ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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閑話 せいとかいのおしごと!!

 トレセン学園生徒会は、前世のフィクションの強大な権力を持つ生徒会のように大きな権限を持っています。

 教官と学園の食堂、トレーナーのかかわる部分を除くすべての部分の管理権を持っていますから、その予算はちょっと信じられないぐらいの金額になりますし、できることも多岐に及びます。

 

 

 その最たる部分の一つが寮の自治ですね。あそこの予算、管轄全部生徒会なんですよ。学生からの寮費も生徒会が受け取っている形になっていますし、掃除洗濯その他いろいろの維持管理は全部生徒会がやっていることになっています。実態は寮長を中心に動いていますし、洗濯は外部のクリーニング屋さんにお願いしたりしていて、名目だけの部分も多いです。それでも寮の食堂の調理担当の人とか雇用主も生徒会ですからね……

 

「ふわぁ、毎朝皆さん大変ですね……」

「なれてるからねぇ」

 

 早朝というより深夜といえそうなまだ真っ暗な時間、外出禁止時間中に行われる食材の搬入の立ち合いも生徒会のお仕事の一つです。2000人弱のウマ娘が朝晩食べるわけですから、その量もかなり膨大になります。発注などは食堂の方にすべてお願いしていますが、注文と数が一致しているかとか、変なものが混ざっていないかとか、そういうのを確認しているわけです。

 今は手伝ってくれる人も多いので月1回ランダムに回ってくる程度のお仕事ですが、ボクが入る前はこれも毎日ルドルフがやっていたようです。あいつは本当に……

 

「まずはにんじん10kgの箱が50箱、と」

「これが毎日ですからすごい量ですよね」

 

 調理担当の人が運び込んでいきます。彼女らもウマ娘ですからパワーはありますが、それにしても重いし量も多いです。いくつかの箱を開けて中身を確認しますが、ちゃんと良さそうなにんじんでした。

 その後もお米やお肉、お野菜などが続々と運び込まれていきます。トラック3台分の食材がすごい勢いで搬入されました。

 

「ちゃんとそろっていそうですね」

「では受領証にサインを」

「はい、どうぞ。明日もよろしくお願いします」

 

 これを毎日やっているトラックの人と調理担当の人は本当にすごいなと思います。

 これで朝のお仕事は終わりです。調理に入る皆さんを見送り、ボクも部屋に戻るのでした。

 

 現状での生徒会の寮関係のお仕事はこれくらいです。前は尻尾ケア用品の選択まで*1生徒会が関わっていましたが、今は寮関係は基本全て寮長たちに投げています。伝票だけちゃんと取っておいてくれれば会計で確認はできますからね。

 

 

 

 寮内はまだ寮長たちがやってくれますが、学園の方となると基本生徒会でやらないといけないので仕事が増えます。

 

「ふくかいちょ~、サイズの合わない机と椅子交換しに来たよ~」

「クラスを教えてください」

「中等部2年Ⅾクラスだよ」

「了解しました。合うサイズのものを持って行ってください」

 

 例えばクラスの備品である机と椅子です。特に中等部のウマ娘達は成長期ですから、机やいすのサイズが合わなくなるなんてことも日常茶飯事です。そういう時は生徒会に来て、隣の倉庫からサイズの大きい机と椅子を持っていくわけです。その管理も生徒会の仕事だったりします。

 

「副会長さん、机壊れちゃったんだけど……」

「なんで天板が割れてるんですかね……」

「ちょっと腕相撲やったら白熱しちゃって……」

「はぁ…… 名前とクラスを教えてください。またやったら罰掃除ですからね」

「はぁい」

 

 ウマ娘達も力が有り余っていてしかも淑女とは言えない子も多いです。ボクもまあ淑女といえるほどお淑やかではないですが。そんな感じなので、このように備品が壊れるのも日常的だったりします。机が消耗品なのもどうかとは思いますが……

 

 他には風紀委員の人や一般の生徒の方から連絡が来た、壊れた備品の交換なんかもあります。早々壊れるようなものがないので動く必要はありませんが、ごくまれに窓が吹き飛んでいたり扉が吹き飛んでいたりするので油断がなりません。

 

 基本的に誰かが生徒会にいて、こういった備品関連の対応をすることになりますが、現状は書式も作りましたし、暇なときは生徒会室でたむろするメンバーも多いですから何となくみんなで回しています。

 ちなみにこれも、前はルドルフがワンオペをしていました。このライオン丸がよぉ…… よくこれで無敗なんてやれてるよなと感心してしまいます。

 

 

 

 午後はコース整備関連のこともやります。午前中にトレーナーの人たちに頼んでコースの確認はしてもらっていますから、気付いたところを整備していく形です。芝が大きく剥げていたりしたら立ち入り禁止のコーンを立てて養生させないといけないですし、ダートがあまりに凸凹の場合は均さないといけません。

 

「こらー、ローラーは押して使うの!! 転んだら危ないでしょ!!」

「「はーい」」

 

 整備自体はそれぞれの生徒が任意でやりますが、使い方の指導などもあります。

 例えば金属製のローラー、小学校なんかに置いてある奴よりも何倍も横にデカいヤツ、でダートを均したりしますがこれを引いて使っている人に指導する、なんていうのも仕事の一つです。

 野球漫画の影響*2と聞いていますが、引いて使う人が多いんですよね…… ただ、引いて使うと何かがあった場合取っ手が邪魔で横に逃げられませんし、ローラー自体が無茶苦茶重いので轢かれると大怪我です。

 なので押して使うように指示したりとか、剥げた芝を戻すときには砂を撒くとか、そういう具体的な指導をするのも生徒会のお仕事だったりします。できるトレーナーさんはトレーナーさんが教えてくれたりもしますが、整備は生徒の仕事、という意識が強いせいか多くありません。

 コースだけでなくて、プールの方の水質チェックなんかもありますしね。

 これもボクが来る前はルドルフが一人で(ry

 ……ライオン丸、いつトレーニングしてたんだろう。

 最近はシリウスさんのお仲間が整備を手伝ってくれたり指導してくれたりするので、あまりやることは多くなくなりましたが、これらもまた生徒会の仕事の一つです。

 

 

 

 一通り仕事を終えて生徒会室に戻ると、シービー会長とルドルフがいました。

 お茶でも飲んで雑談して帰るか、と思ったのですが、シービー会長が膝をポンポンします。ため息をつきながらシービー会長の膝の上に座ります。

 なんだろうかこの光景と思いますが、シービー会長はボクの抱き心地を気に入ったようです。ただボクもずいぶん縦に伸びたせいでシービー会長よりデカいので、膝に座るとシービー会長何も見えなくなるんですよね。それでいいのでしょうか。

 まあ楽しそうに髪を弄ったり尻尾を弄ったり抱き着いてきたりするので気にしないことにします。

 

 ルドルフは相変わらず書類仕事ですね。大変そうです。

 ボクはコース整備中に友達からもらった飴ちゃんをルドルフに渡します。

 

「? どうしたんだい?」

「いや、ルドルフも大変だなって。だから激励の飴ちゃん」

「珍しいことを言うじゃないか。手伝ってくれてもいいんだぞ」

「それはや」

 

 飴を舐めながら笑うルドルフ。

 日常的なルーティンワーク化できるものがボクの管轄で、イベント系はカリスマ性と決定力があるルドルフの管轄なのだから、混ぜてもいいことはないです。

 ルドルフもそれがわかっているから言っただけなのでしょう。ボクが断るとすぐ引き下がりました。

 

「何か苦戦してるの?」

「夏合宿だな。合宿所の老朽化が進んでるからどうしようかと」

「建て替えは? 予算なら集められるでしょう」

「軽く見積もりを取ったら2年近くかかる。最低でも1年分の夏合宿が実施できなくなりそうでな」

 

 どうやらボロい合宿所をどうにかしようとしているようですね。ただ、お金と権限があってもできないことは多いのが困るところです。

 

「メジロの方にどうにかできないか聞いてみようか?」

「そうだな、よろしく頼む」

 

 メジロの家業は建築です。だから何かしらいい手段が見つかるかもしれません。

 それに収入を得るお仕事は増えて損はないですからね。

 ルドルフがサッサと書類をまとめ、封筒に入れてボクに渡されます。今週末におばあさまに相談したほうがいいでしょう。

 

「さて、今日は帰りますか」

「やーだー。もっとマーリンちゃんを吸ってから帰るー」

 

 シービー会長が駄々をこねますが無視して膝から降ります。

 

「ぶー、ルドルフ、代わりにルドルフ吸わせてよ」

「……」

 

 代わりとばかりに言いだした謎の発言に、ルドルフが絶対零度の視線を返します。

 シービー会長は朗らかに笑います。ライオン丸EYEの視線をスルーする能力、すごいな。

 

 こんな感じで生徒会のお仕事も徐々にどうにかなっていくのでした。

*1
アプリのエアグルーヴのイベント「尻尾ケアは大切に」

*2
漫画「巨人の星」で主人公星飛雄馬が引いているシーンがある




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