横須賀鎮守府食料生産農場(仮)   作:らいな

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白状します。サクラ大戦好きで中でも米田中将が大好きです。今でも憧れる人物の一人です。


侵攻 春の深海棲艦祭り2

飛行母艦『乗鞍』は必要半分、提督の趣味半分で建造された。必要の部分は国土防衛において即応で動ける移動手段確立はいくつか考えられており、そのうちの一つに移動鎮守府計画があったのだ。提督はその計画に目をつけた。

ここからは趣味の部分だ。提督は幼い頃、とあるアニメで空飛ぶ戦艦に脳を焼かれた。その艦長の生き様は今も提督の人生の教科書の一つでもある。軍人始めた切っ掛けそれでいいのかとか思わなくもないが、前述の計画とあの日焼き付いた脳の光景はぴったり合致してしまった。海軍的にかの飛行戦艦の名前をそのまま付けるのは厳しかったので名前は変えたが。

そんなこんなで彼はそれを建造できるだけの実績を作り、果ては渋々憧れを超えて大将まで上り詰めて(できることなら中将で止めたかったがやりすぎたのだ)計画を実行に移した。

しかし、現実的な話で戦艦の形は提督含めた設計、建造に携わった全ての者が前段階で否定的であった。理由はご存知の通り、深海棲艦は艦娘の攻撃以外はほぼ効果が無いから。よって超大口径砲は飾りにしかならないとして、戦艦型での建造は万場一致で廃案となった。そして建造されたのが艦娘を運ぶ乗り物兼基地航空設備を併設する鎮守府となる母艦。それが飛行母艦『乗鞍』なのだ。

 

「ちなみに敵の航空攻撃対策は併設する基地航空隊が制圧するから基本は安全だよ。必要なら対空が得意な子が高射砲で撃墜も請け負ってくれるからね。」

滞っていた満潮への説明を10分程度で提督は終える。

「ちなみに、今回は空挺訓練もやってないから満潮は待機を命ずる。この鎮守府以外では今のところ使えない技術だけど、資格までしっかり取ってもらうからね。とりあえず、出撃で使う資格取り終えるまでは後方支援組のお手伝いになるから頑張ってほしい。…到着やブリーフィング開始までもう少しだけ時間がある。少しくらいは質問に答えられるが、何かあるかな?」

提督は満潮に質問を促す。

「ひとつ、今のうちに聞きたいことがあるの。」

満潮は震える声で言う。提督はコクリと頷いて先を促す。

「私がここに来る前の鎮守府は、今もあの…」

「あー、彼は満潮がここに異動になると同時に部署異動になった。国の守護者たる艦娘を手荒に扱うゴ…ゲフン、手荒に扱う者が提督業のままにはしないさ。今あの鎮守府は全業務から一時的に外され、被害にあった子たちは心身ともにケアを受けている。おかげでそっち方面への特別遠征隊を組んで近海護衛を頼むことになったよ。」

提督は最後に愚痴まで垂らして満潮が元いた鎮守府の近況を話す。

「ちなみに、再開時は艦娘を退官してから提督になった方が直々に着任すると言っていたよ。まあ、最新の報告書を見せてもらったら男性恐怖症患ってる子もそこそこ多かったし、おまけに今すぐ異動可能な女性提督が他にいなかったのが決め手だねぇ。」

提督は少し困った顔で力なく笑う。満潮もその女性提督は知っていたため聞いてるうちに口元が引きつっていくのを自覚した。

「それはさておきだ。君にはこれも知る権利があるな。君の元上官君についてだ。奴の異動先は、呉鎮守府の兵学校だよ。もちろん生徒として強制入学だ。卒業するまであの性格のままでいられたら褒めてやれるな。」

提督が言う呉鎮守府兵学校は、陸戦部隊の養成専門の学校で、入学すれば卒業までにどんなヤンチャ小僧も礼儀正しい兵士になると言われている。冗談抜きで人間変われる学校として有名だったりする。

「あー、そっちはざまあみろとしか言えないわね。」

満潮にとってはあんな男の末路はすでにどうでもいいようだった。提督もその反応は予想していたらしく、「違いない」と相づちを打った。

「提督、間もなく海上に出ます。」

大淀が話が切れたタイミングを見計らって告げる。

「うむ、周囲に敵航空機の反応はあるか?」

提督の問いに対して大淀はすでに確認をしていたらしく、「ありません」と答える。

「よし、陸に被害が発生しない海域まで到達し次第当艦は着水し投錨。その後に通常出撃にて近隣の掃海作業始め。続いて基地航空隊へ、東海部隊出撃準備を要請する。着水予定地点の事前哨戒を求む。」

提督は艦内通信機を使い艦内全体へ通達を行う。

「陸に被害が発生しない地点へ到着後に着水、投錨するのです。」

電は自分の行う作業のみ復唱を行い、母艦の操作を続ける。

その後すぐに艦内通信機から提督へ通信が入る。関係のある部署が準備や作業完了を告げていく。

「東海部隊より連絡なのです。出撃準備完了。艦首風上へ調整されたし。なのです。」

電が妖精からの通信を提督に伝える。

提督は速やかに舵を握ると、「自動操縦解除、アイハヴ。進路調整、一時艦首風上へ。」電への指示と操作開始を宣言した。

「自動操縦解除するのです。ユーハヴ。」

電は自動操縦を解除し、操舵機能を提督に引き渡した。母艦は僅かに向きを変え、その向きを維持している。

「基地航空隊より通信。東海部隊出撃するのです。」

「基地航空隊へ、出撃を許可する。武運を祈る。」

電は通信を伝え、提督はそのまま応答する。その後すぐに窓の外で爆音が響き、そのまま遠ざかって行った。

どうやら無事に出撃したようだった。

「基地航空隊より通信。全機の出撃無事完了なのです。」

電が出撃できたことを伝える。

「進路を戻す。東海部隊より安全確認終了の報告が出しだい着水作業に入るため操舵はこのまま行う。」

提督はそう告げてから進路を戻すように舵を操作した。




基地航空隊周りは割とご都合設計になってます。鎮守府ごとお空飛んでる時点でその辺ぶっ壊れてるので気にしないでください。
これ以上細かい描写してたらいつまで経っても艦娘の出番が遠のく一方なので次回は着水後の出撃からのお話になります。
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