ちなみに私の仕事納めは昨日(12月31日)でした。え?仕事始め?今日ですが?(1月1日)
・・・やっぱサービス業ってクソだわ。
ちなみにこの話の続編も一応書き始めてはいるんですけど、まだ100文字くらいしか書けてないんですよ・・・。コレ三賀日に書き終わるか・・・?
大晦日。次の日から新しい年が始まる1年の終わりの日。買い出しに出かけた時に、ふと大掃除がまだであったことを思い出した。
運良く自室、リビング、キッチン、浴室は日頃から綺麗にしているため、大掃除は必要なくいつもの掃除で済みそうだ。
ただ、問題はあまり掃除しないみずほの自室だ。結衣は自室の掃除は2週に1回確認する以外は各々に任せる方針であり、最後にみずほの部屋に入ったのはクリスマスの時だった。
買い物から戻ってきた結衣は、今から大掃除をする旨をみずほに伝えようとみずほの自室の戸を開けた。
すると────
「おい、何だこれは・・・」
戸を開けるなり惨状の部屋が目に入る。暖房はHIで最大風速。床に散乱している下着類や化粧品類、雑誌、携帯ゲーム機、マンガ・・・。部屋には踏み場すらない。ベッドの上にはTシャツとハーフパンツでダラダラとタブレットを操作しているみずほの姿。もちろん、寝癖なんか直しておらず、ボサボサのままだ。
「え?何って普通にダラダラしてるだけだよ」
「にしては部屋汚すぎだろ」
「そお〜?」
結衣の言葉に、みずほはポテトチップスを食べながら答える。食べる時にポテチの破片がぽろぽろとベッド上に落ちる光景を見た結衣はすぐに掃除を始めたい衝動に駆られた。
「掃除するから出てけ」
「え、ヤダ」
心底嫌そうな顔をするみずほ。イラッとした結衣はみずほを抱えあげた。
「ちょ、まままま!」
まさか抱きかかえられるとは思っていなかったのか、みずほは結衣の背中を何回か叩いて下ろしてもらおうとするが、結衣は無視してそのまま廊下に放り投げた。
「クリスマスはこうじゃなかったのに・・・」
「え?クリスマスに私の部屋入ったの?」
結衣がボソッと呟いた一言で廊下に突っ伏していたみずほはすかさず身体を上げ、結衣にすり寄った。
先程までの表情はどこへ行ったのやら・・・。ニヤニヤとしながら結衣を見つめている。
「お前のプレゼント置くためだよ!」
結衣が半ばヤケクソになりそう言い放つと、みずほは急に神妙な顔つきになり、項垂れた。結衣は、何か気に触ることでもしてしまったのか。背中に冷や汗が流れる。
「結衣・・・、お前だったのか。私の枕元にプレゼント置いてたのは・・・」
項垂れた理由はとてもしょうもなかった。結衣は、心配してしまった自分自身とみずほに腹が立った。そもそもみずほは〝
「誰がごんぎつねだ!そうだったら俺死んでんだろ!良いから出てけ!」
「ひぃ〜ん!」
結衣は、制服とコートを部屋から出すとみずほに投げつけた後にサッチェルバッグを横にゆっくりと置いた。
「夕飯までには帰ってこいよ」
結衣は、みずほにそう言い放つと扉を閉めた。さらにみずほが部屋に入れないように鍵まで閉めるという手の入れよう。
みずほしばらく1人だけで暖房の効いた廊下に座り込んでいた。
このままリビングに移動してダラダラするということもできたのだが、私物はほぼ全て自室の中。鍵が閉められてお掃除機の音が聞こえてくる自室がすぐ空くことは考えられなかった。
みずほは渋々制服に着替えてとりあえず年の瀬の街に繰り出すしか無かったのだった。
「こんにちはー」
暮れのリコリコ。年越しについてたきなと相談している時に珍しい人物が1人で現れた。
「あれ、みずほちゃんじゃん。どったの?」
酒井みずほ。ユイとパートナーのセカンドリコリス。あまりリコリコには姿を見せず、リコリコに来る時は必ずユイと一緒ではないと来ない子だ。
しかも、今日に至ってはセカンドリコリスの青い制服であり、ウルフカットの茶髪はところどころ寝癖で跳ねていた。
「いやあ、大掃除をするって結衣に追い出されまして・・・」
あははと笑うみずほ。
「いや、手伝うとかはしないの?」
「結衣が言うには私、〝掃除の天災〟らしくてお部屋を汚部屋にしてしまう才能があるみたいなんです。なので追い出されました」
「そ、そうなんだねー。とりあえず座ったら?」
「あ、はい」
〝汚部屋にする才能って何?〟と、私は思いながらみずほに席に案内する。なお、この時のみずほはずっと笑っていた。
「注文は決まってる?それとも後でにする?」
「あ、お団子セットと煎茶で」
「はいよぉ。じゃあ待っててねー」
即決だった。あまり来ないみずほではあるのだが、メニューを見ずに決められるところを見るに、彼女も常連みたいになり始めている。
「オーダー。お団子セットと煎茶ー」
「はいよォー」
厨房に声をかけると、珍しく酒が抜けているミズキがお団子セットを作り始める。待っている間、適当に駄弁ろうと思いホールに出ていこうとした時、誰かに声をかけられた。
誰か呼んでいるのかと思いながら辺りを見回すと後ろの休憩室からたきなが顔を出して千束を呼んでいた。お前さっきまで
「千束、ちょっと良いですか?」
なになに?千束さんが恋しくなったのかな〜?
と言いながらバックヤードに向かったのだが、たきなのことである。とんでもないことでも思いついたのか?と勘くぐってしまう。
内心、ドキドキしながらもバックヤードに入ると、たきなはすぐに扉を閉めてキッチンやホールに話を聞こえないようにした。
あっ、これ変な予感当たりそう。
「千束。みずほは楠木司令から指示を受けて偵察に来てるのでは?」
「へぁ?」
当たったよ。
たきなはしっかりしてるが変なところでポンコツだ。例えば、今こんなことを言っていることとか。楠木司令とみずほの2人は色々言い合いを起こしているのは周知の事実なのだが、たきなはそれを忘れているのか?
「千束。とりあえずみずほに探りを入れてきてください」
「え!?なんで私!?」
そして急に無茶振りをされる私。まあ確かに無くはない事だが、なぜ私がやるべきなのか。ボブ、いや私は訝しんだ。
「ファーストならこのくらい完璧なのでは?」
「え?無理だよ無理!」
私そこまで万能じゃねーから。たきなはファーストはなんでも出来るスーパー人間だと思ってないか?事実、私にだってできないことはあるし、フキやユイにだってできないことはある。
もう一度強く断ろうとしようとしたら、たきなは腕を組んで頷きながらこちらをじっと見てるではありませんか。
某正月番組で見たような記憶のあるこれは・・・
完全に私を煽っている。煽られたらやることはひとつ。
「・・・やってやろうじゃねぇか!」
ノルしかない。
「おいアンタら!仕事しろ!」
「はーい」
「はい」
まあ、ノッて叫んだところでなかなか戻ってこない私の様子を見に来たミズキに叱責されたのがオチだったのだが。
「千束」
「ん?」
休憩室を出ようとした時、たきなに呼び止めらる。何?まだ何か追加されるの?
「ファイトですよ!」
この時の私は誰が見てもすぐ分かるような引き攣った笑顔だっただろう。唯一の救いだったのはたきながこの時だけポンコツで気づかなかったことだった。マジか・・・。
「お待たせー。団子セットですぞー」
「きたきた」
「今日はどうしたの?」
団子セットと煎茶をテーブルに置くと同時に違和感が無いように話しかける。前にミズキが私の演技が下手くそとか言っていたが、違和感は無いだろうか。
「?」
「いや、いつもは1人でリコリコに来ないじゃん」
みずほの頭の上にはてなマークが浮かび上がったため、とっさに説明する。みずほは自分自身の行動について理解しているのか、あははと軽く笑った。
「本当はねゲーセンとかショッピングモールとかで時間潰そうとしたんだけどねー・・・」
みずほはそう言いながら青の制服を軽く叩いて苦笑いした。
「あー、なるほど」
完全に理解した。ゲーセンとかだと補導される可能性がある。戸籍のない私たちが補導でもされたら後処理が大変になる。だからといってショッピングモールとかに行くと、色々買ってしまった時に他のリコリスから奇異な目で見られることは確実。私服で出歩くことが慣れているみずほにとっては慣れないことなのだろう。
・・・知らんけど。
「制服ならここに来れば何とかなるじゃん?」
「
ふふんと得意げに話すみずほに対し、今度は私は苦笑いをする。そんなことを言うとリコリスが来て本当にここが溜まり場になってしまうかもしれない。
「千束は居るかー?」
「お、珍しい人が居るッスね」
ガチャりとドアが開き、フキとサクラが姿を現した。みずほが言うから本当にリコリスの溜まり場になっちゃったじゃん。
「今日はお前も居るのか」
「やっぱりリコリスの溜まり場じゃん」
フキが物珍しそうに言った横でみずほがボソッと呟く。なんだお前ぇ・・・。寒空の下に追い出すぞぉ・・・?
「なんだ、結衣に部屋でも追い出されたのか?」
ニヤリと少し笑いながらそう言ったフキ。
「え、フキ知ってるの?」
「やっぱりか。名古屋に派遣された時聞いたんだよ。結衣が寝込んでる時に愛知支部のリコリス寮をゴミ屋敷の1歩手前までにしたってな」
「何それ・・・」
フキはエスパーか何かか?と思いながら聞いてみると、フキから予想外の答えが返ってきた。というかフキ、愛知に派遣されたことあったんだ。ズルい。
「愛知支部では有名な話だ」
「めちゃくちゃ問題児じゃん」
「アンタに言われたくないわ」
フキの言葉に反応した私の呟きにみずほが反応してきた。
「なにおぅ!?どこ中だコラ!」
「愛知支部怖いんかワレ!」
「お前らやめろ・・・」
みずほの言葉に反応した私とそれに応えるように顔を近づけてくるみずほ。傍から見れば一触即発の状態だろう。フキが顔を顰めながら静止してくる。
ただ、私もみずほも本気にやり合おうとはしていない。司令から目をつけられている2人だ。そんなことしたら絶対に悪いことがありそうだ。
私とみずほはストップの合図とともに大人しく身を引く。フキがため息をついたのはきっと幻聴では無いだろう。
「で、フキはなにしに来たの?」
「先生に司令からの書類を渡しに来た」
自身のサッチェルバッグの中から書類の入った分厚い茶封筒を差し出してくる。先生は午前中から年始の買い物に出てしまい、今日帰るのはわかるのだが、いつ帰ってくるか分からない。タイミングの悪さに私は頭に手をやる。
「あー、先生今買出し中なのよ。いつ帰るかはわからん」
「じゃあ帰ってくるまで待つ」
「本当ッスか!?」
「え?どうしたのどうしたの?いつもスグ帰るのに!」
「うるせえ。店員なら注文取れ」
フキにしては珍しく店内に残る。サクラも私もこれには驚く。何故なのか理由を聞いてみたが、はぐらかされてしまった。
ははーん。コレは何か理由がありますな。
フキはみずほに一言断ってからサクラと共に同じテーブルにつく。
「はいはい!何頼む!?高いのから順にする!?」
「コイツと一緒だ」
「アタシも同じのッス!」
「はいはい〜!少々お待ちを〜」
フキがリコリコでこんなにゆっくりするなんて記憶を辿る限り無い。そのため今の私はめちゃくちゃ上機嫌。今なら音速のミサイルだって避けられそうな気分だ。
注文をとり、ミズキに伝えてからもう一度バックヤードに戻る。バックヤードにはずっと隙間からホールを確認していたたきなの姿が。
「で、どうでした?」
「多分大丈夫じゃない?普通に部屋追い出されたっぽいし」
たきなにみずほの様子を聞かれたため、普通に思ったことを言ったのだが、期待した答えではなかったのか、プンプンと怒り出した。
え?何か私悪いことした?
「だから千束はダメなんですよ!よく聞いてください!制服で来るなんて絶対に何かウラがあるはずです!」
「じゃあたきなが聞いてきてよ」
「わかりました。聞いてきます」
私にとっては心底どうでもいいことであり、たきなに押し付ければ素直に諦めると思ったのだが、たきなは意外とノリノリで聞きに行こうとする。
「え、ちょ、マジで?」
「嘘ですよ。服なんて何でもいいじゃないですか」
慌てふためく私を横目にたきなはけろりと答える。
「ざ っ ぎ 言 っ で だ ご ど ど 違 う゛」
たきなの両腕を掴み、うめき声に似た声を出しながらしゃがむとたきなはふふっと小さく笑った。
あ、コレ私で遊ばれた系だ。ちくしょう・・・!
バックヤードでたきなと話し続けているとそろそろミズキがブチ切れそうだったため、私とたきなはホールに出る。もちろん、ミズキからフキとサクラの分の団子セットを受け取って、だ。
団子セットをテーブルに持って行く最中、しばらくリコリコの中を見渡したフキ。年末であるためか店内にフキ達以外の客の姿は無い。
「マジでリコリスしか居ねぇな、ココ」
「まあまあ。そんな日もあるッスよ」
サクラの言葉にそんなもんか?といった表情をするフキ。いや、おかしいでしょ。喫茶店の中DA関係者しか居ないじゃん。
そんな私の想いを知ってか知らずかフキは1つ目の抹茶団子を食べ始めた。リコリスはかりんとうで充分だ、と以前言っていたような気がした。その時の顔を想像してみたのだが、今の美味しそうに頬張る姿からは全く想像できなかった。
「あ、そういやみずほお前、また司令に怒られたみたいだな」
フキのその言葉を聞いたたきながため息をつく。当の本人は気にせず団子セットの3つ目を食べ始めていた。
「え、今度は何やったんですか?」
「本部内に移動販売車持ち込んでクレープ売ったみたいだ」
たきなの呆れながらの問いかけにフキもまた呆れながら答える。
話を聞いてると色々ツッコミたくなる。まず、なぜクレープを売るという考えに至ったのか、なぜ移動販売車なのか、そして、どうやって本部のセキュリティを通り抜けた、だ。
「前は屋台だったらしい」
ちなみに屋台を出した時、売っていた物は焼きそばで匂いが噴水広場に充満したらしい。その時に司令に屋台はやめろと注意されたらしい。
だからって移動販売車を持ってくるってバカじゃない?
「じゃあココの仕事できるじゃん」
そんなことを思いながらも、料理ができるスキルがあるため一応私はみずほを誘ってみる。やっぱりリコリコの人手は少し足りない。前にユイを誘ったら「任務以外は嫌」と断られた。みずほはいけるか・・・?
「いやぁー・・・、そういうのはあまりやりたくないんだ・・・」
ユイと同じく、みずほもリコリコでは働きたくないみたいだった。
「失敗だったな」
ガックリと肩を落とすと、ハッとフキに鼻で笑われた。
「ま、まあ良いですし!?」
「私はやらんぞ」
「アタシもパスッス」
強がるフリをしてフキとサクラの顔を見ると考えていることが分かるのか、スグに拒否の答えが飛んできた。
「たきなぁ〜」
「はいはい」
とりあえず、たきなに駆け寄る。たきなは私を拒否することも無く抱き寄せて頭を撫でてくれる。こんな時でも撫でてくれるなんてやっぱりたきなは私のこと好きなんだね?そうなんだね?
そんなことを思いながらも私は10分くらいたきなに頭を撫でられ続けていたのだった。
フキが来店して早2時間。なかなか先生が買い出しから帰ってこない。フキは2つ目の甘味に手を出していたし、サクラは3つ目、みずほに至ってはリコリコのメニューを全制覇していて2巡目の団子セットを食べていた。
・・・みずほの胃袋はブラックホールかよ。
「で、先生はどこに行ってるんだ?買い出しにしては遅くねぇか?」
流石に遅すぎる。そう思ったフキは私に問いかけてくる。もちろん私も同じことを思っており、ポケットからスマホを出した。
「ちょっと待って、確認する」
「私も司令にいつまで待てるか聞いてみる」
私もフキもスマホで連絡を取り始める。私はあまり関係ないが、フキは指示によっては退室することになってしまうから重要だ。
コール音が何回か鳴るとスグに先生の声が聞こえてくる。
「もしもーし、先生?フキが待ってるんだけど、いつ頃帰って来そう?」
『ああ、思いのほか混んでてな。あと1時間くらいかかりそうだ』
そう言う先生の言葉の後ろから人々のざわめき声が、そして時折聞こえる列を整理しているだろう店員の声がこの言葉が事実であることを確実にさせた。
「了解ー」
『千束、みずほはソコにいるか?』
「え?ああ、うん。くつろいでるよ」
『わかった。ありがとう』
「???何でみずほ?」
先生の問に答えた後、終話した。なぜ先生はみずほのことを聞いたのかよく分からなかったが、先生に何かしら考えがあるのだろう。
疑問が残りながらもとりあえず終話したためスマホをポケットに仕舞っていると、フキも確認が終わったらしくスマホの画面から目を離していた。
「司令は何だって?」
「先生が来るまで待てだとよ。さらにリコリコを出るのは明日の18時以降にしろって指定までしてきた」
フキはそう言いながら司令とのメール画面を私に見せてきた。嘘なのではないか?と思い、画面の文章をよく読んだが、宛名、文章もちゃんと司令だ。
・・・嘘偽りなくちゃんと司令からのメールだ。
「フキ、コレって・・・」
「先生と司令はグルだな」
「多分、結衣もですよ」
珍しく私たち3人の意見が合致した。司令と先生、そしてユイは多分結託して何か私たちにしようとしているから私たちをリコリコに待機させているのだろう。
え?みずほとサクラ?何も考えずに横で甘味食べてるよ。
「先生との会話にみずほが出てきたってことはそうだろうな」
「ま、司令からのお墨付きが出たなら気長に待とうよ」
「ああ」
私の意見に珍しく同意したフキは、とりあえずスマホをテーブルの上に置いてどら焼きを食べることにしたのだった。
「ただいま。戻ったぞ」
「先生ー!おかえりー!」
ようやくお店に戻ってきた先生にパタパタと駆け寄る。両手には大きな紙袋やビニール袋が。買い物に行っていたことは嘘では無いみたいだ。
もちろんフキも先生を出迎え、司令から預かってきた茶封筒を手渡す。
「先生、司令から書類を預かって来ました」
「ああ。ありがとう」
先生は手荷物を小上がりの上に置くと封筒の中から書類を出し、一通り目を通す。しばらくパラパラと捲っていたのだが、1枚の書類だけ束から出すとフキに手渡した。
「これはフキ宛みたいだ」
「え?そうなんですか?」
「どうやらフキへの命令書らしいぞ」
フキは疑問に思いながら書類を読み始めていた。もちろん私も気になるため横から覗く。
そこにはフキとサクラの2人は元日中までリコリコと結衣みずほ両ペアと行動を共にしろという命令が書かれていた。
「おやおや、やっぱり司令に謀られたみたいだね」
「・・・そうみたいだな」
ニヤニヤしながらフキを見ると、フキはふぅと息を吐いた。嬉しいのか、嫌なのか・・・。それは本人しかわからない。
先生はフキに渡した書類を除いて茶封筒に戻すと手荷物をもってバックヤードに移動する。それと同時にドアが開く。
「こんにちわー」
現れたのは珍しくファーストの制服を着たユイ。
「お、ユイじゃん!やっぱり来たんだ!」
「全員集まったようだな」
私の声の後ろから荷物をバックヤードに置き終わった先生がひょっこりと姿を現す。
「先生、もしかしてコレって・・・」
「ああ、全員で年越しと初詣だ。レンタルだが、振袖もあるぞ」
「何でそこまで・・・!」
フキはもしかしたら・・・!と私を見てくる。ここまでするのは私くらいだとフキは思っているらしい。いや、さっき話してた通り私は関係ない。
「ちょいちょい!千束さんは関係無いよ!?」
私は必死になりながら答える。
コレは本当だ。というか、そんな演技できるはずもない。・・・じゃあ、とたきなを見るフキ。
「私も知りませんでした・・・」
「まあ、そうだろうな。立案は私と司令。協力者はミズキと結衣だからな」
私たちが知らないということを知っている先生は、そう言いながらフキを見る。
「何で私たちに黙ってたの!?」
「私は演技下手ですし、千束は顔に出るから、ですか?」
私の抗議を無視し、たきなは自身の考えがあっているかどうかユイに尋ねた。
「
それより、これをキッチンに持って行ってくれ」
ニヤニヤしながら答えながら紙袋を掲げるユイ。少しイラッとするがそれよりもユイが持っている紙袋に目が行く。
「コレは・・・
蕎麦・・・!」
そこには打ち立ての蕎麦が。
リコリコでの年越しが始まった。