はい、テストに追われていました。進級は出来そうです。
ということで短いですが、本編どうぞ。
嬴政side 場所:王宮
「いやはや、まさかこんな時期に趙が侵攻してこようとは……しかし、お前が残っていたのが幸運のようだな。蒙武よ。」
趙侵攻の早馬が飛び込んできて、直ぐに王宮では対策会議が開かれていた。国を支える多くの臣下たちが揃っているが、彼らの目線は呂不韋に向けられている。
あのような事件が起きたあとでも、会議を回す中心は悔しいがあくまでも呂不韋だ。
「………現状、我が国の名だたる将軍らはそれぞれの戦場へと出払っている。そんな中、この国防を大きく揺るがす戦を引き受けれるのは蒙武を置いて他にいまい。」
呂不韋は断言する口調で話す。実際、そのような台所事情であるから他の面々も口を挟まない。いや、挟める余地があったとしても挟まないだろう。
「儂は反対だ。」
そんな中、俺によっては聞き馴染みのある声が王宮に響いた。
「「………………」」
「おい、文官のジジイ。お前は今なんて言った。」
一瞬の静寂の後に蒙武が立ち上がり、反応する。
「老い先短い文官のジジイごときが何をほざいてやがる。」
蒙武は苛立っているのか、更に語彙を強める。
「それは言い過ぎだ蒙武。いくらお前が中華最強を自負していても、かつて王騎将軍や他の六大将軍らと肩を並べて戦場を駆け回った昌文君の経験を軽んじてはならん。」
そこに割って入ったのは、軍総司令の昌平君。
「………………」
蒙武はその言葉を聞いて、座り直す。
不服そうではあるが、とりあえずは怒気を沈めたようだ。
「ほう。では、昌文君の話も聞こうではないか。」
呂不韋は値踏みをするような視線を昌文君に向ける。
不思議とこの男は図体よりも大きく見える。圧力なのか、はたまた自信の現れなのか……
「大まかに将軍の種類は2つ、攻と守だ。そして、戦にも攻と守が存在する。現状においては今回の戦は防衛戦。いわば、守の戦であり、これには守の将軍が適任だ。しかし、蒙武は攻の将軍。まして、防衛は常に後手に回る可能性がある。そうなると、経験値という面での不安要素もあることから、儂は蒙武が今回の戦には向かぬと見ている。」
昌文君は順序だてて、王宮にいる武官ではない者たちにも伝わる表現を用いりながら、説明をした。
この話に関しては、蒙武は無反応である。
「私も同意見です。」
昌平君が同意する。
「ほう………」
呂不韋は自身の懐刀でもある昌平君が同意したことを髭を撫でてながら、受け止める。
「………………」
蒙武は沈黙を貫いている。
「ならば、昌平君よ。蒙武の他の将軍を立てることになるが、このような重責を背負える将軍がいるのかね。」
「います。既にその方へ早馬を飛ばしております。」
昌平君は決して焦らずに、普段通り飄々とした態度で話す。
「ほう。誰かね。」
それに対して、呂不韋も決して余裕を崩さずに返答をする。
「王騎将軍です。」
昌平君はキッパリと断言する。
「「はぁぁぁぁ???」」
王宮に響き渡るは疑問、驚きを含む声。決して、いま王宮にいる面々も戦が起こる度に1回は考えたことがある。
六大将軍の最後の生き残りである王騎を出陣させられないかと考えなかった訳ではない。しかし、そのたびにあの将軍の政治離れや将軍の外交事情を思い出し、頭の中で却下していた。
嬴政が面々の表情を見渡すと不安、納得、感心、そして1人は僅かばかりの怒気を思い浮かべていた。
孝覇side 場所:樂成
「ふう…………久々だな。こんなに胸が鳴るのは。」
俺は胸に手を当てて、心臓の鼓動を感じる。なぜ怖いのだろうか。これが既定路線ではないからか??いやそんなものは等の昔に諦めた。なら……
「いつもの肝の座った感じとは裏腹に身体は、緊張に敏感のようですね。」
俺が考え事をしている合間に、遠回しにディスってくる部下。顔を少しだけ見ると、僅かだがにやけている。誰だこんな部下を優秀だからという理由だけでわざわざ趙から拾ってきたのは(自分)
「そりゃあ、自分の命を天秤に掛けるだけで済むならこんなになってないさ。しかし、困ったことに戦ばかりはそうはいかない。俺よりも彼らの方が生きて帰れない可能性は高い。それを理解した上で俺は彼らを事ある毎に焚きつけるんだから、尚更タチが悪い。」
俺はそう言う。そう、自分の命を掛けるのはとっくの昔に慣れている。父を失ったあの時から。
「今の時代、そのような卑下をする人も少ないですよ。」
ニヤニヤしながら言ってくる。コイツめ、周りから見たら慰めているように見てるだろうがコイツは絶対そういう意図はない。そう判断し、
「今どき、こんな余裕のあるやつも居ないだろうからな〜いやーやっぱり俺凄いわ。」
と俺は手を頭の後ろに回し、わざとらしく声を張り上げて切り返す。
「いつの間にか褒める方向になってますね〜可笑しいですね。少し遠回しに殿の格を落としにいったつもりだったのですが…」
コイツめ………俺の推測は合っていたようだ。本当に生意気というか……なんというか。
民衆の声が聞こえてくる。ちょうどいい頃合いらしい。俺は立ち上がり、
「ふっ、ぼちぼちだろう。行ってくる。ある程度焚き付けた後の取り纏めは頼むぞ彰。」
部下に声をかける。そして背を向けて、部屋を出ていく。やることはやって、あとはコイツに投げるとしようか。
「ええ、任されました。」
顔は見えないが、喜色を含んだ声を聞いて苦笑する。俺は秦国でも家臣に恵まれている領主言えるだろう。どこかそれが誇らしい。
家を出て、進む。進む。
そして、ゆっくりと民衆の前に立つ。
じっくりと静かに待つ民衆の目が自分に集中する。
さてさて、たった1枚の紙で俺を動かしてくれたんだ…存分に利用させてもらおうか王騎殿。
少しだけ、原作と内容は異なりますかね〜まぁ、あんまり王騎と嬴政の話を書くつもりもあんまりないのでね…………というか、紫夏のお話って原作だとこの時既に終わってるんですね…完全に忘れてました。てっきり王騎との問答のなかであったとばかり。
ということで、オリ主と紫夏の出会いを書くタイミングを失いました∩ (^ω^) ∩いずれ何処かで書きます。
王騎…主人公にお手紙を送る。王宮へと急行中。
嬴政…やはり、実権がないのがもどかしい。
昌平君…軍を預かる立場からすると、王騎将軍は今回の戦にうってつけの人材と判断。幼なじみとも言える蒙武との情がない訳ではなく、仕事に持ち込まないだけ。
オリ主…何事もなければ、馬陽からは遠いので後詰めだけしようと思っていた。しかし、王騎からのお手紙がぁぁぁ。