被虐と赤眼の教導者   作:トラソティス

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作者から一言。
今回、この作品に置いて重要な前置きを一つ。
ブルーアーカイブに於ける要素や考察など作者が理解した、または作者視点による考察として書いてあります。
どういう意味かというと、この先を見れば分かります。


#バードツアー星野#アビドス対策委員#うへぇ#アヤネ嬢#がってんしょうち!#シッテムの箱#狼吸い


story2『アビドス対策委員会』

 

 

 

 

 

 

 

 

「漸く校門まで着いたな。やれやれ、シロコの導きがなければ今頃砂漠の迷宮で行方不明者としてクロノスニュースで報道されていただろうな」

 

 アビドス高等学校――本館とは違い、シロコ達アビドス対策委員の生徒達が中枢的な活動場所を担う自治区にして権力を持った領域。

 砂埃が多く、校舎が所々砂で埋もれている。

 砂漠地帯がこう言った風景だと言うのは、噂程度には聞いたことはあるが、実物は初めて見た。

 

「砂漠の迷宮?先生、面白い名付けするんだね」

 

「そう言う性格なものでな」

 

「はぁ……はぁ…い、良いから私を降ろして下さいましっ…もう疲れと心臓がバクバクして……身が持ちませんわ…っ」

 

 片腕でノエルを抱えながら、抵抗する余力もなく息をぜぇぜぇ荒げてるノエルにカロンはやれやれと肩を竦める。

 

「やれやれ、本当に仕方がないやつだな全く…。ほれッ」

 

 ドサッ――!!

 

「キャァ!!?」

 

 乱雑に片腕を解き、鎖を解けばノエルは受け身も取れずに尻餅をついて地面に置かれる。扱いが雑過ぎる。

 

「いっったいですわね!!前々から言っておりますけどもっとレディーを敬ってくださいまし!?」

 

「煩いな…両腕両足戻ったんだから別に気にしなくて良いだろう…。義足でもあるまいし…」

 

「そう言う問題じゃないんですのよ!!」

 

「ん?ノエル先生、大きな怪我でもしたの?」

 

 あっ、と喉を詰まらせる二人。

 シロコは神妙そうにノエルに純粋な疑問を投げかける。今まで二人でトークを交えることが多かったせいで、第三者に対しての配慮が欠けていたと言うべきか、ついつい漏らしてしまった。

 

「い、いえ…何でもないですのよ!気にしないで、ね?」

 

 立ち上がり、何ともないとアピールをするも、ふらり…と足が震えて再び尻餅を付いてしまう。

 

「痛っ!……うぅぅ〜っ、今まで休まずずっと歩き続けていたから、足に力が入らなくって…」

 

「本当にゴミのような弱さだな……いや、これでもまだマシになったと言うべきなのか…?」

 

「忘れてるかもしれないですけれど、私前まで義足だったんですのよ?シロコの前だから大きな声では言いませんけれど…。足も慣れてないんですのよ…」

 

 義足での歩行ばかりだったからか、まだ上手く歩行の間隔が馴染めてない彼女。キヴォトスに訪れてから今まで長距離での移動がなかったものの、三日間も歩き回っていたのだから、大悪魔とはいえ流石に身体に響いたのだろう。

 ここまで歩き回されたのはオスカーを始めたラプラス警察部隊に嗅ぎ回された時以来だ。

 

「ん、それならノエル先生。今度は私がおんぶしてあげる」

 

 するとシロコはひょいっと、ノエルの腕を肩に担ぎ、あたかも空気を吸うような流れで背負い込む。

 へ――?口をぽかんと開けながら、呆けた顔で目を丸くする。シロコに背負わされるノエルにカロンも目を丸くする。

 

「な、ななな!?シロコぉ?!」

 

「ん、流石にカロン先生にばかり負担は掛けさせるのは良くない…それに、鎖に巻かれるのは結構痛いと思うし…」

 

 顔を真っ赤にしながらあたふたと慌てふためく彼女を他所に、シロコは彼女をおんぶする形で背負い、校舎へと足を進める。

 

「いや…私は別に…」

 

「それにカロン先生も折角私達の為に来てくれたお客様だから、一人で抱え込んで働くの…良くない」

 

 カロンも別にノエルを抱えることくらい造作もないことなのだが、シロコからすればノエルよりも体力を消耗してるのはカロンの方である。口では嗚呼は大口叩いているが、そういう人ほど無茶をするというのはよく知っている。

 無理もない。カロンもノエルもこの数日間遭難して歩き続けた上に休む暇も殆どなかったのだ。オマケにノエルを担いで屋根の上を転々と飛び移り、シロコのロードバイクに追いついていたのだから、それだけでも大したものである。

 

「……まさか、生徒からそのような事を言われるとはな」

 

 チナツやヒナのように一人で抱え込み、問題を処理しようと責任を感じる者もいれば、シロコのように助け合おうとする生徒もいることに何かしら感慨深いものを感じている。

 砂狼シロコ――案外この生徒は中々キレがあるのかもしれないと、早くも彼女の片鱗に勘付きつつあるカロン。

 

「ん、そうだ――ごめん、ノエル先生…言い出してあれだけど、私の匂い…ちょっと変かもしれないけど、そこは我慢してもらえると…」

 

「へ?匂い?」

 

 スンスン、と匂いを嗅ぐノエルにビクッ!と獣耳をヒクつかせるシロコ。

 本人に悪気はないのだろう…単純に気になったからなのか、それともシロコが言ってしまったからだろうか、本人は気に示すことなく背中越しでシロコの香りを嗅いでしまう。

 決して女子の匂いを嗅ぐ趣味など持ち合わせていないということだけは断言しておこう。そんな彼女に、余計なことを言ってしまった自分に後悔してしまう。

 

「別に…何も変な匂いなんてしませんわよ?寧ろお日様の香りと、香水の…これは、シトラス系の香水ですわね。私も昔は暑い季節頃によく使ってましたわ」

 

「んん…っ。それなら、良いけど……」

 

 シロコは頬を赤く染めながら俯く。

 実を言えば登校前に早朝からジョギングをして汗を掻いた彼女は、そのまま学校へと向かっていたのだ。シャワーも浴びず、着替えてない現状は汗の匂いで割と敏感なのである。

 もしこれがカロン先生であれば羞恥心が勝ってこんな事しないのだが、何故かノエルに対して許せるのは、心から信頼してるからなのか…それとも同性だからなのか……どちらにせよ、出逢って早々こんな展開になるなど誰もが予想しないだろう。

 それにシロコも決して恥ずかしくない訳ではないので、そこはお忘れなきことを。

 

(……そういえば、カロンも私が両手足を失った時…こうやって私を抱えて、スラム街まで運んで下さったんですのよね。あのまま見捨てられてもおかしくはなかったのに…)

 

 ふとここで頭に過ったのは、シビラに騙されたあの忌まわしき夜のこと。悪魔の契約によりステラステージ社長の死と引き換えに、両手足を失った自分は、まんまとシビラやバロウズに騙されたことを知らずに、海に捨てられたんだっけ…と、懐かしい記憶が今になって蘇る。

 自業自得とはいえ、あの時は藁にも縋る思いで「助けて」という希望を、願いを乞うた。

 あの時カロンはどんな気持ちだったのだろう…。

 本当に血も涙もない悪魔なら「自業自得だ」「それがお前の末路だ」と見限られても可笑しくはなかったし、何なら聞こえてない振りも出来たのに…。

 そんな自分の愚かな願いをして、海の底に沈んだというのに、この大悪魔は海から引き上げ、治療を施し、外部から身を潜めれるスラム街の空き家まで連れてってくれた。……流石に着替えに関しては複雑な気持ちにもなるが…。

 

(カロンに引き続き、シロコに背負わされるなんて……私、今思えばちょっと子供過ぎましたわね…)

 

 疲労と思考回路が纏まらずに混乱していたノエルは、罰が悪そうに自分の我儘たる子供地味た行動を振り返り、猛省する。

 アロナにだって負担が掛かるかもしれないし、シッテムの箱も無償で働いてる訳でもない――疲れてるのはカロンも同じなのだ。幾ら自分が下級大悪魔で、キヴォトスの存在で尤もか弱い存在だったとしても、思慮に欠けた発言と行動は慎むべきだと、恥ずかしさが込み上げてきた。

 

(体力回復したら、生徒達が頼れる立派な先生として、務めなきゃいけませんわね)

 

 ノエルは精神的にも子供的な部分はあるが反省するべき点は見詰め返す。それが彼女の長所である。

 元いた現実とは違って何もかもが目新しいものばかりの彼女にとっては、刺激的なものばかりだろう。

 

「シロコ…私からも……その、重くないんですの?」

 

「?全然、そんなことないよ。寧ろノエル先生って軽いんだね?」

 

「ユウカでさえも短機関銃を片手に乱射してたからな。割とこの世界に住まう人間は身体が頑丈なだけでなく、力もあるんだと思うぞ」

 

 此処まで人間とかけ離れた超人的な部類の身体能力を目の当たりにすると、実は大悪魔である自分達は大それた存在ではないんじゃないかと疑問に抱くことがある。

 それでもシャーレの先生という立場だけで、多くの生徒達から支持を受けているのは、立場や権利というものにはそれほど大きな意味がこの世界にあるのだとカロンは推測している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、ただいま」

 

 ガララ…と扉を開けると、そこにはアビドスの制服を着た何名かの生徒が彼女の存在に気付き意識を向ける。

 

「あ!お帰りシロコ先ぱ……い?」

 

 元気で明るい声が途切れたのは、シロコが背負ってる何かに気づいたのだろう。

 背中に隠れてるのでよく見えないが、彼女が背負ってるのは紛れもなく人間。ヘイローもない長い金髪と黒紫のドレスコートがチラリと見える。

 

「ってシロコ先輩!?なに背負ってるんですかそれ?!拉致?ひょっとして死体じゃ……」

 

「え!?シロコ先輩…遂に犯罪に手を染めてしまったのですか!?」

 

「シロコちゃん、とうとうやっちゃいましたね〜⭐︎」

 

「いや勝手に私を死体扱いしないで下さいましッ!?」

 

「うわっ!生きてた!?」

 

 完全に死体か拉致扱いをされたノエルは、思わず突っ込むように反論をする。それに続いて扉の奥から冷や汗を流しながら現れるのは、アビドス生徒達の誰よりも身長の高い鳥の頭をした大悪魔がやれやれとした反応を取っている。

 

「遂に犯罪に手を染めたって…シロコ、お前…既に何かをやらかしてることを物語ってるぞ…」

 

「二人共落ち着いて。ノエル先生は生きてるし、二人共シャーレの先生…」

 

「わぁ〜ッ!それじゃあお久しぶりのお客様ですね〜⭐︎シロコちゃんがシャーレの先生を拉致してきましたァ♪」

 

「いやだから拉致じゃないんだが…」

 

 天真爛漫と能天気なアビドスの生徒に、続けてカロン迄も突っ込みを入れる。然しシャーレの先生だと知った途端、二人の顔色が変わった。

 

「え…ッ。ということは…連邦捜査部『シャーレ』の先生!?数日前に支援要請を依頼して手紙を送ったの…読んでくれたんですね!?」

 

 シロコは担いでたノエルを優しく降ろす。

 よいしょっ、と…。と、ノエルはシロコに感謝しながら子犬のように頭を撫でると、えへん!と目を瞑りながら我誕生と言わんばかりに格好をつける。

 因みにさり気なく頭を撫でられたシロコは、目を上に頭をぽふぽふ…と残った頭の感触に手で触りながら、表情こそは変わらないものの満更でもなさそうだ。

 連邦捜査部――シャーレの先生。

 絶対的な権限を持ち得ながら、七囚人が相手でも犠牲を出さずに問題を解決させたという超人的な存在。

 SNSではある程度の情報を確保していたシロコだったが、無論キヴォトス全員が先生の容姿を完璧に理解しているのかというとそうでもなく、黒の猫耳をした生徒に至っては初見の反応だ。

 

「えっ…この人が…んん?シャーレの先生が二人って聞いてたけど、この二人なの!?」

 

「でもシロコちゃんが拉致した訳でもなく、先生達が私たちの為に御足労なさって来てくださったなんて嬉しいです〜⭐︎アビドスは遭難することでも割と知られてるので、後回しにされてるかと不安でしたが、それも杞憂に過ぎましたね!」

 

 実際遭難してた頃合いにシロコが助けに来てくれたのだが…もうこれ以上は敢えて言わないようにした。

 

「ふむ…奥空アヤネという生徒は何処だ?」

 

「えっ?あ、わ…私…ですけれど…」

 

 

 アビドス対策委員会──奥空アヤネ(15)

 

 

 眼鏡を掛けたエルフ耳の生徒は、真面目でアビドス対策委員会に於いても常識人且つ温厚な彼女。カロンに呼ばれた彼女は、ドキッ!と緊張しながら身体を固めてしまう。

 

「お前が…そうか。ならば――この大悪魔カロン及びノエル・チェルクェッティ……連邦捜査部顧問シャーレを代表とする我々は、奥空アヤネの願いに応じて参上した」

 

 すると紳士の様に振る舞うカロンは丁寧に片膝を床に付け、執事のように頭を下げた。

 

「え、えぇ!?」

 

「奥空アヤネ――お前が私達に送った手紙の内容…アビドスの支援物資による要請で間違いはないな?」

 

「ま、間違いではない…ですけども……うぅっ、なんだか恥ずかしいような…」

 

 まるでお嬢様の様に扱われたアヤネは早々顔を真っ赤に染め上げる。そういえば、廃製鉄所でボマーを倒し、ノエルがカロンにバロウズへ復讐を誓う際…その第二の契約を結んだときもこのような真摯な姿勢で対等になったんだっけか、と懐かしむ様に見てた。

 

「わあ〜ッッ♡アヤネちゃん、カロン先生のお姫様みたいですね〜♪」

 

「の、ノノミ先輩!?アヤネちゃんを揶揄わないの!大体、大人がそんなことして恥ずかしくないの!?」

 

 

 アビドス対策委員会──十六夜ノノミ(16)

 

 

「これは我々大悪魔と契約者の交えた立派な交渉であり、誓約でもある。何を何処を取れば恥ずかしいのだ?本来、契約という神聖なる取引は、誇りを持って行うべきなのだ」

 

「え?あ、なんかごめんなさい…って何で私が謝ってんのよ!?なんか、調子狂うなぁ…」

 

 

 アビドス対策委員会──黒見セリカ(15)

 

 

 セリカの印象としては、シロコ先輩に担がられたノエル先生は自分達と年端が変わらないし、カロン先生に至っては正体不明且つ明らかに怪しげな大人――というイメージが強い。

 ノノミに至っては能天気っぽさが伝わってくるが、シャーレの先生だとシロコが明かしても尚顔色を変えなかったのは、シロコが担いできた時から何となく察していたのだろう。

 その辺り彼女は内面としては勘が良いというか、本心を見せないというか、割とやり手なのかもしれない。

 カロンの至極真面目な答えに、つい謝罪を言ってしまう辺り、根は真面目で良い子なのだろう…と、ノエルは端から見た感想として心の中で呟いた。

 

「け、けど良かった…これで何とか弾薬と補給品の援助が受けられて……本当に有難う御座います!ノエル先生、カロン先生!」

 

「暴力組織に狙われて、孤立無援の状態…その状況下でよく頑張りましたわね。私たちが来たから、もう大丈夫ですわ!それに、シロコに助けられましたし、お互い様というべきか…」

 

 アビドスの教室に置いてある椅子に座りながら、満更でもなさそうな顔で呟いてると、教室の机の上に残った弾薬とマガジンに、地図などが散らばっていることに気がついた。

 学校の教室だというのに、物騒な物が置いてあるだけで殺風景と化すアビドス教室。慣れてないとは言え、一瞬背筋がゾクっとしたノエルは視線を元に戻す。

 

「後はホシノ先輩に伝えるだけですね!そう言えばホシノ先輩はどこへ…?」

 

「確か隣の部屋で寝てるよ。私、起こしてこよっか…?」

 

「おいちょっと待て、此処アビドス学校の全生徒は何人いるんだ?お前達とホシノ…という生徒を合わせてまさか…」

 

「はい、カロン先生もお察しの通り…その……ここアビドス高等学校の生徒達は私たちだけで構成されている校内唯一の部活なんです。私たちは日々学校を占領しようと迫り来る暴力組織に対抗しており…私たちだけでも何とか学校を守れてる現状…その上…」

 

 アビドスを導いたシロコを始め、依頼の送り主であるアヤネ、セリカ、ノノミ……そしてホシノと呼ばれる隣の部屋でぐーたら寝てる生徒…この五人だけ。

 その事実にカロンは勿論、ノエルも驚きを隠せない。

 

「えぇ!?確かにアビドス自治区に殆ど人がいなかったのは知ってますけれども…学校の生徒達も殆ど居ないんですのね…それで学校が成り立っているという現状にも驚いてますけれども…」

 

「嗚呼、それはえっと……」

 

「ん、他の生徒達は転校したり街を出て行ったりしたから」

 

「私は学舎に関しては疎いが…ゲヘナ学園はもっとこう、大勢の生徒が居たな。それもまたこの砂嵐による悪影響――自然災害故に起こり得た不幸が物語っているな…」

 

 ノエルの言葉に言いにくそうなアヤネ。セリカも一瞬表情が曇ったようにも見えた。そんな二人をカバーするように言葉を濁すシロコ。

 カロンも校舎に入ってから薄々と理解はしていた…だが、別校舎故にある程度の人数はいるものだと考えていたが…。

 

「校舎に足を踏み入れてから人の気配はなかった。ある程度覚悟はしていたが、こうも少数精鋭で迫り来る暴力組織に抗っていたのか…ククク…」

 

「は?何よ……何がおかしいわけ?」

 

「いや失礼、なに……これを聞くだけでお前達が大それた優秀な生徒達であることに感心しただけだ。なぁ、ノエル?」

 

 馬鹿にされてるのかと、侮辱の意と捉えたセリカはギラリと眼を光らせ、威圧的な言葉を取る。

 然しカロンは彼女に臆することなく、彼女達を早くも高評価しており、買っていた。

 

「そう、ですわね…ちょっと、私達に似てるかも、なんて考えてしまいますわ」

 

 全国指名手配犯になりながら、大悪魔と魔人が世界を敵に回した。

 フーゴを始めた(ヴェルデ)に、オスカーが仲間となり、結果的に7人でバロウズを…ラプラスを敵に回し、復讐を貫いた。

 一時的とは言えリベリオ達solid-8の協力、支援もあったとはいえ少数精鋭でマフィアや警察を前に抗っていた自分達と重なった気がした。

 カロンも既視感を覚えていたからこそ、懐かしんでいたのだろう。

 

「に、似てる…?」

 

 何を…?と困惑そうに顔を顰めるセリカ。

 どうにも彼女はアヤネやノノミと違い、手厳しいような気がしなくもない。

 

「また時間があった時に話しますわ!それより今は先に支援物資を……」

 

「シッテムの箱を起動させるか。支援物資等は箱の中に滞納している」

 

 ある程度の所持品はシッテムの箱にある『アイテムボックス』という収納箱に保管してある。

 アロナ曰く『オーパーツやアイテムなどを収納できるのでご安心ください!』と言っていた。

 ワカモと対峙したあの場所でクラフトチェンバーなるものを試しに利用したことがある。

 アイテムの製造により産まれた物資――誕生や製造、原理も過程も全て不明な理解不可能な製造機にノエルもカロンも当時はただただ驚かされていたばかりだ。

 当然、無償で働く訳でもなく『キーストーン』やその欠片なるものがひつようなのだが…

 因みにカロンはこれに対して『始まりの悪魔創造による根本的な概念に近い神秘』と評していた。

 ノエルにとっては何を言ってるんだと思ったが、カロンからすれば願いを叶える代わりに代償を――創造の代わりに代償となる代物を与える、という観念から察した言葉だろう。

 シッテムの箱には指示していた弾薬や補給品はシャーレの倉庫からリンに許可を取って貰った。他にもリボンのついたぬいぐるみや、完全な黄金シャトルラン、チェリーローズカラーのグロス、髪伸び人形などがあった。

 因みにくまのぬいぐるみでアロナと時間があった時には遊んであげている。

 こういうのをみると、ノエルは案外可愛い物好きというよりも面倒見が良いという点が強いのかもしれない。いや、両者である。

 

 

 ダダダダダダダダダッ!!!!

 

 

 などと呑気に話していると、夥しい銃声が鳴り響いた。

 

「ひゃっ!?な、何ですの!?」

 

「噂をすれば…」

 

 今世でも前世でも何度も聞いた筈なのに、ノエルは怯えて咄嗟に頭を下げてしまう。

 そんなノエルを守るように、ムッと顔を顰めたシロコは銃声だけで相手が誰なのかを瞬時に理解した。

 

「ひゃーーっははは!」

「撃て撃て!奴らは既に弾薬の補給が尽きている筈だ!襲撃して一気に畳みかけろ!」

「この学校は我々カタカタヘルメット団が占領するのだ!」

 

 カタカタヘルメット団?

 確かゲヘナ学園でカロンが徹底的に懲らしめた筈…いや、組織の名前が一緒なだけで、メンバーは違うのかもしれない。

 

「アイツらまた性懲りも無く…!!」

 

「暴力組織ってあれ?!カロンが一度相手した連中じゃないですの!」

 

「注意した相手が同一人物とは限らんだろうに…やれやれ、先生と名乗る以上、不良だろうと子供でも相手にするのは契約違反になる可能性があるのだが…正当防衛として処置を取らせてもらうか…」

 

 因みにカロンは生徒達相手に暴力は極力避けたいとは考えている。

 シャーレに訪れて、自分の強さがどのようなものか…確認も兼ねてユウカと共に掃討作戦に赴いたのだが…。

 相手が子供だろうと犬や猫だろうと容赦のないカロンも、生徒の為の先生である以上、なるべく手を出すべきではないという結論に至っている。

 

「カロン先生も戦えるんですか…?!いえ、でも流石に…」

 

「ん、待ってカロン先生。此処は私達に任せて」

 

「なに…?」

 

「私たちは先生に物資支援を頼んだ。こんな遠くまでやってきたのに、先生が自ら手を下すべきではない。それは契約の内容には含まれてないし…」

 

 シロコの的確な言葉に、カロンは数秒黙り込み、目を伏せた後…「確かにな」と言葉を呟いた。

 シャーレ奪還戦に於いては、生徒だけの問題ではないと考慮して自分達も契約に則り自分達も動くべきだと解釈した。

 然し今回は物資の補給であり、生徒達を助けろという契約にはなっていない。もしそうならば新たなる契約を結ばなければならない。

 

「ふん、まぁ…確かにな。それに先生である立場上、流石に手荒な真似はしたくはないしな…」

 

「不良達には散々…今更って感じでもありますけれども…」

 

「アレはその……あれだッ!転生した後、私の実力が如何なるものというか、正当防衛というか…キヴォトスに住まう人間は頑丈すぎるから、こう…徹底的に叩き込まないと刺される可能性も危惧して…」

 

「ホシノ先輩連れてきたよ!!ほら、寝ぼけてないで起きて!」

 

 ノエルの鋭いツッコミに、見苦しい反論を見せるカロン。だが幾ら自分が悪魔だからと言って、必ずしも生徒がいるべき場所に戦闘をするべきではないという考えを持ったカロンはシロコの言葉に納得した。

 流石に生徒がいない状況下で襲われてしまえば、正当防衛という手段を持って処置を取らせてもらうが…。

 などと言い争っていると、セリカがピンク色の長髪の子を背負って叫んでいた。

 

「むにゃむにゃぁ〜…うへぇ、カタカタヘルメット団めぇ〜…おちおち眠れないじゃないかぁ〜……」

 

 

 アビドス対策委員会副生徒会長──小鳥遊ホシノ(17)

 

 

 可愛い生き物がいた。

 気怠けで、気の抜いた、眠たそうで、とても精鋭とは思えない、ノノミ以上にのんびりした生徒が、なんかセリナに担がれていた。

 

「へっ?この方がひょっとして…噂のホシノって生徒なんですの?」

 

「ホシノ先輩!例の暴力組織が再び襲撃を!此方はシャーレの先生方です!迎撃の準備を…!」

 

「ありゃ〜…そりゃ大変だね?んぁ?先生?ふ〜ん、宜しくぅ〜…」

 

 どうでも良さそうな声。

 そこには熱意もなく、他の生徒とは違う感嘆や驚愕、色褪せた感情もない。

 ただただ無関心で、興味のカケラもない言葉。

 

「本当に大丈夫なのかしらこの子…ねぇ、カロン?」

「………」

 

 ノエルは心配そうに言葉を漏らしながらカロンの右腕を掴み、立ち上がる。対するカロンは目を細め、ホシノを見下ろしていた。

 ホシノに対して明らかに不自然な点を早くも見抜いたカロンは、彼女に対して何かしら抱くこの感情――それは、得体の知れない未知そのもの。

 このように、理解し難い者…内心も性格も理解できない、包まれた存在に既視感を覚えていたからだ。

 対するホシノは面倒くさそうに武器を手にしながら、挨拶をした途端、カロンを一瞥した後、直ぐに意識を違う方角へ向ける。

 

(うへぇ〜〜…シロコちゃんがそろそろ帰ってくるなぁと思って、外を眺めてたから気付いてたけど、今回ばかりはおじさんらしいこと、できるか自信がないなぁ〜…)

 

 大悪魔と名乗るカロン先生――この人は、間違いない。

 アイツと似ている。

 キヴォトス外部の存在にして、自分達とは領域も存在も、全てが違う得体の知れない者。

 

 

『小鳥遊ホシノ――私と契約を結びませんか?そうすれば、アビドスの借金大半は私が返済しましょう』

 

 

(でも、だからと言ってシャーレの立場上、悪い噂は聞かないし…流石におじさんの思い過ごしだとは思うけどねぇ……)

 

 

 ぷにっ、ぷにっ――

 

「うへっ…?」

 

 すると、真横にノエルがホシノの頬を突いてた。

 武器の手入れをしていたとはいえ、決して他人に懐を入れさせず、油断も余裕も見せないホシノの領域に、ノエルは悠々とホシノの意識を突くように、横にちょことんと膝を折り座っていた。

 

「初めましてホシノっ――今は状況的に暴力団が攻めてきてるから仕方がないとはいえ、挨拶はきちんとするものですわよ!」

 

 えへんっ!と満面な笑みで元気よく挨拶する彼女に、ホシノは初めて面を食らった顔をして、頬が真っ赤に染まる。

 ノエル的には先生らしいことを振る舞ってはいるのだろうが、ホシノはただ呆然としていた。

 ひょっとしてカロン先生を見て、気付かぬうちに動揺さえしていた?それほど深刻に?

 などと頭の中で言い訳をする。

 

「あ、あはは〜…っ!先生ってば、こんな時にまたぁ〜…。おじさんのことなんて、調べようと思えば知ってる癖にぃ…生徒の名簿とか見ればわかるでしょ〜?」

 

「へ?いえ、知らないですわよ?だって貴女達と出逢うのなら、初めて会ってから生徒達のこと知りたいじゃないですの。名簿なんてその後から読んで知れば良いですし…それより!相手に挨拶するときは、ちゃんとしましょう?これが終わって落ち着いたら、貴女達のこと沢山知っていきたいですわ!」

 

 ホシノの精一杯な言い訳も、ノエルには通じない。

 この人に、皮肉も嫌味も効かない。

 ホシノにとって理解不可能な人物がもう一人――それはノエル先生だ。

 最初は何も思わなかった。

 自分達と年端が変わらない容姿をした先生が来て、なんというか、頼りないなぁと思った。

 でも今で理解した――この人は危険がない。

 だからこそ、理解が不能。

 安全、安心と考えてしまい、自然と心の隙を作り、警戒心を無くしてしまう。

 警戒したくても、この人を前に警戒ができない。それは、ホシノにとっても余りにも驚異的なのだ。尤も、ノエルもカロンもシャーレの仕事漬けやら債務整理、他にも請求書諸共、解決しなければいけないことばかりで、目を通す余裕すらもなかったと言うのも大半だが……。

 

「…………変な先生」

 

 小さく、誰にも聞こえない声でホシノは呟いた。

 

「でもアイツら、運が悪いね。こっちは先生のお陰で弾薬と補給品は充分」

 

「はーいっ、それじゃあみんなで出撃です〜⭐︎」

 

「ヘルメット団のやつ…二度と襲うなんて考えが出来ないよう徹底的にぶっ飛ばしてやるわ!」

 

「私はオペレーターを担当します!」

 

 的確に己の役割を理解し、連携して目の前の障壁を退ける。

 嗚呼…この感覚、懐かしい。

 

「生徒達の出番と言うわけであれば、我々はサポートに回ろう」

 

「なら私は…」

 

『ノエル先生、カロン先生!遂にアロナの出番ですね!』

 

 シッテムの箱が青白く光る。

 アロナの声はノエルとカロン以外には聞こえておらず、アロナを認識することも不可能だ。

 どういう原理で働いてるかは不明ではあるが、下手に生徒達に見えるか否か強調したところで『ヤバい奴』という誤った危険的な思考を埋め込まれる可能性が100%なので、この事は二人だけの秘密にしている。

 

(出番…?)

 

『生徒達の厳選や性能、戦闘スタイルに立ち位置などをアロナがサポートして教えます!』

 

 するとシッテムの箱が起動。

 ノエルの意識は、身体は、まるで宙を浮き、眩い光と共に空間へと移動する。これは何回か体験した心象風景による空間――ノエルは幾つか空中に映し出された視認可能なホログラムに目を遣る。

 

「こ、これは…ッ!!」

 

『敵の数、弱点や生徒達のスタイルと装甲、武器、フィールドを写せます!そしてシッテムの箱による意識共有により、カロン先生と共有致します!』

 

「ッ…!シッテムの箱にまたしてもこの様な神秘が…!ククク、これは是非ともシーザーやスピカにも見せてやりたいものだな…!」

 

 ノエルとカロンはシッテムの箱に携わった機能と神秘により一時的に意識の波長を合わせる。

 これはお互いが二人一組の大悪魔だからこそ為せる技術であり、奇跡――先生は二人であり、所有者も二人…だからこそ意識も赤眼も一心共有。

 

「ならば私はシッテムの箱を通じたノエルの瞳、その代わりとなって援護しよう。ノエルは私の指示を通して生徒達に意識を干渉させろ!」

 

「がってんしょうち!」

 

『がってんしょうちです!』

 

 ビシッ!と敬礼するノエルに、続けてアロナも空気を読むかの様に、見様見真似で敬礼する。

 

「さぁ、カタカタヘルメット団――今のシロコ達率いる私たちは、もう抵抗してるだけの生徒達ではないですわよ!今のシロコ、アヤネ、セリカ、ノノミ、ホシノは…」

 

 復讐者だよ――

 

 ノエルとカロンは声に出さずとも、心の中でシンクロした。

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――

 

 

 アヤネは後方支援――医療物資をドローンが装備しており、負傷者を直ぐに回復する応急処置担当。

 シロコは手榴弾投擲に、遮蔽物を生かした射撃とドローンによる火力支援。

 セリカはリロードの性能を活かした高速射撃。

 ノノミは対重装甲アタッカーによる手数の多い敵に優位なマシンガン

 そしてホシノはシールドとショットガンによる矛と盾。言うなればタンク要員…だからこそ他の四人が問題なく戦闘を行える。

 

(ノエルはこう言った点に於いて難しいだろうが…改めてコイツら凄いな。この五人がラプラスにいれば制圧も余裕だろう…いや、下手すれば大悪魔や魔人でさえも…)

 

 キヴォトスの身体は頑丈故に、参考にはならないが、それでも生徒達の性能を改めて閲覧すると、孤立無援の現状で暴力組織に対抗できたのも頷ける。

 この五人が仲間であることに心強さもあれば、敵に回すと恐ろしさも考えれる。

 

『セリカ!そこの遮蔽物に隠れた伏兵が二人いますわ!注意して!』

 

 シッテムの箱により、ノエルは生徒達のヘイローを介して指示を送る。ヘイローの原理については一切が謎のまま。それこそが神秘を象徴とする物なのだろうが…。全くもってして、如何なる知恵を司ろうとしても、解析も理解も不可能である。

 

「!?の、ノエル先生の声が、流れ込んでくる…?!」

 

『シロコ!此処はドローンを使って敵の迅速な処理、頼めるかしら?』

 

「んっ、任せて。敵は徹底的に排除」

 

 セリカはあたふたと反射的に周りを見渡し、シロコは息を吸うように火力支援を行う。

 カロンとノエルの思考は一致し、的確な判断で問題を処理していく。的確な分岐と、正しい選択を取っていくこの感覚は、まるで慧眼の星海を渡っているような心地さえ感じる。

 

「なっ!?バカな!コイツらは既に弾薬も尽きたはずじゃ…話が違うぞ!?」

 

「こうなったら…!Flak41改で…!」

 

 周囲を一網打尽に、視力を奪って戦力を削る。

 後方から支援攻撃しようと試みたカタカタヘルメット団――いち早く気付いたホシノに、ノノミもヘルメット団の動きを察知し、ガトリングを向けた刹那――

 

「あれ…?不発?な、なんで!?」

 

「ガキが持って良い武器じゃないだろうそれは――」

 

 鎖でガチガチに固められていた。

 よく見れば砂漠の地面からは赤黒いアケローンの魔法陣が開かれており、悪魔の手が地獄から這いずる様に、ヘルメット団の動きも拘束していた。

 

「なんだこれェ!?」

 

「手は出さないと言う話だからな…だが、拘束くらいはさせて貰うぞ」

 

 そして流れる様にヘルメット団の意識が途切れる。

 身体に何発も鉛玉を食らうヘルメット団は、ノノミの連続射撃により呆気なく倒れゆく。

 

「わあ〜ッ⭐︎これってカロン先生のですか?何だか魔法みたいで凄いですぅ〜!」

「うへぇ、先生ってこんなこともできるんだぁ〜…」

 

 わざとらしく珍しそうに声を上げるホシノに、ノノミは豊かな感情と声色で感心している。

 

「ある程度のカバーは私がしよう。言うなれば、アヤネの言葉通り裏でのサポートを徹底的にしよう」

 

「凄い…カロン先生、本当にどうなってるんですかそれ?」

 

「シロコにも同じことを言われたな」

 

 サポートのお願いをした本人であるアヤネでさえ、息を飲み込んでいる。

 悪魔の鎖――カロンという大悪魔を構成する中で、風評と認識、共有により生まれついた能力。

 これでも大悪魔の中では下級の分類で、スピカや他の大悪魔のように多種多様な能力を持っているわけではないが…。

 

「覚悟しなさい!」

 

 シロコの支援火力に続き、セリカも怒りを糧に高速リロードを行い、ノエルに指示された通り的確に伏兵にヘッドショットを決めていく。

 ぐぇっ!と蛙が捻ったような変な鳴き声と共に倒れてゆくヘルメット団達。

 

「お掃除ですぅ〜⭐︎」

 

 次にノノミは前方にいるヘルメット団並びに銃火器の破壊。ロケットランチャーやヘルメット団が盗品して改造したドローンなど、バッタバッタと薙ぎ倒すかのように、連続射撃による弾倉を当てて行く。

 

 シッテムの箱、ノエルとカロンの共有認識、アロナの演算処理機能や情報提示、そして生徒達のヘイローを通じた干渉。

 シャーレ奪還戦では、ノエルやカロンの身も危険もあったが、アロナやシッテムの箱が存在するだけでこうも戦況が変わる物なのか…と、殊更カロンもノエルも殊更思い知らされる。

 それにシッテムの箱が干渉可能なのは、恐らくノエルとカロン…その持ち手となるシッテムの箱が正式に生徒達と『契約』を結んだ者に呑み発動するのだろう。

 もしヘイローを持つ全ての人間に対する干渉が可能であれば、ヘルメット団も可能という話にもなるが、そうでもないとなると…上述した説は間違ってはないという認識で良い筈だ。

 

「引き続きホシノはタンクとして前線に張り且つ、敵を誘ってくれ。射程範囲内に入ったらノノミは畳みかけ、後方支援でセリカとシロコは火力支援を――アヤネは救護支援でノノミとホシノに」

 

 ノエルだけでなく、カロンも的確なる指示を送る。

 カロンの音声を、シッテムの箱に通じてヘイローに干渉――人間の観察に契約者のプレーン、凄まじい動体視力に知恵の象徴。

 シッテムの箱が手に渡ったカロンを相手に、並の生徒でさえも彼の戦略を掻い潜ることなど、実力差以外に勝機はない。

 

「さぁ、後は時間による消化戦だな――結果はもう目に見えてる」

 

 ヘルメット団よ、お前達では我々を止めることなど不可能だ。

 孤立無援で生き延びたアビドスの猛者達に、ラプラスで遍く敵を退けた被虐の魔女だった彼女と、慧眼だった赤眼――それこそ、相手が神を殺したという偉業でも成してなければ張り合わない。

 

「く、くそッ!これ以上はもう……」

 

「は〜いそこの君ィ」

 

「ひっ!?」

 

「ちょっと痛い目みるけどごめんね〜?」

 

 手榴弾を手に持ちながら睨みつけ威嚇するヘルメット団を横に、場違いな気の抜けた声が聞こえた瞬間――ショットガンによる射撃を喰らった一人が、意識も身体も、呆気なく吹き飛ばされた。

 その銃声と共に、学校襲撃による火蓋は幕を閉じた。

 

 

 

 

 






作者補足
被虐のノエル登場シーンのジェネレータ作ろうとしたら既に使えなくて涙を禁じ得ない。

次に前書きでも表したように、今回の戦闘シーンに置いては「作者の視点ではこんな風に見えてます」ということを表してます。
まずリザルト画面要素、シッテムの箱を介しての指示――これらは作者が考えた主観と解釈によってテクストにしております(そういうこったぁ!)
もしまた作中の内容など書くべき点があれば、付け足す可能性もあるので悪しからず。

じゃあ何でチュートリアルでそれをやらないの?という点に関しては、当時はアロナがいなかったからです。
シッテムの箱もないので全貌は見えず、生徒達の性能もわからず…然しシッテムの箱があったことにより、こう言った戦闘描写が可能でした。
何が言いたいのかというと、アロナがいるのといないのとで、シッテムの箱があるか否かでこうも変わります。
では先生の指示がすごい!に関しても、カロンの動体視力に加えて知恵を授けてるので、アロナ無しでも充分に評価されてます。ただアロナがあることで更に有意義に事が運ぶので、更に凄い!ということになっております。

そして先生の入れ替え。
リザルト画面だとノエルとカロンが吊るされてるのが見える見える。恐らくカロンは凄い融通効くので、Specialとstriker同時に行けます。大人って凄い!

そしてホシノとノエル先生。
ホシノは基本的に鋭すぎるので、殆どびっくりすること少ないです。シロコが手紙漁ってたのも分からない振りしてたの、演技凄いなと思いましたけど、ノエルに関しては素です。

ノエル「皆んな…皆んな可愛いですわ!!ユウカやワカモもすっごく可愛いって思ってましたけれど…キヴォトスに住まう生徒達が皆んな優しくて良い子で、私…先生やってて良かったって思いますの!シロコも改めて、私の生徒でいてくれて、ありがとう!」

ブチッ!!

シロコ「ん、ノエル先生…夜道には気をつけた方がいい」(後で襲おう)


次回「大人って凄い!」クリスティーナがお送りします。

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