種『宝樹カイン』の木が生えており、その樹齢は3000年を超えると言われる島の名物だ。
だがこの島で新たな名物が開催される。
「『巡る季節(アラウンド・シーズン)GP』が開催されるぞ〜!!!!」
『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!』
『巡る季節(アラウンド・シーズン)GP』…それは船乗りなら誰もが知る危険な大レース…勝者には富を…敗者は海に沈む…
次回から新しい話が始まります!
こちらも楽しんでいただければ嬉しいです!
それでは次回!『レース出場』!