忍界とか言う割とハズレな世界に関して   作:アルピ交通事務局

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忍界とか言う割とハズレな世界に関して2

 

 忍者になった僕達には避けては通れない道がある。その道を通らなければならない……全く、忍者というのは実に厄介な存在だよ。

 

「赤羽……中々に似合ってるってばよ!」

 

「そういう君も中々に似合ってるじゃないか」

 

 避けては通れない道……それは証明写真だ。

 和風ファンタジーな世界なのに極々当たり前の如く証明写真の概念が存在している。魔術とかの神秘的な技術じゃない、100%科学技術のみで出来ているカメラだ……ただまぁ、デジタルな最新式はまだ無い。テレビカメラも一応はあるが量産する事が出来ていない……うずまきナルトが齎した平穏と六代目火影が頑張ったから近代化に成功している、そんな感じの設定だった筈だ。

 

「手もやったのか?」

 

「おう!ビシッとな」

 

「ふ〜……どうやら僕の一歩先を行っているな……だが僕にはギターがある」

 

「え!?道具の使用ありなのか?」

 

 ナルトは歌舞伎役者の様なメイクをしている。僕はと言えばデーモン閣下の様なメイクをしている。

 やはり記録に残る証明写真なのだからカッコよく撮ってもらわないといえない。

 

「赤羽、俺にもギターを貸してくれってばよ!」

 

「コイツは早々に貸せないね……第一、君弾けないだろう?」

 

 ナルトは道具の使用がありなのを知ればギターを貸してほしいと言ってくる。

 だが、ギターは早々に貸すことは出来ない。何度かギターを教えた事はあるけれどもナルトはギターを弾くことが出来ない、センスが無いし音痴だ。音楽はノリと勢いとセンスも大事なものなんだよ。

 

「お前等…………それでいいのか?撮り直し出来ねえぞ?」

 

「おう!メイクに3時間掛かってビッチリと決めたってばよ!!」

 

「ポージングもありますのでやらせていただきます」

 

 証明写真を撮ってくれるおじさんが僕達に呆れていた。

 証明写真なのだからカッコよく撮ってもらいたい。証明写真は真顔でブサイクになりやすいパターンが多いからね。

 

「撮り直しじゃ」

 

「えー!なんで!?」

 

「三代目のクソジジイ、何故ですか?数時間以上かけて作り上げた奇跡の一枚なんですよ?」

 

 後日、三代目のクソジジイに呼び出される。

 忍者の登録の証明写真の撮り直しを言ってくる。我ながら完璧に決まったと思える奇跡の一枚なのにその事に関してクレームを言ってくる。悪質なクレーマーなのか?

 

「お前等、コレは木の葉の忍として登録する大事な証明写真なんじゃぞ!」

 

「だからカッコよくビシッと決めたじゃん!」

 

「馬鹿者!普通に写真を撮ればいいだけだ!なんじゃこのメイクは!」

 

「フー……クソジジイ、忍は裏の裏のそのまた裏を読めと言う。今の政権は貴方が握っていますが、貴方以外にクーデターを目論んでいる上層部も存在している。ちゃんとした顔写真はむしろ危険なんです」

 

「それっぽい正論を並べて理屈がまかり通る様にするでない!!」

 

「全く……これだから古い世代は困る」

 

 もう少し若者の意見を柔軟に取り入れようという思考を持っていないのだろうか?

 三代目のクソジジイは証明写真の撮り直しなんて過去に1度も無かった事なのだと言うが、ならば新たに歴史を刻もうというフロンティアスピリッツが無いのだろうか?

 

「ともかく証明写真を撮り直せ」

 

「仕方がない…………でも、ギターは持たせてください」

 

「顔写真じゃから写らんだろ!」

 

「肩にギターがあるだけでもいいんですよ」

 

 木ノ葉丸が襲来してきているが特に気にすることはしない。

 エビスが木ノ葉丸を連れて帰ったので三代目のクソジジイは証明写真の撮り直しを言うのだが、撮り直しを要求されるのでせめてギターだけでもとなんとかギターを持つことを許された。

 

 ナルトは木ノ葉丸を弟子でありライバルにする。僕という異物が居ても問題無く原作通りに事が運んでいるのはなによりだ。

 そんなこんなで数日が経過し、下忍になった忍はアカデミーに来るようにと言われたのでアカデミーに向かえば二十数名の子供達が居る……子供達が居るのだが……

 

「1人、多いな……」

 

 3で割り切る事が出来る人数じゃなかった。数えてみれば28名だった。

 そもそもでうずまきナルトが合格した時点で3で割り切る事が出来る人数じゃなくなるがどうも僕という異物が居る為に1人、多い。コレはあのパターンかと適当に席に座って待っていればナルトはサスケにメンチを切る。サクラは何をやっているんだと呆れる。サクラだけじゃなく他のくノ一も呆れている中でナルト達が座っている席の前の奴がナルトにぶつかって……ナルトはサスケとファーストキッスをした。え、こうなることを原作知識で分かっているなら止めないのかって?こんな面白い事を止めれるほどに僕は合理的な人間じゃない。

 

「よーし!お前等、全員揃ったな!お前達は晴れて木の葉隠れの里の忍に、下忍になることが出来た!だがまだまだお前は新米忍者、そこで上忍の1人をお前達につける!上忍1人に対して3人の四人一班(フォーマンセル)だ」

 

 イルカ先生がやってきて下忍の講習を始める。 

 と言っても今日は簡単な説明会、いきなり重要な任務を与える程に木の葉隠れの里もバカではない。イルカ先生は既に班員はこちらで決めてある事を告げれば不満の声を上げるものが続出する。人間的な意味合いで相性が良い人で組めば性能という点で悪ければしょうがない。

 

 1から5段階に分かれている五角形のパラメータがあったとして、そのパラメータの理想はなにかと聞かれればオール5のパラメータが理想的だろう。だがそれが出来ないのが理不尽な世の中で、オール5のパラメータも悪くはないが何処かのパラメータを5ではなく6にして戦う。現代のガチの戦争ならば個性でなく規律を活かすが、この世界の戦争は戦いは個性を生かした戦いである。

 

「第七班……春野サクラ!うずまきナルト!うちはサスケ!」

 

「ええ!!なんでコイツと一緒なんだってばよ!!」

 

「お前な……下忍になったのは良いがお前は成績だけで言えばビリッケツなビリ!アカデミーでも歴代トップのドベなんだぞ!対するサスケはアカデミーでも指折りのトップ、天と地ほどの差がある」

 

「うぐっ……」

 

 第七班の名を呼ばれれば不満な顔をする呼ばれた3名の子供たち。

 ナルトはどうしてサスケを選んだのか、サクラはサスケと一緒なのが嬉しいがナルトと一緒なのが嫌で、サスケは足手まといが増えて耳の良い人ならば分かるレベルの舌打ちをした。

 

「そして赤羽隼斗の4名だ」

 

「イルカ先生、何故に僕もなんでしょうか?先程申した通り四人一班じゃないのですか?」

 

「いやまぁ、確かにそうなんだが…………急遽人数が増えてな。実技も筆記もトップレベルなお前を入れることでバランスの調整をしようと思っていたんだ」

 

「…………」

 

 冷静になって考えてみればナルトの合格はイレギュラーだ。

 ナルトが合格をしなければ26名の下忍候補と僕だけで構成されている……ナルトが合格をしていなければこの班の構成はどうなっていたのだろう……本音を言えばナルトの班なのは嫌だが、ここで駄々をこねても意味は無いのだと受け入れる。

 

「……!」

 

 それと同時にあることに気付く。担当上忍であるはたけカカシが僕の部屋とナルトの部屋にやってきたのを。

 人が居ないからって勝手に住居に不法侵入するのは止めてほしい。何故にここにお前が居るんだと三代目のクソジジイとカカシ先生に驚かれるので影分身の術で家の雑用を担当している事を伝えれば直ぐに納得してくれた。影分身の術はチートだな。

 

「フー……イレギュラーな班だがよろしく頼むよ」

 

「おう!」

 

「ええ」

 

「……ふん!」

 

 ナルトは元気よく返事をしてくれる。サクラも一応はと頷いてくれる。だがサスケは足手まといが多く増えたと認識をしている。

 現段階ではどちらが足手まといなのか、少なくとも現段階のサスケならば今の僕でも簡単に殺すことが出来る。転生特典というチート無しでだ。

 

「……来ないな……」

 

 昼ご飯を食べ終えた後に各班の担当上忍がやって来る。

 担当上忍がやって来るのだが僕達の担当上忍であるはたけカカシが一向にやってきていない。僕達の家に上がり込んでどういう人間なのかを調査しに来ているらしいが、それでも遅い。感傷に浸っているのか…………単純に遅刻しているだろうな。

 

「どうせ誰も居ないんだ……演奏でもするか」

 

 僕達第七班以外は居なくなった。真っ先にイルカ先生も居なくなっている。

 ならば馬鹿騒ぎしても問題はないのだとギターを取り出して演奏をする。ナルトもサクラもサスケも僕の演奏を聞いてくれる。

 

「お前等、なにやってんの?」

 

「あー!!やっと来たってばよ!」

 

「全く……本来の予定時刻と比べてどれだけ時間が経過しているんですか」

 

 色々な曲を弾いているとカカシ先生がやって来た。音消しの結界をしているので音が外に漏れていない。

 教室内で簡易的なライブを開いていたらカカシ先生がやっと来てくれた。カカシ先生は僕が演奏をしている事に関して呆れていた。

 

「ちょっと人生と言う名の道に迷ってしまってな」

 

「それは正しいゴールが存在しない道ですよ」

 

 感傷に浸って遅刻したんだろうが……一応は担当上忍としてビシッと決めておかなければならないだろう。

 こういう言い方は好みじゃないがスマートな姿を見せてほしい……覇気も時には大事な物だが。

 

「んじゃ、場所を移動するぞ」

 

 火影岩付近に移動し、自己紹介をする。

 

「赤羽隼斗……好きなものはピザで隼斗でなく赤羽と呼んでください。でなければ無視する時があります」

 

 基本的にはこの辺りは原作通りだ。

 僕の自己紹介の番が来たので僕は自己紹介をする。この世界では一族とかが普通に居るので名字呼びでなく名前呼びが主流だが、僕はこの赤羽という名字を、赤羽隼斗という人間を気に入っている。だから赤羽呼びが好きである。

 

「じゃ、先ずは最初の任務をするぞ」

 

「待ってました!お姫様の護衛?伝説の忍者を倒す?」

 

「いや、演習だ」

 

「演習?そんなのアカデミーで何度もやったじゃないですか!」

 

「ん〜……ま、口で説明するよりも実際にやってみせた方がいいだろう……取り敢えず滅茶苦茶キツいから吐くぞ」

 

 いきなりの任務だと喜ぶナルトだがカカシ先生は違うとサバイバル演習を行うという。

 サバイバル演習なんてアカデミーで何度も学んでおり、アカデミーが下忍になっても問題無いと合格ラインの基準を満たした子供なので今更な事だと言いたげなサクラ。とにもかくにも明後日に演習があるから演習場に来いとだけ言っており解散をする。

 

「なんかなよなよとした先生だってばよ」

 

「そうかな?あの手のタイプは仕事になれば洒落にならないぐらい強いタイプだと僕は思うよ」

 

「流石にそれは無いでしょう」

 

「サクラ、世の中はそう上手くはいかないさ。簡単な仕組みならばナルトは今頃は火影だよ……とにかく油断は出来ない相手だ」

 

 カカシ先生を甘くみているが、あの人は火影クラスの忍者だ。

 下から数えて最初に1番弱いであろう火影になるがそれでも火影クラスの忍だ。はたけカカシの異名は色々な国に轟いている……忍者が歴史に名を刻んでもいいものなのかという疑問は置いといて、とにかくはたけカカシは木の葉の里でも上から数えた方が早い位置に居る実力者だ。

 

「よーし!だったら早速修行だってばよ!!」

 

 僕の言葉で曲がりなりにもカカシ先生が上忍だから格上だと認識してくれる。

 一応のレベルで自分ならば勝つことが出来ると何処かで慢心しているが、これぐらいで充分だろう。

 

「ナルト、修行するんだったら影分身の術を使って修行した方がいいよ。動かない人形や木偶の坊を相手にするよりも今の自分を相手にして戦った方がなにかと効率がいい」

 

「おぉ!そうだってばよ!」

 

 今の僕に出来るのはこれぐらいだろうね。

 ナルトは修行で使っている山に向かえば影分身の術を用いて体術の訓練をする……体術を指導してくれる人が居なくて筋トレをしない以上は自分自身と戦うのがなにかと効率が良い……いや、違うか。これは膨大なチャクラを持っているうずまきナルトだから出来る芸当だ。

 

 影分身の術は本体に反映される忍術……それを応用して経験値を一気に稼ぐという裏技が存在している。

 だが、その裏技は僕は使えない。いや、出来なくもないんだよ。人柱力レベルの膨大なチャクラを僕は持っているからナルト並に影分身の術を使える。ただ問題は……影分身の術で得る経験値が全てプラスだけじゃないという事だ。疲労なんかも蓄積される。

 

 ナルトは強靭な生命力と九尾の九喇嘛がある。

 そのおかげで常軌を逸脱したレベルの回復力を手に入れる事が出来ているけれども、僕はチャクラしか持っていない……明日はなにもしなくていい休みと言う状況下でなければ多重影分身の術を用いての修行が出来ない。

 

「ナルト、おにぎりだ」

 

「吐くって言ってなかったっけ?」

 

「吐くけど絶対に食うなとは言っていないよ……忍者は裏の裏を読む、これは常識だ」

 

 朝ごはんにおにぎりを作った。

 カカシ先生は吐くほどにキツいと言っていたことを思い出すのだが絶対に食うなとは言われていない。朝ごはんを抜いて任務に挑むだなんて馬鹿みたいな事はしない。朝ごはんは大事なんだ。

 

「なに、君が演習でカッコよく活躍してくれればそれでいいだけの話だよ」

 

「へっへーん!俺に任せろってばよ!」

 

 取り敢えずはナルトを乗せておく。今のナルトに難しい話をしたとしても理解してくれないから煽てておく。一歩間違えれば天狗になる可能性が大きいがその時はその時だと受け入れるしかない。ナルトはおにぎりを2個ほうばるので僕もおにぎりを食べる。昆布の佃煮を入れたおにぎりは中々に絶品だ。

 

「…………来ねぇえええええええ!!!」

 

「五月蝿いぞ、ウスラトンカチ」

 

「誰がウスラトンカチだ!!」

 

「でも、来ないわね……」

 

 そんなこんなで演習場に向かった。

 演習場には既にサスケとサクラも居るのだが時間通りにカカシ先生は来てくれない……一応は初任務の演習なんだが。ナルトはカカシ先生が来ない事に関して叫ぶ。サスケも時間通りに来なくて苛立っており、サクラも時間通りに来ないなと思っている。

 

「もしかしたら、既に演習が始まっているのかもしれないね」

 

「え、どういうこと?」

 

 なにが言いたいのかよく分かっていないサクラ。僕はざっくりとだが説明をする。

 

「カカシ先生は演習をするとは言ったけれど具体的になにをするのかは言ってはいないよ……演習開始の時刻と共に演習が開始して僕達を倒しに来ているかもしれない」

 

「……」

 

「相手を焦らしている。僕達の目の前に現れずに闇夜に紛れ込んで闇討ちするかもしれない……警戒心を解かない方がいいかもね」

 

 僕のこの言葉がよく聞いたのか信じたのかは分からないけれどもサスケは警戒心を剥き出しにする。

 警戒心を剥き出しにしている相手を堂々と狙いに行くのは……この忍世界ならばありえるか。千鳥が暗殺術とかいう謎の技だからね。

 

「や〜ごめんごめん。ちょっと困ったおばあさんが居てね」

 

「……おい!!」

 

「僕はかもしれないと言っただけだよ?」

 

 警戒心を強めて集中し続けるが、集中なんてものは中々に続かない物だ。

 サスケはそれでも集中し続けており1時間後にやって来た呑気なカカシを見て僕にキレる。サスケは特に顕著だけどもサクラもナルトもキレている。

 

「さて……この演習は俺から鈴を奪えばいい、ただそれだけの演習だ」

 

 遅刻の言い訳を語った後にカカシ先生は演習でなにをやるのかと説明し3つの鈴を取り出した。

 

「この演習を失敗したらお前等アカデミーからやり直しだから」

 

「フー……全く、嫌がらせが上手いにも程があるね」

 

 カカシ先生はアカデミーに戻る事を言えばサクラはどうしてと聞いてくる。

 今の僕達は下忍じゃなくて下忍候補生にすぎない。アカデミーを卒業した後にもう1回試験があり、そこで下忍になれるかどうかを試す。

 カカシ先生は鈴を奪えと昼までに鈴を奪うことが出来なかった奴は飯抜きと言うめんどうなルールをつけてくる……

 

「先生、いくらなんでも先生が不利よ!私達であっという間に終わっちゃうし危ないわ」

 

「そう上手くいかないのが世の中さ……んじゃ、よーいドン!スタート!」

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