『国崩し』と呼ばれた元傭兵   作:夜風静葉

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1.忍田派の苦労人

「忍田さんこれ頼まれてた報告書です」

「ご苦労、川上君」

「この後鬼怒田さんと雷蔵に呼ばれてるのでこれで」

さてと、今日のトリガー会議は何が生まれるかな?

「失礼しまーす、どーも鬼怒田さん」

「遅いじゃないか川上君、もう揃ってるぞ!」

「いや、忍田本部長から報告書を頼まれていたのでね」

「取り敢えずはじめるか?」

と、二人と最新トリガーについてあれこれ議論をしていると、いつの間にか夜中になっていた。

「鬼怒田さん〜今日は取り敢えずこのくらいでお開きということで」

「うむ、時間も時間だしな」

「じゃあ失礼しましたー」

さてと、暇だし久々に個人戦ブースに顔でも出してみるか。

そう思って歩いていると、曲がり角で小さな女の子とぶつかってしまった。

「すまない、大丈夫か?」

「はい…大丈夫です」

髪が凄いモフモフしている…確かこの子は…

「望の所の黒江双葉ちゃんだったかな?」

「はい、そうです」

「私は川上楓だ…」

「貴方があの?」

「どれかは知らんが」

「初代パーフェクトオールラウンダーにして、S級の…」

「あぁ…それね、合ってるよ」

「個人戦ブースに行くんですか?」

「ちょっとね、仕事ばかりじゃ体が鈍っちゃうし」

「それなら、少し相手して頂いても宜しいでしょうか?」

「いいよ、可愛い後輩の頼みだ。それと、敬語はいらないからね」

そうして軽い世間話をしながら個人戦ブースに着くと面倒な奴がやはり居た。

そう…私と忍田本部長の悩みのタネである…

「おい…太刀川ァ、オメェ、レポートはもう終わったのか?」

「あぁ、まだですね」

「すまない黒江ちゃん。少し耳を塞いで後ろを向いててくれ」

小学生に見せるには教育的によろしくないからな…

「おい太刀川?私と忍田本部長はレポート終わるまで個人戦禁止と言ったはずだが?」

「いや、気分転換って必要じゃん?」

「レポートに課題50件以上溜めてる野郎に休憩も気分転換もあるわけ無いだろ?」

そうして忍田本部長を召喚し二人がかりで缶詰めにした。

そうして安堵していると、

「あの…もう見て大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫だぞ」

「川上先輩…太刀川さんは…」

「レポート終わるまで忍田本部長に怒られながら缶詰めだな…忍田本部長不在の間の仕事しとかなくちゃ…」

「そうなんですね…色々大変そうですね…」

「黒江ちゃんはあんな大人になっちゃ駄目だからね?」

「わかってますよ」

「さてと、5本勝負でいいな?」

「はい」

「トリガーはメインに弧月 バイパー アイビス グラスホッパー サブにバイパー グラスホッパー 鎖ね」

「開示なんてしていいんですか?」

「悪いけど開示したところで黒江ちゃんは一本も取れないどころか一撃も当てられないだろうからね」

「舐めてもらっちゃ困ります」

あら…拗ねちゃったか…

その後見事に4連続で倒された黒江ちゃんは電柱に鎖で結ばれている。

「まぁ…本来の使い方ではないが鎖はこんな使い方もできる。いや…こっちみたいな動きを封じる方が正しいのか?」

「ぶつぶつ言ってないでトドメさすなら早くしてください私の完敗です」

「はいよ」

ートリオン体活動限界 ベイルアウト

「なんなんですか!あの鎖!」

「普段はね弧月に巻いて使うんだけどさ~黒江ちゃん相手に使うとただでさえ実力差あるのに完全な弱い者いじめになっちゃうからさ…」

「私の事が弱いですって?」

「いや、俺からしたらA級で相応しいのなんて太刀川と出水に加古、風間…後嵐山…草壁さんとか位しかいないな」

「え…」

「東に、二宮、鋼君にカゲ君にゾエさんあとはウルティマ、イコさん、弓場、那須ちゃんに熊ちゃん?あたりの方がよっぽどA級だ…まぁA級は精鋭部隊、B級は主力部隊って差はあるけどね」

「ウルティマ?」

「漆間な」

「そう…ですか…」

「でも、あの韋駄天は悪くねぇ」

「え?」

「リアルタイムバイパーと似たような事ができるならかなりの武器になる」

実際改造トリガーの韋駄天はやろうと思えばリアルタイムバイパーのようにリアルタイムで軌道を引けるがバイパーよりも遥かに難易度は高い。

だが川上は黒江なら出来ると半ば確信していた。

「なぁ黒江ちゃん私の弟子になる気はないか?」

「え?あんなに弟子を取ろうとしないと噂の川上さんがですか?」

「いや?弟子は取ってるぞ?那須ちゃんに帯島ちゃん後は過去形だがウルティマだな…いや?ウルティマはビジネスパートナーとして技を教えただけだから違うのか?」

私は近界ではなく玄界では那須、帯島、漆間しか弟子は取っていない。

理由は簡単、センスが無いからだ。言っておくが筋が悪い訳じゃあ無い。単純に私の戦闘技術と相性が悪いからだ。

「だが黒江ちゃんセンスはあると思うからどうだい?」

「ぜひ、お願いします川上先輩」

「じゃあこれ、私の連絡先ね」

「ありがとうございます」

「じゃあ私は仕事に戻るのでまた」

「はい、頑張ってください」

と言って解散となった。

太刀川さんはまだ缶詰めのままだ。

(よし、忍田本部長の仕事終わらせとこう)

私の徹夜は確定した。

もれなく忍田本部長と太刀川さんも徹夜が確定してしまった。

〜それから1週間後〜

私は朝からボーダーを走り回っていた。

理由は本日中に各隊に提出してもらわなくてはならない書類が発生してしまったからだ。

「ニノさん、これ書いて私の机に出していてください!」

「東さんこれ提出お願いします!」

それから夕方3時頃全ての書類の提出を確認できたのはいいのだが…

「黒江に、那須に、国近に藤丸」

「それと帯島ァ!」

「はいっ!」

「なんで帯島ちゃんの時だけ弓場さん化するんですか」

「私は疲れた…だから飯行くぞ」

「いいんですか先輩?」

と、心配そうに黒江が見てくる。今日も可愛い。

「あぁ、黒江財布の心配はするな」

「本当にいいんですか?川上さん」

と、那須も聞いてくるがそれよりも…

「それよりも那須こそ体大丈夫か?」

「えぇ、先輩のお陰で大分回復してきてるわ」

「そうかそりゃ良かった」

ブラックトリガーの治療効果が大分効いているみたいだ。

「先輩ゴチになりまーす」

と、ペコリと頭下げてきた。

「おう、国近、太刀川と違ってお前は良いやつだ…」

「ウチのバカがいつもすいませんと本部長にも言っといてください」

「川上先輩ありがとな!」

と、ブラウスを押し上げる巨大な果実がめちゃくちゃ揺れる。

「相変わらずテンション高いな」

「師匠!ご馳走になります!」

「うーん…帯島ちゃんもテンション高いな」

とまぁ、6人でカゲ君の店に行くと…

「ウルティマに唐沢さんと迅さん」

「やぁ、川上君」

「おっ、川上じゃん」

「3人揃って暗躍会議か?」

「そう言う川上さんこそ女子侍らせてハーレムですか?イコさんが見たら血涙流しますよ」

「いや、仲のいい後輩に飯を奢りに来ただけだし、それ以前に私は女だからな?」

そう言って横のテーブルに着くとカゲ君が出てきた

「お?川上じゃねぇか」

「ようカゲ、取り敢えずビールと…みんなドリンクは?」

「私はオレンジジュースで」と黒江

「私は温かいお茶」と那須

「私もオレンジジュースで!」と帯島

「私はコーラね〜」と国近

「私もコーラ!」と藤丸

「取り敢えず後はミックスと餅チーズ」

「おう、待ってろ」

そうしてしばらく待ってるとカゲがドリンクにお好み焼きを持ってきた。

そうしてお好み焼きを焼いていると…

「そういえばさ、近々面白いやつがボーダーに来るはずだよ」

と、唐突に迅が言ってきた。

「へぇ…強いのか?」

「片方は…そうとも言えるのかな?」

「なるほどね」

そうしてるとお好み焼きが焼き上がったので切り分ける。

「ほらよ!食べ終わったら好きなの注文しろ金は気にすんな!」

そうして食べ終わると唐沢さんが

「川上君少し残れるかい?」

「や、俺彼女達送るんで俺の部屋でいいですか?」

「うん、じゃあ先に3人で向かっとくね」

そうして5人を送り届けた後部屋に向かうと

「やぁ、待っていたよ」

と、俺のワインを開けている唐沢さんと、チーズを食べる迅と漆間が居た。

「おい、何勝手に人のつまみとワイン開けてんだよ」

「いや、今度買ってあげるから」

「なら許します」

そうしてお気に入りのアイスワインを唐沢さんから受け取る。

「で、本題は?」

「いや、さっき面白いやつが来ると言っただろ?」

「それがどうした?」

「片方は…近界民だ」

「同郷ですか、となると城戸さんが動きますよね?」

「そういう事、恐らく川上の知り合いだから先手を打って伝えておくよ」

「そうか」

「じゃあこれで」

そうして3人は帰っていった。




次回 『暗躍』
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