【現在再構築中】Fate/Grand OrderーHero of the Destineyー   作:定紋練魔

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第二十話 迫る体育祭

件の襲撃事件の翌日は臨時休校となった。

サーヴァントの皆も、「今日は休め」と言ってたから大人しく休んでいた。

ゲームをしたり、買い物に行ったり、料理したり……思えば、最近ゆっくりできていなかった気もしたからちょうどよかったのかもしれない。

 

そしてその翌日、襲撃事件から2日が経った朝

 

「おい苅間!いつまで寝ている!もう登校時刻だぞ!」

 

「うぇ!?もうそんな時間!?」

 

アンデルセンの叫び声で目を覚ます。

時計を見ると既に普段家を出る時間を大幅に回っていた

 

「やばいやばいやばい!遅刻するぞこれ!?」

 

そう言ってベッドから跳ね起きると同時にドアがバタン!と勢いよく開かれる

そこから現れたのはドアの外から声をかけきてていたアンデルセンだった

 

「返事がなかった故に想像はしていたがやはりか!早く身支度を済ませろ!今日の護衛はもう準備を終えているぞ!」

 

「ごめん急ぐ!」

 

呆れた顔のアンデルセンを尻目に急いで着替えを済ませてリビングに向かう。

 

「おはよう!ごめん今日の護衛って誰!?」

 

リビングの扉を勢いよく開き、勢いのままそう大声で問いかける。

すると台所にいたエミヤが反応を返してくれる。

 

「おはようマスター。今日の護衛は……「(わったし)だよー!」だそうだ」

 

やれやれ……と言わんばかりの苦笑いを浮かべながらそう言う。

そして元気よく名乗りをあげながら反対側のドアを開いたのは……

 

 

 

 

ルネサンス時代を代表する表現家の一人

 

 

 

医・化・数・軍・工・建築と、さまざまな分野に通じた《万能の人》。

 

 

 

そんな彼、あるいは彼女がカルデアとの別れに備えて遺したバックアップ。

 

 

 

ノウム・カルデアにおいては、シャドウ・ボーダーのナビゲーター兼制御AIとしてカルデアの旅路を支え続けた技術顧問。

 

 

 

その名を

 

 

 

《"未完の馬(グラン・カヴァッロ)"レオナルド・ダ・ヴィンチ》

 

 

 

「ダ・ヴィンチちゃん!今日の護衛はライダーのダ・ヴィンチちゃんなんだね!」

 

「そうだとも!キャスターの私はまだ工房の設置や設定が終わってないから私に任せるって言ってくれたしね!」

 

そう言ってターンして見せる彼女*1に微笑ましいような気持ちになる。そう、なんだかまるで快活な『妹』を見ているかのような……

 

「あれ?どうしたの藤敦くん?」

「どうしたマスター。涙が出ているぞ?」

 

二人からの言葉で自分の目から一筋、涙が垂れていることに気付いた

 

「あれ?なんでだろ?」

 

制服の袖で目を拭う。

 

 

一瞬、袖で目が塞がり、暗闇が訪れる。ふと、足から力が抜ける。

 

 

 

……知らない景色が、忘れていた景色が。

 

 

その一瞬で、鮮明に蘇る

 

 

そこに映るは煌々と燃え盛る紫炎。

 

 

恩讐の焔。あるいは怨讐の炎。

 

 

復讐者達と駆けた、『オーディール・コール(不可逆廃棄孔)』。

 

 

血まみれで倒れた妹

 

 

崩れ落ちた母

 

 

助けを求めようとしたのか、受話器の前で息絶えていた__……

 

 

ノイズが走る。頭痛がする。目の前には、忘れようとしていた光景が現れる。

 

 

炎が上がる。視界を紅く染め上げていく。

 

 

紅蓮の、業火の如き赤。平穏を奪い去った『紅』。

 

 

泣き声と、懇願する声と、それを全て払いのける嘲笑。

 

 

煙が回ってきたらしい。いしきが朦朧とする。

 

 

息がくるしい

 

 

たすけはまだ?

 

 

 

■■■■はまだ……え?

 

 

なんで……そこにいるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひーろーさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ター……マスター!」

 

 

「!!」

 

 

ふと気がつくと、目の前にはこちらを心配そうに覗き込むエミヤとダ・ヴィンチちゃんの顔があった

 

 

「大丈夫かね!?急に倒れたと思ったら魘されていたため、急いでソファに寝かせたのだが」

 

「カルデアでもないのにレムレムしないでよねー!?本当にびっくりしたんだから!」

 

「あはは、ごめんごめん……」

 

 

苦笑いしつつも起き上がる。ふと時計が目に入る、とっくに登校時間を回っていた

 

 

「あ"っ!?」

 

汚い声を上げてしまう

どう見ても無断遅刻確定ですありがとうございました

 

 

「む?……あぁ、遅刻か。学校には連絡してあるぞ。急に倒れたものでな」

 

「『先日の襲撃のダメージが残ってるのかも知れないから様子を見て、来れなさそうなら休ませてください』だって。気だるそうな声ではあったけど真摯に対応してくれる先生っぽくて良かったよ。あ、公欠か公遅にしておいてくれるって」

 

 

相澤先生には迷惑をかけっぱなしだなぁ……後で菓子折り持って謝りに行こっと。

 

 

「それで?体調は大丈夫かね?今日の朝食は学校でも食べられるようにサンドイッチにしてあるのだが」

 

「どう見てもゆっくり食べれる時間はなさそうだったからねー。私の発明品の実験台……もといテスターすることになるから登校中に食べてる時間はないし」

 

「待ってダ・ヴィンチちゃんどうやって登校させるつもりなの!?」

 

「あぁ、安心してくれたまえ!安全は8割ほど保証されているとも!」

 

「10割にしてから俺に使わせて欲しかったなぁ!」

 

 

そんな掛け合いをしながら彼女が取り出したのは一足のくつ。

ただし、靴底にタイヤ……いや、ローラーがついている所謂『ローラーシューズ』である

 

 

「今日の登校はローラースケートだ!ほらほら履いて履いて!」

 

「えっ、ちょっ、まっ!?」

 

 

勢いに流されるまま強引に履かされて玄関先に立たされる

 

 

「待ってお弁当!朝ごはん!」

 

「安心してくれたまえ!私が持ってる!さぁ!しっかり捕まって!」

 

 

そう言いながらがっしり手……というか腕を握ってくるダ・ヴィンチちゃん。

俺と彼女の足元から何やら嫌な音が響いてくるため否が応でも何が起こるのかわかってしまう

 

 

「人にぶつからないようにな」

 

「呑気k「いっくよー!境界を超えるもの(ビューティフル・ジャーニー)(ローラースケートVr.)!!」ァァァァァァ!?」

 

 

どこか諦めたようなエミヤの声。突っ込みたかったけど、突っ込む前にダ・ヴィンチちゃんがエンジンを点火してしまった。一瞬で景色が流れていく。一体時速何キロ出てるんだろうか?この風圧で息ができるのも俺が倒れないのもGで死なないのも魔術による補助だそうで。無駄に高技術で腹立つ。

そんなこんなで普段20分ほど歩いて登校するところを僅か3分で着いてしまった。*2普通に完全にグロッキーである。

 

 

「おえっ……死ぬ……」

 

「ご、ごめーん!?』

 

 

 

 

ー30分後・校舎内ー

 

 

 

 

「ようやく治った……本当に死ぬかと思った……」

 

 

あの後、俺は保健室にダ・ヴィンチちゃんの付き添い付きで向かい、しばらく横になっていた。

(その際にダ・ヴィンチちゃんはリカバリーガールからお説教されていた)

結果ある程度回復し、教室に向かっているわけだが。

 

 

「そろそろ4限が終わっちゃうなぁ……相澤先生にしこたま怒られそ「怒らんが?」うわぁ!?」

 

 

無音でミイラ姿で背後に回って話しかけないでください先生!?後真顔なのが余計に怖いです。

心臓がバックバック鳴っている中で相澤先生が親指で近くの仮眠室を指して言う

 

 

「まぁ怒りはしないが話はある。登校時の爆音の理由を聞かせてもらうぞ」

 

「アッハイ」

 

 

と、そんなこんなで仮眠室では先の爆音の説明と謝罪と釈明をして許してもらった。

なんでも仮眠していたところに爆音が鳴り響き、あわや鼓膜が破れるところだったらしい。

マイク先生と普段一緒にいる先生の耳が死にかけるとかどんな音量だったんだ……(魔術産の耳栓をつけていたためわからなかった)

その後に朝のホームルームにクラスメイトに告知された『雄英体育祭』についての説明を受けて解放された。

いや本当すいません

 

 

ー昼休みー

 

 

「おはy……違うな、こんにちはかn「「「藤敦回復はえぇぇ!?」」」どっかでやったなこんなの」

 

 

教室に入ると今から昼食なのか4限の片付けをしていた全員から「よく来たなコノヤロー」とばかりにもみくちゃにされた。

去年も同じようなことをされた気がする……

後そこでニヤつきながら見てるレイ子と逢魔君は助けてくれないかな?

 

 

「よ、ようやう抜け出せた……」

 

 

時間的に離れないと食堂の席取りに間に合わないと数人がそそくさと去っていったのを皮切りに、全員が解散していった。

1日に攻撃以外で2回も死にかけること、そうそうないと思うんだ

 

「お疲れ様、苅間」

 

「レイ子か」

 

そんな感じで自分の席でダウンしていると、レイ子が近づいてきた

 

「心配したんだからね?丸1日連絡もなかったし」

 

「それは……うん、ごめん」

 

「素直でよろしい」

 

そんな会話をしながら、俺たちは弁当を広げて昼食を食べ始める

 

「そういえば苅間今日はお弁当なんだね」

 

「うん、家に作ってくれる(サーヴァント)がいるからね。女子力高いんだよなぁエミヤ……」

 

そこまで言うと、レイ子がびっくりしたように言う

 

「え、エミヤってこの間の戦闘訓練で爆豪の相手してた人!?」

 

「そう、そのエミヤ。我が家のキッチンの主にしてオカン。戦時以外は本当にスペックの高い兄ちゃんって感じだよ」

 

「へぇ……結構意外かも」

 

そんな話をしながらお弁当を食べ切り、5・6限の授業を受けてHRを済ませた後。

廊下……正確にいえば1ーAの教室の周りには人が集まり、出ることができないほどだった

 

 

「何事だぁ!?」

 

麗日さんが全員の心境を代弁して叫ぶ。

 

「出れねーじゃん!何しにきたんだよ」

「敵情視察だろザコ」

 

峰田君が叫ぶが、直後爆豪がそう言う。ちょっとその物言いはどうかと思うなぁ!?

ほら、峰田くん震えながら緑谷くんに聞いてるし……あ、やっぱりあれがニュートラルなのね。敵が多そうな人だよなぁ彼……

 

 

(ヴィラン)の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭(たたかい)の前に見ときてぇんだろ」

 

……なるほどね、そりゃこうなるか。

あの事件(襲撃)に興味がある人なんて一人二人じゃ済まないだろうし。

 

爆豪、そこまで言って一言そこまで言ってガンを効かせて一言

 

 

「意味ねェからどけモブ共」ドーン

 

うーん率直!100%本心なんだろうけど言い方が酷い!

 

「知らない人のこととりあえずモブって言うのやめなよ!!」

 

飯田くんからツッコミが入る。いや本当にね!

 

 

「どんなもんかと見に来たがずいぶん偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」

 

「ああ!?」

 

人の波をかき分けて奥から紫色の男子が出てくる。隈が濃いなぁ、大丈夫?

 

「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったってやつ結構いるんだ知ってた?」

 

「?」

 

彼の言葉の意図がつかめず、疑問符を浮かべるA組一同

 

「体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ………」

 

「敵情視察?少なくとも普通科(おれ)は……

 

 

 

 

調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」

 

 

「!!」

 

彼の言葉に、言いようもない凄みを感じた。

羨望と、憧れと、落胆。そしてうっすらと感じる苛立ち。

彼の言葉からして、彼もヒーロー科におちて普通科で入学した生徒の一人なんだろう。

だから、きっと彼はのしあがる。自分に与えられた手札を全て使い切って挑んでくるだろう。

 

 

「隣のB組のモンだけどよぅ!!」

 

 

更にもう一人、人の波をかき分けて勢いよく乗り出してきた生徒がいた。

 

 

(ヴィラン)と戦ったっつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!

 エラく調子づいちゃってんなオイ!!!」

 

……へぇ?

 

「本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」

 

そう散々言われたA組の面々の視線は、この事態を引き起こした言葉を発した爆豪へ向けられる。

そう、それはもう『じっ……』と効果音が鳴りそうなくらいには。

 

ただ肝心の爆豪は……

 

「……」

 

無言で人の波をかき分けて帰ろうとしていた

 

「待てコラどうしてくれんだ!オメーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねえか!!」

 

切島くんが静止する。そうだそうだもっと言ってやれ切島くん

 

しかし爆豪は苛立ちを込めてその言葉に返す

 

「関係ねぇよ……」

 

「はァァァァァァ!?」

 

「上に上がりゃ関係ねぇ」

 

そう宣言して、1人去って行った

 

「く……シンプルで男らしいじゃねぇか」

 

「上か……一理ある」

 

「騙されんな!無駄に敵増やしただけだぞ!」

 

上鳴くんがそう言うけど本当にそれはそう。

ただまぁ、爆豪の言うことも一理あるのは間違いない。

これから始まるのは体育祭。

爆豪も言っていたように『戦い』なのだから。いやでも優劣がつく場なのだから

 

 

「上に上がれば関係ない……か」

 

 

そうだ。頂点(てっぺん)に立てば誰も文句を言えないのだから。

 

 

 

各々の思いを抱えて時は過ぎて行く……全ては次の戦いの場に。体育祭に備えて。

 

 

 

 

 

ーSide:ダ・ヴィンチー

 

 

 

 

 

 

「うーん、変だなぁ……」

 

苅間と別れた後、校舎内を散策していたダ・ヴィンチは休憩とばかりに椅子に腰掛けて1人首を捻っていた。

手には箱のような機械を持ち、その箱にはアンテナとコードが伸びている。

コードが伸びた先には朝履いていたローラーシューズがあった

 

「朝の登校時にも、散策している間も、全くと言っていいほど太い霊脈が見えない。

どこもかしこもほっそりしちゃって……霊脈溜まりなんて論外だね」

 

どこかに魔力を根こそぎ吸い尽くされたかのような霊脈の様子。

この程度の霊脈ではサーヴァントの召喚すらままならない(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「まして、エミヤオルタのような上位サーヴァントの召喚・現界の維持に必要な魔力やコストはバカにならないぞ」

 

謎は深まるばかり……こんな時にホームズがいれば……いや、いても変わんないか。

『今は語るべき時ではない』とか言って絶対はぐらかすし。

 

「まぁかといって手がかりがほとんどない状態で推理できるほど私も洞察力が優れてるわけでもないんだよねぇ」

 

もっと色々調べなきゃ!と機械を手に持ち、ぴょんっと椅子から飛びおり、そのまま走り去っていった

*1
本小説ではサーヴァント:レオナルド・ダ・ヴィンチのことをクラス問わず例外を除いて『彼女』と称します

*2
製作者「法定速度?捕まんなきゃOK!」(帰宅後数時間エミヤに正座でお説教をもらっていました)








ーあとがきの部屋ー



どうも皆さん作者です

「どうも、アンデルセンだ」

今回は色々初挑戦。注釈つけてみたりフォントを変えてみたりしています。

「何か違和感があれば教えてくれ。誤りをそのままにしておくなど、俺の矜持が許さん」

お願いしますね〜……と言うわけで今回の内容ですが。特に話すことがありません!

「やや不穏な雰囲気や暗いものが見え隠れした程度か?」

そうですね……正直ここに挿入することになるとは自分でも思ってませんでした。

「相変わらずの見切り発車め……!ほぼタイトル詐欺だろう!?記念すべき20話がこれでいいのか!?」

プロットは練ってるんですけどなんか上手く進めないんですよねぇ……後俺が祝うとしたら二十五話ごとなんで
あ、皆さんアーキタイプ・インセプションはクリアできましたか?自分は泣きました。

「こいつ……!」

と言うことで今日はここまで!

「まったく……感想・批評・評価などはいつでも受け付けているぞ」

アンケートなんかにもご協力お願いします!

「ではでは今日はこの辺で」

「『また次回!』」

この世界での最初の幕間。読みたいのは誰?(FGOキャラ登場の可能性もあり。なお、あくまでも参考です)

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ(ライダー)
  • 諸葛孔明
  • エミヤ(赤いアーチャー)
  • その他(活動報告へ)
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