【現在再構築中】Fate/Grand OrderーHero of the Destineyー 作:定紋練魔
「……ター……スター……」
どこかで、俺を呼ぶ声が聞こえる。
大切だったはずの、懐かしい声。
アメジスト色の瞳をした君は……誰なんだ?
「マスター!」「おわァッ!?」
ぼんやりとしていた思考が晴れ、ドアップで沖田さんの顔が俺の視界に映り込む
「よかった、起きたんですねマスター!」
どこか泣きそうな顔でそう言う沖田さん。
「何が……俺は……撃たれたはずじゃ……」
そう言うと沖田さんは曖昧な顔をする
「それが……私もよくわかんないんです。あのいけすかないの、とどめを刺すのかと思ったらブツブツ呟きながら行っちゃいましたし……『教授』ってなんのことでしょうね?」
頬を膨らませて彼が歩いて行ったのであろう方向を見ながら頬を膨らませる沖田さん。
そんな彼女を尻目に無意識に左肩を触る。
意識が落ちる寸前、そこに強い衝撃が走ったような––––
「なんとも……ない?」
礼装に多少の傷はあるものの、素肌にはなんの傷もない。
ならあの衝撃は一体……
「それよりも!どうするんですかマスター!ついさっきアンドロメダさんから念話が飛んできました!奥の黒いのが動き出したと!」
!!あの黒いのが!?
「現在はあの場に留まることができたアンドロメダさんと相澤さんが接敵、13号はエンジン君を逃す際に[ブラックホール]を煙敵に返され負傷!そのエンジン君は本校舎に助けを呼びに駆け抜けていったそうです!」
!!なるほど、彼の速度なら3km程度なら走り切れる!
「判断を!私は、マスターに従います!」
そう言って真剣な目で俺を見る沖田さん
「中央広場に向かい接敵する。もう一度憑依するよ、力を貸して」
驚いたような視線を向けてくる沖田さん
「!?な、何を言ってるんですか!?さっき倒れたばっかりでしょう!?憑依するにしても別のサーヴァントにした方がいいですって!」
「わかってる。でも、やらなきゃいけないから」
それに、と。俺は言葉を続ける
「俺は沖田さんを信じてるから。何かあったら止めてくれるでしょ?」
「!……〜〜〜!!!」
そう言うと、沖田さんは驚いたような表情になり、なんとも言えない。何か言いたいけどそう言われたら何も言えない。そんな表情で数秒葛藤している様子を見せる
「あーもう!その言葉は禁じ手ですよ!まずいと思ったらすぐに解除しますからね!」
「うん、それで大丈夫。ありがとう沖田さん」
その会話を最後に憑依を行う。
俺の服装がまた桜色ベースの和服に変化し、体が女性のものとなる。
髪は金髪となり、後頭部には黒いリボンがあしらわれている
【無理は禁物とはいえ、時間が惜しいのも事実。どうしますか?】
「『縮地』で駆け抜ける。いけるよね?」
【お任せください!】
そんな会話をして、強く踏み込み前へ跳ぶ。
障害物は地面を蹴って飛び上がって回避。速度最優先で駆け抜ける。
先の憑依時より体に馴染むような気がする。
体が軽くて、より深く沖田さんを感じる。
【マスター!出口です!】
「広場はゾーンを出てすぐ右!止めずに駆け抜けるよ!奇襲までできたら最高!」
【承知!】
その勢いのまま倒壊ゾーンを飛び出し、相澤先生と相対している首謀者らしき敵の背後から刀を抜いて急襲する
「!!脳無!」
が、私たちを飛ばしたゲート敵がそれを察知。そう叫ぶと近くにいた黒い化け物が首謀者を護るように立ちはだかる
「チッ!」
【奇襲は失敗ですか。ですが関係ない!切り捨てます!】
「……!いきなり奇襲か!」
ワンテンポ遅れて、その男が気付き相澤先生を離してこちらに向き直る。
……!相澤先生の手が……崩れてる!?こいつの"個性"か!
少なくとも相澤先生が退却するまでは時間を稼がないと!
「格ゲーでもないんだから初っ端から目の前にいる相手だけが敵だと思っちゃダメでしょうが!」
「ハッ!そりゃそうだ!黒霧!」
「はい。さぁ、やってしまいなさい脳無」
「げ……私そいつとやるの!?」
のっそりと動き出す脳無とかいう怪物。
全身が真っ黒で脳が露出している。
首謀者らしき方に従っているのは黄色い嘴のようなものがついた大きな体をしている。
ぎょろりとした目玉も相まって気持ち悪い。
一方、黒い煙のような方に従っているのは口が完全に縫い付けられていて喉に人差し指サイズの穴があるがこちらも大柄。
ヒューヒューと音が鳴っているのは呼吸音だろうか?目も完全に潰れており、こちらも非常に気持ち悪い。
で、私にけしかけられたのは後者の方。
「XXXXXXXX!」
声にならない金切り声のような声……いや、管楽器を出鱈目に吹いた時の甲高い音に似ているか。
そんな音を出しながら私に迫ってくる化け物。
「とりあえず……切り捨てる!」
そう言いながら刀を構えて突っ込むと、その化け物は急ブレーキをかけて跳び下がる
「!?」
その仕草を怪訝に思っていると、化け物がこちらに手を開き、その指先を向けてくる
「【なにそれ!?】」
私と沖田さんの声が重なる。その指先は銃口となり、そこから銃弾が吐き出されたのだ。
「接近戦特化だと思ったのに!?」
【殴れるアーチャーならぬ撃てるセイバーってことですか!?】
「接近してくるなら距離取って遠距離。常識だよなぁ?やれ!脳無!」
「脳無、銃撃と斬撃で翻弄しなさい」
化け物は指の銃口から銃弾を乱射してくる。……なのにも関わらず数秒前にいた場所に正確に銃弾が叩き込まれる。
目が見えてないはずなのに何その射撃精度!?
焦りながらもなんとか回避を続け、徐々に近づいていく。
(【取った!】)
そう思って刀を突き出すが……
ガキィン!!
「【んなっ!?】」
甲高い音が響く。見ると、指先を銃口に変えていた両腕のうち右腕を大型の剣に変えて私の刀を受けていた。
ふざけるな!!と声を上げたくなる銃撃だけでも厄介なのにまさか剣術の心得まであると!?
【あの動き、筋力に任せた力任せのものじゃありません!ちゃんと技術もありますよ!なんですかあれ!?】
私が聞きたいよ!エミヤじゃないんだからさぁ!
そう言って鍔迫り合いをしていると、剣を支えていた化け物の左手の指先がこちらの顔に向く。
疑問に思う間も無く力を抜いて吹き飛ばされて距離をとる。あれはやばい。
【まさかあの化け物ゼロ距離で指先の砲撃顔面に入れようとしてました!?】
「ふざけんな!躊躇いゼロか!」
倫理観をどこに置いてきた貴様。人間だろうが!
吹き飛ばされたがために見える範囲が広がる。
先生達の方は……!
「相澤さん!そろそろキツいかも!」
「ッチ、すまん!防御を任せっきりにしたツケが回ってきたか!」
アンドロメダのスキル『生贄の乙女』でアンドロメダにもう片方のバケモノの攻撃を集中させ、相澤先生が攻撃を仕掛ける戦法。合理的ではあるが、その実。致命的な欠陥を抱えていた。
〔マスター!〕
「!アンドロメダ!大丈夫!?」
〔ごめん、相澤さんをサポートしながら戦ってるけどちょっとこのままだときつい!ガッツ削られちゃった!〕
マジで!?
アンドロメダはその身に攻撃を集中させ、
……そして、宝具は並べて
〔マスター!宝具の使用許可を!〕
……宝具を打てば……ある程度の状況改善いける?
〔うーん……ごめん、ちょっと保証できないかも!私の宝具の副次効果って確率だし!〕
〔……でも何もしないよりはマシ。今のまま続けてもジリ貧だよ。ほぼ確実に落とされる〕
……そっか。宝具打っても、アンドロメダは無事?
〔そこはまぁ。魔力不足とダメージで戻されるかもだけど、家に戻るだけでちゃんと回復はするから!〕
……わかった
「『令呪1画を持って命ずる』!真名を解放し、宝具を使用せよ!やっちゃえ、ライダー!」
「キミが……望むなら!」
「因果接続。サクリファイス、チェーンロック!」
その言葉と同時。アンドロメダの姿は古代ギリシャ風の服から、近未来風のスーツに変化。
背中から生えたようにも思える異次元への入り口が急速に大きくなり、その場全ての人々の目をくらませる光を発する。
その光は、バケモノ達を、敵を飲み込み、大いなる銀河と海へと引き寄せた。
次の瞬間。飲み込まれた者達は"海"の上に立っていた
「は?ここは……」
遠くに
アンドロメダの声が聞こえると同時。その水飛沫の主はその姿を表した。
その正体はギリシャ神話、アンドロメダとペルセウスのお話に登場する。
古代エチオピア……アイティオピアーの海に住まう巨大なる海の怪物
即ち、鯨竜・ケトゥスである
「んだ、ありゃぁッ!?」
「く、バケモン!鯨のバケモンだァァァ!」
敵達は逃げ惑い、ケトゥスの攻撃範囲から逃げ果せようとするが……無駄な足掻きである。
ケトゥスが大きく跳ね、口を開け、敵達に向けて落ちてくる
「ッチ!黒霧!」「死柄木弔!」
首謀者らしき男は、黒霧と呼ばれた煙敵に包まれ、回避行動をとる
ケトゥスが飛び込んだ後、そこには倒れている
〔マスター!あたしは一回帰るけど、死んだりしちゃダメなんだからね!〕
「縁起でもないこと言わない!そんなつもりはさらさらないよ!」
〔相澤さんによろしく!〕
そう念話で伝えて、アンドロメダは金色の粒子となって消えていった。
自宅に帰っていったのだろう。
「危ないなぁ……黒霧がいなきゃ死んでたよ……だが残念だったなぁ……脳無はどっちも『ショック吸収』と『超再生』を持ってるんだよ……!」
倒れていたはずの二人が起き上がり、死柄木と呼ばれた男が楽しそうにそう宣言する
【げ。それは……耐久型ってことですか!?今の状態だとちょっと相性が悪いですよマスター!】
「うーん、それは……困ったなぁ……」
小さな声でそう呟く。沖田さんのバトルスタイルは渾身の一撃に全てを込めるタイプ。
何度も何度も最大火力を叩き込むようなものではない。
その時、私の真横から愉快そうな声が聞こえる
『だそうだぞ、
「知識の杖!?」
逢魔君が『杖先生』と呼ぶステッキが、先端にあしらわれた髑髏がカタカタと愉快そうに顎を鳴らしてそう高らかに叫ぶ
上から声が飛んでくる。その方向を見ると、遥か上空。
USJの天井に近い部分に大きな赤い魔法陣が展開されている。その数、占めて30門。
その中心に、紅の剣を掲げた逢魔君が浮遊している。
「でっかい魔法陣は練れねぇ。それだけの制御ができないからだ」
だが
「この程度の魔法陣を大量に組むくらいなら訳はねぇ。喰らいな!"
掲げた剣を振り下ろすと、魔術砲門全てから聖なる炎が勢いよく放たれる。
その全てがバケモノに命中し、その炎が辺りに散る。
死柄木と呼ばれた男が叫ぶ。
「無駄だ!脳無がそれしきの攻撃でくたばるか!」
「んなこたぁわかってるんだよ!これで終わりと思ったら大違いだ!封じろ!"
辺りに散らばった炎が噴き上がり、私が対処していた方のバケモノを閉じ込める。
「ッチ、逃したか……まあいい!飯田君が駆け出してから大分時間が経った!そろそろプロヒーロー達が到着する!片方だけでも抑え込む!手伝ってくれ、藤敦君!」
「任せて!」
私達も憑依して大分時間が経っている。
魔力を消費している感覚と同時、魔力が深いところで沖田さんの霊基と混ざり合うような、そんな感覚を覚える。
今なら……もしかしたらできるかもしれない。
私達1年A組と、それを襲ってきた悪意との戦いは、まさに佳境に差し掛かろうとしていた
たいっへん遅れましたァァァ!(スライディング土下座)
「キャスター、アンデルセンだ」
もう本当に申し訳ない。丸1日の大遅刻ですわ。
「シバいておくか」
だからエンハーレはやめてっtそれ違う!ディヒッドアテムなんかどこから持ってきたの!
「借りた」
んなもん借りてくんな!そして貸さないでください冥王!
「で?今日は何をするんだ?」
大変お待たせしました!今回の!宝具解説のコーナー!
「今回の宝具はライダー、アンドロメダの宝具『
はい先生正解!2024年
「毎年恒例とはいえ、今年もバレンタインはえらいトンチキイベントだったな」
バレンタインとハロウィンは定期的にバグりますから。
さて、早速性能を見ていきましょうか!
「まずはカルデアのマテリアルだな」
『彼の海にて眠る鯨竜』
ランク:C 種別:対軍宝具
レンジ:1~50 最大捕捉:300人
アイティオピアー・ケトゥス。
海の乙女たちの怒りを受け、ポセイドンにより遣わされ暴れ回ったと伝えられる海の怪物、ケトゥス。
アンドロメダを喰らうはずであったそれは、通りかかったペルセウスが持っていたメドゥーサの首によって岩と化し、今も故郷のアイティオピアーの海、彼と初めて会ったその海に眠っている。
『アンドロメダの神託鎖には岩が繋がっている』『ケトゥスは岩となった』という神話的事実を繋げ、アンドロメダが無理矢理に鎖の先にケトゥスを引っ張り上げて乗り回し、突進させる宝具。
ケトゥスの正体は明らかになってはいないが、鯨に似た水棲の竜種ではないかと考えられている(くじら座として星座になってはいるものの、一般的な鯨の姿ではなく、怪物のまま描かれている)
「こう見るととんでもないな。己を喰らわんとした怪物を乗りこなすか」
さすがはライダーってとこですよね。なお、本人もケトゥスのことはよくわかっていない模様。
「それでいいのかサーヴァント」
次はゲーム性能ですね
Quick
敵全体の防御力ダウン(3T/OC:20〜40%)
&強力な攻撃
&スキル封印を付与(1T/確率100%)
+自身の防御力アップ(1T/50%)
「ふむ、全体攻撃宝具で攻撃前に相手の防御ダウン。攻撃後にスキル封印と自身の防御UPか」
面白い効果してますよね。ただ防御アップが確率なのがやや辛いところ。
「ふと思ったんだが」
はいはいなんでしょう?
「相手の防御ダウンはわかる。攻撃前に入るのも割と強い。だが、なぜ"スキル封印"なんだ?スタンでもいいような気がするが」
いい着眼点ですね先生!こいつにはアンドロメダの第二スキルが関係してきます。
一緒に見ちゃいましょうか
スキル2 【生贄の乙女 A】(CT8→6)
自身にターゲット集中を付与(3T)
&ガッツを付与(1回/3T/2000〜3000)
&「被ダメージ時に自身のNPチャージ(5〜10%)する状態」を付与(3T)
&「被ダメージ時に自身のクリ威力アップ(3T/10%)する状態」を付与(3T)
こんな感じですね!特に注目していただきたいのがスキル2!
「ふむ、ターゲット集中3Tに被ダメージ時にNPリチャージ&クリティカル威力上昇か」
その通り!
アンドロメダはいわば『味方を守りながら相手を殴れる』守備アタッカーなんですね
「殴れるタンクか」
端的に言えば。
自分に攻撃を集めることでNPのリチャージを行い、宝具の回転率を上げるのがアンドロメダさんの主な戦法ですね
「……ああなるほど、それでスキル封印か」
はいその通り。ここでスキル封印が生きてくるんですね
FGOではエネミーも平気でスキルを使ってきますが、それらは主に『自己・味方バフ』『相手デバフ』『直接攻撃』の3種に分けられます。
が、この中でも『自己・味方バフ』はエネミーが使用してきた際にアンドロメダの生贄の乙女が発動できないんですね。
なので、宝具によるスキル封印を叩き込んで、生き残りからの攻撃を確実に喰らうことができるようにするわけですね
「しかし無防備に喰らい続ければ死ぬぞ?」
端的にぶっ込んできますね先生。
まあその通りなんですが。実はスキル1がNP増加・スター定期獲得と同時にダメージカットがついてくるんです。
更に宝具に防御力上昇もついてるので大体の攻撃は無効化できるわけですね。
ちなみにスキル3は青緑効率と宝具威力上昇ですね
「乗算バフか……」
普通に強いです。
加えて生贄の乙女はクリバフ増加もついてるんで、被弾すればするほどクリティカルで殴った時の火力が上がるわけですね。
「変則的ではあるが、うまく使えれば楽しそうだな」
アンドロメダさん、ウチでは結構活躍してもらってますね。味方を守りつつ殴れるって結構快感です。
「というわけで今日はこれで締めだ。後できっちりこいつは俺がシバいておく」
ひえっ……甘んじて受け入れます……
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活動報告ではこの小説に関する質問を募集しています!いただいた質問はこちらに掲載・回答させていただきます。ドシドシ送ってください!
「それでは」
「【また次回!】」
「よーしそこに直れ馬鹿者」
ドロンッ!
「あっこら待て逃げるな!」
「クソッ前もやったぞこれ!逃げるな馬鹿者ー!」
狡猾な老人は、一人笑い、頷いていた