あぁ神様、お願いします   作:猫毛布

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03 八神さんの谷間より深い反省

割れてしまった卵はオムライスにでも使おうかな。

‐本当に彼らは安全なのか?

‐あの本から出てきたんだぞ?

‐少なからず魔法関係に巻き込まれるぞ?

カット。

あれでもはやての家族なんだ。

‐口だけでは?

カット。今現在までを思い返せ。

‐はやての誕生日に彼等は現れた

‐彼等ははやてを主という

‐……電話が来たのは早朝だったな

‐という事は

 

「俺の早計愚策?うわぁ、うわぁ……」

 

料理中にも関わらず頭を抱えて悶絶する。

‐普通に考えればわかる事

‐やりやがったぞこいつ

‐やーいバーカ

‐これだから焦った馬鹿は

‐ワロス

‐ざまぁ

カットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカット。

なんで自分の思考に追い詰められなくちゃいけない…。

ヤバい、なんか思い出してきたら恥ずかしくなってきた。

‐はやての事を呼び捨てにしてるしな

‐そこまで余裕なかったのかよ

カットカット。

思い出させるな。なかった。うん、何もかもはなかった事にしよう、うん。

‐現実逃避乙

‐誇れない誇りは埃と同等

‐三点

‐五点満点中だろ

‐え?

カット!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー、この度は大変ご迷惑をお掛け致しました。少しばかり焦った結果がアレです。普通に考えれば全くあんな行動を取らずに済んだのが判明しまして、ワタクシ非常に反省しております」

 

しっかりと頭を下げて、というか土下座する。

 

「……………」

「みんなもそんな目で彼を見んといたって。反省してんねんし」

「もう八神さんの谷間より深く反省しております」

「…シグナム。但し峰でな」

「ハッ」

「痛い!」

 

‐あれか、自分には谷間がないから反省してないと

‐桃色も桃色だ

‐躊躇なさすがだろ

カット。

 

「まぁええわ。とりあえずご飯にしよか」

「誠心誠意、真心を込めて作らさせて頂きました」

「……二人やったらどうするつもりやったん?この量」

「タッパーは持参した」

「持って帰る気やったんか」

 

無駄は省かなければならないだろう。当然だ。

‐当然に決まってる

‐はやてを困らせるなどあり得ない

‐いざとなれば一人でも食べれたさ

 

「そういえば、八神」

「……ん?どないしたん、夕君」

「…どうしてそんなに不機嫌なんですか?」

「今しがた、凄く納得のいかん事が起こったから」

 

‐嫌い料理が入ってたとか

‐でも重ならないように結構種類を用意した訳だし

‐あれか?はやての事を八神で呼んだからか?

‐自惚れんなよ

‐自壊しろ

 

「まったく思い付かないんだけど」

「…………まぁ、夕君やもんなぁ…なんと言えばいいんやろ。私本人から言うんもなかなかに恥ずかしいモノなんや」

 

‐あれか、実は生理か

‐小学三年って初潮とかきたっけ?

カット。口に出せる訳がない。

 

「気づかんならええよ、でどないかしたん?」

「いやさ、こう無言で食べられてると作った側として緊張するというか」

「わからんでもないよわからんでもないけど」

「と言うことだ、主の願いなんだから感情ぐらい表に出せよカラフル四人組」

「ぶっ壊してやろうか」

「第一声がそれかよロリータ」

「ヴィータ。こんなんでも私の友人やねんから、半分くらい壊す程度にしぃな?」

「壊す事に異存はないんですね、八神さん」

「やっぱり壊れてええかもな……」

「ロリータ、ハンマーの先が尖ってるぜ?そんなモノ当たったらどうなるか解るだろ?人なら死ぬな、確実だ」

「主の為だ。壊れろ友人」

「ヘルプ!八神さん!このロリータマジだよ!」

「ヴィータ」

「………」

 

おー怖い。人なら死ねた。

‐誕生日パーティーの装飾が赤になるところだったな

‐しかしながら誰も喋らないな

‐感情に乏しいな

‐しかしながら、デカイ

‐ないすオッパイ

カット。

 

 

「八神、結構真面目な話をするぞ」

「風邪でも引いたんか?横になる?」

「真面目な話をさせてくださいお願いします」

「しゃあないね。言うてみ?」

「八神があの本の契約者だとすると、魔法関係の厄介事に巻き込まれると思う。それでもお前はコイツらの主でいるか?」

 

ただでさえ封印されていた本だ。

何かあってもおかしくない。考えれる未来など那由多以上にある。

 

「あの本はなんなの?」

「俺はわからん。そいつらに聞いてくれ」

 

「あれは闇の書と言って…主の願いを叶える本だ」

「その為には魔力を蒐集し、ページを埋めなければならないの」

「その魔力を集めるために私達は作られた」

「主に従順で」

「主を守り」

「主の敵を倒し」

「主の為に魔力を蒐集する騎士」

「剣の騎士シグナム」

「鉄槌の騎士ヴィータ」

「湖の騎士シャマル」

「盾の守護獣ザフィーラ」

「よろしくね!」

「……なぁ、真面目な話するんやなかったん?」

「いや、なんか耐えれなかった。反省してるからこの件に関してのツッコミは勘弁してくれ」

 

なんで言ったのだろう。

‐その場のノリで言うから

‐だって話を聞く限り嫌な予感しかしないし

‐嫌な予感は大抵当たるしな

‐まぁ嫌な予想を数千以上考えれば当たるよな

‐下手な鉄砲数打ちゃあたる

カット。

 

「なるほど、つまりあれか?その魔力さえ集めたら私の願いがなんでも叶う訳か」

「はい、その通りです」

「魔力を集めるにはどうしたらええの?自然界から搾取するとか?」

「いえ、他者のリンカーコアから直接奪います」

「りんかーこあ?」

「魔法使いが魔力を溜め込んでるところって考えればいい」

「………それが無くなった人はどうなるの?」

「生物は少なからず魔力を消費して生きている、ってのが通説だから魔力がなくなりゃ死ぬんじゃね?」

「なら蒐集は禁止で」

「は?」

「他人に迷惑掛けてまで叶えたい願いもないし。第一、私の願いは既に叶ってる訳やし」

 

はやてはそう言いながら俺が作った料理を食べ始めた。

‐あれ?話が終わった

‐いや、あれ?

 

「八神、結局俺の質問に答えてない」

「その程度の危険度で家族を捨てる選択肢は私にはあらへんよ」

「そうか。ならいい、そういう感じだ四人組。飯食おうぜ」

 

思いっきり首を傾げる四人組を見ながら、我ながら上手く出来たと思う料理に舌鼓を打つことにした。




~ないすオッパイ
おそらくノーブラだろうシグナム様とシャマル様の胸部を確認した結果。主人公は悪くない

~八神
結局恥ずかしさのあまり主人公はこっちで呼んでいる。ヘタレと罵られても主人公は気づかない

~シグナム
オッパイとツッコミ要員。ただしツッコミは暴力がほとんど

~ヴィータ
ロリとツッコミ要員。ツッコミというより喧嘩に発展しそう

~シャマル
オッパイと天然要員。作者は結構好きなのだが、残念ながらこの小説でも半分以上空気




~青い獣
八神家マスコット。可哀想なことに空気

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