転生後はリコリコの常連になりました   作:しがみの

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ハマって一気見していつも書いてる作品の息抜きとして書きました。

特にミニタリー系の知識は皆無です。


俺はリコリコの常連

転生というものをご存知だろうか。

 

好きなキャラのいる世界に生を受け、そのキャラと同じ時間を生きることが出来るアレだ。

 

かくいう俺も転生者の1人だ。しかも女の子になる女体化つきだ。

 

はてさて、俺は何の世界に転生しただろうか────

 

 

 

そんな事を思いながらも半蔵門線錦糸町駅の北側出口から出て、リュックサックを背負いながら歩く。リュックサックは荷物が大量に入りガチャガチャと音を鳴らしている。しばらく歩くと景色は商業地から下町の香り漂う住宅街にかわる。

 

そのまま住宅街の中を歩いていくと、現代風や少し昭和チックな家々が並ぶ街路の一角に小洒落た茶色の喫茶店が佇んでいる。

 

喫茶店の戸を開けると、ガラガラの店内には赤い和装に白髪の少女がいた。

 

「あ、ユイちゃん!いらっしゃーい!」

 

ニコニコと俺に向かって手をブンブン振っているDAきっての最強ファーストリコリスである彼女の名は錦木千束。この喫茶リコリコの看板娘(自称)だ。

 

そう、ここは女の子が犯罪者を暗殺しまくる、リコリス・リコイルの世界だった───

 

 

 

 

 

 

 

店に入るなり、少し小上がりになっている座敷に座ると同時にカウンター奥では紫色の和装を着ている黒い肌の男性、ここの店長であるミカが何やら作り始めた。

 

「ほいほーい。今日も煎茶とダンゴで大丈夫だったー?」

 

「うん。ありがとう」

 

リュックサックの1番後ろのポケットからノートパソコンを出していると、千束がお茶と3つの試験管らしき容器に入っている団子をお盆に載せて持ってきた。

 

もう3年以上通い続けている喫茶リコリコ。もう何も言わなくても自然と頼みたいもの出てくるようになっていた。

 

 

パソコンを広げ、しばらく煎茶と団子を嗜む。パソコンで行っていることは、今俺がやっている仕事の報告書作りだ。あまり見られてはいけないもののため、今のように客が誰も居ないのなら良いが、混雑している時にはさすがに自重する。

 

以前、千束に〝何やってるの〜?〟と興味津々で覗かれそうになったのだが、必死に拒否したところ、千束は気まずそうに謝っていた。ごめん、オジさんが悪かった・・・(今は女の子です)

 

しばらくパソコン作業をしていると、玄関がカラコロと音を立てた。

 

〝客か?〟と思いながら顔を上げると、同い年くらいの黒髪ロングの女の子が紺色の制服に身を包みながら店内を歩いている。

 

彼女は千束の現相棒であり狂犬でもある。原作と同じく命令違反(仲間を助けた)をしてリコリコ(ココ)に来たのか調べてみたところ、やっぱり原作通りであった。まあ、コレの真実は隠蔽されているのだが。

 

「あ、結衣さん。こんにちは」

 

「おー、こんにちは」

 

そんなたきなとは軽く挨拶をして再びパソコンに向き合う。たきなもリコリコの制服に着替えるために店の奥に消える。

 

それからしばらくパソコンのキーボードをカタカタと叩き、お茶を飲み、団子を頬張る。そういった動作を続け早1時間。

 

煎茶と団子のセットが計2つほど消費されたと同時にパソコンで行っていた作業が完了し、パソコンを閉じた。

 

「お、作業終わった感じ?」

 

パソコンを閉じたことに気づいた千束は笑顔でテーブルに齧り付いてきた。

 

「え?うん、そうだよ」

 

「ヤッター!これから常連さん達でボードゲームするんだよ!ユイちゃんもどう!?」

 

パソコン作業が終わったことにより千束は俺と遊ばないかと誘ってくる。俺も帰宅して夕食を食べるため、あまり遅くまでは残れない。

 

「あまり遅くまでは無理だぞ?」

 

「大丈夫大丈夫!クルミも!ボードゲーム大会やるよ!」

 

「おーう」

 

俺の言葉が通じているのか不安なのだが、千束は嬉しそうにぴょんぴょん飛び回る。ずっとカウンターで呑んだくれている中原ミズキが〝ホコリがまうからやめろ!〟と注意する。

 

もう1人のリコリコの店員、年齢不詳少女クルミが奥から出てくる。クルミはほとんど表に出てくることは無いし、表に出てもほとんど何かを食べているかボードゲームをしているかのどちらかだ。

 

来店時は俺以外誰も客は居なかったのだが、今では常連客が続々と店内に現れる。どうやらこれは長丁場になりそうだ、と俺は諦めるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからボードゲームに熱中してしまい、家に帰るのがすっかり遅くなってしまった。

 

リビングに入ると、俺と同棲している同い年の酒井みずほが薄ピンクのTシャツ、薄い青のパンツにエプロン姿というベタな格好で俺を出迎える。

 

「ただいま・・・」

 

「おかえり。またボードゲーム大会でもあったんでしょ?」

 

予定時刻よりも2時間以上遅れての帰宅に、みずほはムッとしている。

 

「いやぁ・・・、はは・・・。熱中しちゃって・・・」

 

「全く・・・。夕飯食べられなかったらどうするの?」

 

ムッとしたまま腕を組んで俺を見てくる。

 

「ごめん・・・!」

 

「次からは私も連れてってよね」

 

「あ、ああ!もちろん!」

 

みずほは俺の答えを聞くと、ムッとした顔をやめ、しょうがないな、といった顔になった。本気で怒っていたわけではなかった。よかった。

 

「夕飯、食べられる?」

 

「当たり前じゃん。みずほの料理はいつも食べられるよ!」

 

嘘のような話だが、これは嘘ではない。実際みずほの了解は美味しいのだ。俺が保証する。

 

今日の夕食は何かと、俺は匂いを嗅ぐ。

 

「この匂い・・・、今日はシチューだな?」

 

「あったりー!」

 

そう言いながら笑うみずほ。

 

だが、この後シチューをライスにかけるかけない論争が発生する事は言うまでもないことだろう。

 

リコリス・リコイルの世界にしては平和な日だ。こんな日がずっと続けばいいのになと思う。

 

しかし、将来完成する新しい電波塔、〝延空木〟で事件が起こることはほぼほぼ確定のため、そんな願いは叶えられそうには無かった。

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