ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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第二部 桜の花道を
4 ティアラ三冠を目指して


 ラモーヌ姉さまはティアラ三冠を目指しております。

 4月上旬には初戦の桜花賞がありますし、その前にはトライアルレースであるGⅡフィリーズレビューに参加予定です。

 ラモーヌ姉さまはメジロでも期待されている存在です。前回阪神ジュニアステークスを勝ちましたから期待はさらに高まっています。そんなラモーヌ姉さまを激励するためのパーティが開かれることになりました。

 当然ですがトレーナーであるボクも参加させられます。

 

「姉さま、めんどくさいです」

「いいから出なさい」

「ぷー」

 

 普段ならなんだかんだ言って妹に激甘な姉さまですが、さすがに激励パーティの欠席は許してくれませんでした。

 

「姉さま方! これ着ましょう!!」

「ふぅん、いいじゃない」

「わぁい!!」

 

 一方のアルダンはチャイナ服を持ってきました。

 先日珍しく姉二人とは別行動で中国旅行に行ってきたアルダンのお土産のようです。

 ドレスを選ぶのも面倒ですし、アルダンが選んでくれたわけですからこれにしましょう。チャイナ服は走りやすいようにスリットを深くしてあるドレスであり、大陸のウマ娘の正装です。失礼には当たらないでしょう。

 姉さまも気に入ったようなので服は決まりました。

 

 

 

 こういったパーティは正直かなり面倒です。

 挨拶して何となく談笑するだけ、ならば確かに面倒ではありますが仕事だと思ってこなすことも可能です。

 ただ、いろいろ気疲れするんですよね……

 

「ラモーヌさん、頑張ってくださいね」

「ありがとうございます」

「妹さんも、お姉さんに負けないようにね」

「頑張ります」

 

 今馴れ馴れしい言葉づかいで皮肉を言ってきた男性みたいなのが大量にわいてきます。

 遠回しに妹というだけで釣り合っていねーぞ、トレーナー面すんなよ、みたいな趣旨のことはしょっちゅうです。こういうことを言われても正直ボクは有象無象が言っているだけだと思うのでどうでもいいのですが、ラモーヌ姉さまの機嫌がどんどん下がっていくのです。

 爆発すると本当にヤバいことになります。主役なのに「つまらないわね、帰るわ」だけ告げてマジで帰ります。しかも走って。姉さまが速いので誰も追いつけないし、すごい距離走るのでその後の調整が大変だし、パーティの空気が最悪になるし、本当にヤバいです。今日は走りやすいチャイナ服ですから速さはドレスや着物を着ていた時の比ではないですね。

 姉さまだけ出てる場合には皮肉を言う相手がいないから当社比90%ぐらい量が減る上、姉さまにボクの悪口を言うと口で反撃されて潰されるので、姉さま一人で出てた時の方がはるかに安全なのです。

 アルダンがせっせと姉さまのご機嫌取りをするべく料理を持ってきたり、話題を振ったり、姉さまと仲の良いメジロの子を連れてきたりしていますがそろそろヤバそうな雰囲気です。ルドルフがいればあの皇帝の眼差しで黙らせてくれるのですが、今は海外で頑張っているし頼れません。

 皮肉を言う人たちももうちょっと学習をしてほしいと本気で思います。毎回痛い目にあってるだろうに……

 

「姉さま、ちょっとご飯食べてきますね」

「行ってらっしゃい」

 

 透き通った笑顔で姉さまに見送られて席を立ちます。結構危険水域ですねこれは…… ボクにはもう爆心地から離れるぐらいしか対応方法がありませんでした。

 

 パーティの料理に関しては豪華なものが並んでいます。ひとまずローストビーフでももらいましょうか。ニンジンソースがかかってておいしそうなんですよね。一人ひとり切り分けてくれるみたいですし、分厚く切ってもらいましょう。

 そんなことを考えてテンションを上げながらローストビーフのところに移動していたら

 

「おいアンタ! 邪魔すんじゃねえ!」

 

 いきなり目の間に入ってきたおじさんに絡まれました。

 さすがに直接的過ぎてボクも固まらざるを得ません。

 あの、このパーティの主役の一人なんですけどね、ボク。わかりにくい皮肉は山ほど言われてもここまで言われる意味も分からないですし。

 何にしろもめたくないんですよね。週刊誌とかにメジロローストビーフ事件とかすっぱ抜かれても嫌ですし。というか我学生ぞ? 学生に大の大人が絡むなし。

 

 幸い近くにいた人が助けてくれたのでトラブルはすぐ終わり、ローストビーフを切っていたコックさんが超分厚いローストビーフを切ってくれたのでボクは満足しましたが…… 元の席に戻る途中、姉さまがスッ、と立ちました。

 立った、姉さまが立った!!

 アルダンの笑顔が引きつり、周りのメジロの子たちもヤバいという表情をします。ボクは慌ててローストビーフを姉さまの口にねじ込みました。

 

「つもごぉ!?」

 

 厚さ1cmを超える分厚いローストビーフです。良質な牛肉で柔らかいとはいえ限度がありますし、これでしばらくは発言を封じることができるでしょう。

 もぐもぐと咀嚼している間に姉さまは席に座りなおしました。多少冷静になってくれたようです。口いっぱいにローストビーフを頬張り、ほっぺたが膨らんでる姉さまはとてもかわいらしいです。

 この後はボクが延々と姉さまの口に食べ物をぶち込み続けるという荒業でパーティを乗り切りました。挨拶なんてもう知らん。姉さまをこれ以上怒らせるなよ…… そんなオーラを出すとメジロの他の子たちがブロックしてくれたのでどうにか事なきを得ました。

 なお、代償としてラモーヌ姉さまの体重が激増し、減量のためボクが死ぬほど併走させられることになるのでした。そしてなぜか情報の一部が流出し、メジロ寿司事件という謎の事件が三流週刊誌にでっち上げられるのでした。なぜ寿司になった……

 

 

 

 終わったパーティの話はまあ良しとしましょう。

 今日のラモーヌ姉さまとの会議の議題は……

 

「あのクズ共の処分方法ね」

「違います」

 

 いまだオコなラモーヌ姉さまですが、それは正直どうでもいいです。おばあさまが対応してくれるでしょう。

 

「ティアラ三冠のローテーションです。正直GⅠの3レースだけ直行、でも全然いいと思うのだけれども」

「あら、そんなつまらないことはしないわ。トライアルレースのGⅡ3レースも出て、全勝してこそ完璧といえるでしょう?」

「なるほど」

 

 ティアラ三冠のレースに出るには、トライアルレースで好成績を修めるか、それ以外で実績を積む必要があります。ラモーヌ姉さまの場合すでにGⅠに勝っていますから実績は十分なのですが、どうやら各レースのトライアルレース、その中でも格が高いGⅡの3レース、桜花賞トライアルの報知杯阪神クラシックウマ娘特別、オークストライアルのサンケイスポーツ賞クラシックウマ娘特別、エリザベス女王杯トライアルのローズステークスの3つも勝つことを目指したいようです。

 桜花賞とオークスの間が中7週で、フローラステークスに出るとすると中3週で3戦しないといけないわけですが、まあどうにかなるでしょう。無理というほどの過酷スケジュールではありませんん。

 

「それだけレースを愛したいんですね、姉さま」

「少しはわかってきたみたいね、マーリン」

 

 姉さまはいろんな相手と走りたいのでしょう。

 できれば全部のトライアルレースも、クラシック三冠も走りたいとすら思っているのかもしれません。ですが、それはさすがに無理ですから、トライアルの中でも特に格の高いレースを選んだ、という所なのでしょう。

 

「それまでのトレーニングプラン、任せたわ」

「じゃあまず減量からですね。食事量は減らしておきます」

「……ご飯は減らさないでくれるとうれしいわ……」

 

 意外と食欲は我慢が出来ない姉さまでした。




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【挿絵表示】

ラモーヌ姉さまのチャイナ服

適当にウマ娘についてしゃべるディスコードサーバー
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そこそこ前から動いているディスコード鯖です。
気になった方はお気軽にどうぞ

出してほしい子いる?

  • いいからラモーヌ姉さまだ
  • 妹アルダンさんといちゃいちゃしろ
  • ロリドーベルとかどうだろうか
  • ロリブライトもいるな
  • カフェを出したんだからタキオンを出せ
  • NTR(ナリタトップロード)
  • 世紀末覇王もいいのではないか
  • ドトウちゃんはロリでもいろいろドトウか
  • というかもう少し上の世代を……
  • 後輩オグリ
  • 後輩タマチャン
  • 後輩ゴルシ(チー)さん
  • 曇るシチーさん美しいべ……
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