また今話では作者のキャラ解像度不足によりヒナちゃんがクソデカ独占欲を持つと言う重度のキャラ崩壊が起こっております。誰かヒナちゃんマイスターがいらっしゃりましたら私めにご教授願います。自分でも納得いっていないのでマジでお願いします。長文でもちゃんと読んで改善に努めます。
なおヒナちゃんとヒバナが犬猿の仲だったと言う設定は無くなりました。書けなかったので。仲良しこよしです。
あと評価及びコメントが作者の主食なので、くれ(図太さMAX)
戦華ヒバナ
私、空崎ヒナが彼女に初めて出会ったのは小学校の頃だった。
初対面の印象は、ゲヘナじゃどこにでもいる様な不良。小学生のくせに、先輩を見て覚えたのか悪ぶって机に足を乗せていたし、タバコっぽいものも吸っていた。ココアシガレットだったけど。少なくとも今みたいにキザな口調じゃなくてもっと乱暴なものだったし、服も着崩していた。
そんな自分とは一生関わることはないだろう人間と、初めて言葉を交わしたきっかけは、彼方からだった。
「おい」
そんなぶっきらぼうな言葉。
顔を上げれば彼女がこちらを覗き込んでいた。
「それ、見せろ」
「…宿題?」
「そ」
「いいけど…」
ここで断って面倒ごとになるのを嫌がった私は素直に彼女へノートを渡した。
「ん。あんがとよ。…ちっ。あいつ…急に体調崩しやがってよ…誰が看病してやると………って字ぃ綺麗だなお前!?」
「…ありがと」
「はー…優等生はこうも揃って字が綺麗なものなのか?ちょっと待ってろ。すぐ写して返すからよ」
ただそれだけ。
その後ノートはちゃんと帰ってきたし、この前聞いた『お前のものは俺のもの』みたいなことを言うヤバいやつって噂よりはまともだった。
けど所詮は不良。私もそれだけじゃ興味は持たなかったし、これ以上は関わらないだろうと思ってた。
でも相手は違ったみたいだ。
「おい」
またぶっきらぼうな口調。
顔を上げればまた彼女の顔。
「ここ、教えてくれねーか?」
「…え?」
数日後再び話しかけてきた彼女は自分のみみずのような走り書きと落書きで埋まったノートと教科書を持ってそう言ってきた。
まず話に聞いた不良らしくない要求に驚いた。
その後すぐにめんどくさいとも思った。
けれど断ったらそれ以上にめんどくさくなると感じて素直に従うことにした。
結果わかったのは、彼女はバカだと言うことと、予想以上に素直な子だったこと。
「ここは、こうするの」
「お?おお、おおお!?すげぇ!?暗号が読めるようになった!」
「ただの算数だよこれ…」
「いやーまじありがとな!これであいつにもバカにされずに済む!」
それからしばらく彼女との交流は続いた。
彼女はクラスでは周りから怖がられて一人でいることが多かったし、同じように私も他人と話すことをあまり好まなかったために一人でいることが多かった。
だから自然と二人でいることは増えて、そのことに自分が『めんどくさい』と感じることがなくなり、『楽しい』と思い始めていることに驚いた。『おい』や『お前』だった私の呼び方も名前に変わり、私も彼女のことを『ヒバナ』と呼ぶようになった。
「よぉ嬢ちゃん。いい格好してるじゃん」
「お姉さんたちちょっとお金に困っててさぁ?すこーしでいいからわけてくんない?」
「……はぁ。めんどくさ───
「おいおいおいテメェらぁ!!」
「なっ!お前は!」
「俺様の
「は、白影だ!」
「逃げるぞ!」
「逃すか馬鹿野郎!」
そしていつの間にか私たちは『ただの知り合い』から『かけがえのない友達』に変わっていた。くだらないようなことで喧嘩するようにもなったし、一緒にスイーツを食べ歩くなんてこともするようになった。
彼女は私の方が強いことを知っていながらも、私が他の不良に絡まれた時は私を守ろうと進んで前に出てくれるし、私もクラスで誰かが彼女のことを悪くいっていたら2度とそんなことを口にしないよう
気づいた時には私にとって彼女はなくてはならない唯一無二な大切な存在になっていた。
でも、彼女にとってはそうじゃないみたいだった。
「なあ、ヒナぁ」
「…なに?」
「………いや、やっぱいいや」
『あの子』
いつも彼女が口にしていた名前も顔も知らない、彼女のもう一人の友達のことを、いつだってヒバナは考えていた。中学2年生に入ってからそれは特に目立つようになった。
教室で授業を聞いている時も、給食を食べている時も、掃除をしている時も、私と話している時も。彼女はいつだって『あの子』のことを考えていた。
それを見るたび、私の心はなぜかズキリと痛んでいた。
「……よっ」
「…また怪我したの?」
「まあな。この前のプリプリヘルメット団の奴らが復讐しにきてよ。まあ俺様にかかれば敵ではなかったがな」
「嘘」
「はぁ?」
「また『あの子』関連でしょ?」
「………」
嘘が下手。彼女は嘘をつく時思いっきり顔に出るからすぐにわかる。
そしてまた胸の、心臓のあたりがズキリと痛んだ。
彼女に『あの子』について聞いてもいつも濁してばかりではっきりとは言ってくれなかった。彼女からも何度か私にたいして『あの子』に関する何かを聞こうとしていたみたいだけどすぐに濁してなかった事にした。けれど、私以上にその子のことを大切に思っていることは伝わってきた。
胸が痛い。
でも仕方のないことだと思い込む。だって『あの子』が“1番”で、私は“2番”だから。
けれどそんな彼女が変わったのは中学が終わり、高校…つまり今のゲヘナ学園に入学したその日。入学式が終わり、レクリエーションなどもほっぽり出して早々に彼女は帰ってしまった。
『俺にはヒナがいれば他はどうだっていい』、だなんて理由だったらよかったけど、それはいつもヒバナのいっていた『あの子』に会うためだった。
入学祝いに『あの子』と出かけに行くんだって言っていた。
そんな彼女に私は『一緒に行きたい』と言うこともできなかった。ただ、ため息をついて仕方ないなと言うように、いつものように、平気なように振る舞うことしかできなかった。
でもその次の日。
彼女は変わった。
「やあ。ヒナちゃんおはよ。今日もいい天気だね」
「……誰?」
「やだなぁ。僕だよ僕。ヒバナさ」
粗暴な口調はキザなものに変わり、制服も着崩さずちゃんと着るようになり、身なりもぱっと見彼女がレクリエーションを抜け出すような元不良だなんてわからないほど綺麗なものになった。勉強もこれまで以上にするようになり、字も綺麗になった。
今までみたいに簡単に手を出すようなことはなくなって、優しく相手を諭すようになった。宿題も忘れることはなくなり授業中に寝ることもなくなった。
本人は高校デビューといっていたけれどそれにしても限度があると言わざるをえないほどの変化。
そして彼女の変わった点は他にもう二つあった。
『あの子』の話題を出すことがなくなり、そして私たちゲヘナ学園とあまり関係のよろしくないトリニティを極度に忌み嫌うようになった。
何があったのかを聞いても彼女は答えてくれない。有耶無耶に誤魔化してばかり。
けど、私はそれでよかった。
違和感はどうしてもあったけど、彼女はやっと私だけを見てくれるようになった。
嬉しかった。この飾りだけの翼で空を飛べるのではないかと錯覚するほど、私の心は浮ついていた。
私は満足だった。
「…いつもありがとう。ヒバナ」
「んー?何か言ったかい?」
「なにも?」
これからもずっと。
私だけを見ていて欲しい。
叶わないとわかっている。
でも…願うだけなら、いいよね…?
空崎ヒナと戦華ヒバナ
彼女たちの関係は戦華ヒバナが空崎ヒナに声をかけた事によって始まった。当時不良というレッテルが貼られるに相応しいような性格をしていた戦華ヒバナと優等生という言葉が似合う性格をしていた空崎ヒナが交流を持ったのはまさに奇跡と言えるだろう。
また、彼女らが互いに一人でいることが多かったことが互いの仲を深めるきっかけになっており、当時の空崎ヒナが孤独を愛する一方で他人との触れ合いを心のどこかで求めていたのもその理由の一つと言える。
そして現在では彼女が戦華ヒバナに向ける好意は予想以上に大きなものになっている。
しかし一方で、過去の戦華ヒバナが空崎ヒナに対し好意を持っていたことは確かだが現在彼女が空崎ヒナに対してどのような思いを抱いているかは不明。