ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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元ネタが古すぎる


2 契約したのか、私以外の奴と

 入学してすぐにラモーヌ姉さまと契約し、学生生活と一緒にトレーナー生活も始まりました。まずはもらったトレーナーの部屋を姉さまと一緒に模様替えから始めます。

 まず、部屋の片隅にじゅうたんを敷いて、そこにクッションを置きます。お気に入りのウマ娘をダメにするクッションです。休憩スペースですね。もう片隅にはソファとテーブルをセットします。お茶を飲みたいですからね。もともと簡易な調理スペースがありますから、お茶会もし放題です。

 奥の部屋は、研究室にしましょう。漢方薬とか使うと匂いがすごいですからね……

 あとはアルダン用のスペースを仮に設置して……

 

 こんな感じで好き勝手にトレーナー室の内装を弄っていますと、来客が続々ときます。

 最初に来たのはシリウスシンボリさんです。

 

「こんにちは、シリウスさん」

「開室祝いに来てやったよ、ポニーちゃん」

 

 そんなことを言いながらボクの頭を撫でるシリウスさん。

 身長はボクのほうが高くなりましたが、いまだ妹分のようです。もしゃもしゃされていると、シリウスさんはラモーヌ姉さまを見つけたようです。

 

「ラモーヌも妹の手伝いか?」

「? マーリンと契約したから、この部屋は私のものよ」

「いや姉さま、契約してもトレーナー室はトレーナーであるボクのものです」

「??? マーリンのものは私のものでしょう?」

 

 あっけらかんとしたジャイアニズム宣言をするラモーヌ姉さま。

 それを聞いたシリウスさんは、なんか少し剣呑な空気をまといました。

 シリウスさんに肩をつかまれ、壁際に追い込まれます。

 壁に手を突かれ、目の前で見つめられる状況です。壁ドンですね。

 そのまま、もう片方の手でボクの顎を撫でながら、シリウスさんは言いました。

 

「契約したのか、私以外の奴と」

「シリウスが入学して1年。大好きなマーリンと再会してしまった」

「お前と契約するのは私だと思っていた。今夜は、帰したくない」

「ケータイ恋ゲーム「ウマ娘ラブリーダービー」。「ウマ娘」で検索♪」

「なんですかこの茶番劇。というかラモーヌ姉さまもノリノリでナレーションしないでください」

 

 シリウスさん顔がいいからこんなことされると結構ドキドキするんですけど。

 

「というか、ボクはシンボリの総帥とこれ以上喧嘩したくないですよ」

「あのジジイ、絶対に〆る」

「良いじゃないですか、東条トレーナーの教え方すごい上手ですし」

「ルドルフと一緒っていうのが嫌なんだよ」

 

 そもそもさらに一年早く入学して、シリウスさんの担当になるという案も存在しました。シリウスさんが担当してほしいというので、ボクも普通に乗り気だったのですが、シンボリ家の方から待ったが掛かりました。

 実績もわからない新人トレーナーにシリウスを任せるわけにはいかないと。

 ルドルフに勝ってから、自主独立を重んじ始めたシリウスさんにとって、その一言は反発するのに十分でした。私の選んだ女にケチをつけるのかと大暴れして、どうしようかなーと悩んでいたボクを拉致して数日間失踪したりしました。まあ単純に温泉旅行に行っていただけですけどね。箱根はいいところでした。

 最終的には総帥の勧める東条トレーナーのところに体験入部して、そのまま今のところは居ついていると聞いています。正直東条トレーナーの腕はいいですからね…… 

 この前リーディングトレーナー取ってましたし、指導能力も情熱も一流のいい人です。もっとも東条トレーナーの方はライオン丸とシリウスさんに振り回されてすごく大変といっていましたが。

 

「ということでこの辺は私のスペースとしてもらうわ」

「その辺アルダンのためにとっておいたスペースなので、アルダンが来たら譲ってくださいよ」

「あー、わかったよ」

 

 シリウスさんがアルダン用に確保していたスペースを占拠して荷物を運び入れ始めました。シリウスさんはボクのことも気に入っていますがアルダンのことも気に入っていますし、喧嘩にはならないでしょう。どうせアルダンが入ってくるのは2年後ですしね。

 

「ラモーヌの併走相手の問題もあるだろう。おハナさんから許可は得ているから、基本こちらでトレーニングするからな」

「いやまあ構いませんが……」

 

 おハナさん、面倒だからってこっちに投げてないよな……

 まあシリウスさんには散々お世話になってますから、別段入り浸ってもらっても構いません。ラモーヌ姉さまの併走相手確保できるというだけでもありがたいですし。

 

 シリウスさんがいそいそと一角を改装していると、次に来たのはシンボリルドルフでした。

 

「ふむ、ここがマーリンの部屋か」

「お久しぶりルドルフ。出口はあちらです」

「あってすぐに帰そうとするな」

「なんで歓迎しないといけないんです?」

「がるるるるる」

「めしゃあああ」

 

 なんでシンボリルドルフが来たか。絶対面倒ごとに決まっています。

 こいつ、シリウスさんと違って博愛主義に目覚めて、すべてのウマ娘のためにとかファンキーなことを言い始めるようになってからしばらく経っていますが、なぜかこいつの定義するウマ娘の中にボクが入っていないんですよね。

 なので普通に突っかかってくるし、普通にめんどくさいし、正直触りたくない相手です。ラモーヌ姉様なんかは波長が合うみたいですが。

 それなのにわざわざボクのトレーナー室まで来たなんて、何かあるに決まっています。お祝いに来たわけがないです。

 

「コホン、いや、マーリンに一つお願いがあってね」

「聞きません」

「生徒会の副会長になってくれ」

「聞きません」

「というかすでに就任させた。これが資料だ」

「本人の同意なしに就任させるってどういうことだよ!?」

 

 ルドルフが生徒会の副会長で、今年の10月には生徒会長になる予定だということは聞いていたが、なんでボクをそんなドMの集団に引き込もうとするのか。

 トレセン学園の生徒会なんて、権限はたっぷり、予算もたっぷり、仕事はもっとたっぷりというブラック企業顔負けの激務な組織だと聞いています。絶対やりたくありません。

 

 ボクが騒いでいるとラモーヌ姉さまがこちらによってきました。そうです、ラモーヌ姉さまのトレーニングにも支障が出ます。文句言ってください。

 

「ルドルフ、どういうことなの?」

「ラモーヌ、小内トレーナーにお願いしておいた」

「マーリン、頑張って」

「売られた!?」

 

 小内トレーナーはのっぽで根暗な感じのトレーナーさんですが、リーディングを今まで3回も取った名トレーナーであり、ラモーヌ姉さまが結構関心を寄せていた相手です。ボクに生徒会の仕事をさせれば姉さまが文句を言うのを読んでいたルドルフが先回りしてラモーヌ姉さまへの代償を用意していたようで、それが小内トレーナーだったということです。具体的な内容は不明ですが、ラモーヌ姉さまが満足するだけの何かは用意しているはずです。

 

「シリウスさんタスケテ!!」

「ポニーちゃん、私に囲われたいということか?」

「いやそれはちょっと……」

 

 シリウスさんのことは大好きですが、シンボリに囲われるとなると話は別になります。目の前のライオン丸と親族づきあいなんてこれ以上したくないですし、何よりあの総帥とまったくウマが合わないですからね。

 うちのおばあさまはラモーヌ姉さまの口下手と聡明さにマックイーンの気品を足したようなツンデレ言葉足らずなだけの優しいおばあちゃんなので、ボクは結構好きですが、シンボリの総帥はライオン丸を年取らせたような天上天下唯我独尊みたいな人ですから、反論を許さないところがあります。

 それで一度大騒動になっていますし、正直二度と会いたくない相手です。

 ノーさんキューのポーズをとると、シリウスさんはシリウスションボリになりました。

 

「さて、マーリン君」

「はなせー、いやだー、しにたくなーい、しにたくなーい!!」

「死なせないよ。死んだら仕事ができないからね」

「余計やばいヤツだ!!!」

 

 残念ながらボクはルドルフに抵抗しきれず、そのままドナドナされてしまうのでした。




かわいがっている妹分なので、シリウスはポニーちゃんと呼んでいます。
おそらくパピー(子犬)は別のニュアンスが入っていると思うので。

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  • メジロアルダン 最終兵器妹
  • シリウスシンボリ 真面目
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