その男、商人であり将軍(仮)   作:ハーちみつNEXT

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1週間ぶりです。
いや〜リアルが忙しく、時間が中々取れませんでした。
今回も軽めの伏線回ですね。
次回からは………原作とは関係の無い話に入ります。どのくらい続けるかは未定です。


9話 過去の精算

孝覇side 場所:王宮内

 

 

「大王様。1つお願いがあるのですが…」

 

「なんだ?」

 

「この紙に、あることを許可するように書いて欲しいのです。」

 

「あることとは??」

 

「━━━━━━━━━━━━━」

 

「「!!!」」

 

その場に居合わせた一同が驚きを隠せない。中でも

 

「な!?お前はそれがまかり通ると思っているのか!?」

 

昌文君はそれが顕著だった。

 

「口実としては━━━━━━━━━━━━━ですね。理屈は通ってるでしょう?呂不韋もこれには文句を言えますまい。」

 

昌文君は絶句する。それほどに、提案は馬鹿げていると言える。

 

(まぁ。無理なら無理でいいんだけどねぇ。)

 

この提案はダメ元の提案だから、正直通ったらラッキーだし、通らなくてもそうだよねぇで終わりである。

 

「それに、大王様がこの提案を許してくださるのならもう1人にも許可を取りに行きます。その人も呑んでくれたら、万々歳ですね。」

 

「誰だ?」

 

「――ですよ。」

 

「…はぁぁぁぁぁ???」

 

昌文君がまた意味がわからないと言った顔をする。大王様も目を丸めている。それもそうである。昌文君や大王様から見ると頭がおかしいと思うだろう。しかし、それは彼の見方が違う。昌文君が見ている立場とは別の立場の彼ならこれは呑んでくれるはずだ。

 

「お前の今回の狙いはこれか?孝覇。」

 

「そうですねぇ。他にももちろんありますが、これが1番大きいですね。」

 

「……先程恩返しの件は断られたはずだが。」

 

「あれは、商人伯としてですよ。商人にとって借りは大事ですから。しかし、今となっては大王様に仕える孝覇です。褒美は喜んで受け取りますよ。」

 

「……………わかった。書こう。」

 

「大王様!?」

 

「いいのだ。昌文君。孝覇がいなければ俺たちは詰んでいたかもしれん。その活躍に報いるには過去の分も含めると安いのかもしれん。それに、互いに得がある。」

 

「それはそうですが…」

 

「責任は俺が取る。」

 

「分かりました……」

 

「では、こちらの紙にお願いします。」

 

「わかった。」

 

俺は大王様に紙を渡すと、大王様は奥の部屋に紙を持って書きに行った。それを見て、昌文君は追いかける。

 

(割とこの2人は理想の主従関係なのかもしれないな。)

 

 

2人が奥に消えていったことを確実に確認すると信が

 

「なぁ。孝覇。」

 

「なんですか?信。」

 

「あんた、強いよな?」

 

と尋ねてくる。

 

「それはどうでしょうね?さっき言ったように私は城主ではありますけど、元は商人ですからね〜」

 

と回答をすると信は顔を歪ませながら

 

「ちぇっ。面白くねぇの。」

 

と悪態をつく。

 

「仮にも商人ですからねぇ。会話を面白くするのは別の人のお仕事ですから。もちろん、掴みとして面白おかしい話をすることはありますがね。」

 

「商人てのはめんどくさいんだな。」

 

「人によってはそうでしょうね。」

 

「あんたはそう思っていないのか?」

 

「思わなかったですね〜あなたが戦に憧れるように私は少しばかり商売に憧れていましたから。」

 

「ふーーん。」

 

「興味がなさそうですね〜ではここである人物の半生のお話でもしましょうか?むかーしむかーしある所「ちょっと待て。」ん??」

「それはいつの話なんだ?」

 

「約25年前から今に至るまでのお話ですよ。」

 

「25年前から今に至る??てことはそれ長くねぇか?」

 

「えぇ。語り終わるのは明日の今頃ですかね。」

 

「ながっ。聞きたくもねぇわ。」

 

「それは残念。」

 

と信と楽しく問答をしていると、大王様と昌文君が書状を書き終えたようで、奥の部屋から出てきた。

 

「孝覇。これでいいか?」

 

と両手で書状を渡してくる。

 

「確認させていただきます。」

 

俺は両手で書状を受け取り、中身の文章を確認する。

 

(よし。問題は無い。後はもう1人の許可だけだな。)

 

「問題ありません。ありがとうございます大王様。」

 

「それに関しては今までの恩を返した形だ。なにも問題は無い。」

 

嬴政は顔の前で手を横に振りながら返事をしてくる。

それでも俺は

 

「それでも、かなり無茶な要求をしましたから。」

 

これは本当にそう思う。めっちゃ無茶なこと言ってる自覚はある。

 

「我々、山の民との盟もかなり無茶苦茶なものだから大して変わらんと思うぞ。なぁ?秦王。」

 

楊端和が会話に入ってくる。確かに。言われてみればそうだな。

 

「あぁ。むしろこれで状況は少しは良くなるはずだ。」

 

「それもそうですね。では、私は一度城に戻りたいと思います。何かあれば今まで通り連絡してください。」

 

「分かった。」

 

「では。」

 

顔の前で手を重ねて礼をして王宮を出る。

やけに空は晴れていて、雲もない。どこかこの空が祝福するかのような雰囲気だった。

 

(さて。)

 

「帰りますよ。象、洹。」

 

と声をかけると2人の人影が目の前に現れる。

 

「2人ともお疲れ様。助かったよ。」

 

「いえいえ。こちらは仕えさせて貰ってる身ですから。」

 

と洹は言葉にする。

 

「私は少しだけど、咸陽を回れて楽しかったから。別に大丈夫だよ。」

 

と語る羌象。

 

「いいね〜象。なにか買い物はしたか?」

 

「いや??街を回るだけだったよ。一応私が入った時から厳戒体制ではあったし。」

 

「あら〜残念。次回、俺が咸陽に来る時も、ついてくるか?」

 

「ええ?いいの!?行きたい!」

 

「なら、決まりだな。」

 

「やった〜〜」

 

「身支度は2人とも済んでるか?」

 

「もちろん!」

 

「はい。」

 

「なら、ここを出ようか。外で待たせてるしね。早めに行かないと残業代請求されちゃう。」

 

「おーそれはまずいかもね。」

 

「まぁ、別に払ってもいいんだけどね。」

 

「なら、ゆっくり行こうよ。」

 

と提案する羌象。

 

「ゆっくりって言ってもね〜今の咸陽物騒だからさ。早く家に帰りたくない?ねぇ?洹。」

 

「そうですね。」

 

と返事をしながら首を縦に振る洹。

 

「硬いねぇ。お前は。」

 

「申し訳ありません。」

 

「別にいいっての。お前が真面目なのは分かってるから。じゃあ、ぱぱっと咸陽でようか。」

 

と洹にフォローを入れながら、直ぐに咸陽を出ることを決める。俺は何より早く家に帰りたいのだ。

 

「だね。」

 

羌象も賛同してくれた。

 

「よし。行こうか。」

 

と歩き出す。目的地:樂成城、そして我が家である。

数日前の暗雲が嘘のように消え、太陽が顔を出しながら照らす咸陽、武装した兵たちが歩き回る咸陽、死体がそこら中にある物騒な咸陽、そんな咸陽の外へと繋がる門へと歩く3人の人影がそこにはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





僅かながらオリ主への疑いはある。確信には至らない。

嬴政
オリ主への借り(?)を精算。

昌文君
やはりうるさい。

オリ主
信が割り込んでなかったら自分の半生を少しだけ語ろうと思ってた。止められちゃってぴえん 

楊端和
使い勝手がよろしい女王様。

原作とは関係の無い話(オリ主や他キャラの日常的な)はどのくらい欲しい?

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  • ご自由に
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