【現在再構築中】Fate/Grand OrderーHero of the Destineyー 作:定紋練魔
あ、第十六話、USJ襲撃2!どうぞ!
殺せ!
「敵ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
誰かが叫んでいる声が聞こえる
「バカだがアホじゃねぇ。これは、何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
頭が働かない
「上鳴お前も"個性"で連絡試せ」
視線が離れない
「藤敦お前は……藤敦?」
なんで君がそこに……
「敦……藤敦!」「ハイッ!?」
耳元で聞こえた大声に思考が晴れて視界が広がっていく
「やっと戻ってきたか」
目の前にはややあきれた視線をこちらに向ける相澤先生が。
「す、すいません。少し動揺してました……」
「……戻ってきたならそれでいい。本校舎に連絡が取れる"英霊"の方はいるか?」
「……いえ、電気系統の英霊は現在召喚できません……すいません」
現在現代技術班のサーヴァントは家に設置する機材の製造に注力しているためくれぐれも召喚してくれるなと固く釘を刺されているため召喚ができないのだ
「……できないなら構わん。すぐに戦闘を行えるように憑依はしておけ」
そう言うと相澤先生はゴーグルをかけ、13号先生に声をかけ敵の集団の中に突っ込んでいく。遠距離攻撃の"個性"持ちは[抹消]で消してそのまま薙ぎ倒し、異形型の"個性"持ちは捕縛布で翻弄しながら近接格闘で相手をしていく。
『カカカカカカ!肉弾戦で半ば無双し、集団戦では"個性"を消して連携を乱す!流石はイレイザーヘッド!多対1が本領発揮ができるフィールドだったか!!』
「だが杖先生、奥のは」
『ああ、間違いなく1体1体がトップヒーロー級のバケモノだぞ。あれに接敵しようものなら学生なんぞ一捻り!粉砕!圧砕!犬死にだぁ!』
「縁起が悪い!」
知恵の杖と逢魔君の掛け合いを尻目に先生の戦いを見る。
……?ゲートみたいな役割をしてたあの黒いモヤみたいなのはどこへ……?
「分析してる場合じゃないぞ緑谷君!藤敦君!早く避難w「させませんよ」!?」
気付けば避難しようとする生徒達の進行方向一面に黒いモヤのような人物が現れる。
「ワープ系の"個性"か!空間の歪曲とかじゃなく自分自身がワープゲートのタイプの……!」
「ご名答。初めまして、我々は敵連合。僭越ながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは……」
平和の象徴オールマイトに生き絶えていただきたいと思ってのことでして
その敵の言葉に全員の思考が固まる。今こいつはなんて言った?
オールマイトに息絶えていただく……つまり。
「オールマイトを殺すために来たってことか……!?」
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ……ですが何か変更があったのでしょうか?まぁ……それとは関係なく……私の役目はこれ……ッ!?」
そう言うと同時に2方向から急襲がかかる。爆豪君と切島君だ。
息を合わせて[爆破]と[硬化]による同時攻撃を仕掛ける。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
「バカ!下がれ!」「ダメだどきなさい二人とも!」
俺の声と13号先生の声が重なる。あの手の敵は……
「危ない危ない……そう……生徒といえど優秀な金の卵」
特定の条件下以外では攻撃が通らない!
「マスター!!」
黒い霧に巻き込まれる直前、声が聞こえたアンドロメダに指示を出す
「俺のことはいい!近くにいる生徒のことを守ってくれ!」
叫んだ後、鎖の音が聞こえた。アンドロメダが数人確保できたことを信じて、俺は身構える。
黒い霧が晴れたその先は……
「ここは……」
USJ到着前に配られた地図の情報を思い返す
「……倒壊ゾーンか」
近くに敵が潜んでいてもおかしくない。急いで憑依を済ませてしまう。
「数多の縁を持つ者、藤敦苅間が星見の轍に冀う。
縁を結びし剣豪と我が魂を繋げ、このひととき、我に力を与えたまえ!
『
三重の輪が俺を取り囲み、俺の元へ収束する。
……無事に憑依は完了したらしい。
今の私の姿は桜色の和服に深紅色の馬乗袴。
私の体は女性のものになり、髪は薄い金髪となる。
手には鞘に収まった日本刀が握られ、後頭部は黒いリボンで飾られている。
【参りましょう!】
「うん、よろしくね、沖田さん!」
何があるかわからない以上、最も信頼が厚く慣れ親しんだシャルルか沖田さんを選ぶ必要があった。ただ、シャルルは少々特殊なスキルや宝具を持っているため、汎用性の高い沖田さんを選択した。
それに……
「あの黒くて大きな敵。あれを相手したりここら辺を走り回るなら小回りが効く沖田さんが正解だよね」
【情報はアンドロメダさんから回ってきています。中々にとんでもないことになってきましたね】
とにかくクラスメイトを探さなきゃ!と持ち前の俊敏さを活かして動き回るが、全然見当たらない。
建物が倒壊した場所からの救助をテーマとしたエリアであるからか、見通しが悪く数メートル先で視界が途切れてしまう。
遠くで爆発するような音も聞こえるが、真っ直ぐ向かえない。と言うのが現状だ。
「くっそぉ……めんどくさいところに飛ばしてくれやがって……」
【マスター!一度合流を諦めてエリア外に出ましょう!情報からして聞こえてくる爆発音はあの爆発頭君です!】
「ば、爆発頭くんて……ま、それが一番いいか」
そう言って方向転換して駆け出そう押した瞬間、嫌な予感がして急いで飛び退く
BANG!
直後、私がいたところに銃弾が突き刺さる
「……!」
銃弾が飛んできた方向を見ると、そこには先刻見たエミヤオルタが倒壊したビルの上に立っていた
【あれは……アーチャーの!?】
「そ。なんか敵側にいるみたい。ねえエミヤオルタ!なんでそっちにいるの!?」
大声で問いかける。が、エミヤオルタは答えずに急速に距離を詰めてくる。
「ッ!」
急いで刀を抜き、エミヤオルタに応戦する。
エミヤオルタの改造銃はオートマ拳銃サイズの銃に大きな刃が取り付けられた改造銃で、それで切り付けることも、銃で撃ち抜くこともできる遠近汎用の銃。下手に近づいても離れてもその銃の餌食になりかねない。
彼は黙々と銃を振るい、私の刀を振り払う。
「答えてよ!なんでそっちにいるの!」
前世、カルデアでは効率を追い求める傭兵と言ったような戦闘スタイルをとる彼だったが、その根には『悪の敵』であるような認識があった。
なのに……
「なんで……なんで敵連合なんかに入ってるの!?」
その後の数回の鍔迫り合いの後、重々しく口を開く
「知った風な口を効くが。どこぞの聖杯戦争ででも俺を召喚したのか?」
私の刀を払い、冷たく、鋭い視線と言葉を私に突きつける
「生憎だが、サーヴァントは召喚時、前の召喚時の記憶を失って召喚される」
2丁拳銃を接続し、大きな剣にして投擲する。それを私は刀でいなし、急接近しながら切り掛かってくる彼を迎撃する
「俺は俺の考えに準じて行動を行う。見ず知らずの他人に何を言われようが響くことはない!!」
カルデアにいたエミヤとは別物だと、その拳銃捌きが、その容赦のなさが、その言葉が殴り聞かせてくる。
刀で攻撃を受け止め飛び退き一度距離を取り。勢いを乗せて攻撃しようと踏み込んだ瞬間。
「ゴホッ!?」
咳と共に喉から熱いものを吐き出したような感覚を覚え、踏み込んだ足を滑らせ、倒れ込んでしまう
「これ……血……?」
【マスター!?しっかり!……これは……『病弱』!?】
セイバー、沖田総司の持つスキル『病弱』。
クリティカル確率を上昇させる効果を持っているスキル。
それは名前通り、生前の沖田総司が病弱で寝たきりであった期間があったことに起因している。
「なんで……『絶刀』になったはず……なのに……」
カルデアにいた頃。沖田さんをよりよく知ることで『病弱』スキルは『絶刀』に進化。
病弱は軽くなり。より強く、より戦いやすくなったと本人が嬉しそうに語っていた。
どうであれ寝ているわけにはいかない。
寝ていては彼を退けることはできないし、それ以上に死んでしまう。
「ほぉ、立つか。持病持ちのようだが……俺には関係ない。死んでもらうぞ」
そう言いつつ突っ込んでくるエミヤオルタ。
上段から、下段から、左右から。縦横無尽に斬撃が飛んでくる。
「……ッ!!」
辛うじて。沖田さんの助けもあって辛うじてその斬撃を捌き切る。
【マスター!無理しちゃダメです!『病弱』の辛さは私が一番わかってます!大人しく撤退しましょう!】
ダメだよ。撤退したら死んじゃうし……何より絶対に他のみんなが死ぬ……!
「……ッあああああああ!」
残る力を振り絞り、刀を抜いて斬りかかる。
それでもやっぱり届かなくて。私の刃は、彼の体に届く前に空ぶってしまった
「あ……」
前のめりに倒れる私の体。少しずつ視界が暗くなっていく
【マスター?マスター!?】
ごめん沖田さん。少し寝る……
俺の体から何かが弾き出されたような感覚と、何か異物が肩にのあたりに勢いよく叩き込まれたような感覚を覚える。
耳には遠くなっていく足音と俺を呼ぶ声。
その感覚を最後に俺の意識は完全に暗転した
看板が立っている。