今回ウタが歌うのですが、そこは敢えて歌詞を入れていません。まだ歌での活躍する場ではないですからね。なので単に横着してるわけではないのでご了承ください。
ああ…早くウタを暴れさせたい…!
それではお楽しみください!
ー海賊船ー
ウタ「♪〜」
海賊「「「ぜぇ…ぜぇ…!」」」
ウタ「ほらっ!もっと脚を上げて!」
海賊1「はい!」
ウタ「そこ!もっと大きく手を振る!」
海賊「は、はいっ!」
ウタ「船長さん遅いよ!みんなと合わせないとダメだよ!!」
船長「ああ、すまん……ってなんで踊ってるんだよっ!」
冒頭から何故仲良く踊っているかと言うと、ウタのライブを邪魔した罰として、パンケーキは無し、今回のライブ配信は『海賊達と島着くまでダンスしてみた!』という企画に強制参加させた。
そして現在、3時間経過。
海賊「「「ぜぇ…ぜぇ…ぇ…」」」
ウタ「ほらほらどうしたのみんな?まだまだこれからだよっ!」
海賊達(こいつは化け物か…!)
船長「ハァ…ハァ…てめぇ…なんでやらねぇんだ?」
船長のこの言葉…普通海賊なら宝を奪ったり相手の命を奪うこともできる。だがウタはそんなことせずみんなで楽しく踊るだけであった。
船長「お前は一体…何が目的だ…?」
海賊らしからぬこの女は一体何を考えているのか?船長はこれまで他の海賊とも交流をすることもあり、簡単に奪っていったり、吐き気のする酷いものも見てきた。それこそ若かりし頃にはそれを嫌と言うほど体験してきた。
自分の知る海賊とはまるで別物だ。
ウタ「う〜ん……だって、一緒にショーサイ島へ行くんでしょ?ならこれ以上喧嘩することないじゃない」
船長「……はぁ?一緒に行くから殺さないと…?」
ウタ「うん!だって、私の知る海賊って…簡単に命を奪わないもん」
船長「…随分、甘い海賊だな…だがな嬢ちゃん…これからの海にはそんな奴らばかりとは限らんぞ?」
ウタ「うん、それくらいわかってる…傷つくこと、奪われること…私だって、覚悟の上だよっ!それじゃあ何のために修行してきたのかわからないもん!」
船長「…そうか、思ったより強いな…」
船長はウタの心の強さを感じた。すると一人の手下の叫び声が聞こえてきた。見ると島が見えてきた。その島はまるで握り合う手を表しているかのような見た目、あれこそがショーサイ島、別名『仲間探しの島』…
ウタ「遂に来たんだ…!!」
ウタはワクワクが止まらない。自分1人で島まで来れたことが嬉しかった。寂しかった気持ちもいつの間にやら消えていた。
ウタ「ありがとうみんなっ!おかげでここまで来れたよ!あ、これお礼のサインね!」
船長「おう、ありがとう…って誰がいるか…ああ…力が入んねぇ…もう良いからとっとと行け…」
ウタ「うん!それじゃあまたね?」
ウタは港に着くと走って町へと入っていった。
それを眺める海賊達がどこか彼女の無事を祈っていた。短い間ではあったが、彼女の魅力に惹かれたのかもしれない。
海賊1「ギャリー船長…俺達も…行きますか…」
ギャリー「おう…だが…もうちょっと…休んでいこう…」
海賊達「「「ですねー…」」」
ショーサイ島には様々な役職の者が集まる。コック、剣士、格闘家、大工、そして海賊なんかも。何故こんなに多いかというと、昔からこのショーサイ島では漁船や商船が集まり色んな品々を交換する場所として使われることが多く、それがいつの間にか人探しにも使われ『仲間探しの島』と呼ばれるようになった。そのため様々な屋台を開いたり、イベントを開催して仲間を集める催しもある。
ウタ「うわ〜…!」
ウタは目を輝させていた。見るもの全てが珍しく、ワクワクが止まらない。
ウタ「りんご飴ください!」
「へいっ!まいど!」
ウタ「あ、これ可愛い!!このTシャツください!」
「お目が高いね!」
ウタ「あ、この焼きそばちょうだい!」
「あら、可愛い子ね。サービスしちゃう!」
ウタはウタで満喫していた。
ウタ「いや〜楽しすぎ!ここ最高!…ん?」
すると何やら港に異様に人集りができている。人垣を分けて前へ出ると司会者のような男とパドルがついた小型船があった。
司会「さぁ寄ってらっしゃい寄ってらっしゃい!!今日の目玉商品!偉大なる航路で作られた電気の力で動く船、『電動外輪船』のご紹介だ!」
ウタ「電動外輪船?」
司会「文字通り電気で動く船ですが、ただの電動船ではございません!見てください!レバーひとつでどの方向へも移動可能!バックも可能なのです!」
レバーを左右に動かすとその通りに船が左右に動き出した。しかもバックもできた。
司会「更にボタン一つで通常の帆船へと変形させて優雅な海の旅を楽しめます!」
ボタンを押すと帆船へと変形。それを見て周囲の人達は目を輝せる。
司会「すごいでしょう?ただしそれだけじゃないんです!なんとこの船に積まれたエンジンはなんと…エネルギーを作り出すことができるのです!」
エネルギーを作り出す…それは凄いことなのだが具体的にわからない。
司会「簡単に申し上げますとこのエンジンは振動を受けることで発電し電気を作るという仕組みになっており、船が揺れたり衝撃を受ける度に電気を生み出していく仕組みになっているのです!」
ウタ「へぇ〜…そりゃあ凄い」
司会「しかもそれだけではありません!なんと電気は貯めれば2年も保つ仕組みになっています!そんな素晴らしいこの船のお値段は3000万ベリー!なのですが…ここで皆様に大大大大チャーンスッ!なんとこのエンジンを満タンにできればこの船をタダでご提供いたします!!」
ウタ「えっ!?タダ!!」
タダと聞いて我も我もと人が群がってくる。
司会「落ち着いてください!今からルールを説明いたします!!まず、参加料金として1人一回1000ベリーを貰います!制限時間は1時間!この船を揺らし電気を貯めてください!電気が貯まった瞬間にこの船はエンジンが掛かる仕組みになっております!さぁ最初は誰だ!?」
大柄「よっしゃ!まずはオレだ!!」
大柄の男が現れ、船に手をつけて揺らし始めたが、エンジンはぴくりとも動きはしない!それから1時間も経たないうちに大柄の男は力尽きて倒れた。
司会「ああ〜残念っ!いけそうだったけどね〜?」
司会者は残念がるが、内心は違った。
司会(ば〜かどもが…!この船は確かに電気を貯まるがそんな程度で貯まるかぁ!振動ではあまりにも微弱な電気しか生まないから製作は中止になった船。使えなく安く手に入れ、こ〜んなビジネスを思いつくとは…俺って天才だよな〜?)
なんとあの船には電気がたまらなかった。そうとは知らずに次々と挑戦する者達。結局一向に電気が溜まらない。そろそろ頃合いかとサクラ要員を出して終わろうとした時、女性が颯爽と現れ、私私!と叫ぶ。
司会「おや〜!これは可愛いらしいお嬢さんで!挑戦しちゃう?」
ウタ「うん!揺らして溜めればいいんだよね?」
司会「はいそうです!ささっ、ではどうぞどうぞ!」
『頑張れー!』『負けるなよ嬢ちゃーん!』
ウタ「じゃあ、いくよ!…スゥ…」
司会「ん…?」
ウタ「♪〜…」
歌い始めてなんだと不思議に思うが、この場にいる皆、彼女の歌の虜になっていき、通り過ぎようとする者も立ち止まる。
『なんだこの歌は…』『スゲェ…心に響く…』
『良い歌ね…』『何故だろう…涙が出てきちゃう…』
ウタの歌声はこの場にいる全てを震わせた。人も動物も、果てはエンジンでさえも。
司会「え、エンジンが…貯まっていくだとォ!?」
手下1「リーダー不味いですよこりゃあ!?」
手下2「これ本当に貯まっちゃいますよ!?」
司会「うるさい!そんなことはわかってるっ!というか早く止めろ!!」
司会者の部下達がウタを抑えようとするが、どうしてだか、止めることはできなかった。この歌をもっと聴いていたい、これを止めちゃダメだと身体が何故か言うことを聞かない。
そして…歌は終わり、歓声が響く。
ウタ「みんな!どうもありがとう!」
『スッゲー!歌でエンジンを貯めやがった!!』『あの娘何もんだよ!?』
『素敵な歌をありがとー!!』『っていうか、あの娘何処かで…?』
歌が終わると同時にエンジンの電気も貯まった。
司会「貯まってしまった……」
ウタ「約束通り、この船は貰うね!」
ウタが船に乗ろうとした時、数名の男達がウタを囲み銃を突きつける。
司会「誰がやるかよ小娘が…」
ウタ「あれ、貯まったらくれるって約束でしょ?」
司会「さぁな〜…俺ァ最近覚えが悪くてなァ…覚えてねェんだわ…はーい!皆さん申し訳ありませんが、たった今ズルが発覚したのでこれにイベントは終了となります!」
『終了…?』『おいおい!ズルってなんだよ!』『その子に渡してやれよー!』
野次馬達が司会者の進行に文句を言い始めるが、そんなことはお構いなしにウタに詰め寄る。
司会「テメェのような小娘が俺の商売邪魔しやがって…!覚悟しろよ!!」
ウタ「…フフッ…覚悟する?…それはこっちの台詞だよ…」
司会「あぁ…?」
ウタ「銃なんかじゃ脅しにはならないってこと♪」
司会「ヘッ!そうかよ…じゃあ死にやがれっ!!」
司会者の声に反応するように一斉に構える。ウタはそれを見て息を吸う。そして銃弾は放たれた。
「何やってんだ…」
銃弾はウタに当たる寸前に、銃弾は霧にように消えた。それと同時に何か上から降りてきて男達は血を流し倒れた。
それは服もズボンも靴も全て黒一色の姿。そして極め付けは口元以外、全て覆われた灰色の仮面をつけている。
ウタ「誰?」
司会「なっなんだテメェ!?」
ウタと司会者が誰だと追求すると男は静かに立ち上がる。
「俺のことはどうでもいい。折角良い歌を聴いて気分良くなっていたのに邪魔しやがって…」
司会「うるせぇ!邪魔するならテメェからやってやろうか…ん?ちょっと待て、お前何処かで…」
手下「り…リーダー!?そいつやばいですっ!そいつは…『霧雨』です!」
司会「何っ!?」
ウタ「霧雨…?」
『霧雨』という言葉に驚く司会者。果たして彼は…?
『霧雨』という男…果たして何者?
前回の海賊はなんとあの『三日月のギャリー』でした!わかったかな?
それでは次回!『1人目』