ラモーヌさんとアルダンさんの姉妹の間に挟まれたメジロに転生してしまったお話   作:雅媛

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5 お受験はとても大変

 小学校に入る前の6歳になってすぐの10月に、ボクは初めてトレーナー試験を受けました。

 なんとこの試験、年齢制限がないんですよね。とはいえ通常は大学を卒業した後に受けるもので、時々気が早い人が義務教育を受け終わった後に受験して撃沈する、なんてことばかりで、義務教育を受ける前の子供が受けるなんて言うことは今までなかったようです。

 リュックを背負って試験会場にボクが到着したとき、会場内が結構ざわめきました。

 

 受験票を片手に自分の席を探します。042番は…… ここですね。

 席に座りますが、机といすの高さが全く合いません。地面に脚がつかないのはいいですが、机が首の高さなのはいただけないですね…… まあどうしようもないので、リュックからクッションを取り出して椅子の上に敷いて、その上に正座で対処します。座る場所がタワーめいてきていますが、まだ大丈夫でしょう。

 どこからともなく、あの子、本当に受験生なの? とか 記念受験にも程度があるだろ とか ガキが来る場所じゃない とか聞こえてきますが、そんなことを噂する前に試験の準備をすればいいのに、とは思います。ボクが幼女だからあなたたちが落ちるわけでも受かるわけでもないのに。

 ボクはというと、正直今回は試しに受けているだけなので気楽に来ています。姉さまのトレーナーになるんだったらあと3年後ぐらいでも間に合うでしょうし、試験の雰囲気や本番の問題形式に慣れるには本番を受けるのが一番ですからね。

 

 ぼけーっと精神集中という名の暇つぶしをしていると、試験問題が配られます。

 時間は有限ですし、試験問題の数は試験時間からするととても多いので、どんどん解く必要があります。ボクは意識を切り替え、試験に挑むのでした。

 

 

 

 一次試験通過してしまいました。

 ウマ娘とは言え幼女の体力で3時間の試験はつらく、一応全部埋めることはできましたが最後のほうはもうろうとしながら書いていましたので、絶対無理と思っていましたが、前半の調子が良かったので合計点でどうにか通ったようです。

 しかし、一番の壁が体力とは思いませんでした。確かにトレーナーは教職の一つですから、体力が必要なのはわかりますけどね……

 

「さすがマーリンね」

「姉さますごい!!」

 

 ラモーヌ姉さまとアルダンが褒めてくれてボク自身調子に乗り始めます。

 胸を張ると、二人が抱き着いてきて撫でまわしてきます。

 

「でも、二次試験って二泊三日の合宿ですよね。おひとりでは心配なのですが」

 

 そんな姉妹もちゃもちゃをしていると、メイドさんが懸念を述べます。小学生前の幼女が一人でお泊りとか、普通の大人なら心配でしょう。これくらいの年齢で許されるのは多分初めてのお使いぐらいです。海外だとそれも危険だといわれるらしいですが。とはいえ付き添いで誰か、例えばメイドさんについてきてもらう、というのもカンニングの恐れとかもありますから認められないでしょうし……

 

「うーん、三日分の着替えを抱えていけばどうにかならないかな。食事はレース場内で買えるだろうし」

 

 一人暮らしとなれば絶対無理だが、二泊三日を切り抜ける、とだけ考えれば年齢、体格的に家事が一切できないボクでも切り抜けることはできなくはないように思えました。

 メイドさんは険しい顔をしていますが、ボクが上目遣いでおねだりすると、最終的には折れました。

 

「体調が悪くなったりしたら途中で辞退してくださいね」

「もちろん、正直3年後ぐらいに合格すればいいかなと思ってるし」

 

 無理をするつもりはありません。

 というかこの年齢で合格しなくても当たり前ですし、自分の健康のほうが大事です。

 そう答えても、メイドさんの心配そうな表情は良くなりませんでした。

 

 

 

 試験の時は、会場までの往復はメジロの黒塗りの車で送迎されました。当然赤カーペット付きです。

 車はまだしも、赤カーペットは絶対おかしいでしょと散々拒否したのですが、止めることができませんでした。

 集合時間前に集まる、ほかの受験生たちのど真ん中を転がっていく赤カーペット。

 そのど真ん中を歩くウマ娘。

 これがアニメのマックイーンみたいにお嬢様然としている子ならまだギリギリ許されるかもしれませんが、こちらは前世の知識に引きずられてウマ娘なのに山猿とか言われるぐらいのおてんばですから、赤カーペットと全く合っていません。そもそも赤カーペットの真ん中をデカいリュックを背負ってキャリーバッグ押しながら通ったらダメでしょう。周りも困惑しています。

 とはいえ、キャリーバッグの中には着替えやらなんやらが入っていますし、置いていくわけにもいきません。一生懸命押していると、不意に影が差しました。

 

「嬢ちゃん、持ってやろうか?」

 

 顔を上げると、ちょっと強面な感じの青年がボクを見下ろしていました。大きなキャリーバッグを運んでいるから声をかけたのでしょうが、この状態で声をかけてくる胆力はなかなかだと思います。

 

「お願いできると助かります」

「しかし、この中何が入ってるんだ。ずいぶんデカいが。参考書でも詰め込んでいるのか?」

「乙女の秘密です」

「中身はいっちょ前だな」

 

 そう言って笑うお兄さんにカバンを渡し、ボクはレッドカーペットの終点を蹴飛ばしました。そのままころころと転がって、レッドカーペットは元のロール状態に戻りました。

 

「にしてもお嬢ちゃん、ずいぶん過保護だな。運転手にメイドさん4人でお見送りだし、黒塗りの車に赤いじゅうたんとか、どこのお嬢様なんだよ」

「ああ、すいません自己紹介してませんでした。メジロマーリン、メジロのウマ娘です」

「うわ、本物のお嬢様じゃねえか。俺は可児だ」

「カニさんですね。よろしくお願いします」

 

 なかなか感じのいいひとです。試験会場でほかの人に気をかけられるぐらい余裕があるのか、ただの底抜けのお人よしか、何も考えていないかはわからないですが、いい人なのは疑いがないでしょう。

 そのままカニさんに荷物を持ってもらい、割り当てられた部屋まで運んでもらいました。

 

「ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」

「大したことじゃねえよ。何かあったら俺の部屋は一つ下の階だから声かけろよ」

「ありがとうございます。トレーナーになれたらメジロの良い子、紹介しますから」

「ならそれは楽しみにしておく」

 

 男性と女性は当然別の部屋で、幼女であるボクも当然女性枠なので、あのお兄さんとは別なのです。

 まあ一緒にいると頼りすぎそうですし、こんな試験期間に負担かけるのは悪すぎますから、その方がいいのでしょう。

 部屋に入ると、すでに女性が一人いました。

 おそらくボクと同じ受験者でしょう。見たことあるような気がしますがどうしても思い出せない女性です。何となく引っ掛かりを感じながら、ボクはその女性にあいさつしました。

 

「初めまして。メジロマーリンといいます。短い間ですがよろしくお願いします」

「……奈瀬文乃。よろしく」

 

 そっけなく自己紹介を返してくれました。

 奈瀬…… 奈瀬…… 何か引っかかりを覚えます。おそらく前世の何かが…… しかし、前世の知識に今世のトレーナーの知識があるのも違和感が……

 そう考えていてやっと思い出しました。

 この人、武豊の擬人化の女体化のトレーナーさんじゃないか、と。




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次はどんな話にしようかな(3話1セットで書いているので次 反映されるとは限らない)

  • 三姉妹のちびっこレース
  • メジロ87年組との絡み
  • トレーナーと絡み
  • シンボリとの絡み
  • いいから学園編に飛ばせ
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