絶対にデレない敵役生徒   作:有機栽培茶

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えへへへへへへへへ。お久しぶりでございます読者様ぁ………あ、まって、帰らないで!新生活で忙しかったんですぅ!!嘘です普通にリアル上げ上げモチベ下げ下げでサボってましたごめんなさい。キャンパスライフ満喫……とは言えませんけど楽しんでました。これからはぼちぼち書いていくので……失踪しないので……

あ、こっから最終章(予定)です。今作は前作『引き篭もりアーカイブ』の続編or裏話的な面を持っていますので、前作を読んでいない方は……別に読んでいただかなくても楽しめるように書きますが、読んでいただけると作者が喜びます。


三章:忘れられた世界の黙示録
プロローグ


 

 暗く陰鬱で、この世界に冠された題名には似合わないような、そんな夜空だ。降り注ぐ雨粒は、「嗚呼なるほど。空模様を己の心情に例える者もいる訳だ」と言いたくなるほどにはこの場面に適していた。

 

 透き通った物語の、その日陰。

 

 未だ日に照らされずにいる彼女たちの物語がそこにはあった。

 

 

「私がいくよ。だから、他のメンバーは見逃して欲しい」

 

 

 青髪の少女を支えるようにして寄り添う2人の子供と、そんな彼女たちの前に庇うように進でて私を見上げる悲劇のお姫様。…確かにこれは、彼の“物語”の1ページたり得る登場人物達だ。陽に照らされずとも美しく輝き、そして儚い。

 

 

「アツコ!?……一体何をっ!?」

 

 

 この陰鬱であまりにも残酷な現実の中で見せる彼女達の友情、もしくは家族愛と呼べるそれは今なお降り注ぐ雨の中輝いていた。

 

 ……嗚呼。そうだ。あの時画面越しにみたあの景色そのままだ。そのままの光景が、同じようにスクリーン越しに、しかし現実で起こっている。これはゲームなどではないのだと、いつまで経っても現実逃避を続けるこの薄鈍な脳に叩きつけてくる。

 

 

「約束してくれる?みんなを自由にしてくれるって」

 

 

 それでもどこか、この現実を受け入れきれていない自分がいる。それはそうだ。当たり前のことなのだ。ただの学生だった自分が、ヘイローなどもたず銃も扱ったことのなかった、平和な世界で生きた自分が、こんな厳しい世界でまともに生きていけるわけがない。こんな……()()()()()()()()()で正気を保てるわけがない。それもこの世界の未来を、私だけが知っている状態で。

 

 だから、これは一種の防衛本能なのだろう。私が狂気に飲まれないようにするための防衛本能。甘ったれと言われるかも知れないが、そう言うものなのだ。

 

 だからこそ──

 

 

『……ああ、約束しよう。私が、()()()()と』

 

 

 ──こんな、身の丈に合わない……しかしそうしなければならない決意を口にすることができるのだろう。どんなことをしてでもこの世界を、物語を救ってみせると言うひどく重い決意を。

 

 私自身の平穏のため。そして何より……あの頃のように、また2人で───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クチュンッ」

 

 

 今宵は満月。降り注いでいた雨は止み、雲は晴れ、空いっぱいの星空が美しく光り輝いている。しかしだからと言って考えなしに深夜徘徊などするものじゃなかった。

 絶対もう少し厚着してきた方がよかったなこれ、と愚痴りながら歩くのはこの僕。戦華ヒバナだ。

 

 やあみんな。久しぶりだね。大体……そうだな、エデン条約がひと段落着いた頃以来かな?

 

 まあいつも通りの日常……と言っていいのかわからないが、これと言って特別なことはなかったからね。ただ大変ではあったさ。シャーレの激務にヒナちゃんたち風紀委員会の手伝い。毎日のように現れる害獣どもの対処に、前よりかは幾分マシになったとはいえ未だ僕に甘えてくるあのバカの世話。いつも通りのクソみたいな日々だった。

 

 そして今日もまたいつも通りの何もない平凡な日常で、偶々雨上がりの空が綺麗でそれ目当てに散歩に出かけた僕が、偶々この日記のことを思い出してこうして書き綴っただけのなんの変哲もないつまらない一日、そのはずだった。そう、終わるはずだったんだが。

 

 

「……運がいいのか悪いのか。しかし面倒なことには変わりはないな」

 

 

 見覚えのある顔を、建物と建物の間。その暗がりに見た。

 水色の髪色に、何かに追われているのか、はたまた普段からなのかオドオドとした様子。そして彼女たちの制服に多くみられた白を基調とした青色の制服。

 

 ああ忘れもしないさお前たちのことは。あの日逃した害獣どもよ。

 

 

「やぁ……久しいね。害獣ちゃん」

「ふぇ…?」

 

 

 何かから隠れているかのように縮こまってゴミ箱を陰にして隠れていたそいつの肩を掴みどすの利いた声で声をかけたその瞬間。

 

 

「……だ」

「だ?」

「だだだ……誰ですか!?!?」

「───はぁ!?!?!?」

 

 

 正気かこいつ!?

 僕はこいつの胸ぐらを掴んで持ち上げる。

 

 

「てっめ…っ!僕だぞ!?忘れたとは言わせない!元ゲヘナ風紀委員副委員長で、現シャーレ所属の戦華ヒバナ!!エデン条約の時君たちと対峙した!」

「あ……あああああ!!おおおお、思い出しましたぁ!!ごめんなさいぃ!!風紀委員長の方が印象強くて忘れてましたぁ!!!」

「このっ…!おま…!!!この僕をなきものとして扱うとは…!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁああん!もう終わりです…!きっとあの時の復讐に来たんです……そうですよね……お友達を傷つけて……あんなことをした私たちを捕まえて復讐したいんですよね?冷たい椅子に縛り付けて、釘を打ちつけて、シャーレの暗い地下室に監禁するつもりなんだ……そしてそのまま何も食べさせてもらえずに……まだやりたい事も、読みたい雑誌もたくさんあったのに……」

 

「……はっ!」

 

 

 急に泣き喚き出したと思ったら急に妄想をぺちゃくちゃと垂れ流す姿に圧倒されながらも、僕は不敵な笑みを浮かべ、嘲笑う。

 

 

「………ふん。何を言い出すと思ったら……僕の罰がそんな軽いものだと思っているのかい?この!僕の!罰が!」

「ひぃぃ!!」

 

「いいかい!?これから君は僕に捕まりヴァルキューレに投獄されることになる!食事は毎日三食!栄養たっぷりの三色揃ったご飯を食べさせられ!毎朝決まった時間に叩き起こされ!毎日決まった量運動させられ!そして決まった時間に寝かされる!そうして強制的に規則正しく健康的な生活を送らされる……君はそんな牢獄に入れられるのだ!」

「そ、そんな…!それって…!」

「ああ、そうさ。それってまさに…」

 

地獄(天国)だろう!?(じゃないですか!?)

 

「……は?」

「……え?」

 

「いやいやいや…!おま、無理やり健康な暮らしを強制させられるんだぞ!?夜更かしできないぞ!?ドカ食いできないぞ!?残業できないぞ!?」

「で、でも……三食食べられるんですよね…?」

「だ、だがあのクソ女が………」

 

 

 ──いや待てよ?

 僕の場合あのクソ女こと先生が毎日面会にきてストレスMAXな状態だったが……栄養満点なご飯が三食食べられて仕事も、もちろん残業もしなくてよくって、(先生さえ来なければ)ストレスからくるドカ食いも必要なくて…………あれ?

 

 

「うわぁぁぁぁん!もうおしまいです……私はこれから美味しいご飯をいっぱい食べさせられて懐柔させられるんだぁ……ダメ人間にされちゃうんだぁ……!」

 

 

 そんなはずが…!だって釈放後はシャーレに入部してから仕事量は変わらないくせに癒しのヒナちゃんは離れて、ストレスの原因たるあの女がそばにいて、そのせいでストレス発散にお菓子をいっぱい食べたり夜食いっぱい食べたりエナドリいっぱい飲んだり………ヴァルキューレに捕まっていた方が暮らしやすかったんじゃ───

 

 

「動くな」

「………あ゛ぁ?」

 

 

 僕が頭を抱えていると背後からカチャリと音がした。

 

 キヴォトスに住んでれば誰だって飽きるほど聞くことになるであろう冷たい金属音。そして、対照的にキヴォトスでも滅多に感じることのない肌のピリつくような……しかしそれに伴うはずの激情を感じさせない冷ややかな殺気。

 

 覚えがある。あの時の記憶通り。君たちは似たような雰囲気をしている。

 

 

「……はは。害獣がひぃーふぅーみー……揃いも揃って狩られにきたか?」

「ひぃ!?」

 

 

 振り返れば、ああほら。やっぱりそうだ。可愛げもないガスマスクに、なぜか悲鳴をあげて僕の影に隠れたこいつと同じ装備……おい、僕を盾にするんじゃない。

 

 

「ひ、ひえぇぇ!!!もうおしまいです!見つかってしまいましたぁ!ヒバナさんが大きな声を出すせいで……!」

「はぁ!?八割がた君の自業自得だろう!?」

 

 

 ああこの!?スカートに泣きながら顔を押し付けるな!汚れる!

 

 

「……そもそも、なんで君はこいつらから隠れてるんだい?かくれんぼでもしていたのかい?」

「……」

「……って、そんなわけないよな。冗談だ。聞き流してくれ」

 

 

 まあ、あらかた予想はつく。おおよそ不良品の処分ってとこだろう。ドラマとかでよく見たことがある。任務に失敗した無能な部下を悪役の親玉が処分するっつーのは陳腐な展開だ。展開だ、が……まーさか僕がリアルでそんな展開を目にするなんてね。感動ものだよ。

 

 

「……大人しくそいつを我々に渡せ。そうすれば今は見逃してやる。我々の任務はスクワッドの処分だ。貴様の排除は含まれていない」

「ひぃ……ま、まさか引き渡す気ですか!?や、やっぱりそうなんだ……そうですよね……捕まえるよりも、手を汚さずあの人たちに処分させる方が楽ですもんね……うわぁぁぁぁぁぁん!もうおしまいです……」

 

 

 何やら戯言をほざく害獣どもから、目下の被害妄想を垂れ流し勝手に絶望する雑魚に目をうつし、ため息を吐く。どいつもこいつも、ごちゃごちゃごちゃごちゃ。この僕をイラつかせる。

 

 

「……はぁ、うるさい。泣き喚くな」

「ひぃ!?」

「さっきから黙って聞いていればボソボソボソボソと、ガスマスク越しで聞こえにくいったらありゃしない」

「……」

「大体なんだい?“見逃す”だぁ?ははは、ナイスジョーク。それは強者が使う言葉じゃないか」

「………断る、ということでいいんだな」

「当然。シャーレ部員として、元風紀委員として。どんな罪人だろうが私刑は見逃せないからね。それに───

 

 

 ───害獣風情がこの僕に命令するなよ。潰すぞ」

 

 

 

「……やれ」

 

 

 一斉に僕に向けて銃口を構える害獣どもと、悲鳴をあげてしがみつく泣き虫。同時に僕は袖口から釘を取り出しそして──

 

 ──次の瞬間害獣どもの頭に銃弾が打ち込まれた。

 

 

「……は?」

「ヒヨリ!無事か!?」

「あ!ヒバナちゃーん!」

「何とか、無事……みたいだね?」

 

 

 銃弾がきた方に顔を向ければ焦った様子で駆け寄ってくるあの時あのバカの脇腹を撃ち抜いた錠前サオリとかいう害獣と、その連れの仮面をつけてない方のやつ。そして、手を振って駆け寄ってくるあのバカ。

 

 

「……は?」

 

 

 ……これは、一体どういう状況だ?




ひーさーしーぶーりーでー小説の書き方も原作キャラエミュもオリ主のくせにヒバナエミュもできなーい。許しちぇ
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