メインシステム、戦闘モード起動   作:留式

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話の流れぶった切るけど、アリーナ攻略です。上手い手が思いつきませんでした


チャプター4
アリーナ Aランク帯


 アイスワームの撃破から7日後、オールマインドからアリーナAランク帯開放の知らせを受けた621は早速突破に挑戦していた。

 

 最初のACはディープダウン。コールサイン、G2 ナイル。レッドガンズの副長である。

 

 ナイルはレッドガンズの前身、ベイラム治安維持部隊のトップとして活動。突出した検挙率を誇る辣腕の軍警だったようだ。

 当時の彼が唯一手錠を掛けられなかった相手が、あのミシガンだという。なんでも、ファーロン社の武装船団を率いていたらしい。

 万策尽きたナイルは一杯の酒で話を付けたと言われている。

 

 機体の方は重量二脚機である。「メランダー」と「天槍」の組み合わせだが、太い腕部が目立つ。「天槍」派生パーツの「天牢」だった。大豊のコンセプト「樹大枝細」をさらに突き詰めたデザインがなされている。

 

 武装はハンドミサイル、火力型リニアライフル、高誘導ミサイル、12連装垂直ミサイル。3種類のミサイルによる柔軟な火力支援に重きを置いた構成だ。

 あまり正面からやり合うのが得意な機体ではないため、621もそこを突いて撃破した。撃破時間は30秒。

 

 

 

 

 

 

 次の相手はオープンフェイス。パイロットはV.Ⅱ スネイル。ヴェスパーズの次席隊長だが、実質的な部隊の司令塔は彼であった。

 以前エアとの雑談でその話題になったのだが、どうやらV.Ⅰはその手の仕事を丸投げしているようだ、という噂を621は聞いていた。

 

 そのスネイルだが、当初は第8世代強化人間であった。ただし、新しい術式が普及するたびにその長所を取り入れるべく、再手術を繰り返しているらしい。

 紹介文には、その「調整」の安全性を保証するため、多くの強化人間が死んでいったとあった。

 アップデートを欠かさない性格だろうというのは、スネイルと共に仕事をした経験のある621にも想像がついた。

 

 AC「オープンフェイス」はナイル同様、重量二脚機だ。この間は吹雪で分からなかったが、紫を基調とした塗装がされている。

 頭部パーツのパネル配置がまるで眼鏡のように見えた。実際にはその下のスリットがメインカメラである。赤みが強く、こちらは笑っている口だった。

 

 武装もアイスワームと戦ったときとは異なった。右腕はスタンガン、右肩にスタンニードルランチャーを装備している。AC相手に撃ち込むとなれば、相当の威力が出るのは間違いなかった。

 もうひとつ、スネイルが左腕に装備している大型の武装の正体を、621は身をもって知ることとなった。

 

 レーザーランスだった。スネイルは積極的にこれを使用してきて、馬鹿にならないダメージを621に与えた。

 仮想戦闘による再現ながら間合いのとり方も申し分なく、次席隊長相応の実力がうかがえた。撃破時間は36秒。

 実戦だと苦戦は免れないだろう。621はスネイルを要警戒人物としてマークしておく。

 

 

 

 

 

 

 3機目はアンバーオックス。コールサイン、シャルトルーズ。独立傭兵である。

 

 621のまったく知らないパイロットだった。紹介文によるとルビコン星系で活動するハクティビスト集団「ブランチ」の一員として、コーラル反応再検出と前後してルビコン入りしたようだ。「ステーション31襲撃計画」なる戦闘では封鎖システムに深刻な打撃を与えたという。

 なお、ブランチは入れ替わりつづける4人組から成り、シャルトルーズは「今の2人目」であるという。

 

 機体は機体で、これまた見たことのないパーツがあった。名前通り琥珀色のタンク機なのだが、その脚部パーツの形状は封鎖機構の強襲艦に酷似していた。ミニチュア強襲艦からACが生えている。

 上半身はアーキバス製で統一されており、頭とコアはスタンダードモデルだが、腕はスネイルと同じパーツだった。どうやって入手したのだろう。

 

 武装はレーザーと爆発系という構成だが、これも双胴式レーザーライフルに拡散レーザーキャノンという、一癖ある構成だった。アンバーオックスはこれを右腕、右肩と装備し、左腕、肩にメリニットのバズーカと大型グレネードキャノンを搭載していた。

 

 言ってしまえばホバータンクという言葉が似合う機体だった。代わりに姿勢安定性能は低くスタッガーに持ち込めれば脆かった。撃破時間は36秒。

 

 

 

 

 

 

 最後の相手はアストヒク。コールサイン、サム(親指の)・ドルマヤン。ルビコン解放戦線の帥父と称される、歴戦の軍事指導者にしてコーラル神秘主義思想家だ。

 

 ドルマヤンは青年期を流浪のドーザー(ヤク中)として過ごし、アイビスの火を生き残った後、コーラルとの共生を強く志向するようになったらしい。

 彼の思想はやがて解放戦線の支柱となり、多くの戦士がそれに殉じたとのことだ。

 

 機体は解放戦線らしくBAWS第1世代「バショー」で統一されていた。

 武装もBAWS中心だ。バーストライフルとナパームランチャー。これにパルスブレード、ハンドミサイルを装備している。

 

 最適解と言っていい機体だった。「バショー」フレームはコア理論を純粋に体現したACである。腕部パーツは射撃時の集弾率や反動制御を犠牲にしてまで、近接攻撃に威力を上乗せする設計がされているうえ、ブースタも近接格闘を想定したものである。ブレードを構えて一気に詰め寄り、威力を乗せて叩き切るのだ。

 

 加えて621の目を引いたのは、この機体の動力だった。ブースタが吐き出す真紅の炎は、内燃ジェネレータでも還流ジェネレータでもない。間違いなくコーラル由来だった。

 アストヒクはコーラルジェネレータで駆動しているのだ。

 

 戦闘自体はさほど苦労しなかった。「C-2000」の方が全体的な機動力では勝っており、近接攻撃の読み合いに対応できた。撃破時間は26秒。

 

 

 

 

 

 

『Aランク帯の突破、おめでとうございます。あなたの傭兵としてのさらなる進化、その過程を見ることができ光栄です。オールマインドは全ての傭兵のためにあります』

 

 やや高揚した様子のオールマインドの定型文を聞き流しつつ、621はOSチューンを行う。Aランク帯で入手したチップは16枚だった。

 実弾兵装は最大強化、EN兵装もそのひとつ前まで強化し、残りはアクセス速度強化とACSの性能アップに2枚ずつ使う。

 

 アリーナも残すはSランク帯のみ。621は既にトップエースのひとりとなっていた。




明日、3話連続投稿いきます。大規模ミッションですからね。
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