ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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15 かわいくないと思っている子を着飾るのは楽しい

 唐突ですが、ボクはとてもかわいいわけです。自分で言うのもなんですが、かなりのレベルでかわいいと思ってます。

 とはいえ、ボク自身が外見的な美しさを磨くことに全く興味がないので、天然の美しさ100%しかないです。なので磨き上げている子に比べると一段も二段も劣ります。最終的には天然の才能に胡坐をかいているボクみたいなダメ娘より、ちゃんと手入れしている元がそこそこの子の方が絶対可愛いですよ…… 努力は裏切らないです。

 何が言いたいかというと、ウマ娘ぐらいの外見があればかわいいは作れるということです。

 

「だから、可愛くなりなさい、ライアン」

「なんでそうなるかわからないですううううう!!!」

 

 メジロライアンが叫び声を上げました。

 

 

 

 ウマ娘にとって重要なのは、レースとライブです。トゥインクルシリーズではその二つは常に一体ですが、それ以外の場所では別々に行われることも少なくありません。そしてライアンがライブの大会に出ることになったのは、ボクのせいでした。

 ことの発端はライアンがボクに

 

「マックイーンに勝つにはどうしたらいいですか?」

 

 と聞いてきたことです。

 ライアンとマックイーンとパーマーは同期で期が一緒だとやはりよく競い合うことになります。

 マックイーンは実力もあって真面目で自信家なので安定してスペックを発揮できますがあとの二人は才能に振り回されているところがかなりありました。そんな中、パーマーが一皮むけ、その原因がボクだということと、何をしたかパーマーが語らないことから、ボクに聞きに来たようです。いや、パーマーが何も語らないのは単にトラウマになってるからじゃないかなと思うんですけどね。

 マーリン’sブートキャンプ、同期トレーナーからも「虐待では?」といわれてますし。特にクソまずロイヤルビタージュースが。

 

 なんにしろ、ライアンはマックイーンに負け越しているので勝ちたいということです。ボクが見る限り、ライアンが負け越しているのは至極当然で、競う距離が長いせいだと思うんですけどね。デビュー前からジュニアまでだと、まだ能力が完成しきっていませんから2000mですら長距離であり、2400mともなれば超長距離です。スタミナ自慢のマックイーンにその距離で正面からあたって時々勝てるライアンがむしろおかしいわけで、勝つなら1600mとかでやればいいだけだと思います。

 つまり単純に視野狭窄状態であり、適性の冷静な分析ができていないわけです。そういうところが彼女の実力の不安定さを生じさせてしまっているのでしょう。

 ほっといてもいいのですが、対応するとしたらどうするといいでしょうね。ブートキャンプでレースしか考えられなくすると余計視野が狭まりますし…… というかパーマーもやりすぎてちょっとその傾向が出始めてますし……

 

 ということで改造計画を始めます。

 着飾って美少女にして自信をつけさせるとともにレース以外に目を向けさせるのが目的ですね。

 ということで美しい物なら何でもできるラモーヌ姉さまにご助力いただき、ライブ大会にいくつか出ることになりました。なったのですが……

 

「なんでボクまでいろいろされてるんですかね……」

「それはマーリン姉さまがダメダメだからですよ」

 

 ボクまで巻き込まれました。逃げようとしてもアルダンがブロックしてくるので確実に逃げ切れません。アルダンのフィジカルのスペックがボクを上回っているので力こそパワー、という感じでどうやっても勝てないんですよ。

 

「マーリン姉さまもかわいいんですから、もっとかわいくなりましょうね」

「いや、ボクは興味が……」

「なりましょうね」ぷすっ

「ひぎゃー!!!」

 

 アルダンは容赦なくボクの秘孔に笹針をぶっ刺してきました。かわいくなると評判のところです。ですが、無茶苦茶いたいんですよ。

 これ以上反論すると、何回でも刺されそうです。愛嬌〇どころか愛嬌四重丸ぐらいつきそうですが、そこまでされたら痛すぎて死んでしまいそうなので、ボクは抵抗をあきらめました。

 

 こうして、ラモーヌ姉さまプロデュースでユニット、スーパーメジロシスターズが完成しました。ボク、パーマー、ライアンという三人組です。

 みんな体格がいいので、美人系を目指すかと思いきや、かわいい系で統一されています。薄緑にたっぷりのフリフリがついた衣装で統一されており、予想以上にかわいすぎる感じです。

 

「ラモーヌ姉さま、これ、ちょっと似合ってないような気がするんですが……」

 

 三人とも正直あまりにあっていないような気がします。こう、雰囲気が三人とも丸くないので、鋭利さが出ちゃっているというか……

 ですがラモーヌ姉さまは譲りません。

 

「間近で見てアルダンとなんか並ぶとあまりよく見えないでしょうけど、ライブの時はあなたたち三人しか舞台に上がらないからそういうことを考えても無駄よ。あと、ライブは比較的遠くから見るから、それくらいちょっと極端な方が絶対映えるのよ」

「そんなものですか……」

 

 反論しようにも健康オタクのボク、トレーニングオタクのライアン、ゴルフオタクのパーマーであり、みんなラモーヌ姉さまに反論できるほどの経験も知識もありません。

 

「もちろん舞台から降りた後の衣装もあるわよ」

「え?」

「それ近くで見るとちょっとけばけばしいもの。ファンとの交流とかのときはこっちの方がいいわよ。三人ともスタイルいいし」

 

 そういってラモーヌ姉さまが別の衣装を取り出します。

 どうやらシチュエーションにしたがっていくつか着替えるのが前提のようです。

 ファン交流用に始まり帰る時用の衣装まで出てきたときには正直ビビりました。

 内心うんざりしながらもボクたちはライブの大会に出させられるのでした。

 

 

 

 月刊雑誌『ウマ娘アイドル』より抜粋

 

 スーパーメジロシスターズの人気は大きい。

 いくつもの大会で優勝を飾る彼女らはどこでも注目の的だが、当初とはメンバーが一人入れ替わっていることはあまり知られていない。

 最初の大会ではリーダーとしてメジロマーリンが立っており、メジロマックイーンは所属していなかったのだ。メンバーが入れ替わったのは3回目の大会からであり、その理由は一人だけ年上だからバランスが悪かったから、とも、トレーナー業が忙しいから、とも言われている。

 彼女らがまだ知名度がなかったころの話であるため映像なども残っていないが、一部では初期メンバーのほうがカルト的人気を誇っているといわれている。




「単純にマーリンが我儘を言い出してボイコットしたからメンバーを変えただけなんだけどね」

 記事を読んだメジロラモーヌはそうこぼした。


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マーリンちゃんのトレセン学園の目標は?

  • 姉妹でティアラ三冠連覇
  • クラシック三冠もいいのでは?
  • メジロだし天皇賞を目指そう
  • あえてのスプリント路線
  • トレーナー業に専念しよう
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