今の時代、妖怪なんていないと思われがちではある。
ただ、人間に化けることで生活する妖怪も数多くいることが事実。
ついこの前まで、八雲蒼もその一人だった。
……ほとんど人間としてではなく妖怪としてだったが。
群青の空に浮かぶ月。
満月に照らされて妖怪は凶暴化する。
そして時々そうした妖怪達が大行進を始めるのだ。
俗に言う『百鬼夜行』というやつだ。
「蒼殿、あなたも百鬼夜行に参加しませぬか?」
「怪しい勧誘みたいになってるぞ、あくまでも監視をしてるだけであって参加するとは言ってない。」
「おや、例えあなたのお友達が人質にとられていてもですか?」
卑怯なヤツだな。
友達と言ってもそこまで数はいない。
せめて言うとするなら猫又と鬼くらいだ。
「睡眠薬を盛ったらいとも簡単に捕まえられましたぞ?」
「現代科学の進歩は恐ろしいな……」
「参加すると言ってくれればこの猫又も解放しましょう。」
「先頭からかなり離れてんぞ、早く行ってこい。」
こんなことに自分を誘うくらいならもっと他のことに時間を使った方が余程有意義だ。
「ったく……睡眠薬盛りやがって……」
「いい夢見れたか?」
「いい悪夢なら見れたぞ。」
こいつは
一応猫魈で、猫系妖怪の中でも最上位の大妖怪。
無限に生き返るその力は不老不死といった概念をも超越している。
例え肉体を消滅させようとも魂を滅ぼしてもどこからともなく零から復活してくる化け物である。
「で、どうだ?監視の方は。」
「外の景色を眺めるだけだから暇ではあるな、こちとら八雲の命でここに来てるんだ、生半可な出来じゃ周りに置いてかれる。」
「フッ、こっちは最近『猫神にならんか?』って誘いが来たけど断った。」
「どうして断った?お前の実力なら推薦で猫神になれるだろう。」
「神になるまでがめんどくさいって先輩から聞いたから。」
信仰集めてそこから多くの人に信頼されてまた信仰集めてという作業がツラいらしい。
今度神奈子と諏訪子にでも聞いてみようかな。
「あー、前に一度自分も『稲荷の神にならないか?』って来たけどほら、いろいろと複雑じゃんか、こっちは。」
「だから断った、でも稲荷の神ってことは稲荷大神でしょ?」
「そそ、ただ神にならない代わりに稲荷大神の補佐として今は。」
「……自分も猫神補佐になれば良かったな、今更ながら失敗した。」
「まあ、八雲の仕事と時々来る稲荷の仕事で忙しい(徹夜確定になる)こともあるけど、まあ楽しいよ。」
「忙しいのは良いけど自分のことに時間使いたいな、ボクは。」
百鬼夜行の喧騒はより一層盛り上がりを見せていた。
猫魈は猫又の上位互換みたいなやつです。
いつか魈の立ち絵も描ければな……、
このあとの展開どうします?
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