ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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閑話 モデルさんになってみた

 シチーさんに連れられて来た場所はスタジオでした。

 今日ボクは、着せ替え人形にされるのでしょう。

 

 

 

 ゴールドシチーさんに夏合宿でトレーニングに付き合ってもらった代償は、ボクがファッションモデルをやらされることでした。

 最初はメジロ家を理由に断ろうとしたんです。ボクもメジロ家の所属ですから家の方の許可が必要だと。で、おそらく許可が出ないと言い訳をしました。普段からそんな家の許可なんてまるで取っていないのですが、断る言い訳になるかなと思っていました。

 その後メジロ家の方へ話を持っていったら、なぜかメジロ家から許可が出て、見学に姉さまとアルダンのほかおばあ様まで来ました。なんでおばあ様まで来るんですかね。意味が解らないです。

 

 ちなみに今日撮影されるのは、ボクとタマちゃんです。

 ボクは貸しを返せということで、タマちゃんはバイト代につられての参加です。

 タマちゃん、お金ないのかな……

 

「というかさ、ボクもタマちゃんもファッションモデルにあまり向いた体型ではないと思うんだけど」

 

 ボク自身、身長はかなり高い方です。今でも少しずつ伸びていて、170cmを超えてしまいましたし、それだけならまだモデルもできるかもしれませんが、各所が太いのです。

 まず太ももが太い。これのせいでホットパンツみたいな丈のないズボン以外一切着れなかったりします。ほとんどのズボンは太もも通らないですし、太もも通るズボンはウエストが両腕を入れてもまだ余るぐらいぶかぶかな上裾も広すぎて袴みたいになってしまいます。

 また、尻もデカいのでスカートを履くとあまりシルエットがきれいじゃないんですよね。後ろに盛り上がってしまいます。パニエとか下に履くようなドレスみたいなのだと問題はないですが、そんなの日常的に着ませんし。

 胸が大きいのも問題で、普通に服を着るとウエストあたりが非常に太く見えます。当たり前ですが布は体に張り付いてなんかくれませんから、服は胸の一番大きいところからまっすぐ下に落ちるんです。つまりバスト100cmのまま寸胴です。見かけ上ウエスト100cm。うん、とても不格好ですね。

 比較的ナイスバディといわれますが、大体の服が似合わない自覚があります。だからそれを理由の普段から薄着なのです。薄着が好きなのは単純にすさまじく暑がりなだけですが。寒がりだったら多分見た目気にせずもふもふに包まれていたと思います。

 なんにしろ見た目はいい方だと自分では思っていますが、似合う服が極端に少ない自覚があります。それがファッションモデルはちょっと無理があると思います。

 

「大丈夫ですよ、スリーサイズとかもちゃんと聞いていますし、マーリンさんに似合う服をちゃんと用意しています」

「もしかして水着とか下着とか?」

「いや、普段と似たような格好させても面白くないじゃないですか」

「面白さで決めてるの!? あと普段はちゃんと服着てるよ!?」

「制服以外の私服が、スクール水着より露出が減ってからその反論は言ってください」

 

 いや確かに露出は多いかもしれないけどさぁ……

 むくれたボクのもとに、最初の服が届きました。黒いワンピースです。

 

「いや、これ似合わないでしょ」

「そんなことないですよ。試しに着てみてください」

 

 そういわれたのでひとまず着てみます。

 特に装飾もない、丈が長い半そでのワンピースです。ウエストのところに布ベルトがついているので、それを絞めれば完成ですね。

 

「どんなもんでしょ」

「良いと思うわ、マーリン」

「私もいいと思います!」

 

 ラモーヌ姉さまやアルダンは手放しでほめてくれます。多分ボクがこういうかわいい服を着たがらないから新鮮なのとかもあるでしょう。

 

「ウエスト細いですよね、マーリンさん。これはちょっと難しいな……」

 

 一方シチーさんはボクを見て悩んでいます。まあそうでしょうね。脱ぐとバランスよく見えても、着るとシルエットがよくないんですよ。

 なお、カメラマンさんはガンガン写真を撮ってきます。それがお仕事だからいいのですが。

 

 この後もふわふわ系の服装をあれこれと着せられました。

 ラモーヌ姉さまとアルダンは楽しそうにあれがいい、これもいいと感想を述べ、おばあさまは良さそうなのを片っ端から注文していました。これ、もうメジロ家のボクのクローゼットの中はふわふわ系の服装しか服が無くなるなと思いますが、抵抗はできません。

 タマちゃんの方は子供服を着せられる…… なんてこともなく、小柄な女性用の服を着せられていました。こっちもかなりかわいい系です。

 シチーさんもまた妙に楽しそうです。モデルやるぐらいですし、服とか好きなのでしょう。

 そしてボクとタマちゃんは精魂尽き果てました。

 だって、片っ端から脱いでは着て、写真を撮って、また脱いでは着て、写真を撮っての繰り返しですよ。それも2,3着じゃなくて何十と繰り返すのですから、もう疲れ切ってしまいました。

 

「お疲れ様。どうでした?」

「もう、疲れっちゃって 全然動けなくてェ」

「……」

 

 ソファにぐったり座るボクに、有り金全て溶かした顔をしたタマちゃんという状況です。モデルさんなんて華やかな職業に見えますが、実質は肉体労働ですね。間違いないです。

 

「でも二人ともかわいい写真が一杯撮れましたよ。ほら」

「うちがかわいくなって何が楽しいねん……」

「タマモさんの妹さん弟さんに見せればいいじゃないですか」

「笑われるだけやって」

 

 タマちゃんはそういってぐったりしていますが、写真は正直かなりかわいいと思います。小柄で背は低いですが、体は締まっていて女性らしい曲線もありますからかわいらしいんですよね。で、かわいい服を着ると本当にかわいいです。

 あとでコミちゃんに写真全部送って、ご家族に共有してもらいましょう。

 

「ほら、マーリンさんもいい感じの一杯撮れましたよ」

「ボクはいつものでいいよ」

「あれはあれで各所に人気らしいですが、もうちょっと恥じらいを持った方がいいと思いますよ」

「うえー」

 

 ラモーヌ姉さまのトレーナーとして外に出るときもいつもの露出が多い服でしたから、ボクに男性人気が出ているのは聞いていますが、特に気にしてはいないです。意外とほかの学生にも評判悪くないんですよね。みんなアスリートだから肉体美的なもの好きみたいで。

 むしろフリフリとか来ていたほうが浮くと思います。いやそうでもないか。メイド服着ているトレーナーとか、腹筋見せつけているトレーナーもいますからね。

 

「マーリン」

「なんですか姉さま」

「明日から、私服はこれにしなさい」

「うえ!?」

 

 ラモーヌ姉さまが見せてきたのは今日着た服の中で一番フリフリしていた奴でした。白と黒のゴスロリといわれる奴で、着るのも結構面倒な奴です。

 

「姉さま、それはちょっと」

「おばあ様からの命令よ」

「おばあ様!?」

 

 おばあ様の方を振り向くと、静かにうなづきました。威厳出している風を装っていても単にフリフリ着せたいだけだと思うととてもではないですが威厳はないです。

 

「マーリン姉さまのフリフリ、かわいかったですよ」

「うっ」

 

 アルダンもボクにフリフリを着せたい側のようです。

 三対一。これはかなり劣勢ですね……

 

「ちょっと待ってくださいみなさん」

「シチーさん」

 

 シチーさんが助け舟を出してくれました。確かにフリフリをボクに着せるのは愉快かもしれませんが、似合ってませんもんね。シチーさんなら止めてくれると信じていました。

 

「こっちの方がもっとかわいいです」

「お前もかゴールドシチー」

 

 助けてくれると思っていたら単純に敵の増援でした。フリフリ度がさらに増した服を取り出したシチーさん。

 こうなったらボクには止めることができません。残念ながら、この後、フリフリの服を何着も押し付けられ、ボクの今までの私服はラモーヌ姉さまにすべて撤去されてしまいましたので、しばらくの間、制服かフリフリの服で過ごさないといけなくなるのでした。




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聖蹄祭 何をしようか

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