ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話 作:雅媛
トレーナー契約をとるにはウマ娘からの知名度というのはかなり重要です。もちろん実績を積めば知名度はおのずと上がるわけですが、新人に実績も何もないので、ほかの方法で知名度を得る必要があります。
「ということで焼きそば屋を出すことにしました!!」
「いえーい」
「いや、何で焼きそば屋だよ!?」
その一環として聖蹄祭に出店を出すことにしたわけですが、その内容が焼きそば屋になりました。とはいえ可児さんはかなり不満そうです。
「良いじゃない焼きそば屋、絶対人気出るよ。あと無茶苦茶儲かる」
「儲けてどうするんだよ!!」
「回らないお寿司が食べられる」
「大トロ……」
「こういうのって、もっとアピール力高いのやるんじゃないのか。執事喫茶とか」
確かに、新人トレーナーが知名度を得るためにやる出し物は、基本喫茶店とか演劇とか、目立つ系のものなのは確かです。
ですが今回に限って言えばかなり微妙な選択です。
「そういうのやると、たぶん可児さんに全然お客さんつかないよ?」
「うっ……」
そういう目立つ出し物は見た目がかなり重要です。かっこいい人じゃないとできない、というわけではありません。ごつい男性三人でメイド喫茶とかやればそれはそれでウけます。ですが、全員のレベルが似たり寄ったりである必要があるのです。
奈瀬さんはウマ娘達の間ですでに噂になっているぐらい美人さんです。中性的な外見がもうウマ娘達にクリティカルヒットしています。
ボクも自分でいうのもなんですが、デフォルト美人のウマ娘の中でもかなり美少女です。姉がラモーヌで妹がアルダンのところからもわかると思いますが、黙っていれば正直トップクラスの美少女だと思います。
それに比べると可児さんは普通のおっさんです。お兄さんというにはちょっとごついし、威圧感もある筋肉系なので、外見で釣るには明らかに不足です。筋肉フェチなボクは好きですが、ウマ娘一般にウける外見ではないです。これで執事喫茶やったら可児さんが裏方仕事をし続ける羽目になるのは容易に想像できることでした。
「リサーチによると、今年の焼きそば屋はライバル店がないはずなのですよ。これで知名度ばっちりです。胃袋からつかみましょう」
「わかったよ」
こうして焼きそば屋プロジェクトが始まったのでした。
機材と食材は、ボクがメイドさんに頼んで用意してもらい、当日の食材の下準備は奈瀬さん、焼いたりするのは可児さんという分担でやる予定でした。
「うおおおおおおお!!!」
「食材切れたか!?」
「はい、20人分!!」
屋台横で死ぬ気でにんじんを切っているのは奈瀬さんじゃなくてボクになりました。
奈瀬さん、そもそも料理できないようでして、しかもにんじん嫌いもあってほとんど戦力にならなかったんですよ…… なので代わりにボクが切ることになりました。
一応これでも薬膳料理とかいろいろ作るので、たいていのことはできるんですよね。ボクの身長に合わせて高さ調整されたまな板で、鬼のように切り続けるボクの姿が微妙に評判を呼んで、写真とかまで取られています。
その食材を受け取って、可児さんが豪快に焼きそばを焼きます。筋肉の音がこちらまで聞こえてきそうなほどの派手な焼き方で、ソバと具が鉄板の上を舞っています。派手なパフォーマンスになり、お客さんが大量に集まってきています。
なお、奈瀬さんは行列整理の役割になりましたが、先ほど人ごみにのまれてどこかへ行ってしまいました。多分そのうち帰ってくると思います。助けに行く余裕はまるでないんですよ…… あらかじめ下準備していた食材は全部使い切ってしまいましたから。
「ぬおおおおおお!!!」
「はい、焼きそば5人前!!」
「人参切れましたよ!!」
すでに具材もかなり雑になっています。豚バラ肉は切らずに、スライスされた大判の状態で焼いていますし、人参も切り方がすごい雑です。まあ、ウマ娘達にとっては具だくさんでいいんでしょうが。
結局完売する夕方まで、ボクは延々と食材を切り続け、可児さんは延々と焼きそばを焼き続け、奈瀬さんは人込みにのまれたり転んで焼きそばをぶちまけたりしつづけていました。
なんだかんだで大盛況だった焼きそば屋台でした。売り上げもかなりのものになっており、レンタル料や食材費を払ってもかなりの金額が手元に残りました。
評判も上々で、ウマッターやウマスタでもいろいろ情報が流されていました。焼きそばを焼く筋肉野獣可児さん、無言で野菜を切り続けるボク、そして何も役に立っていない奈瀬さんという形で大々的にながされて、奈瀬さんがへこんでいました。
奈瀬さんも世話焼きなウマ娘の人気が上がったからいいと思うんですけど本人は納得していないようです。
まあ、美女と野獣ファミリーとか言われて、母親ポジションが奈瀬さんじゃなくてボクにされているあたり、気持ちもわかりますけどね。でもなにも役に立ってなかったし。
なお、打ち上げの時のお寿司代は、奈瀬さんは自腹で払っていました。
次はどんなお話にしようか(12話ぐらいから
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公式ちびっこレースに参加する三姉妹
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他のメジロとの交流
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そろそろ学園編初めてもいいんじゃない?