絶対にデレない敵役生徒   作:有機栽培茶

6 / 34
マコトちゃんがわからない。

こんにちは。毎日投稿ができなかった作者です。プロットも描き溜めもなしに突っ走ってるから仕方がないと許してください。不定期で行きます。

あと前回の話で来てくださったヒナちゃんマイスターの方々本当にありがとうございます。今話にヒナちゃん掘り下げを書こうとも思いましたがグダリそうだったのでさっさと最終回まで突っ走ってその道中で書く余裕があったら、もしくは最終回後の後日談や蛇足回で使わせていただきます。みなさん解像度が高すぎて引き……驚きました。今後も是非是非よこしやがれください。

ちなみに今話はヒバナちゃんがちゃんと『絶対にデレない敵役生徒』だっていう話です。タイトル通りヒバナちゃん回で曇らせ及びしっとり先生orヒナちゃんをお望みの方はご満足いただけないかもしれませんが、とりあえず高評価ください。(クズ)

 くれ。(乞食)


6.戦華ヒバナ

 

「や。久しぶりだね」

「キキキ……よくきたな風紀委員副委員長、戦華ヒバナ…!」

 

 

 豪華絢爛という言葉が似合うそんな部屋。

 この僕、戦華ヒバナはこれまた豪華な椅子に座る軍服白髪の女性。万魔殿が議長。羽沼マコトと対峙していた。

 

 万魔殿。

 

 ゲヘナ学園が学園という形をとる以上。風紀のふの字すらないようなゲヘナ学園に風紀委員が存在するように、生徒会もまた存在する。

 

 そしてその立場に位置するのが今述べた組織。万魔殿。

 

 各部活への予算案などを組み上げたり、頻発する物流トラブルなど、風紀委員が武力でゲヘナを制するのならば、万魔殿は政治的な面でゲヘナを統治する組織─────であるはずだ。

 

 はずなのだが。

 

 

「ねえマコトちゃん?この前君たちが処理するはずの書類が山をなして僕たちのところに届いたんだけどさ。あれは手違いかな?」

「キキキキ……手違いなどではない!あれは近頃不審な動きを見せる貴様ら風紀委員への牽制…!!」

「なるほどね。つまりアレは意図的な行為だと。なるほどなるほど」

「そうだ!貴様ら風紀委員が調子に乗らないよう……まて、なぜ近づいてくる?その笑顔はなんだ!!何をする気だ!その手を下ろせ!ま、まっ………いだだだだだだだだだ!?!?!?!?」

 

 

 コツコツコツと靴底を鳴らして近づき、何やらほざいているマコトちゃんの横に立った瞬間。瞬時に彼女の首に僕の腕を巻きつけ脇に挟み、思いっきり締め上げる。つまりはヘッドロックである。

 

 ほら美少女の胸と脇と二の腕だぞ?泣いて喜べよ。

 

 

「別に?風紀委員に圧力をかけるのは構わないさ。でもね?やり方は考えてくれないかい?僕に仕事が回ってくるんだよ。僕に。君にはわかるか?普段から際限なく問題を起こし続けるバカどもの後処理に追加して君たちの仕事を押し付けられる僕の気持ちが。延々と書類の山に向かい合うあの虚無感が。わかるかって聞いてるんだよね。返事は?」

「じ、じぬ…!」

「あの……マコト先輩の顔が赤から青に変わりかけてるのでそろそろやめていただけると助かります」

 

 

 そろそろいいか。ストレスも多少は発散できたし。僕はパッと力を緩めて彼女を解放する。

 

 

「き、貴様…!こんなことをしてタダで済むと思うなよ……!我々万魔殿が本気を出せばどうなるかわかっているのか…!?」

「もう十分追加でいっとく?」

「やめろ!は、離せ!い、イロハ私を助けろ!」

「いやですよめんどくさ……私じゃヒバナ先輩に手も足も出ませんし」

「イロハぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!??」

 

 

 あ、なんか変な音が鳴った。

 泡を吹いて痙攣しているマコトちゃんを雑に捨ててため息をつく。こんなくだらないやつに私の仕事を増やされていると考えるとまた腹が立ってきた。

 

 もう一発決めておくか、そう思ったと同時に部屋のドアが勢いよく開かれた。

 

 

「やっぱり!ヒバナ先輩だ!」

「!ひーさしぶりー!イブキちゃーん!!!」

 

 

 トテトテトテと駆けてくるはこの薄汚い地上に舞い降りた真の天使。純粋無垢な悪魔の皮を被っただけのただの天使。金と権力とプライドで着飾ったトリニティの連中とは違う。本物の天使であらせられるイブキちゃんである。

 

 

「んっはー!よーしよしよし!まったく今日もかわいいね君は!元気にしてたかい?この馬鹿に酷いことされてないかい?」

「うん!マコト先輩優しいもん!」

「あははは。よかったよ。……その優しさを僕にも分けて欲しいんだけどねぇ……でも何か困ったことがあればいうんだよ?いつでも助けになってあげるからね」

「うん!ありがとう!」

「あーもうこの!ほんと良い子!」

 

 

 万魔殿唯一の良心。

 

 純粋無垢な可愛い天使ちゃん。この子に会った瞬間僕は感動した。ゲヘナにはまだこんな良い子が残っていたなんてね。この子がいなかったら僕は怒りのまま、ヒナちゃんと一緒に万魔殿を殲滅していたところだ。

 

 

「あのねあのね!」

「んー?どうしたの?」

「この前ね!こーんな大きなカブトムシ見つけたの!今持ってきてあげるね!」

「うっ…む、虫……す、すごいね。でもー…今はちょっとこれから大事なお話があるから今度にしてもらおっかな?」

「……えー…今じゃダメなの…?」

「ご、ごめんね?はい。これ飴ちゃん。次カブトムシを見せてもらう時のお礼の先払いってことで」

「わーい!ありがとうヒバナお姉ちゃん!」

「お、おね…!………良い…」

「…鼻血でてますよヒバナ先輩」

「おっと」

 

 

 入ってきた時と同じようにトテトテトテーと駆けていくイブキちゃんの後ろ姿に手を振りながらもう一方の片手で鼻血を拭き取る。僕としたことが。みっともないところを見せてしまったね。

 

 

「ヒバナ先輩ってもっとおっかない人だと思ってましたよ」

「えぇ!?酷いなぁイロハちゃん。僕ってこれでもゲヘナでは珍しい常識人枠で有名なんだけど?」

「ダウト、です」

「はぁ?」

「…どこまで行っても、先輩も先輩が()()()()()()()()の一人。そうでしょう?」

 

「へぇ?」

 

 

「なんでわかるかなぁ」

 

 

「……」

「ちゃーんと一般的には“まとも”なんて言われてるトリニティの奴らを真似て、昔みたいにヤンチャなんてしないようにして、言葉遣いも姿勢も動作の一つ一つも。全部全部ぜーんぶ“あの日”からもう2度と間違えないように治したはずなんだけどな。おかしいな」

「…たまたまですよ。偶々、私が昔の先輩を知っていたから」

「ふーん?そっか。そうなんだ」

 

 

 僕は頭をポリポリと掻きながらイブキちゃんにあげたものと同様の棒付きキャンディーを口に加え、髪をかきあげる。

 

 

「あむ……あはは。そう身構えないでよイロハちゃん。僕が可愛い後輩に手を出すわけないでしょ?」

「…どうだか」

「はぁ……まるで警戒心マックスな猫ちゃんみたいだ」

「威嚇してあげましょうか?ふしゃーって」

「いや結構余裕あるね?君」

 

 

 コリコリと飴玉を舌の上で転がす。

 

 

「ま、いいや。おいそろそろ起きろ馬鹿」

「んが!?」

「せっかくこの僕が忙しい中時間を作ってきてやったんだ。その会議相手が居眠りしてんじゃねーよ」

「な!?お、お前。自分がしたことを忘れたのか!?」

「さあね。覚えてないな」

「貴様!」

「そんな些細なことはどうでも良いだろ?さっさと“報告会”というこうじゃないの」

「む……そ、そうだな」

 

 

(…イロハ、お前何かしたのか?雰囲気がなんか、こう、怖いぞ!?)

(…さあ?知りませんね)

 

 

 ……聞こえてるんだよねぇ。

 はぁ。これだからいつも素を出さないように気をつけているのに。勘がいい子は困っちゃうね。

 

 

「さて、と。定期報告会だっけ?こちらは相変わらず問題ないよ。予定に変更はないし、なんなら今からだって動ける。ヒナちゃんに悟られた様子もないね。アコちゃんはあの子達を部隊に入れる時少し違和感を持っていたみたいだけど多分大丈夫かな」

「あ、おい私の椅子…」

「……こちらも特に問題はありませんね。頼まれていた物は全部揃っています。それらの入手経路を万が一風紀委員に探られてもマコト先輩がまた変なこと企んでいるんだな程度で済むでしょうね」

「それっていいのか…?」

「なら大丈夫かな。もしばれて問い詰められてもマコトちゃんで尻尾を切れば計画は続行可能だ。うん。大丈夫」

「大丈夫じゃないだろ!?」

「計画の実行は予定通り。エデン条約をめぐってゲヘナトリニティ間で緊張が走っている状態で、尚且つそれほど警戒が強まっていないであろうこの日時」

 

 

 ─────風紀委員の信用は地に落ちる。

 

 

「…しかし何故だ?貴様にとって風紀委員長は親友だったと記憶しているが」

「あはは。親友ほどじゃないさ。でも、そうだね。これもヒナちゃんのためだから、かな?」

「ほう?」

「ヒナちゃんにとって今の風紀委員長なんて地位は重すぎる。彼女の背中は君たちのようなクズどもをまとめて背負うには小さすぎるからね。代わりに僕が取って代わってあげるという寸法さ。ふふ」

 

 

 ……ふふ。あははは。まあ半分本当で半分嘘だけど。

 

 本当に、楽しみで楽しみで。仕方がない。

 なにせやっとこの時がやってくるのだから。あの日、あの時から思い描いた絵空事。それがついに現実となって現れる。

 

 最高のエンターテイメント。

 

 嗚呼、きっとヒナちゃんも………そして、()()も楽しんでくれるに違いない。見守ってくれるに違いない。共に楽しんでくれるに違いない。だって、僕らを引き裂いたすべてが壊れるその瞬間。それが楽しくないわけがないじゃない。

 

 演者は揃っている。

 僕とヒナちゃんとあのクズどもと────

 

 

「♫」

「おや?」

 

 

 モモトークの通知音とバイブレーション。

 携帯を開く。そこに表示されていたのは見慣れてしまった先生からのメッセージと、送られてきた画像。

 

 そこに映るのは黒く長い髪を持つ可愛い女の子と、その友達らしき桃色の少女と緑色の少女に隅っこにこっそり移ったピンク色の3人。彼女たちが仲良さげにゲームをする姿。

 

 その画像にどこか懐かしさを覚えながら僕は───

 

 ───咥えていた飴玉を噛み砕いた。

 

 

「あは、あはははははは!!」

 

 

 ああ!先生!!君はまた一つの物語をハッピーエンドに導いたんだねあの時あの子を助けてくれなかった君は。また誰かを救ったんだね。

 

 まさに主人公。魅せてくれるじゃないか。あの時声をかけたのは間違いじゃなかったと再認識させてくれる。なら、主人公だっていうなら是非ともこのイベントには参加して欲しい物だね。

 

 ふふ。あははは。きっと君にぴったりな会場を用意してあげるから。

 

 

 さあ、一緒に楽しもうね。先生。




ヒバナ‘s好感度表
ヒナちゃん→友達。ゲヘナにしては好き。
先生→好きじゃない。なんなら嫌い。めんどくさい。でも一応期待してる。でも連投やめろ頼むから。

アコ→おもしろ。横乳で皮膚呼吸してる?
イオリ→嫌いじゃない。いい匂いしそう
チナツ→普通。あまり関わりがない
マコト→頭ゲヘナ
イロハ→普通。勘のいいガキは嫌いだよ
イブキ→かわいいなぁもう!!頭ゲヘナじゃない純粋無垢な子は好き。

温泉→嫌い
美食→嫌い
便利屋→嫌い。◯してやるぞ陸八魔アル。

虫→嫌い

茶会→嫌い
正実→嫌い
救護→ゴリラ
シスター→怪しい。何がわっぴーだ。

ヒフミ→例外で好意的

モモフレ→好き

トリニティ→大嫌い
ゲヘナ→大嫌い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。