ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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2 餅は餅屋というけれど

 ということでアヤベさんの精神的な問題はメジロの主治医さんを紹介して終わりました。

 確かに可愛い妹分が悩んでいたら助けたくはなりますが、素人が手を出していい問題じゃないんですよああいうのは。一番心配していて責任があるのは親御さんですしね。

 というか何がヤバいって主治医さんが一番ヤバくて整形外科だけじゃなくて内科も外科も心療内科も全部できるってところなんですよね。ウマ娘のサポートは肉体的なものはもちろん精神的なものも含まれるって、いやー、かっこいいっすわ。お注射は痛いけど。

 ということでアヤベさんの方は主治医さんの力で適当にどうにかなるでしょう。しかし問題が一つ発生しております。

 

「ねえ、帰らないの?」

「やー」

「やーじゃないんだよ……」

 

 アヤベちゃん妹(仮)がボクにくっついて帰ってくれなくなりました。どうすんのこれ…… ずっとボクに引っ付いています。幽霊ちゃんのせいか重さは感じないですし、可愛いですが……

 

「あれ、あまり問題ないかもしれない?」

「いや、問題でしょう」

「姉さま、わかるんですか?」

「いえ、そこに何かいるのだけしか分からないけども」

「でも何が問題なんです?」

「まず第一に、妹が私にかまってくれる時間が減る」

 

 どや顔でそんなことを言うラモーヌ姉さま。かわいすぎか。シスコンすぎるんよ。

 ひとまず姉さまが寂しすぎて死んでしまわないように、解決方法を考えないといけません。こう、成仏とかしてもらうといいのかな。専門家の人って誰だろう。神社かお寺の関係者?

 

「どうにかするとしても、霊の問題って誰に相談すればいいんですか?」

「ひとまず主治医じゃない?」

「主治医さんもそこまで万能じゃないと思うんだけど……」

 

 さすがに幽霊に関する話は専門外だと思いましたが、ほかに当てもないですので次の健康診断の時に主治医さんに聞いてみることにしました。

 

 

 

 

 

「幽霊は私の専門外ですね」

「でも否定はしないんですね」

「私には何も見えませんし感じませんが、私が観測できないからと言って存在しないわけでもないですから」

 

 主治医さんにも幽霊は専門外だったみたいです。

 この人にもできないことってあったんですね。

 

「でもボクの気の迷いとか思い込みとか幻覚とかそういう可能性はないですか?」

「幻覚の可能性はほぼないですね。あれそんなピンポイントで見えるものではないです。それに精密検査も念のためしましたが幻覚が見えそうな病気も見つかってないですし」

「そうですか」

「思い込みという線も低いかと。アドマイヤベガさんの生まれる前に亡くなった双子の妹なんて普通は思いつきませんよ。ウマ娘の双子の確率はヒトより圧倒的に低いんですから。それをあてずっぽうで当てるのは難しいかと」

「そんなものですか」

 

 一応自分としても何かしらの問題があることを考えたのですが、主治医的にはそれはないようです。

 

「じゃあやっぱり幽霊?」

「それはわかりません。私の専門外ですから」

 

 主治医さんはプロフェッショナルだな、と思いながらも、何の成果も得られませんでした。

 まあ、病気がないと分かっただけいいでしょう。

 

「しかし困りましたね」

「こまったの~」

 

 アヤベちゃん妹はボクにくっついたまま、何も変わりません。このままだとまたラモーヌ姉さまがシスコンをこじらせて自分で自分の尊厳破壊を始めてしまいます。あれはあれで可愛いのでいいのですが。でも幽霊の専門家の知り合いなんていないからなぁ。

 そんなことを悩みながら、街をぶらついていると学園近くで喫茶店を見つけました。こんなところに喫茶店なんかあったかなと思いましたが、アヤベちゃん妹(仮)が入りたそうにボクの手を引っ張るので、店に入ってみることにしました。

 

 

 

 入った喫茶店の内装は、落ち着いた雰囲気でした。マスターらしき渋い雰囲気の男性が居り

 

「そちらの奥のテーブル席にどうぞ」

 

 と声をかけてきます。

 店内にはコーヒーの香りが漂っており、どうやらコーヒーがメインの喫茶店のようです。いい香りなのですが、ボク自身は紅茶党なのでちょっと困ります。とはいえこういう店で紅茶を頼んでもいいのは出てこないしなぁ。

 

「ご注文は?」

「わぁっ!?」

 

 そんなことを悩んでいると、テーブル席の反対側から顔が飛び出てきました。

 ウマの耳に真っ黒なストレートの髪、金色に輝く瞳がひときわ目立つ幼女です。年齢的にはアヤベちゃんと同い年くらいでしょうか。

 他のお客さんの子供かな、とも思いましたが、ボクたちのほかにお客さんはいません。もしかしてアヤベちゃん妹(仮)の同類でしょうか? もしくは座敷童的なサムシング?

 

「うちの子がすいません」

「マスターのお子さんですか?」

「そうです。自分から店の手伝いをしてくれるのですが、愛想がなくて」

「大丈夫ですよ、とてもかわいいです」

 

 どうやらお店の子供らしいです。よかった、ツイテクしてくる謎の霊が2人に増えたらどうしようかと思いました。

 

「あたし、チョコレートパフェ!!」

「チョコレートパフェですね。そっちのお姉さんは何にしますか?」

「ボク紅茶党で甘党なんだけどおすすめはあります?」

「こちらのパナマコーヒーがあまり苦くなくてお勧めです。あと甘いものならパフェがおいしいですよ」

「じゃあフルーツパフェとそのコーヒーで」

「ハイわかりました」

「うん、よろしくね…… ってちょっとまって!?」

「なんでしょうか?」

「今この子とお話した?」

「しましたよ」

「したよ」

「「ねー」」

 

 声を合わせる幼女二人。とてもかわいい…… じゃなくて、この子も見えるのか!!!

 

「ちょっとお話聞かせてくれない?」

「ナンパはご遠慮ください」

「ナンパじゃないよ!?」

 

 この子、表情は硬いけど感情表現自体は豊かだな!!

 

「おともだち、私の代わりにお客様のお話を聞いてあげて」

「ん」

「なんか生えてきた!!」

 

 向かい側から黒髪で金色の瞳をした幼女が生えてきました。さっきの子とそっくりです。もしかしてやっぱり増えてしまったのでしょうか。いや、双子かもしれませんが……

 

「マスター、お子さん双子だったりします?」

「ああ、あなたもカフェのお友達が見えるんですか。うちの子は一人っ子ですが、全くそっくりの子が時々見える方がいるんですよね。カフェはお友達と呼んでいます」

 

 ボクはげんなりしました。やっぱり増えてしまったようです。

 というか、カフェって言ったし、この子、マンハッタンカフェとそのお友達か!!

 薄れかけている前世からの原作記憶をどうにか引っ張り出してきます。

 ひとまずお友達を膝にのせて、頭を撫でます。なでなで…… うーん、サラサラで触り心地がいいですね。ほっぺは…… ぷにぷにです。

 やばい、この子も可愛いわ。やっぱり幼女は最高だぜ!!

 もう憑かれてもいいや、とそんな気分になってきます。

 アヤベちゃん妹(仮)もカフェちゃんのお友達に対抗してボクの膝の上に登ってきます。もう幼女パラダイスです。ここは天国か……

 二人を存分にモチモチしてお触りしまくっているとカフェちゃんが戻ってきました。

 

「お待たせしました。チョコレートパフェとフルーツパフェと、パナマコーヒーです」

「ありがとう」

 

 おかれたチョコレートパフェはアヤベちゃん妹(仮)が、フルーツパフェはお友達が食べ始めます。そのフルーツパフェ、ボクのなんだけど…… とは思いましたが、お触り代と考えることにします。

 

「ずいぶん仲良くなりましたね」

「そうかな?」

「お友達はあまり他人には心を開きませんから」

 

 心、開かれてたかな…… ただただお触りしてただけなんだけど。

 

「さて、何かお話があるようですが」

「あ、その前にカフェちゃん、何か好きなものおごってあげるよ。何がいい?」

「いえ、そういうのは別に……」

 

 そういいながら目線がフルーツパフェに行っているのをボクは見逃しませんよ。見た目だけじゃなくて好みもお友達とそっくりなのでしょうか。

 

「マスター、フルーツパフェをカフェちゃんに。お話聞いてもらうお代で」

「ありがとうございます」

「すいません……」

「いいのいいの。それで相談したいのはこの子のことなんだけど」

「霊みたいですね。悪いものではなさそうですが、ここまで強い子は初めて見ました」

 

 アヤベちゃん妹(仮)の頭をなでるとくすぐったそうにします。

 カフェちゃんから見ても悪いものではなさそうとのことなのは安心します。まあうろ覚えの原作知識でも妹ちゃんはアヤベさんを励まそうとしてるだけで何ら悪いことしていることはなかったと記憶をしています。アヤベさんが変に拗らせただけで。

 

「知り合いの子の双子の妹さんなんだよ。ただ、生まれる前に亡くなったらしくて、ずっと双子のお姉さんにくっついてたんだけど、最近なぜかボクの方にくっついてるんだ」

「困ってるんですか?」

「困っては…… いないかな。ただ、このままでいいのかな、という不安はあるよ」

「不安?」

「霊なら成仏した方がいいんじゃないかとか、アヤベちゃん、あ、双子のお姉さんね、そっちについてた方がいいんじゃないかとか、そもそも成長のためにいろいろしてあげた方がいいのかとか、霊のことなんにもわからないからさ。この子のために何をしてあげればいいかわからないのがすごく不安」

「そうですか。お姉さん優しい人なんですね」

「そんなことないと思うけど」

「みんな霊をどうにかしてほしいっていう相談をしてきます。霊は怖いものですからそれはしょうがないと思いますが、お姉さんみたいに霊に何をしてあげればいいかわからなくて困ってるというのは初めてです」

「まー、それはこの子もこの子のお姉ちゃんもいい子だからじゃないかな」

 

 これが暴れまわって困らせてくるような相手だったらボクも対応が変わっていたでしょう。でもこの子は可愛くてついてくるだけで特に困っていないし、どうしてあげるのがいいだろうかと考えてしまいます。

 カフェちゃんにマスターからフルーツパフェが渡されます。おいしそうに食べるカフェちゃんがまた可愛いです。この幼女ハーレム(ただし過半数は霊)の天国、やっぱりもっと払わないといけないのではないでしょうか。

 

「お友達も気に入ったようですし、しばらくうちにいてもらいましょうか?」

「え、それはそれで悪い気がするんだけど……」

「お姉さんと一緒にいてもお姉さんしか見えないでしょうが、うちなら私とお友達と話し相手が二人に増えますし、ほかにも見える人は時々来ますから」

「うーん」

 

 それはそれで責任の押し付けみたいな気がしてもやもやするが……

 マスターの方を見るが笑顔な反応だし、それもいいのかもしれない。ボクより彼女の方が詳しそうだし、あと、ここお店だからアヤベちゃんとかもつれてくるのがうちよりも楽だろう。

 

「じゃあ、お願いしてもいいかな」

「わかりました。お姉さんも時々遊びに来てくださいね」

「学園から近いし、ちょくちょく来るようにするよ」

 

 こうして、解決したのかしていないのかわからない、アヤベちゃん妹(仮)の問題はひとまず終わったのでした。





【挿絵表示】

ろりぺったんかふぇ
服は多分パパの趣味
アドマイヤベガもSS産駒なので双子の妹もSS産駒でしょうしお友達と相性は良さそう。

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