あぁ神様、お願いします   作:猫毛布

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ハイドウモ。猫毛布です。



あの日の早朝に私のゴーストが囁いてきたんです。







フェイトさんの足をペロペロしたいと!
ごめんなさい。

結果、鮮烈軸に乗せて遊んでたら珍しく一万字越えてたでござる。
いつもの四倍だね!やったね!読み難いって言われたのにみんなの体力を0にするつもりだよ!


えー、今回の話はあくまで【もしも】を騙った物語でございます。
結果的にこうなると決まった訳ではなく、一つの可能性として投稿させて頂きます。


故に、
性格矯正されたスメラギ…否、過信王ライトや
フェイトさんに落とされたユウや
変態フェイトさんや
ヤンデレ気質ななのはさん
相変わらず口調が安定しないキャラ達が多数存在してます


私の欲求の為に書いたので、相変わらず攻め…ではなく男受けな感じです。許してね。
あと、今回も今回で私の煩悩というか妄想というか性癖が露見してます。許してね!



先も書いたのですが、鮮烈…漫画vivid軸です。巻数で言うなら2~3巻です。
未読の方は若干のネタバレ?あるよ!注意してね!

では読んでくださる方ドゾー!


もし物語
IF騙り


目が覚めてしまった。

別に覚めてほしくなかった訳ではない。

 

 

ただ現状をあんまり理解したくないんだ。

 

‐パフパフって知ってるか?

‐……あれだろ、こう、ロマン溢れる2つの柔らかい物体でフニフニと顔を責めるっていう

‐そうだ

‐しかしながら、今の俺の現状は妬ましい

‐いや素晴らしい

‐昨晩は唐突に甘えだした彼女に驚いたが

‐いやはや、奉仕する側は相変わらず楽しいね

 

目の前にはきめ細かい白い肌。そして僅かに流れてきた金髪。

感触は非常に柔らかい肉感と、頭に掛かる寝息。

 

‐実に素晴らしい

‐素晴らしい

‐しかしながら許せない

 

あとは抱き枕よろしく抱かれてる俺。

 

‐今日はエリオとキャロが来るんじゃないの?

‐さすがに両方全裸はガキ共にトラウマというか変な常識というか

‐わかった。触手で服を作れば解決じゃないか?

‐さすが俺だな!

‐イヤッホイ!

‐時間制限なし、行動自由な触手服

‐赤黒いけど…ふむ

‐裸Yシャツとか乙だと思う!

‐ウサギさんルックでいいんじゃね?

‐バァァァニィィィィィ!

‐ダメだ、ミンチになってやがる。

‐カット。子供に普通と思われる服装な

‐だから裸Yシャツで

‐あとは、ショーツさえあればまぁ

‐…エリキャロ来るまでに時間はまだある

‐今を存分に楽しもう

‐まずは深呼吸をしてだな

 

カット。

とりあえず、フェイトにYシャツだけ着せて置こう。

 

 

 

「……ふぁ」

「おはよう、フェイト。寝起きで頭がさっぱり回らないことは理解しているが、是非とも朝食を作るために解放してほしい」

「……おはょぅ、ュゥ……」

「あぁ、おはよう。だから放してくれ」

「……ヤァ…抱き心地がぁ…」

「オイ、寝るなよ。フェイトさん?フェイト?マジで?流石に腕が痺れてきたんだけど?」

「…………」

 

‐目標、沈黙

‐いま、気のせいかチビだから抱き心地がいいみたいな事を言われた気がするんだ

‐長年一緒にいるけど、何気無く虐められてる気がするんだ

‐身長高いしな

カット。俺だって低い訳じゃない。ギリギリ平均越えてないだけだし。

 

‐見栄乙

‐鯖読むなって

‐四捨五入したら平均以下だろ

‐チビ乙

カットカットカットカット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

「ごめんね?」

「……」

 

そろそろ二桁に到達しようとしている謝罪がスルーされた。

無表情で調理しているユウは一切こっちを向かない。

 

普段は私より大人な態度とか考えなのに、こういう所は子供っぽい。

 

「いまガキっぽいとか思っただろ。悪かったな身長低くて。俺だって身長は高い方がいいよ。あぁそうさ高い方がいい。なんで二十歳を過ぎた男が高い棚が届かなくて台を使わにゃぁならんのだ、しかも嫁の方が背が高いだなんて……あらこんな所に包丁が」

「死んじゃダメだよ!?」

「玉ねぎ切るだけだし……身長の事で悩んでなんかないし」

 

無表情からションボリに変わったユウ。

平均的な容姿で、意識はしてないのだろうけど、一々行動が可愛らしい。普段とのギャップがすごい。

 

「……で、さっきからずっと見てるだけなんだけど、何か言ったら?」

「ユウ可愛いよユウ」

「そういうのは女の子に言おうな。二十歳過ぎた男に言うことじゃないぞ?」

「でもユウは可愛いよ?」

「……あー、これだから天然は」

「天然じゃないよ!?」

「ならわざとなのか。悪女め」

「…………うん、ユウが手に入るなら悪女でも天然でもいいかな」

「プレシアはどういう教育したんだ……まったく」

 

ションボリした顔が呆れた顔になっている。少しばかり顔が赤くなってるのは照れてるのだろう。

ユウがこういうのに弱い事は知っている。

ユウ自身も弱い事を知ってるから、こういう言葉を信じさせるまでに本当に時間が掛かった。

 

ユウは極端だ。

甘い言葉が弱いと知れば、自身に向けられる甘い言葉を全て否定してしまう。

そのくせ、自分が大切と思った存在にはとことん甘い。

 

自分を犠牲にして全く知らない場所に転位したり。

拐われた私を助けにきたり。

睡眠時間を削り、全てに気付かれずはやての為に動いたり。

………………。

 

「ねぇユウ」

「ん?」

「もし私が不治の病に犯されたら」

 

途端に私が着ていたYシャツが蠢く。

ピッタリと体に張り付き、まるで脈動する様に…って。

 

「ユウ!なんなの!?」

「……なんだ、健康体じゃないか」

「いや、そうだけどさ!シャツが!?もしかしてアンヘルなの!?アンヘルで作ったの!?」

「…………さて味噌汁でも作るか」

「聞いてよ!ねぇ!」

「害意はないよ。あくまでも触覚と味覚だけ俺とリンクしてるだけだ」

「そっか、なら……良くない!良いところなんてなかった!」

「せっかく靴下まで履かせてやったのになんて言われようだ」

「靴下!?これまで!?」

「そっちは味覚だけをだな…、おーけー、涙目も麗しき我が姫よ。怒りを収めるついでにランサーも納めてくれ」

 

両手を上げて降参したようにヘラリと笑う。しかしながら、彼は今の時点でも私の…えっと。

 

「着替えてくる!」

「そろそろ飯できるから早くなー」

「まるで実行犯とは思えない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

「で、俺は今日の予定を詳しく聞いてない訳だが?」

「あれ?昨日言わなかったっけ?」

「昨日お前の口から聞いた言葉は、おはよう、いってきます、ただいま、お弁当美味しかったよ、内容は言えないような職場の愚痴、愛してる、あとはアァとかイィとかイクとか単なる音ぐらいだな」

「……………」

 

さっきの仕返しだ。

‐あぁ真っ赤になってるフェイトさんペロペロ

‐靴下は言わなくてよかったんじゃね?

カット。言ってなかったショーツも替えられたんだから、関係ないさ。

 

「今日はルーテシアの所で訓練なんだ」

「……あぁそんな時期なのか」

「そんな時期なんです。エリオもキャロも向こうで合流するらしいから、私達はなのは達と一緒に移動かな」

「なるほど……私達?」

「私と君」

「You and me?」

「YES」

「タマネギ先生……はいいか」

「情熱的な愛でもいかが?」

「既に貰ってるさ」

「もっと、ほしくない?」

 

その言葉が至極色っぽい。艶っぽい。いっそ何もかも捨てて彼女に堕ちたくなる程に。

‐エロエロだなぁ

‐発情期なんじゃね?

‐小悪魔…というか、蛇みたいだ

 

「……お前さんは途端に俺を堕落させようとするね」

「……いけない?」

「フェイトが誘ったなら、赤い果実を食べるよ」

「?林檎なら向こうで食べれるよ?」

「……天然め」

「え?」

 

さてさて落ち着いたことだしサクサク移動しよう。

‐どうせ彼女に堕ちきってるから堕ちれないさ

‐依存してるなぁ

‐自覚してても離れなれないからもう遅いさ

‐溺れている

カット。

フェイトで溺死出来るのなら、それはそれで幸せさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぅ、過信王。今日は休みか」

「よう、化け物。毎日休みのお前が羨ましい」

「フリーランスも辛いぞ?」

「古狸どもと腹の探り合いとか、ストレスがマッハ」

「腹を探り合うとか、なかなか高度なプレイだことで」

「チゲェよ。馬鹿」

「煩いよ。クズ」

「俺じゃない。俺は悪くない!先生が、先生がヤれって!」

「こんなのが俺と同じ存在だなんて!クズが!」

 

二人で車のキーをチャリチャリと遊びながら空港へ向かう。

 

「……アンヘルの調子は?」

「上々。なんなら殺してやろうか?」

「勘弁しろ。俺はまだ死ねないんだ」

「お前がその内不老不死を願いそうで怖い」

「子供の頃なら願ってたかもなぁ……今は流石に」

「俺は世界を照らす英雄なんだぜワライ」

「ちょっと死んでくるわ」

「落ち着け、楽しい会話を楽しもうぜ」

 

「離せ!」

「もうやめて!スメラギのライフはもうゼロよ!」

「相棒ォォォオオオ!」

 

やっぱり早い内に性格直してよかった。

‐あの性格のままここまで来てたら凄いけどな

‐こいつも凄いが周りも凄い

‐これでも管理局の英雄なんだぜ…!

 

「そういえばフェイトから参加者を聴いてないんだけど」

「去年来てた……ってお前も去年は居なかったらしいな」

「むしろ手前様と組織潰しの真っ最中でしたが?」

「悪かった。許せよ」

「悪いとわかるなら、しっかり料金払え」

「フェイトが休みになってただろ?」

「あれか」

「まぁ有休の消化も兼ねて休ませた」

「……あれ?どう考えても管理局は損してないよな?結局フェイトは家で事務仕事してたし」

「自宅での仕事は知らん。が、仕事中毒が多いなぁ」

「自分も含めろよ」

「……いや、まぁ参加者の話だか。俺となのは、ヴィヴィオにその友達……は、合流してから紹介するのが三人。スバルとティア、ノーヴェ。あとはお前とフェイト、エリオ、キャロだな」

「ん、はやて家は来ないのか」

「一応休暇は取ってたが…今回は此方にこないらしい」

「ふむ……」

「あんまりフェイト以外を見てやるなよ。刺されるぞ?」

「刺されたお前に言われたくないよ」

「なんで刺されたって知ってるんだ?」

「マジで刺されたのかよ」

「いや、あれはなのはがだな」

『二人とも遅いよー』

「俺が全て悪かったんだ」

「高町、直ぐに行くわ」

『ハーイ。待ってるよ』

 

空中に現れたディスプレイが消える。

‐空間解析開始

‐サーチャー及び盗聴なし

‐残留魔力なし

‐結論

 

「あー、なんだ。お前も苦労してるんだな」

「なのは可愛いよなのは、なのは可愛いよなのは、なのは可愛いよなのは、ナノハカワイイヨナノハ。チョーアイシテル」

 

別の意味で重症だな。

‐さっさと合流しよう

‐コイツが壊れた様はもう見飽きてるんだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

碧銀と呼べる髪の少女が結構な速さで突撃してきた。ついでに右拳もこちらに迫ってる。

‐解析魔法は起動してるんだ

‐敵対勢力?

‐まぁチビッ子連中の仲間だろう

右拳を内に流し、足を掛ける。

そのまま右腕を掴み捻る。

バランスを崩して倒れ込もうとしているので、右腕を背中に回してキメれば完成。

 

「あー、少女?唐突に攻撃したということは敵対してると思っても?排除して構わんのだな?とりあえずこの右腕は要らんのだろう?」

「クッ…!離せ化け物め!」

「オイオイ、穏やかじゃないねぇ。初対面の人間に化け物扱いされたのは初めてだ」

「夕さん!止めてよ!」

「ようヴィヴィオ。おっきくなったな。オジサンとしてはもう少し成長した方が」

「………ユウ?」

「オーケー、睨むな。放すし口も閉じてるよ。これでいいだろ」

 

パッと手を離せば、碧銀から距離を取られた。まぁ仕方ないよな。

‐幼女には嫌われるなぁ

‐幼女と言うか、なんというか

 

「アインハルトも、初対面の人に化け物はダメだよ」

「……初対面と言うわけでは、ないです」

「ユウ!この娘に何をしたの!?」

「お前は夫を信じると言うことをしないのか?酷く傷つくんだが?」

「いえ、この方とは初対面なんですが……」

 

碧銀は俺の左手を見る。

‐擬態魔法は掛けてるんだがねぇ

‐感覚で分かるのか?

‐出身が同じとか?

‐実は幼女は不老不死でした的な?

 

「……貴方は辛くありませんか?」

「……」

「私はソレをよく知ってます。ソレに憑かれた人間の事も」

「ツラいと思った事は沢山あるよ」

「なら」

「でもね、少女。俺はコレと共に在ることを望んだんだ」

「…………なぜ、と聴くのは野暮なのでしょうね」

 

少女はようやく落ち着く。

‐いやはや、怖い怖い

‐アンヘルに何かされたのかな

‐それも昔々に

 

「申し遅れました、アインハルト・ストラトスです」

「ご丁寧にどうも、ユウ・M・テスタロッサです……」

「御影君が珍しく普通だ」

「おい、高町。俺が普通でなかった事があったか?」

「うん。闇の書の時も普段も」

「それはきっと普通が間違ってるね」

 

きっとそうに違いない。

‐俺にしては普通だったのだから普通だ

‐普通だ

‐普通が異常ならそれは知らないさ

カット。

 

「で、そっちは…あれか、噂のコロナちゃんとリオちゃんか」

「知ってるのか?」

「ヴィヴィオからの写真を見せたがる母親が居るからな」

 

チラリとフェイトを見ると、ドヤァと既に主張してる胸をさらに主張する。

‐段々と母親に似てきたなぁ

‐まぁ可愛いからいいんだけどさ

カット。

 

「俺の事は気軽にユウさんでもミカゲさんでもユウリンでも適当に呼んでくれ」

「わかりました!ユウリン!」

「ごめん、ユウリンは無しの方向で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エリキャロ久しぶり」

「あ、ユウさん!お久しぶりです!」

「お久しぶりです!」

「エリオは身長伸びたなぁ…縮めばいいのに」

「ユウさん!?」

「キャロは可愛くなったなぁ。うんうんオジサン嬉しいんだけど君たちの母親が僕を殺すように睨んでるんだ、ヘルプ」

「ユウさんは一度フェイトさんに殺されればいいと思います」

「なんか願われたから、殺していいよ?フェイト」

「軽いよ!ユウは軽すぎるよ!?」

「ユウさんごめんなさい!冗談ですから!」

 

あれか、フェイトに罪を被せる訳にはいかないもんな。うん。

 

「ちょっと向こうの林で逝ってきます」

「林に行くことはいいけど林で逝っちゃダメだよ!」

「じゃあどこで死ねばいいのさ」

「死なないでよ」

「いや、うん。それはそれで難しいかな…不老不死薬でも作ろうか」

「そういう意味じゃないです!」

 

じゃあどういう意味なんだか。

‐アンデッドにでもなれってか?

‐フェイト死姦フェチだったの?

 

「ユウさん」

「どうしたエリオ。俺は自殺方法を考えるので手一杯なんだが」

「ユウさんが死んだらフェイトさんが泣きます」

「…………マジで?」

「マジです」

 

フェイトを見たら首が千切れんばかりに頷いてる。

 

「じゃあ死ぬのはやめる」

「軽いな、おい」

「フェイトの涙程度重ければ、十分価値ある命さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1日目の訓練なんてなかった。俺はずっと家事してました。

なんか女風呂で色々あったらしいけど、突撃しようとしたらエリオに止められた。

 

「で、二日目の昼なんだがね」

「じゃあヨロシクね!」

「過信王の妻が至極可愛い」

「頼んだよ!」

「化け物の妻が至極綺麗だ」

「「うむ、流石だ」」

「さて、じゃあ仕事でもしようか」

「俺達は戦闘訓練未参加だからなぁ」

「参加したらコロシアイに発展しそうだ」

「本気でしたら星ごとだもんなぁ」

「オジサン、そんな体力もうないよ」

「俺もさ」

 

では仕事を始めよう。

‐広域解析展開

‐情報リンク

‐リンク対象スメラギ・ライト

 

「どうだ?」

「大丈夫だ。破損部も解る……俺仕事しなくてよくね?」

「何を言うか、お前だけ休暇など許して堪るか。働け英雄」

「厳しい化け物だ」

「……あれだいっそ更地にしてしまえば」

「成る程、俺が剣射で砕いて」

「俺が食べればあら綺麗」

『ユーウー?/ライトクーン?』

「やっべ、女神が見えた」

「奇遇だな。突然女神が現れて仕事が捗るわー」

「ハハハースメラギ君。仕事で汗を流すのはキモチイイネー」

「ホントダワー、キモチヨスギルワー」

 

どうやらお互いに自分の女神にはとことん弱いらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

『アハハハハー』

『タノシーナー』

 

画面の先で目を虚ろにして働く二人。

本当にタノシソウダナー。

 

「お二人とも仲がいいんですね」

「え?ライト君と御影君が?」

「……いいの、かな?」

 

正直わからない。

色々と在りすぎて、ユウがあそこまでライトを認めてる事にあんまり違和感がなかった。

 

「あ、僕も気になります」

「六課にミカゲさんが遊びに来たときはもう仲良さげに話してましたよ?」

「うーん、昔は仲が悪い所の話じゃなかったしねぇ」

「え?今はあんなに仲がいいのに、ですか?」

「うん。ユウはライトが嫌いだったから」

「無視は当たり前だったし」

 

画面をチラリと確認すれば

『アハハハハー』

『タノシーナー』

と変わらずに言っている二人。作業は捗っている。

 

「六課の前だったら」

「やっぱりアレかなぁ」

「アレ……の後は私達がライトを近付けさせてないんだけど」

「じゃあ、御影君が復活してからだね」

「そうだろうね。もしくはアレの途中とか?」

「えー……ないでしょ」

「ないよねぇ」

 

なのはと二人でアレを思い出して溜め息。

あの時は全てが早計で若かった。

 

「スゴく気になるんですけど!」

「うーん、子供には見せれない映像だなぁ」

「トラウマ確実…というかユウを真っ直ぐ見れなくなるから止めといた方がいいよ」

「俺がなんだって?」

「ユウがライトと殺しんんー」

「餓鬼達の前で何を口走ってるんだ」

 

口を塞がれた。

 

「お疲れ二人とも」

「え?画面には二人ともまだ働いてますよ?」

「あ、忘れてた」

 

ユウがそう言うと画面に少しノイズが走り、画面には綺麗に修繕された建物が映った。

 

「あの!ユウさん」

「どうした、リオちゃん」

「昔はライトさんの事が嫌いだったんですよね?」

「うん。今も好き嫌いで言うなら嫌いだね」

「お前、本人を目の前にズバズバ言い過ぎだろ」

「………俺、ライトの事が好きなんだ」

「ノーサンキュウ。性別変えて出直しても同じ答えさ」

「ンー!ンー!」

「あ、悪い」

「ぷはぁ……ユウは私のだから渡さないよ!」

「……」

「やったねミカゲ!家族が」

「おいやめろ。あとフェイトの天然発言もな」

 

え?私は普通だよ。

天然なんかじゃないよ!

 

「まぁフェイトの天然は置いといてだ。あんまり俺と英雄殿の馴れ初めは聴かない方がいいぞ?」

「どうしてですか?」

「どうしてって……なぁ」

「言ってもいいんじゃないか?聞きたいらしいし」

「しかしだな英雄…」

「英雄と化け物が戦って、当たり前のように英雄が勝ってしまった話さ」

「おーけー。英雄は一度しか死なないんだ。幾度と死んだお前が凡人である理由を噛み砕いて教えてやるから」

「生きるべきか、死ぬべきか。お前にも教えてやるよ」

「はいはーい、二人ともやる気はないのに喧嘩を売るのは止めようねー」

「フッ命拾いしたな化け物。我が女神が居なければお前など塵も残ってないのだからな」

「ハッ、吠えてろ過信王。テメェの女神が可愛くなければ地面の栄養となってる事を理解しておけ」

 

 

「ユウ…?」

 

自分でもびっくりするぐらい低い声がでた。ユウはまるで錆び付いたロボットみたいに首を動かす。

 

「しかしながら、我が女神は美しい。美しすぎて全てが眩むね。月も太陽がなければ輝かないのだから、いやはや。して、どうかしたのかい、我が太陽よ」

「もう!調子がいいんだから!」

 

あからさまに安心したように溜め息を吐くユウの背中をつつき、照れてしまう。

何か、忘れている様な気もするがたぶん些細な事だ。

 

「フェイトさん……」

「おっと、そんな目で見てやるなチビッ子ども」

「お前……なんか酷いなぁ」

「レアスキルが鬼畜なお前にだけは言われたかねぇよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

「して、過信王よ……」

「なんだ、化け物……」

「なぜ我らが戦線に立っているんだ?是非とも説明していただきたいね」

 子供達が俺達に戦い挑む

 のらりくらり回避してた

 女神に頼まれて今に至る

以上」

「三行サンキュウ。泣きたくなる程に完璧だ」

 

‐泣くなよ俺

‐あと負けたりしたら子供にアレの説明あるから注意な

‐トラウマを知りたがるなぁ

‐解析魔法展開

‐相手は……

 

「おいおい、エリキャロはまだ解るが、英雄の嫁と数の子とティアとスバルが入ってるのは何でだよ」

「ハンデ」

「あー……アレだろ?えっと…ドーナツなモチモチな鬣の獅子だろ?」

「それはポンデだ」

「じゃああれだ、キーパー以外が手を使う」

「ハンド」

「狩り」

「ハント。諦めろ」

「………そうだ、お前が今から剣射したら」

「それも禁止な。今回はレアスキルなし……というか殺す気か?」

「残念、違うナリ」

「それもまた違う。そしてどちらかと言えばお前は眼鏡なんだから相方の方だ」

 

もうやだこの英雄。

‐こうしたのはある意味自分だ

‐あの性格だけはどうにかしたかったんだ

カット。

 

「まぁルーテシアとかガリュ-とかいないからマシなのか?」

「どうにでもなるさ」

「はぁ……なら、英雄殿。口上は任せた」

「え?」

「きゃーっ!ライトさまかっこいいー!」

「フッ、ならばしてやろう!」

 

‐相変わらずノリがいいなぁこいつ

‐扱いやすいというか……

カット。

 

 

 

「敵は管理局の白い悪m」

 

‐魔力充填確認

‐魔力吸収結界を展開

‐スメラギには……いいか

途端に目の前にいた英雄が桜色の奔流に巻き込まれた。

 

「ライトォォォォォオオオオ!」

『さぁ戦いは始まってるのよ……遊んであげるわヒモ男』

「長距離砲撃するなら欠片集めでもしてろよ魔女め」

 

‐ベルカステル卿はお帰りください

‐さてさて英雄はっと

 

「おい、どうせ生きてるんだろ。さっさと起きろ」

「なんだか夢を見ていたみたいだ……そう、桜がずっと咲く島の夢なんだが」

「桜色がお前を飲み込んだ以外は夢だ。さらに夢の内容は敢えて聞かんが、小鳥は俺の嫁、だ」

 

‐観客乱入

‐相変わらずスピードが素晴らしい

金色の魔力圧縮刃を左手で掴み、弾く。

 

「ユウ…浮気?」

「浮気出来る程器用じゃないさ」

「コイツこの前仕事中にとある管理世界の女の子に声掛けてた」

「ハハハー、あれは向こうが誘ってだな」

「ユウ……」

「何で言ったかなぁ…」

「俺だけ妻と戦うとか勘弁」

 

俺も戦いたくはないよ。

‐あれだなのはにコイツの女性遍歴語ろうぜ

‐ニコポナデポで色々してるもんな!

 

『あー、ちょっといいかしら?』

「どうしたルーテシア。家族問題になりそうで結構胃がキリキリしてるんだが」

『そういうのは知らないけど。まだ開始もしてないのよ?』

「あ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイトをようやく説得し、向こうのチームに行かせてから溜め息を吐く。

 

「過去を語るかの戦いがまさか女性関係の追及になるとは思わなんだ」

「ざまぁ」

「因みに負けたらお前のも色々バラすから」

「……え?」

「まずは受付の」

「勝てばいいんだ!」

「わかってくれたかね」

「あぁもちろん!」

 

画面から覗くルーテシアが可哀想なモノを見るように、ようやく口を開く。

 

『えーっと…そっちは作戦とかたてなくても?』

「立てても意味ないさ」

「英雄と化け物なんだからな」

「なぁ英雄」

「おう化け物」

「相反する存在が作戦を立てて成功するなら、あの対立した家の二人はきっと上手く駆け落ちも出来たさ」

『………あー、まぁいいわ』

「向こうの準備は出来てるんだろ?」

「なら始めようぜ!」

『……それじゃあ、試合開始で』

 

 

ルーテシアの溜め息混じりな合図とガリューによる銅鑼の合図が鳴り響いた。

 

 

「さてさて、一応訓練らしいな…。オニーサンのいいところを見せてやろうかね」

「陸戦は任せたぞ!」

「おい、向こうは陸戦の方が多いじゃねぇか」

「何?飛べるのか?」

「飛来する触手はトラウマになるから飛ばないだけさ」

 

チクショウ!英雄のバーカ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先見部隊はやっぱり数の子と野球しようぜ!か…」

「数の子っていうな!私にはノーヴェって」

「あと私も野球しようぜ!って言いませんからね!」

「おいおい、ナカジマなら是非とも言うべきだろ」

 

‐つまり、ランスターは実は偽名か!

‐おい磯野、野球しろよ

‐なんか違う

 

「だーっ!避けるな!」

「無茶言うなよ。抉り殺す気か?」

「フェイトさんから抉る許可は得ましたよ?」

 

……え?つまり

‐君なら抉られても生きてるんだろ?話はそこからしようね?

‐妻がS過ぎて涙が出た

‐嬉し涙乙

‐しかしながらいい乳だ

‐うむ

‐アレだろ?おっと手が滑って胸に攻撃がーみたいな

‐許可する。やりたまへ

 

「ふむ、避けてばかりも飽きたし……少し経験でも積ませてやろう」

 

左手から手袋を作り、両手に着ける。

‐簡易防御兼セクハラ道具ですが、なにか?

‐分離機構も出来るんだぜ?

‐つまりだ、諸君

 

移動術で直線上にいたスバルの前に踏み込む。構えていた左腕を右手で払いのけて、左手で掌打する。

 

‐グッジョブ!

‐いやぁわざとじゃないんだよー

‐お腹だから仕方ないよねー

 

「クソッ!」

「甘い!」

 

ノーヴェの蹴りを回避して宙にいる彼女の足を左手で掴み投げる。

‐うむ

‐スベッスベッだね!

‐いやぁオジサン嬉しいなぁ

 

「ふむ……まぁ俺みたいな奴との戦闘も慣れた方がいいのかな」

「え?」

「つまりスピード重視相手ってこと?」

「それならフェイトの方が速いさ。俺が言いたいのはさ……後を考えない快楽殺人者って意味」

「…………」

「死んでもいいと思ってて、火事場泥棒ならぬ、火事場殺人?証拠も残らないし、自分は死ぬかもしれないってスリルを味わえる」

「……そんな人間いるんですか?」

「いないかもな」

「なんだよ…」

「いるかもしれない……悪魔の証明は出来ないのと一緒さ。

まぁあれだ。そんな人物を救済現場で見つけたらどうするよ、って仮定さ」

「ユウさんは違うでしょ?」

「死んでもいい。って部分は一緒さ……かっこよく言えば刹那主義とでも呼ぼうか。まぁこれでも直ってる方なんだけどな」

「………」

「さてさて、お前らだけに時間は割けないんだ。先に行かせてもらうぞ管理局ども。

 

相対するは快楽殺人機…狙うのは常に急所だから、気をつけな」

 

苦笑から嗤いへ。そして、俺は地を蹴った。

 

 

‐誰も胸を狙う為の口上だとは思うまい

‐適当に楽しんだらバインドでもしよう

 

カット。バラすなよ。

 

 

 

 

「ふむ、まぁこの程度だな」

「チクショー!なんだよこのバインド!」

「俺が作った物理込みの魔力バインドだ。下手に引きちぎるなよ、そこから再生して俺も解くのが面倒だ」

 

赤黒い物理バインドに捕らわれた二人に別れを告げて俺は次の町へ。

‐ビッピ○チュウ!

‐ラ○チュウに進化させてボックスだな

‐気がつけば炎タイプで溢れてるパーティ

‐燃えるぜ!バーニンッグッ!

 

『エリオはバインドで拘束したぞ』

「……場所を確認した。バインドの上掛けしとくわ」

『了か、うわっ!俺まで巻き込むな!』

「スマン。わざとだ他意はない」

『他意はないのか…つまり、悪意しかねぇじゃねぇか!』

「……さて、じゃあ俺は妻と戦えないからヨロシクな」

『無視するなよ……仕方ない。俺がフェイトのバリアジャケットを破いてやるぜ!』

「ちょっと待ってろ俺も参加する」

 

‐むぅ、やっぱり飛ぶべきなのか

‐飛ぶ感覚は解らんからなぁ

‐触手が飛行するとか

‐アレだろ?爆撃のように触手を落としてだな

 

「む…」

 

横から飛び出してきた石の巨人を避けて、足に掌打。

魔力を通して、波長を大きくする。

 

「よっこらせ」

「えぇぇぇ…」

 

声と同時に魔力を増やしてやれば、大きくなりすぎた魔力で石の巨人が崩れる。

 

「創造魔法か。中々に可能性があるのを習得しているなコロナちゃん」

「えへへ…でも防がれました」

「一応、今日の戦いは見てたからな。事前情報ありきの行動さ、っと」

「完全に死角だったのに!?」

 

真後ろからの突撃だなんて、いやはや怖い。

‐英雄のところにフェイト接近

‐急がねば!

‐フェイトのオッパイは俺が守る!

 

「創造魔法と操作魔法は自分を考えなければ、非常に強くなるよ」

「え?どういう事ですか?」

「それは自分で考えなさい。思考すればそれだけその時に役に立つさ」

「私にも何かアドバイスを!」

「ごめんね!純粋なインファイター相手のアドバイスはしない事にしてるんだ」

「えー…」

「だってさ、戦った方が色々と教われるだろ?」

「…ならお手合わせお願いします!」

 

‐元気がいいこって

‐オジサンにはついていけないよ

‐フェイトのオッパイが!フェイトのオッパイが!

 

 

 

 

 

 

 

カット。

幼女との試合とかなかった。

‐だって触手で剣を編んでシグシグを真似ただけだもの

‐いやはや、やっぱりシグナムは強いなぁ

‐オッパイでかいしな!

‐そうだオッパイと言えばフェイトなんだけど

カット。フェイトはオッパイだけじゃない。オッパイも魅力的なんだ。

 

「……あー、ベルカ二人組か」

「よろしくお願いします…!」

「夕さん、ご指導よろしくお願いします!」

「ご丁寧にどうも」

 

わざわざ成長なんかしちゃて…。

‐うむ、実にいい

‐こういう年頃の女の子は素晴らしいね

‐やっぱりアンヘルを展開してもいいんじゃないか?

‐いや、よく考えろ俺

‐やだ、よく考えない俺

 

「うむ、実に素晴らしい!」

「え?」

「いや、こっちの話だ……さて、俺は嫁を迎えに行かなきゃならんのだ。通してもらうぞ?」

「通しません…!」

「行きます!」

 

 

「と、油断させるのが俺っていうね」

「バインド!?」

「あー、もう!」

「こういった攻撃にも慣れた方がいい。世界には搦め手ばかりの人間もいるんだから……ちなみに普通ならあと二十秒ぐらいで収束砲撃が飛んでくるから、十秒ぐらいで抜けろよー」

「あー!まってよ!」

 

 

ハーッハッハッ、捕まえてご覧なサーい!

 

‐背後から狙撃

‐回避不可

‐アンヘルにて防御可

‐右手にて防御可

 

右手を魔法弾に当てて弾く。

 

「英雄、狙撃手を確認。向こうへ」

『了解。キャロ撃破。嫁二人から逃走しながら行くぜ』

「フォローに回る」

 

溜めていた収束砲撃を成長した二人に撃つ。

‐警戒!

‐アインハルトに反応!

‐あ、ヤバい

 

横に距離を取り、自分の放った収束砲撃を避ける。

 

「うへぇ、並みの収束砲撃じゃ無理かぁ」

「覇王流は、負けません」

「うーん……バインドも砕かれちゃったし、逃げたいんだけどなぁ」

「真面目に戦ってよ!」

「あー、仕方ないなぁ。一応フェイト戦とかも見せてから終わらそうとしたけど」

 

‐スフィア展開

‐スフィア展開

‐スフィア展開

‐スフィア展開

‐スフィア展開

 

「生半可な魔力弾が跳ね返されるなら、数で対処致しましょうか」

「………うわぁ」

「降参も一つの手だよ、覇王さん」

「それでも、負けるわけにはいきません」

「……死ななければ、目的は達成できるよ」

「死なない為に、勝つんです」

「……危険思考だ。一度、完敗を味わって、またいつか挑戦したまえ」

 

さて、徹底して潰そうか。

‐魔力弾展開

‐魔力弾展開

‐全ての魔力式をバインド弾へと変換

‐放て

 

放て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい合流」

「よう、遅かったな」

「歩いてくればこんなモノだろ?」

 

どうやら磯野も潰しているらしい。

‐大人の対戦ならもういいんじゃね?

‐ほら女性関係追及されるぐらいだろ?

‐というか願いで逆補正掛かってるんだから、戦うのが至極ツラい

‐しかも勝っても損がないだけって

 

「あれか、得する為に条件を追加すればいいのか」

「え?」

「最近、新薬を作ったところなんだよ。勿論人体に害はないし副作用もない……飲んだ人間に猫耳猫尻尾を付ける薬と犬耳犬尻尾(垂れ耳フサフサ尻尾)を付ける薬だ。

 

これを二人に飲んでもらう」

「聴いてないよ!?」

「何を当たり前の事を言ってるんだ高町。今言ったんだからそうに決まってるだろ」

「なのは、勝てばいいのだよ」

「……大丈夫だよなのは!」

「フェイトちゃん…!」

 

 

「犬耳でも猫耳でもなのはは可愛いよ!」

「…………」

「え?なんで落ち込んでるの!?」

「えっと、高町…なんかごめん」

「大丈夫、御影君の所為じゃないって知ってるんだけど…知ってるんだけど!」

 

高町なのははご立腹なようです。

‐猫耳だ!

‐犬耳だろ!

‐おいおい、態々犬耳が垂れてるのは何故だと思う?少し考えればわかるだろう?

‐猫こそ至高だろ

‐猫なんざ常に発情期じゃねぇか

‐発情期フェイトか

‐ウッ………ふぅ、落ち着きたまへ諸君

‐まぁ勝ってから考えよう

‐犬耳一択

‐猫耳一択

 

「えっと、ギャラリーも待ってるし始めてもいいか?」

「大丈夫だろ」

「……」

「なのは、頑張ろうよ」

「フェイトちゃん…その発言がさっききたら良かったのに」

「え?え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

「始まりますね!」

「はい…」

 

古代ベルカの化け物、アンヘル。

私はアレをよく知っている。何が在ったのか、何故在るのか。

 

「お、ヴィヴィオ達もユウにやられたか」

「アレは相変わらず酷いですよ…」

「かなり加減して撃ってるけどね」

「え?」

 

自分を覆う半球でも加減?

 

「どういう事ですか?」

「えっと、確認出来たのはスバルとノーヴェを縛った物理バインドの継続、リアルタイム更新する広域解析魔法、遠距離からエリオを縛ったチェーンバインドに、二人との戦闘……」

「??」

「相変わらず化け物染みてるなぁ」

「というか、あの人自分で自他共に認める化け物って公言してなかった?」

 

スバルさんとティアナさんが呆れたように溜め息を吐く。

 

「えっと…」

「さっき言ったこと一人でやってるのよ」

「……………は?」

「まぁ詳しい事は本人から聞けばいいわ。たぶん普通に普通の事をしたように教えてくれるから。今は観戦しましょ」

 

 

『さて、と。では犬耳か猫耳か先にどちらかを落とした方が先に決める方向で』

『了解。なのはに猫耳を付けるのは……俺だ!』

『嬉しいのか嬉しくないか分からないよ!?』

 

 

こんな人が?

 

 

 

朱色のスフィアが展開される。

単発だったので当たり前のようにフェイトさんに回避される。

回避したそこに更に魔力弾が展開されていて、それを避けた先に魔力弾が置いてあり、

 

『ハーッハッハッ!犬耳とは中々乙じゃわい!』

『欲望が駄々漏れだよ!?』

 

フェイトさんが高速で接近すれば、魔力刃を掴み、バインドが展開される。

 

『チェック!』

『甘いよ!ユウ!』

『甘いのはどっちだろうな!』

 

バインドが破られ、ミカゲさんが魔力刃に斬られる。斬られたのだが。

 

『すでに勝ちは決まってたのだよ!フェイト!』

『幻影!?二重バインド!?』

 

そして展開されたスフィア。

全てがフェイトさんを包むように球体を描いている。

 

「あ、」

「え?」

 

途端に聞こえたスバルさんの漏れた声。別の画面になるソレを見れば

 

『な、くそ!バインドか!』

『ちょうど御影君と一直線だからね……スターライト………』

『御影、悪い……誘われたんだ』

『気にするなよ……全身で止めれば俺まで届かん』

『え゛?』

『ブレイカァァァァアアアアア!!』

 

画面が桜色に染まった……。

なんというか……

 

「うわぁ」

「これは酷い」

「相変わらずライトさんは最後が甘いというか」

「まぁそこがいいんでしょ」

「なのはさんに怒られるわよ?」

 

『フェイトだけでも!』

『ユウ!助けて!』

『チクショウ!俺の馬鹿!ニ゛ャァァァァァア゛ァア゛ァァァ』

 

 

今しがたミカゲさんも桜色に巻き込まれた。というか、突っ込んでいった。

 

「ユウさんはフェイトさんに甘いから」

「甘いというか、完全に騎士というか…」

 

乾いた笑いが空間を占領した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

「負けた……猫耳が…」

「犬耳ェ……」

「そんなに好きなら、飲もうか?」

「フェイトさんマジ天使!」

「フェイトちゃん、御影君が飲めば自分が犬耳でフサフサで最高だと思うよ」

「オットテガスベッター」

「うぉ、んぐ……あ」

 

ユウが自分の魔力色に発光して、光が止んでいたのは、犬耳を生やしたユウちゃんだった。

 

「…………あれ?フェイトがまた高くなってる…声が高い……………

 

 

 

 

 

あれだ!身長がまた伸びるよ!やったねユウ君!ってうぉい!ちっさくなんてるんですけど!?身長は!?」

「ささ、ライト君も」

「飲まねぇよ?」

「えー…じゃあ女性関係を」

「イッキ飲みさせていただきまーす!」

 

あーもう、ユウ可愛いよユウ。

ヴィヴィオと同じ身長ぐらいだし…私達があった頃かな?

垂れた黒い犬耳にボサボサ頭。お尻にはフサフサの尻尾がついている訳で。

 

「ユウ。是非、この薬を定期的に飲まない?週三ぐらいの割合で」

「随分気に入ったな、オイ。ヤダよ」

「えー……じゃあ女性関係を」

「俺はフェイト以外愛したつもりはない」

 

うん。子供でもユウはユウだった。

とりあえず抱き締めよう。

意外に軽いなぁ。膝に置いて抱き締めてるとこう安心する。

 

なのはを見れば顔が弛みきってるなのはと猫耳が生えた昔のライトがなのはの膝の上にいた。

 

「なぁ御影」

「なんだスメラギ」

「猫耳生やすだけじゃなかったのか?」

「男女で効果が違うのは確認してなかった。たぶん男性の魔力質に反応して、薬が対応しやすい姿まで戻したり、進めたりするんだろ。

 

 

 

 

 

 

禁則事項だが…二十歳過ぎの男二人に猫耳犬耳つけるならショタに付けてフェイトたんに甘えられたい、と電波がだな」

「メメタァ!」

 

何か言ってるようだけど、ユウ可愛いよユウ。

クンカクンカしてもほんのり甘い汗の匂いしかしないよ。尻尾がパタパタ動いてるのもいいね。ヤバい、これはヤバい。

ふへへへ…。

 

「ユウ。週一でもいいから」

「ダメだって言ったよな?言った筈だよな?」

 

 

「で、二人の馴れ初めは聞いていいんですか?」

「あー、まぁ約束だしな」

「ちょっとした…とは言えないんだけど、二人でかなり激しい試合をしたんだ」

 

犬耳ユウと猫耳ライトが試合……。

あぁダメだ内容は知ってる筈なのに萌える。

泣いたら私を頼っていいんだよ?お姉さんが優しく慰めてあげるよ?

ふへへぇ…

 

「なぁ、誰か俺をこの変態から解放してくれ。身体まさぐられてるんだけど?ねぇ!誰か助けてよ!」

「ダメだよユウ。ユウは私のモノなんだから、ね?」

「耳元で囁かないでくださいー、甘噛しないでくださいー、マジで誰か助けて!」

「フェイトさんが幸せそうで何よりです」

「なのはさんが幸せそうで何よりです」

「もうヤダこの空間!」

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ユウ……その、月一で我慢するから」

「カット!」




~コロナちゃん
石の巨人を創成できるよ!動かせるよ!幼女だよ!

~リオちゃん
炎熱と電撃の魔力変換ができるよ!特殊な武術が使えるよ!幼女だよ!少女にもなれるよ!

~ヴィヴィオ
聖王様だよ!カウンターうまいよ!なのはより身長高くなれるよ!可愛いよ!

~アインハルト
調べたら能登だったよ!可憐だよ!普通に強いよ!



以上鮮烈にて登場したキャラ。
以下いつもの

~奉仕する側
相手の希望を聴く前に実行するスペシャリスト。ちなみにSの方が多い


~バァァァァニィィィィ!
~ダメだ、ミンチになってやがる
トラウマ。あの子供は大人だと思う


~裸Yシャツ
ロマン


~ユウリンの身長
闇の書事件が祟って伸び悩んだ結果152.3cm。
~裏話
フェイトの身長が163cmだったので、抱き心地を考えるとだなぁ…


~ユウリンの容姿
神様から見たら平凡にて平均。まぁ神様は人間の男女は見ずに人間全ての平均をとった感じで。今は瓶底じゃなくて、普通の四角いレンズな眼鏡をしてる
~裏話
幼少期に可憐さをアピールしてないのはユウリン自身があんまりそういうのが好きではなかったのと、意識したくなかったから。現在の話進行で行けば、寝顔を知ってるフェイトとはやてが知ってる程度


~ロマンの服
味覚も付与したよ!やったね!足をペロペロできゲフンゲヒン


~You and me
~タマネギ先生
~情熱的な愛
一番上が歌詞、二番目が登場人物、三番目が曲名の日本語訳。間違ってたらごめん
~裏話
普通にYou and meって書いたら歌詞を思い出したのでタマネギ先生と情熱的な愛に繋がった。発情期フェイトに繋げたかった訳じゃない

~蛇
~堕落
~誘ったなら赤い果実も食べる
始まりの二人の神話
~裏話
ユウ「フェイトが誘ったなら神様も容易く裏切るよ」


~過信王
ライト君
~裏話
あの性格で鮮烈入りは無理だった


~煩いよ、クズ
~俺じゃない…
~こんなのが俺と…
オリジナルとレプリカの話。ちなみに作者はメロンの中の人が好きすぎてずっとそのキャラを使ってた
~裏話
この時点で二人はお互いが転生者であることは知ってます。理由?たぶんライト君を矯正する為に暴露したんじゃないかなぁ程度の認識で


~俺は世界を照らす英雄なんだぜ(笑)
スメラギ君の言葉。ライト君が死にたくなるのも無理はない


~刺されたライト君
ニコポが悪影響して普段会う受付の子や仕事仲間から好かれ過ぎている

~サーチャー及び盗聴なし
なのはさんがライト君の言葉を感知しました。愛され過ぎて泣いた


~アンヘル
我らが触手。出るか不明な設定乗せ。
古代ベルカにて突如現れた触手。聖王と覇王様によって封印されるもコッソリ転移した。綴りはベルカ…つまりどちらかといえばドイツ寄りなので【ANGEL】になる
~裏話
【ANGEL】自体は物語当初から決まってたけど、誰かの言葉から字体が解らないので出せなかった。なんかごめんなさい
色々と逸話とか考えてるけどソコまで書くか微妙。続けてごめん



~ユウ・M・テスタロッサ
プレシア様がフェイトを嫁にやるなら、お前が婿に来いと言った結果
やったね!ユウくん家族が増えたよ!


~管理局の白い悪m
この言葉は白い女神様によって規制されました



~遊んであげるわヒモ男
~ベルンカステル卿
中の人ネタ


~桜がずっと咲く島の話
~小鳥は俺の嫁
音楽記号で繰り返し



~数の子
ナンバーズ


~野球しようぜ!
~おい磯野、野球しろよ
ナカジマだもんね!



~次の町へ
~ピッピ○チュウ!
~ラ○チュウ
思いついたんだから仕方ない。あとラ○チュウの○に【リ】とか入れちゃ絶対ダメだからな。丸っきり違う生物になるから
~裏話
~炎タイプで溢れるパーティ
萌えるモンスターしてたらそうなった。キュウ○ンとかギャ○ップとか……私の性癖がバレる!



~魔力の波長増幅にて破壊
物体全てにある振動数を増幅させると物体は堪えきれずに壊れる…らしい。これの魔力バージョン



~カットされていく戦闘
私には描写が…
~裏話
おっぱいがなかった



~犬耳フェイトと猫耳なのは
書きたい。書きたいけど書けない
~裏話
この時点でショタにする気はなくて犬耳フェイトとイチャイチャする心算だった



~フェイトだけでも!
倒そうと思ったらフェイトに頼まれてブレイカーの盾になってたでござる
~裏話
この時点でもたぶんフェイトが犬耳を付けてくれると…



~オットテガスベッター
欲求に弱いフェイトさん。手が滑ったなら仕方ないね
~裏話
私の業界ではご褒美です


~なのは「えー…じゃあ女性関係を」
ライトのノリの良さに泣いた
~裏話
ユウくんだけご褒美を貰うのは卑怯だと思ったので


~変態フェイトさん
好きな人がショタでやや男の娘で垂れた犬耳とフサフサ尻尾が付いてたらこうなるよね!
~裏話
とあるサイトの二次創作で頭がトロピカルに突っ込んでるフェイトさんを見てからこういうフェイトさんを書きたかった。後悔してる訳がない


~多すぎたネタ
まとめるのがシンドイヨ!



~アトガキ
どうも、猫毛布です。
まず最初に良い訳ない言い訳を。

最初は本当に首輪付けられてフェイトさんの足をペロペロする小説だったんだけど、
あ、ダメだこれ。M過ぎてダメだ。というかソコまで発展すると書けないんだから、ヤーメーテー!

で矯正しました。仕方ないね!


以上。
あとは作者の声だから見なくても大丈夫だよ!



さてさて、誰も気付かないだろうなぁ程度の気持ちで更新しました。
休んでたのはこれを書いてたからです!嘘です、サボってました。

今回なんですが、完全にIFです。
まぁはやてエンドも考えてないんですけどね。

スメラギ君も矯正が終わってる訳だし、矯正したのがユウ君だったので話も合いますよねー。
過去話とスメラギ君回を読んで私が書きたい事を知ってる方にすればこのユウ君は納得出来ないんだろうなぁ、とか。

何度も言いますが今回は煩悩回でした。
フェイトさんに抱き枕にされたり、ショタ化して抱っこされてたり、耳元で囁かれたり。
共感出来る方がいらっしゃいましたら、是非その気持ちを大切にして下さい。そして心の底から思って下さい。

「性癖露見ワロタwwGJ!ww」


そういう変態嗜好、それが私です。キリッ…

結果的にフェイトさんにしてしまった訳なんですが、最初ははやてで書いてたんです。
アインハルトと出会い、
デバイス【ティオ】の製作に加わり、
ミウラを魔改造する

予定だったんですが。
どこから書けばいいのか解らなかったからフェイトさんにしました。決してフェイトさんに抱き枕にされたかった訳じゃありません。




あぁ、私のゴーストに関してなんですが。
我がベッドになのはさんの抱き枕があるわけです。そのなのはさんの頭の位置が逆で私の目の前に素足が見えた訳です。




「フェイトさんの足ペロペロしたいお」

私のゴーストが囁きました。



そんな感じで、一万四千字程度お疲れ様です!
私は楽しかったので、あとは読者様が楽しんでいただければ幸いです。


したらば。

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