転生後はリコリコの常連になりました   作:しがみの

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何か同じ技法を頻繁に使っているような気がする・・・。
己の文才の無さが憎い・・・。


バレた・・・?

天才ハッカー『ウォールナット』こと、ボク、クルミはたきなの依頼でリコリコの常連である近藤結衣のことを調べることになった。

 

千束は最後まであまりいい顔をしなかったが、「これは安全のために仕方ないことだ」とたきなが力説し、最終的に千束が折れた。千束も思うところもあったのだろう。

 

さてさて、ネットの世界に浸るとしますか。

 

まず、彼女の名前を偽名だとすると1番探りやすいのは写真だ。彼女の写真からどの組織に居るかをAIで検索しよう。ま、写真とか無い組織だったらこの方法では追えないが。それじゃあ、スタートだ。

 

 

 

 

 

 

─────数分で見つかっちったよ。

 

しかもDAのサーバーでだ。DAだけ自分で調べてそれ以外はAIにやってもらおうと考えてたのにコレだよ。念の為AIで別の組織も調べたが全て該当なし。

 

DAのサーバーで近藤結衣の情報を見てみると、彼女の写真が貼られた書類のPDFが見つかった。覗いてみると、彼女は千束と同じ赤色の制服を着ている。

 

マジかよ。ファーストリコリスかよ、最悪だ。

 

となると、たまに一緒に来る酒井みずほは・・・、と調べてみるとやはりたきなと同じ制服、セカンドリコリスだった。

 

まさか、リコリコを調査するために派遣されたのでは?と考えたのだが、情報が少なすぎるし、もしそうならリコリコ配属にするのでは?と思ってしまう。

 

結衣とみずほの共通点はどちらも孤児で同時期に愛知支部の養成所にてリコリスに育成された。サードリコリスとしてそのまま愛知支部に任命された。そして2年前に東京支部に2人とも移動になっている。

 

2人は東京支部では支部外にあるセーフハウスで暮らしており、基本的には制服を持ち歩くという制約はあるのだが、私服で行動できるということだ。そのためあの2人はいつも私服なのだろう。制服やバッグは何処へ?と思ったのだが、多分リュックサックの中だろう。あんなにパンパンなら入ってても違和感無いだろう。

 

で、それよりもだ。なぜ2人は正体を隠してリコリコに通っているのだろうか。ここはDAの支部でもあるしリコリスも2人いる。調べればすぐに解ることなのに隠す必要でもあるのか?

 

本人に聞いた方が1番早いのだが、私はDAに追われている身。もし正体がバレたら文字通り殺される。

 

・・・そうだ!ここのコンピューター担当だって言えば何とかなるのでは?そうだよ!ここはリコリスとDA関係者しかいないから騙せる!

 

「お前、リコリスだろ」

 

ボクは自信満々に結衣に言った。勝ったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・と思っていた時期がボクにもありました。

 

「さすがウォールナットだ。私の正体を知っているなんて」

 

結衣はニヤリと笑いながらボクを見つめてくる。先程までの焦りようはどこにもなかった。

 

やられた。

 

一気に全身が冷える。おそらく顔も真っ青になっているだろう。

 

コレボク死んだわ。ありがとうリコリコ。ありがとう千束。

 

「いや、別に私クルミ殺そうとは思ってないぞ?」

 

「嘘だ!安心させてから殺すつもりだろ!」

 

そんな嘘には騙されない。絶対背を向けたらサイレンサーつきの銃で一発お見舞いされて消されるのがオチだろう。

 

「いや、それでリコリコにメリットあるか?」

 

結衣のこの言葉を聞いてボクは〝は?〟という顔をした。リコリスはDAの命令で動いており、犯罪者がどんな理由で犯罪を犯してもリコリスによって消される。

 

しかし、今の結衣はDAの命令に背いている。

 

「今のクルミはリコリコのコンピューター担当。リコリコに不可欠な存在じゃないか。そんな存在を消すなんて私にはできない」

 

命令よりもリコリコの方が大切。それが結衣の答えだった。

 

「でもお前が知ってるのならDA全体も───」

 

ボクがそう言おうとした時、結衣はボクの言葉を遮った。

 

「クルミの正体をDAで知っているのは私だけ。もちろん誰にも話してないさ」

 

天地神明に誓って言える、と結衣は言った。ボクが結衣の目を見ると、嘘を言っているような目をしていなかった。

 

ここまで言うのならば騙されたと思って信じるしかない。ここにボクと結衣しか居ないため、それしか道は無いのだ。

 

「本当に信じていいのか?」

 

もう一度念を押す。

 

「ああ。その代わり俺がリコリスだってことは黙ってろよな」

 

「あ、ああ。大丈夫さ!」

 

半ばヤケクソだった。もう生きているならなんでもいいや。という気持ちが上回っていた。

 

とにかくこの話はここで終わりとなり、リコリコの中に戻ることになった。結衣も千束スペシャルを2つも頼んでるからな。

 

 

ベンチを立ち、結衣がドアノブを握った時、ふと1つ疑問が浮かんできた。

 

「で、何で正体隠してるんだ?」

 

そう、なぜ千束やたきな、そしてリコリコメンバー全員に自身がリコリスであることを隠していたのか、だ。ボクがウォールナットであることを知っているのならすぐにバレることくらいわかるはずだ。

 

「ここで仕事の話をしたくないから」

 

ボクの問に対し、結衣はそう答えた。

 

なんだ、そんなことか。ホッとボクは胸を撫で下ろした。

 

「他にも色々あるんだけどな。ま、命には関係ない事だから安心しろ」

 

何か爆弾を投下されたような気がしたが、結衣がそう言っているなら気にしないことにしよう。変に首を突っ込んだら消されるからな。

 

「千束はともかく、よくたきなにバレてないな」

 

千束は結衣が来るずっと前にリコリコに異動したのだが、たきなと結衣はおよそ1年ほど東京支部で一緒にいた時があった。

 

当然、チームは違うが任務によっては一緒に行動することがあったはずだ。その時には必ず自己紹介もしていると思われるし、むしろなぜバレてないのか不思議でならない。

 

「来る前のたきなは狂犬だったからな。チーム以外ほぼ覚えてないみたいなんだ」

 

それに、たきなと同じチームで行動することはほぼ無かった、と結衣は語った。リコリコに来る前のたきな、どんな感じだったのか少し気になるが多分見てはいけないものだろう。直感でわかる。

 

「もしバラす時が来るとしたらどんな時だ?」

 

最後の質問。

 

結衣は少し考え、こう言った。

 

「・・・リコリコの誰かが襲われそうになった時かな」

 

言い終わると結衣は戸を開けて店内へと向かって行き、ボクもそれに続いた。

 

結衣の座っていたテーブルには2つの千束スペシャルが鎮座していた。

 

こうして見ると迫力スゲーなこれ。

 

結衣はリュクサックを置いてから座るとテーブルに置かれた千束スペシャルを食べ始めた。

 

ボクはそれを見ながらカウンター席に座り、千束はお盆を持ったまま結衣に話しかける。

 

「なーなー、結衣さんよぉ─。クルミと何話してたんだ──?」

 

どうやら、ボクと結衣が話した内容が気になるようだった。どちらにしても話せない内容だから誤魔化すしかない。結衣さどんな風に誤魔化すのか純粋に気になった。

 

「お天気、税金、インフレ」

 

は?何言ってんだコイツ。ボクもたきなもそう思ったのか、怪訝な顔で結衣を見る。しかし、千束の顔は笑顔のままだ。

 

「ヤツとはホテルのバーで知り合ったのか?それともロビーで釣ったのか?」

 

千束がこう返すのは、おそらく洋画のセリフなのだろうが、たきなはあまりピンと来てないようだった。

 

「殺すよ」

 

「!?千束を殺すんですか!?」

 

結衣のセリフにたきなが驚きながら反応した。まさかネタだとわかっていない・・・?

 

「おいおい冗談キツイぜ」

 

「映画のセリフだよ、セリフ」

 

さすがの2人も呆れている。この流れはネタだと分からないのが今まで狂犬だったたきなの弱点だろう。

 

「で、実際はどうだったの?」

 

「だーれが話すかクソッタレ」

 

千束にそう聞かれた結衣は答えなくなかったのか、話さない事を映画のセリフで返した。

 

この後、千束に映画の場面の通りに指を折ってもいいの?と聞かれ、さすがに映画のシーンを本当に再現するのは洒落にならないと拒否していた。

 

ここだけ見れば普通の女の子なんだけどなぁ・・・。

 

・・・普通って何だ?

 

ボクは出そうになったため息を飲み込み、店長のミカが淹れてくれたコーヒーを1口飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の隅田川沿い。

 

任務後とクルミに正体がバレたことで身も心もクタクタになっている俺はファーストリコリスの制服に黒で半袖のサマーパーカーを羽織りながら地下鉄の駅に向けて少し早めに歩いていた。

 

いつも通り通る道なのだが、いつも以上に人通りが無い。いや、人っ子一人歩いていない。

 

おかしい。そう思った瞬間、左腕に激痛が走った。

 

左腕を確認すると、1箇所に弾が掠った傷があり、血が少しずつ流れ始めていた。

 

───まさか次に襲撃されるのは千束じゃなくて俺!?

 

俺が邪魔したせいで襲撃相手が変わっている!?

 

そう思った瞬間、右頬を弾が掠っていったのだった。

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