だったら、この身を幾つも積み上げよう。
きっといつか、あの場所にたどり着けるように。
果敢に挑み敵を倒していくその背中を。
自由気ままに戦場を駆け回るその姿を。
俺は、憧れていた。
俺の生まれ育った都市は治安が悪かった。
都市では頻繫にテロリストどもが現れては虐殺を行い、住民に恐怖をまき散らさんとしていた。奴らに見つからないようにと、大多数の住民は家に市の物狂いで立てこもり、息をひそめて祈るは多かった。しかし、俺が怯えることはなく、ただ安全そうな物陰に潜めて様子をうかがう。
なぜなら、そんなテロリスト集団に臆することもせず立ち向かい、その堅牢な装甲で市民への銃弾や砲撃を防ぎ、グレネードでをテロリストを薙ぎ払い、レーザーブレードで全てを切り裂いていく人たちがやってくるからだ。
テロリストが騒ぎを起こした瞬間即座に出撃するのは、幾度となく敵を退けてきた熟練の防衛部隊。その部隊で真っ先にやってくるのは、4脚のMTを操縦する俺の父さん。
父さんは建物の陰から強襲し、手前の2脚MTを足で蹴り飛ばす。その後勢いを保ったまま突撃し、右手のアサルトライフルで近くを飛行する武装ヘリ目掛けて放ちながらブレードを構え、奥にいたMTを薙ぎ払い殲滅してゆく。
精錬されたその動きは瞬く間にテロリストを倒し、別の場所へ去っていく。
幼い頃、逃げ遅れた俺は必死に隠れられる場所を探して駆け回っていた。どの扉も固く閉ざされており隠れられる場所がなく彷徨っていると、テロリストに見つかってしまった。持っていた銃がこちらに向けられ絶体絶命の危機に陥った時
駆け付けてきたのは父さんだった。
テロリストをあしらい、無事であることを確認した父親は泣きながら俺を抱きしめていた。その時自分は泣くわけでもなく、喜ぶわけでもなくただ無反応だった。助けられたあの瞬間が頭から離れないでいた。それから俺は避難せず、隠れて父が所属している部隊の戦いを眺めるようになった。
果敢に挑み敵を倒していくその背中を。
自由気ままに戦場を駆け回るその姿を。
俺は、父親のその強さに憧れた。
大まかに目指す場所を見つけた俺はただひたすら努力した。機体の知識や技術を身につけ、動き回る鉄塊を手足のように動かせるように訓練もした。
同期の友人たちと比べて秀でた操作技術を認められた俺は、何とACに乗ることができるようになった。
まだまだ訓練生で未熟な部分は目立つが、それでも俺なりに立派な仕事に就けたんだ!
しかもベイラムグループの専属部隊、レッドガンに機体を届ける任務なんて光栄だ!必ず届けて見せよう!
輸送任務当日。ヘリポートに止めた輸送ヘリの離陸準備が完了するわずかな時間。ACを格納させようとした時
奴は、現れた。
最初で最後の実践が始まった
4連装ミサイルが機体の背部に着弾すると同時に、右手に持つライフルから弾丸がこちらに放たれた。
「てっ…敵襲!?」
不意打ちを受けつつも背後に振り向き、襲撃者を視界内に収め応戦する。機体構成はパッと見てアーキバスグループのものではなかった。
「解放戦線…いや 独立傭兵か!?」
肩のミサイルのロックオンが済むまえに近づかれてしまい、追撃のレーザーブレードに直撃してACSが負荷限界に陥り、動きが止まってしまう。
システムがダウンして防御性能が著しく低下した状態でミサイルやライフルの攻撃をいくつか受けてしまう。
APが半分ほど削れてしまったが、復帰したシステムで機体を即座に後方へ下がらせることで更なる追撃のブレードをギリギリ回避することができた。
「やってやる…!俺だって訓練は受けているんだ!」
反撃としてライフルを撃って牽制をしつつ、ロックオンできた瞬間即座に高威力のミサイルを放つ。独立傭兵のACに回避されてしまうが、高い誘導性も持っているミサイルはゆっくりと進行方向を相手のAC目掛けて軌道を変える。
「レッドガンの正規パイロットに…届けるのが…俺の…!」
自らに与えられた任務を声に出すことで闘志を奮い立たせ、初めての実戦の恐怖を抑え込む。その姿は正しく、物語の主人公のようであった。初めての実戦、死への恐怖に負けず戦おうとするのその姿勢は、正しく彼が目指していた姿に近かったであろう。しかし
現実とは残酷なものだ。彼は物語の主人公ではなく、ただ戦いに負けてしまう存在だった。
アサルトブーストによって急加速した独立傭兵のACは、ミサイルが軌道を変えて戻ってくる前に彼の機体に肉薄して至近距離でミサイルを放った。確実によけられない攻撃によってACS負荷限界にされてしまい、無防備な姿を晒した時、左腕で構えられたレーザーブレードが振り下ろされる。
その攻撃によって全てのアーマーは削り取られてしまい、勝負はついてしまった。
「ああ…俺も…」
戦う父親の姿が浮かぶ。
ベイラムの広告で宣伝されているレッドガン部隊の精鋭たちの姿が浮かぶ。
勇敢な姿、頼りになる姿、憧れの姿。
優れていた彼らのように、特別な意味のある呼び方をされたかった。
彼ら個人を表す個性のような特別な呼び名
「コールサインが 欲しかったなぁ」
そして 青年の 人生は
幕を 閉じた
独立傭兵が襲撃してきた。
両手に構えたガトリングの掃射と肩の大型ニードルによって、俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
プラズマ兵装による爆発で逃げ場がなくなり、そのまま俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
上空でホバリングしながら放たれたミサイルの雨が降り注ぎ、俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
両手に構えたショットガンから放たれた散弾で動きを封じられ、杭で穿たれて俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
赤い極光によって焼き尽くされて、俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
たくさんのニードルが突き刺さり、ハリネズミのように俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
恐ろしい速度で飛んできて、武器も持たずに殴る蹴るで俺は死んだ。
独立傭兵が襲撃してきた。
俺は死んだ。
俺は死んだ。
俺は死んだ。
俺は
何回死ぬんだ?
横やりが一切なく序盤にタイマンですぐ倒せてお金がもらえる。
そうなったらもう、ね?
それはそうとフロムさんはOWみたいな武器ください。あと両手に近接装備させてください、連動ミサイルください、もっとACパーツ増やしてください(強欲で切実な壺並感)