本編はマリアンを巡り、物語が進行する部分がありますよね。 なので弄ると矛盾が発生するでしょうが、今更感。
でもEDF6要素を入れるならば、1度歴史を観測したいところ。
「ここです」
マリアンが短く言い、立ち止まる。
周囲を見てもレーダーを見ても、市街地跡地が広がるばかりで何も無い。
「先発隊はおろか、誰もいないわ」
アニスが皆を代表して言ってくれるが、ワイとピナちゃんは顔を合わせた。
他の隊員も同じだ。 予想は確信へと変わりゆく。
「います」
「なるほど、地下にいるのかぁ」
「…………探してみましょう」
それとなくカマ掛けるも、駄目だった。
はぐらかしているのか。 それとも、理性すら喪失してしまった"機械化歩兵"か。
だとしても目的はある筈だ。
そもそもアークから来た輸送機に搭乗してちたニケに仕組まれていたのなら尚更に。
「ピナちゃん、考えたく無いけど……」
「うん。 皆も分かってる」
他の者を見る。
251メンバーはこの手にも慣れているからか、淡々としている。 それでも少し憂いた表情が見え隠れ。
04-F分隊のラピは怪しんでいる様子はあるが、アニスと同伴している量産型、新人指揮官は首を傾げている。
知らぬが仏、としたいが。 嫌でも知る事だ。
改めて言う事じゃ無い。 判断が早過ぎれば不仲が加速するし。
「嫌な時代だ。 半世紀前から変わりやしない」
「嘆いても仕方ないよ」
そうなんだけどね。
人手不足、資源不足は深刻化するばかりだ。
「それはそう。 考えるより先ず行動」
重機関銃を下げ、レディースポジションに。
ホルスターの拳銃に触れつつ、周囲を警戒。
小口径弾はラプチャーに効かないが、ニケと人間には効く。 故に自決用、"問題発生"した際の処分用として携帯する。
「あなた……」
ラピがワイを見て察する。
……意味はおわかりですね?
「聡明なラピなら、察せると思った」
「まだ分からない。 それまでは……」
「それは分かってる。 でも心の準備は、ね」
希望に縋りたいのは皆いっしょ。
現実はいつだって覚悟を上回る。
最悪の事態になっても慌てず騒がず頭部にパァンと1発喰らわせて脳を破壊すれば、大抵は解決だ。
その弾丸が救いか、裏切りか。 それとも異常か。
人それぞれ感想はあると思うが、必要ならやるしかない。 嫌でもね。
「依然レーダーに感なし」
さてもEDF製歩兵用レーダーを見る。
相変わらず何も投影しない。 が、何かがいるとしても必ず映らないので警戒は緩めない。
特に地下に潜む敵や高高度の敵は探知出来ない。
距離や方向も大体しか分からない。
万能では無い以上、経験も大切だ。
痕跡なくM.I.A(行方不明)が続出している事からして、敵はステルス性が高いか、瞬間火力が桁違いか。 或いは両方か。
マリアンは何か見えてるのか、皆の反応を置き去りにして淡々と返し、ふらつくばかり。
言い逃れ出来ない証拠が上がれば、今すぐ始末したいんだがな。 戦場で情をかける余裕はない。 本来ならば。
「いや、本当にいないんだけど」
「探してみましょう」
アニスがツッコミを入れるも、マリアンは淡々と続けるばかりだ。
「……なんなのよ」
「……散開して警戒。 嫌な予感がする」
隊長が言い、マリアンと距離を取る。
なんなら囲い込むような陣形で広がった。
ほんとね、勘弁して欲しいよね。
予想が外れたら、どんなに良いものか。
未来を想うには苦痛の時代。 葛藤の日々。
『ブラックボックスの解析が終わりました』
そんな時、シフティーから無線。
これで確信が深まるか否か。
『テキストデータで送ります』
「ラジャー」
ラピが受け取ったらしい。
端末を刹那的に見て、そして直ぐ。
「マリアン。 止まって」
突如として銃をマリアンに向けた。
連続して囲んでいた隊員も銃口を向ける。
置いていかれているのは指揮官とアニスだ。 双方を見て困惑するしかない。
そうしている間にも問答が始まった。
「はい」
「あなたが輸送機を撃墜したの?」
「……は?」
疑問符を浮かべるは、アニスだ。
指揮官もか。 何も疑いが無ければ無理もない。
「いいえ」
淡々と言うマリアンに、銃口と共に事実を突きつけていくラピ。
「2度も輸送機が運んでいたコンテナ内部で爆発が起きた。 今回の作戦で使う予定だった爆弾よ。 外部からの起爆信号なしでは絶対に爆発しない。 そして、その起爆信号の識別コードはマリアン、あなたよ」
「なっ……!」
驚く指揮官とアニス。
それが意味するところ、輸送機はマリアンによって意図的に危険に晒されたという事だ。
「いいえ」
「目的は何?」
「ここです」
「答えて。 答えなければ此処で処分する」
「ここです。 ここです。 ここです。 ここです」
突如として壊れたように、言葉を繰り返し始める。 目も真っ赤に光り始めた。
『!? 侵食反応を確認! いつから!?』
たぶん、アークの内側の時点でだよ。
内側にラプチャーがいるとは考えたく無いが。
或いは悪意ある者がいるか。 内通者か。
管理AIのエニックは何か知ってるかもな。
「ッ、撃ち方よーいッ!」
隊長がいい、ワイは我に帰り拳銃を抜く。
銃身に弾は込めてある、後は当てれば良い。
「"マリアンに何が起きたんだ?"」
『ラプチャーに中枢神経を奪われました』
指揮官の理解が追いつかずとも、マリアンは待つ事なく、ますます壊れていった。
これ以上放置すれば、ワイらに攻撃を加え始めてしまうかも知れない。
そうなればマリアンだけじゃない。 ワイらも死ぬ事になる。 それは避けたい。
本当、ラプチャーは物理的な攻撃だけじゃないとかさ……ニケに対抗した自己進化?
侵食反応は半世紀前から続くけど、完璧に防ぐ手立てもない。 戦場で喰らったら自決するしかないとか、ふざけてるよね。
……怖いねぇ。 嫌だねぇ。
「ここででですすす」
『コーリングシグナルを感知。 阻止して下さい!』
「撃ちます! 命令を!」
コーリングシグナル、敵を呼んでいる。
ラピの訴えが戦場に響く。
突然過ぎて、逡巡してしまう指揮官。
周囲もいざ撃つとなると、トリガープルが急に重く感じられるようで。
待ってられないので代わりに撃とうとした刹那。
『ぜ、前方からハイクラスのエネルギー反応! この振動パターンは……ブラックスミスが来ます!』
「ここでですすすす」
「"何か来る!?"」
地面が揺れる。 敵が来てしまった様子。
こうなるとマリアンを殺しても仕方ない。
拳銃収め、重機関銃構え。
「侵食は後! 周囲警戒、戦闘用意!」
そろそろレーダーに反応が出てくる。
そちらの方向へ銃口を向ければ、生体部品を使ってるかのような、一部が生々しいデカいラプチャーが跳躍して現れた。
相変わらずの赤く光るカメラアイ。
例により取り巻きも仲良く登場だ。
「12時方向、真っ正面!」
即座に撃ちまくり、弾幕を張って分隊のフォーメーションを整える時間を稼いでやる。
「見れば分かる!」
「展開! 射線と交戦距離に気を付けろ!」
隊員らは身を屈めつつ瓦礫の裏に飛び込む。
その間にもワイの放った大口径弾の弾幕により無数の土柱や火花が散るも、ラプチャーを止めるには叶わない。
それでもラプチャーを優先して殺す。
マリアンはその後だ。
これも余命の延長でしかない。
いや、減らす行為だ。
だから感謝なんて、しない。
『コードネームブラックスミス。 タイラントモデルの1つです。 地上に上がったニケを捕まえて部品にする、特殊モデルです!』
あーヤダヤダ。
ホラー要素まであるのがラプチャーだ。
「ここでですここここでででですすすす」
ラプチャーは触手を生やして、鞭の様に振り回したと思えば、次の瞬間、棒立ちしていたマリアンが体内に飲み込まれてしまった。
「ああ! 吸収された!?」
「行方不明になった先発隊はたぶん、アレにやられたのでしょう。 まだ間に合うかも知れません。 マリアン、先発隊も」
間に合う、ね。 希望を持つのは大切だ。
時にソレ、身を蝕むツライさんだけど。
銃撃を何処か他人事の様に聞きながら思った。
「ラピ! なにを!?」
「ブラックスミスは捕獲したニケを暫くの間保管します。 時間的には生存している可能性が高いと思われます。 どうされますか?」
「どうってなによ!? 頑張って逃げなきゃ!」
「ご命令下さい!」
「"マリアンを助けよう"」
板挟みに遭うも、即座に判断する指揮官。
悩んで逃げ出したり、放棄しないだけヨシ。
でも、この機に及んで未だ戦おうってか。
指揮官、新米だからかな。
色々知らないからか。 だとしても、その方が受け入れ易い。 希望を失っている我々としても。
「ラジャー」
「……仕方ない。 251も付き合うよ」
「"すまない"」
「謝まらないで下さい。 慣れてますから」
「そうそう。 それにEDFは仲間を見捨てない。 困った事にな」
「コンバットフレームも来る。 耐えるんだ」
放置したら、新たなニケが犠牲になるし。
この場にいる者が死傷しても、倒せれば それ以上の犠牲は防げるというものだ。
「みんな正気なの? 死んじゃうよ!」
「アニス。 やってみよう。 やってみたいの」
「……見つけた?」
「まだ分からない」
何の事か分かりませんが、早く加勢して。
ワイも全力射撃でボルトが赤くなってきたから。
「……いいよ。 じゃあ、やってみよう」
「シフティー!」
『えっ? はい! シミュレーションの結果は』
「"言わなくていい"」
『分かりました。 只今よりタイラントモデル003、ブラックスミスとの交戦に入ります! エンカウンター!』
それオペレーターが言うんかい?
いや、何だって良い。 加勢してくれるなら。
「希望は、必要だ……ッ!」
銃身が焼けるまで撃ちまくる。
出し惜しんで勝てるなら苦労はしないんだ。
更新常に未定