【現在再構築中】Fate/Grand OrderーHero of the Destineyー 作:定紋練魔
進路希望の紙を先生が回収して、6時間目は終了する。
「……ふぅん、やっぱりヒーロー科志望の奴らが多いのな。
ヒーロー科は雄英や士傑みたいな有名どころだけじゃない。
自分の成績や実力を鑑みて次回までにしっかり調べてくることな」
先生がそう締めてその日の授業は終わった。
学校が終われば、皆一様に帰宅や部活の準備に入る。
俺とレイ子は互いに部活は休みだったため、帰宅の準備を済ませて帰途につく。
いつもと何も変わらない帰り道。
道中の会話は、やはり進路についての話で持ちきりだった。
「苅間はなんでヒーロー科行かないの?」
「え、何急に」
前振りもなくレイ子が振ってきた話題に困惑する。
「いいでしょ?さっきの授業で経営科行くって言ってたけど、なんでヒーロー科じゃないのかなって
ほら、雄英といえばヒーロー科ってイメージあるし」
「なんでって言われてもな……ほら、俺の"個性"ってヒーロー向きじゃないし。
鍛えてるつもりではあるけどそれでもパワー系や遠距離攻撃持ちのの個性を持った同業者や敵には勝てないだろうしね。
そもそもこの"個性"で実技を切り抜けられる気がしない」
雄英高校ヒーロー科の入試倍率は実に300倍。加えて、筆記試験のみならず実技試験まであるという。
筆記までならなんとかなるかもしれないが、実技で歯が立たないことは考えるまでもないだろう。
「む、確かに"個性"的には難しいかもしれないけど、苅間は体術もできるじゃん」
「体術でなんとかなる相手ならいいけどね。
今日軽く調べた感じ、入試の実技で敵役になるのはロボットなんだって。
軽装甲ならともかく、重装甲のやつにはまるで歯が立たないよ」
「むぅ……」
「何がそんな不満なのさ……」
「なんでもない!」
少しむっとしながら話を聞いているレイ子に苦笑しながら問うも、そのまま顔を逸らされてしまった
「大体苅間はッ!?ちょ、なに!?」
話を続けようとしたレイ子だったが、俺に飛びつかれたことで話を中断させる。
直後、レイ子のいた場所の地面のコンクリートが粉砕された。
そのまま俺はすぐに立ち上がり、あたりを見回す。
普通の通りを歩いていたはずが、いつの間にか見覚えのない路地を歩いていた。
「ははっ、なんて運が悪い……敵だ。構えて」
「!?」
そう言うと、目の前の景色の一部が白い靄がかかったように見えなくなり、そこから175cmほどの男が出てきた
「ッチ、勘のいいガキだ……そういう"個性"でも持ってんのか?」
白髪混じりの黒髪のオールバックと、視線だけで人を射殺さんばかりの鋭い目つきに、露出した腕から覗く大きな傷跡、そして何よりそのガタイの良さは完成しきった体と言ってもいいだろう。
間違いなく……
「強い……!」
「それは言わなくてもわかるって!苅間、プロヒーローに連絡を」
「ごめん、無理!さっき跳んだ時に落ちて壊れたみたいだ!使い物にならない!」
「嘘でしょ!?」
俺も連絡することは考えたけど、冗談抜きで壊れて連絡ができる状態じゃない。
どうにかして逃げて「逃げるなんて考えても無駄だぞ?」!?
「テメェみてぇなガキの考えることは手に取るようにわかる。大方逃げ出そうとか考えてたんだろうが……」
完全に思考が読まれてる!?
「俺の"個性"は『幻煙』。この周囲には俺の煙が撒いてある。逃げようにも俺の煙が幻を見せ、この路地から出ることは叶わない!唯一の連絡手段のスマホも最早役には立たん!」
そう下卑た顔で俺達に言い放ち、俺の腹を蹴り飛ばし壁に叩きつける敵。
「ゴハッ……!」
「お前らは詰んだんだガキ共!」
「苅間!」
レイ子が"個性"を使って物を投げつけるも、その体を煙化させて回避を続ける。
「無駄だってことがわかんねぇのか?」
攻撃はすり抜ける、逃げようにも手段は封じられ、連絡手段もない。
『死』
その一文字が脳裏に浮かぶ。
俺には何もできない。
ただ運命を恨みながら終わりを待つのみ……
本当に何もできないのか?
できることを模索しろ!考えを止めるな!
何か……何かあるはずだ!
俺の手元にあるのは……鞄!
中にあるのは……教科書に文房具に読書用の本……
……本?
朝見つけた本が、薄く発光している。
敵の方を見る。
レイ子の方に集中していてこちらは全く目にないようだ。
こっそりとその本を開く。
捲れなかったはずの頁が捲れるようになっている。
1枚捲る。
そこには『人類最後のマスターに、この物語を捧ぐ』とあった。
心臓の音が鮮明に聞こえてくる
更にもう一枚を捲る。
右のページには魔法陣が、左のページには文言が載っていた。
その1番上の単語に、動悸が激しくなる
戦闘音が、騒音が一瞬で遠くなる。
「英霊……召喚……」
俺の口は、己も知らぬ間にその文を呟いていた
「祖に銀と鉄、礎に石と契約の大公」
自分でもなぜこの文を読み上げているのかわからない。
「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国へ至る三叉路は循環せよ」
だけど、もし
「
もしもこれで、この状況を一変させることができるなら……!
「繰り返すつどに5度、ただ満たされる時を破却する」
大きく息を吸い込み、大きな声で告げる
「告げる!汝の剣は我が下に、我が命運は汝の剣に!」
敵がこちらに気づいたようだが知ったことか
「聖杯の寄るべに従い、
こちらへ一瞬で移動し、拳を振り下ろすが、出現した三重の輪に弾かれる
「汝、星見の言霊を纏う七天」
より光が眩しくなり、輪が大きくなる
「降し、降し、裁きたまえ!」
敵を弾き飛ばした輪に向けて、大きく宣言する
「天秤の守り手よ―――!」
光が収束し、人の形が現れる。
その人影が手に持った何かを床に投げつけ割ると、世界が灰色に染まる
「!?」
「案ずるな、一時的に時を止めただけだ。
全く、この土壇場で俺を呼び出すとは……必然か偶然か……」
「君は……」
現れた人影は一般に児童体型と呼ばれるサイズで、白衣を身に纏い、メガネをかけ、手には古めかしい本を持っている
「まぁいい、とりあえず改めて自己紹介だ」
ニヤリと笑いながら"彼"はこう言い放つ
「三流サーヴァント、アンデルセンだ。本棚の隅にでも放り込んでおいてくれ」
その姿を見て、とりあえず俺は一言
「え、その姿でその声なの?」
「やかましいわ!記憶を取り戻していないとはいえ腹立つな貴様!」
少年的なビジュアルに対するその渋い声にツッコミを隠し得なかった。
「まあいい。その本を持っていてかつ令呪を宿している……なら資格は十分にあるな。
おい、その本の1ページ目を開け」
言われた通りに最初のページに戻る。
そこには最初の装飾に加えて『執筆者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン』と記されていた。
「その本は"お前の"物語だ。俺の名前の横にお前の名前を書き込め。
お前の名前の記載を持って、その本は完成する」
そう言いながら万年筆を投げて渡すアンデルセン
「……そうすれば、この状況を打破できる?」
「さぁな。それはお前次第だ」
「煮え切らない返事だね」
「そも、俺は一介の作家に過ぎん。俺に戦闘力を求めるのはナンセンスとさえ言える。」
え"っ……そんな声を漏らしてしまうのは是非もないことだろう
「そんな声を出すな。まあ、俺の使い方によっては打破も夢ではない、とだけ言っておこう。さぁ、そこにサインを」
俺は万年筆を握り、思い切って本に記載を行う……
《執筆者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 著:藤敦苅間/藤丸立香》
「ふじ……まる……」
「思い出せ。お前の記憶を。思い出せ!
その声が聞こえると共に脳裏を駆け巡るかつての記憶。
人理修復を成すために駆け抜けた日々。
そう、俺の、俺たちの……
「グランド……オーダー……」
「ようやく思い出したか、たわけめ」
「うん、迷惑かけたね。思い出したよ」
「思い出したならそれでいい。そしたら後は簡単だ。その力を持ってこの事態を解決するがいい……
と言いたいところだがそうもいかん。
今世のお前の魔力量は鍛えればカルデアの総魔力を上回る程度にはあるやもしれんが、現時点では俺のような弱小三流サーヴァントを現界させるのが関の山だ」
「どうすればいいかな」
「簡単だ。
お前の魂に一時的にサーヴァントの霊基を定着させる……まあいわゆる"憑依"させる術式だ。」
そう言って渡してきたのは一枚の羊皮紙。
そこにはルーン文字で何かが書かれている
「使い方は簡単だ。お前の血で署名欄に血判を押せ。
優れた魔力を含む血液は最上位の魔力媒体だ。その魔力を通して、お前の魂に術式を刻印する。
……全く、あいつらの考えることはまるで理解が及ばんな……」
そう言われて、話が終わらない内にカッターを筆箱から取り出し、躊躇いなく指先を切って血判を押す
すると体全体を切り刻まれるような、引き裂かれるような、捩じ切られるような言いようの無い痛みが襲い、俺は地面をのたうち回る。
「ガッ……!?グゥァッ……うォ"エっ……」
「あっこらバカ説明中に血判を押すやつがあるか!?」
焦ったようなアンデルセンの声が聞こえる
「関係うぷっ……無い……これで……救えるなら……!」
俺の傷を癒してくれた彼女を……懸命に俺を守ろうとしてくれる彼女を救えるなら……!
「……なるほど。今世じゃあのお嬢さんがお前の支えになったわけだ。まあ時間も惜しい。
そろそろ結界も切れる頃だ、詠唱はわかるなマスター?」
レイ子の方を見てそう言うアンデルセン
「あぁ……やろう!」
「フン……俺の宝具はピーキーな上にチャンスは一度きりだ。
わかってるな?……いや、愚問だったな。詠唱を!結界も長くは持たん!」
「わかってる!」
そう言って詠唱を始める
「数多の縁を持つ者、藤敦苅間が星見の轍に
縁を結びし魔術師と我が魂を繋げ、このひととき、我に力を与えたまえ……
『
すると俺の体とアンデルセンの体の周りに召喚時と同じような三重の光の輪が発生する。
「よぅし成功だ!あの冠位クソ野郎共もやる時はやるんだなぁ!」
そんな声が聞こえた瞬間、輪は収束し、光の塊が俺を飲み込み……次の瞬間、そこには俺の姿だけがあった。
しかし俺の姿は変化しており、学生服だった服装はワイシャツに白い長ズボンとなっており、その上から白衣を羽織っている。
黒髪だった俺の髪は水色になっており、顔にはメガネをかけていた。
『聞こえるな、マスター』
「うん、聞こえるよ」
憑依している間は脳内で会話ができるらしい。
俺は慣れてないから声を出しているが。
『結界を解除する時は指を鳴らせ。それで結界は崩れる』
「了解!」
そんな会話の後、走ってレイ子の近くまで移動し指を鳴らすと、世界にヒビが入り、ガラスのように割れ、辺りに色が戻る。無事に結界は解除できたようだ。
「え、苅間!?」
「……あ、そうか。レイ子からしたら急に近くに現れたように見えるんだ」
驚いたような声をあげるレイ子に疑問符を浮かべるも、すぐに合点がいき説明をする。
まぁとはいえ、『バフをかけるから攻撃してほしい』みたいなフワッとした説明だけれど。
「……後でちゃんと説明してもらうからね」
「あぁ、全部終わったら説明する」
今の俺の格好のことも含めて後で説明すると、そう言って相手がいる方向を見る
『前から来てるぞ!回避!』
「避けて!」
「えっ?あ、うん!」
そう言って横に跳ぶ。レイ子もうまく避けられたようだ
「ッチ、避けやがった相変わらず勘のいいガキだ。変な挙動しやがって……いつの間に服まで変わってやがるし……
今度こそ当ててやる」
「当たってたまるか!」
相手が構えたのを見て、急いで横に跳んで相手がかろうじて届かない位置にずれて本を開く
アンデルセンの宝具は、一般的なゲームなどで言う『超強力な攻撃を叩き込む』ような物ではない。
本人の戦闘力もほぼ皆無と言って差し支えないレベルだ。
だが、彼の宝具は決して『弱い宝具』ではない。
「彼ほど上手くは
「君の物語を書き上げよう。
タイトルは……そう。
ペンが本の上を走る。
本の上に、物語のように彼女の一生が記されていく。
そしてその最後に
『彼女の攻撃は
そう書き加えた。
「レイ子!攻撃を!できるだけ重いものを当てるんだ!今なら当たるはずだ!」
本を閉じるとすぐさまそう叫ぶ。
「わ、わかった!」
言葉を受けるとすぐさま近くのマンホールを"個性"で浮かせ、敵へと投げる
「がァッ!?な、なぜ!?」
敵は煙化して逃れようとしたが煙化できずに命中する。
そして追加で飛んでくる物を避けようとして……
「グォァアァァァァァァッッ!?」
避けきれずに複数個が命中。当たりどころが悪かったのかそのまま倒れて気絶した。
相手の"個性"が解除され、近くに大通りが見える。
パトカーのサイレンや誰かを探す声が聞こえる
倒すことができた安心感でか、力が抜けてその場に座り込んでしまった。
「たお……せた?」
「ぽい……かな……」
二人して大きなため息を吐く
「どうなるかと思った……」
「本当に……死ぬかと……」
ぅあれ?なんか……視界が揺れて……?
「え、ちょっ、苅間!?」
そのまま視界が藍色に染まる。
視界の至る所に星が見える。
どうやら、そのまま横たわってしまったようだ。
起きあがろうとしても体に力が入らない。
「苅間!?ちょっと!大丈夫なの!?」
レイ子が何か言っているが聞き取れない。
だんだん視界がぼんやりとしてきて……
そのまま視界がブラックアウトした。
ーあとがきの部屋ー
やー、お疲れ様でした
「フン、数ヶ月更新を放っておいて何様だ」
それは本当にすいませんでした
「まあいい。今日は企画があるんだろう?」
ああ、そうだったそうだった。
今日の後書きコーナーでは先生の宝具、『あなたの為の物語』を解説していきますよ〜!
「ふむ、俺の宝具だな」
はい。この宝具は本編でもあった通り、対象を『主人公』に仕立て上げる宝具ですね
「仕立て上げるとか言うんじゃない。主人公にすると言え」
さして変わらない気が……まあいいでしょう。
正確には"一人の人間を本に描かれた存在に変える"という内容ですね
Fate/EXTELLAでは、ボス……でいいのかな?の彼女をこの宝具で大幅強化しましたよね
「プレイしてないんだろ。無理するな」
そう言うこと言わないで!
ゴホン、気を取り直して……Fate/Grand Orderでは、先生の宝具は
味方全体の攻撃力アップ&防御力アップ&スター発生率アップ&毎ターンHP回復を付与のArts宝具!
ゴリゴリのバフサポート系宝具ですね。
「そうだな。Artsパーティのバフ係として呼ばれたことも多々あった。俺自身が星2の低レアというのも理由の一端を担っているだろうな」
手に入れやすいと宝具も重なりやすいですからね。
「まぁ、興味のある物好きなマスターは使ってみるといい」
あ、それ私のセリフ……まあいいか。今日のところはここまで!また次回お会いしましょう!
「よーし〆だな。そこに直れ説教の時間だ」
やー、勘弁してください。
あ、感想、評価、批評お待ちしております!
ではでは~……ドロンッ!
『あ、逃げるな待て阿呆ッ!』