異世界転生 777番目に転生した俺の職業はチャラ男でした!   作:菅原 みやび

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ようこそ港町セカンドへ

 数十分後……俺は疲れ果てて寝てしまったレノアをオンブし、レノアの借り部屋のベッドにそっとのせる……。

 

 先程のゴールドリリーを加工する儀式、それにポーションやらの加工などできっと疲れ果てたんであろう……。

 

 ユニコーンを常時召喚していたし、召喚用のマナもつきかけたに違いない……。

 

 その証拠にユニコーンは何処かに消え去れ姿を消した……。

 

 もしかしたらこいつが大食漢なのもあれでエネルギーを補給していたからかもな……。

 

 マナの巡りは魔力の巡り……。

 

 その魔力を巡らせる回路の循環は、体の健康に起因しているはずだしな……。

 

 そんな事を考えながら俺はレノアにそっと布団をかぶせる。

 

「お疲れ様……そして今日一日ありがとうレノア……」

 

 俺はそっと呟き、ドアをゆっくり絞め部屋をでる。

 

『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男スタイルレベル5】光のチャラ男道に少し近づく』  

 

 ……さてと……。

 

 子供(実際は大人だが)はおねんねしたし……当初からの目的の場所へ行きますか!

 

 俺は勇み足で外に出かける。

 

 そう! ネオンの光が眩しい夜の町へ繰り出す為に!

 

 ふう……「今宵は満月……俺は夜のオオカミになるのだ!」。

 

 てことで、俺は当初から目を付けていた「綺麗なお姉さんが夜に集う店」に駆け足で向かう!

 

 俺は綺麗なお姉さんがチラホラ見えて来る、あの店の前で足を止める。

 

 あった……「ナイトエンジェル」……ああ……間違いないこれだ!

 

 目の前の看板にカラフルな紫色のペンキでそうかかれている。

 

 ……きっと名前の通り素敵な夜の天使達が沢山住まうこの世の楽園に違いない……。

 

 俺は転生物の主人公が、胸が魅力的なYの字曲線を描いているムフフなエ〇フと楽しそうに飲んでる姿を思い出す……。

 

 ああ……そう……俺がしたかったことの1つが今、早速叶えられようとしている!

 

 ちなみにここはツケがきくらしく、冒険者ギルドに入っていれば勝手に報酬から天引きされるシステムらしい。

 

 ふふ……まあ、これが俺のやる気ということで……。

 

 良い子の皆……戦士には休息が必要なのだよ? まあ、俺はチャラ男ですが……。

 

 そんなことを考えている最中に目の前の木の扉が自然に開く……。

 

「あら? お客さん?」

「は、はいっ!」

 

 木戸の隙間から頭だけ覗いているが……と同時にとても透き通った可愛らしい声が聞こえてくる。

 

 ミドルヘアの金髪にとんがった耳……モデルのような小顔に端正な顔立ち……。

 

 大きな瞳に細長い切れ目に二重瞼……。

 

 あ……ああ……間違いない……エ〇フだ……。

 

 ここの種族の名前は版権に引っ掛かる関係できっと違うだろうが、間違いない……モノホンや……。

 

 勝ち確や!

 

 俺は感動のあまり目頭が熱くなってくる……。

 

「うーん、貴方……ここいらでは見かけない顔ね?」

「え? ええ……まあ」

 

 そりゃそうですよ……今日別世界から転生してきたばかりですもん……。

 

 俺は緊張のあまり、しどろもどろ状態だ……。

 

「え? 何々? まだ開店前なのにお客さん?」

 

 今度はひょっこりとショートヘア銀髪のエ〇フが顔を出す!

 

 す、凄い! タイプの違う、金と銀の夜の女神が降臨なされた……!

 

 あ、ああ……拝啓、お父さんお母さん……俺を生んでくれてありがとう……。

 

 俺はこの時の為に生まれてきたと言っても過言ではありません……。

 

「……へえ? 貴方もしかして転生者?」

「え? ええそうですが、何故おわかりに?」

 

「うーん……なんかマナの回路がこの世界のものと違うし、それに……」

「はい?」

 

「……上手く言えないけど、なんだかとっても運が良さそう!」 

 

 このお姉さん、なんかレノアと似たようなこと言ってんな……。

 

 まあ、貴方達2人の女神に出会えたことが俺の幸運ではありますがね……ええ……。

 

「……じゃ、折角だし飲んで行く?」

「は、はいっ! 是非!」

 

「じゃ、入って! 丁度開店の時間になったし」

「はーい!」

 

 俺は元気よく店内に入っていく……。

 

「いらっしゃい! ナイトエンジェルにようこそ!」

 

 元気な声と共に様々な複数人のエ〇フのお姉さんが俺を出迎えてくれる……!

 

 ぱ、パラダイスや……こ、ここはこの世の楽園や!

 

 と、その時ふと俺は違和感に気が付いてしまう……。

 

 ……あ、あれ?

 

 女性特有のYの字曲線が……な、無いっ!

 

 い、いや……? 

 

 良く見るとうっすらとなだらかな……ソレはきわめてまな板に近い形状をしている……。

 

「え……えっと……?」

「……どうしたの? 急に固まっちゃって?」

 

「いえ……その予想外というか……」

 

 俺は皆さんのまな板をチラチラ見ながら申し訳なさそうに答える。

 

 はは……顔とか声とか、他のすらっとしたボディラインは完璧なんですけどね……。

 

 そういえば聞いたことある……設定ではエ〇フは本当はスレンダーだってことに……。

 

 よくよく考えて見れば看板の「ナイトエンジェル」……エンジェルライン……通称まな板……そういうお店だったのだ(3回目の血涙)……。

 

 俺はカウンター席で一人悶絶する……。

 

「え、えっと……? 何か悩んでるように見えるけど? 良かったら相談にのるよ?」

 

 さっきまでは端正な顔しか見ていなかったからガチガチに緊張していたが、あれがエンジェルラインなのが目視されたため、俺はとても冷静になっていた……。

 

 こうなったら、ぶっちゃけ話をして更に色々この世界の情報も収集して帰ろう……。

 

 この銀髪ショートヘアの方はなんか色々詳しそうだしね。

 

 そうときまれば……よ、よーし!

 

「え、えっと……実はですね……」

「うんうん」

 

 それから相談して数十分後……。

 

「……えーっ⁉ じゃ貴方転生者なんだ……どうりで……」

「そうなんですよ……ママさん……」

 

 なお、銀髪の方はこの店のママさんだったようだ……。

 

「ちなみに貴方達の種族って……」

「あ、ああ……私達はこの近くのラウディ山に住むマギデ族よ。他の山にも沢山住んでいるけど……」

 

「そうでしたか……魔力回路の話をしていましたが、もしかして魔法とかが得意な感じですか?」

「うん、そう! 私達マギデ族は山に住みその精霊の加護を得る者……」

 

 何というか、あっけらかんとしてるな……マギデ族。

 

「あの……精霊の加護を得る為には山にこもっていた方がいいんでは?」

「んー精霊はお金を払ってくれないもんね……」

 

「ああ……」

「ここに出稼ぎに来た方が短期間で稼げるし!」

「ねー!」

 

 な、なんか他のファンタジーとかなり性格も考え方も違うな……。

 

 マギデ族逞しい……。

 

「それに、ここは勇者ファーストの加護があるから安定して稼げるしね」

 

 俺にウイスキーをつぎながら、結構重要な話をするママさん。

 

「ちなみにここの世界って今、どんな感じなんですか?」

「ざっくり説明するとね……6回目の魔王が討伐され割と平和なんだよね……今は」

 

「じゃ、いいじゃないですか」

 

 俺はガラスコップを手に取り、ウィスキーをぐいっと飲む。

 

 そっちのが、俺も安心してチャラ男道を進めるし……。

 

「そう……だけど……統一されていないとそれはそれで不具合があるのよね」

「……というと?」

 

「魔王残党の派閥争いが出来て、逆に地方では魔族の襲撃が頻繁に起こったりするの……」

 

 ……乱世ではよくある話だな……俺が一番だ! みたいなノリで各土地で魔族が暴れ回る迷惑極まりない話。

 

 新たな魔王が誕生し、統一して軍をなすのも困りもんだが……さて……。

 

「魔王を討伐したんなら、その討伐した勇者の一族がそいつらを成敗出来ないんですかね?」

「……んーそれなんだけどね……100年前に魔王を討伐した勇者レミガンは忽然と姿を消しちゃってね……」

 

「同士討ち……もしくは勇者が瀕死の状態だったとかですか?」 

「……真相は不明なのよね……。それに、ここの世界の王達は昔から仲互いしてるしね……」

 

 なるほど……だから比較的安全なここで稼ぐのが女性としては得策な訳だ……。

 

 となると……。

 

「そのアクティブモンスターや魔族とかが出没しだすのって、地図で言うとどこらへんですかね?」

 

 俺はママさん他、マギデ族の方々に見えるように地図を広げる……。

 

「えっとこの田舎町ファーストからだいぶ南に下ったファースト平原があるよね? そこを更に南に進み境のセカンドの森からかな?」

「セカンドの森?」

 

「ああ、貴方転生者だから知らないのよね……」

「ここは111番目の勇者セカンドが魔王と相打ちになった場所……」

 

 あーまんまだけど、魔王の呪いとかでアクティブモンスターがわんさかいそうではあるな……。

 

 折角なんで、手前に安全な拠点があれば助かるんだけど……。

 

「その手前に町とかないの?」

「あ、あるね! 港町セカンド! ここから海岸に向かって遥か南東に進めば安全にたどり着くよ!」

 

 もう、港町セカンドの名前の由来はいいや……。

 

 何となく想像出来るしな……。

 

 この流れの感じだと、思いっきりシックスまでいそうだし……うん。

 

 後は港町セカンドの情報まで聞いておくか……。

 

「ところで、ママ達はその港町セカンドで働かないんですか?」

「え……あそこはダークマギデ族の縄張りだからね……」

 

「ダークマギデ族……?」

 

 何故か妙に引っ掛かるそのワード……。

 

『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男の勘レベル4】にアップ! ???』

 

 ……ほう、ここでこのスキルのレベルが上がりますか……。

 

 しかも、レノア以外で……。

 

 これは詳しく聞くしかないな……。

 

「あの、そのダークマギデ族とは? 詳しく……?」

「魔王の呪いを受けしマギデ族……その呪いにより褐色の肌に歪な胸を持つ者……」

 

「……な、何ッ⁈」

 

 俺は自身の胸の鼓動が……高鳴るのを実感する……。

 

 当然、酒を飲みすぎてってわけじゃない……。

 

 こうしてはいられない……。

 

「ママさん勘定はツケで……明日ギルドで換金するから直接持って行ってもいいし……」

「毎度! 銀貨50枚で!」

 

「いや金貨1枚払うよ……色々教えて貰ったし……。その代わりまたここに来てもいいかい?」

 

 ちなみにこの世界では、銀貨100枚と金貨1枚の価値は同じ。

 

 早い話、通常料金の倍払うわけですね、うん。

 

「うん待ってる! ありがと!」

 

 俺はママさんからほんのお礼に、軽いキスをいただき……少し顔が赤くなり照れる俺。

 

 ……うん、色々と楽しかったな……。

 

 エンジェルラインも悪くないかもしれん……。

 

 そして、次の目的地は港町セカンドに決まりだ……。

 

 明日ギルドで例のヤツを換金したら、即出発せねば……。

 

 期待に胸を膨らませ、俺は店を勇み足で出るのであった……。

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