文を簡略化したり、展開をつけるように意識してますが、だからと「ざまぁ」や「俺TUEEE」に傾倒しないようにしたいです。
一方、原作雰囲気は大切にせねば。鬱展開、B級感……でも物語が原作過ぎてもと苦悩もありつつ。
*クローンの話。或いは女神インタビュー。
ゴッデス部隊。 人類初のニケ部隊である。
原初のニケ、プロトタイプにして最強のリリーバイスを隊長とし、第1世代フェアリーテールモデルの5号機までが製造されては所属した。
内1号機は己の出力に機体が耐えられず、自爆事故で欠番するが、以降はこれを反省し、出力を抑える事で安定性が図られ運用される。
彼女らニケの戦闘力は凄まじく、敗戦一方であった人類を局所的に勝利へ導き、多くの人々の希望となる輝かしい功績を残した。
だが地球全土に拡大した戦火に比べて、ゴッデスの勝利はあまりに小さい。 遂には戦局を好転させるに至らなかった。
そこで人類は賭けに出る。 残存戦力を集結させて敵の喉元を狙い、全ての元凶、ラプチャークイーンがいるとされる軌道EVに突撃を敢行、敵防衛網を突破しての攻略を試みたのだ。
結論からいうと失敗に終わったが。
正史だと侵食を受けた第2世代童話型、シンデレラことアナキオールの妨害が大きく、他の世界線で敵対を回避しても、人類の残存戦力で突破は不可能と判断され、アーク防衛に回される事になったのだ。
こうした事態も、今回は回避したい。
童話型にバッドエンドは似合わない。
先ず、フェアリーテールモデルとなる彼女らの素体に適合する者に早期接触、必要な脳を確保する。
戦火に焼かれながら、骨を折って適合者を探す手間を省き、人材の浪費を抑える。
勿論、肝心の素体開発も促進させる。 私や総司令部が可能な限りデータを提供し、前倒しにでも実戦投入可能にまで漕ぎ着かせる。
その流れで量産型の生産ラインも整備。 戦力の増強に努めたい。 ツライとピナの件もあるからな。 いつまでも生身の兵士では限界も来る筈だからな。
それとストーム1。
相棒は単騎の戦闘技能が卓越し、ニケですら、その域に到達するのは困難だ。 故に初期段階から重要な戦力兼存在であり、戦闘データの意味でも欠かす事は出来ない。
今までも、そんな彼のデータをニケに反映する事で、人の姿形でありながら巨大なラプチャーに対抗してきた。 副作用なのか、何故か色欲が暴走気味というデータもあるが目を瞑ろう。 そこは重要ではない。
そんな人類最強の男のデータ、遺伝子情報を腐敗させる訳にはいかないと、未来にて脳だけにされてでも生かされたのは心が痛ましくなる話である。 この戦争が終われば、今度こそ解放される事を願っている。
そしてふと、悪魔が囁くのだ。
悍ましい考えを提案するのだ。
今更に倫理を意識してどうするのだと。
私がどうこうしなくても、他の者が、人類が私や相棒を残酷なまでに生かし続けるのに、当人が遠慮してどうすると。
「……プライマーとの戦時中、人間そっくりな、緑のエイリアン……コロニストがいた。 彼等はクローン兵であり、機械を取り付けられて脳を支配され、酷使されていた。 それを人間が出来ない道理は無い。 アンドロイドのニケが許されて、クローンに躊躇う事は無い。 脳科学が進歩し、戦闘データや記憶を他者に移植出来るんだ。 十分可能だろう」
普通の人間でやっても効果は望めなくても。
ストーム1という、異能生存体の複製なら?
体も記憶も全く同一の存在を作れたら?
それを嵐の如く世界中の戦線に投入したら?
スワンプマン。 ふと、哲学が過ぎる。
時代は出来るのか、からするべきか、に変わった。 本当に同じ存在と呼べるのか否かを問う問題も、今となっては望みたい。
「希望は、必要だ」
歪んでいようと、それでも。
元々世界は醜く、歪んでいる。
アークで生き延びた人々の営みといい。
人間は、いつの時代も穢れている。
それは私もだ。 自負している。
実に人間らしいじゃないか。
自傷気味の笑みと共に、私は肩を震わした。
私は英雄に憧れて、軍に入った。
といっても陸軍じゃなくて空軍だけどね。
彼の兵科はエアレイダーだったから。
空軍と連携して、地上部隊を支援するのを仕事とする兵科。 だから、そんな英雄がいる兵科を空の上から俯瞰して、助け合う。 寄り添わず、でも見えるところから。 そんな付かず離れずな関係になりたいなぁって思ったの。
それで一生懸命頑張って、良い成績を収めて。
最年少の女性パイロットになれて。
けれど、戦争が起きて実戦に駆り出された時、現実を突きつけられたな。
編隊がなすすべなく堕とされて。
僚機が直ぐ隣で爆散して。
何も出来ず死んでいって。 これが戦争だって。
それでも生き延びた私。
辛くても、戦うしかなかった。
そうしないと、死んだ仲間にも、英雄にも、顔向け出来ないと思ったから。
そんな時。
本物の英雄が、ストーム1が会いに来た。
力を貸してくれって。
人型の決戦兵器。
その開発に協力して欲しいと。
怖くなんてなかった。
ううん、ちょっとは怖かったかな。
変な事を言ってるな、とも思った。
でも今更でしょ? だから勇んで頷いたわ。
それからよ。
私が勝利の女神ニケとなって、英雄と共に並び立つようになったのは。
世界が変わり果てる中。
必死の政治も、軍の抵抗も虚しく、民衆は敵を目前にしても尚、物資の奪い合いや暴力を振るうようになりました。
気品が失われ、奪われた日常。
陽気の下、静かに日傘をさして歩く事も困難となった今、私は決意したのです。
必ずや、日常を壊した者達に復讐をすると。
その為の力を、私は欲しました。
だからです。
私が志願し、戦場に立つようになったのは。
その中でも、決して気品を忘れません。
人々を魅了し、称賛される希望となる為に。
でも、それ以上に。
かの者の背中は忘れないでしょう。
敵味方双方に。 未来永劫残る歴史として。
祈りの中、人々の心が荒み、世界の営みが失われていく中、己の無力を恨めしく思いました。
故に必要な事を、己の信ずる道を進む為に、次期皇帝の座を返上し、私はここにいます。
それでも、恐怖は常に心の隅にありました。
無事に帰れますように。 そう願い続けました。
その中で一縷の光を見ます。
希望の象徴となる者です。
彼の背は、決して絶望を見せませんでした。
仲間がいる限り。 信じる者がいる限り。
英霊にも、戦友にも応える為に。
そう彼は言います。
私は己の恐怖が小さかった事を恥じました。
そして決意を改めます。
人々の希望となる為に。
英雄への憧れはありました。
でも、そんな彼の経歴を知っていますか?
開戦時、彼は民間人で、整備士だったんです。
卓越した戦闘技能に注目されがちですが、修理や整備技術も確かで、民間人の内から軍から無線の使用が許可されていた程だったとか。
相棒となる、縁の下の力持ちな、技研主任の方なんて、武器開発のプロフェッショナルです。
先の大戦では、次々と凄い武器を作って、作戦立案までして、人類を勝利へ導きました。
はい。 私がこの道を志したのは、英雄達の影響がとても強いんです。
この戦争も、きっと勝てます。
お姉ちゃんもいる事ですし!
田舎町の路地裏で不良やっててよ。
世間じゃ戦争がぁ、って騒ぎになってたのは知ってたけど、最初はだからどうしたよって感じだったね。
だって、私がどうこうしても仕方ねぇだろ。
なるようになるしかないのさ。
そんな時、軍用バイクに跨ったオッサンが来てさ、私に声を掛けてきた。
ナンパかぁって、からかって。
で、徴兵みたいな話で喧嘩になって。
で、手も足も出ずにボコされたよ。
いやぁ、あの時はビビったわ。 見事過ぎて。
ただ面白いのはこの後でさ。
そのまま半ば拉致同然に酒場に連れられて、無礼講だぁって、酒まで振るわれて。
ボコした相手にだぜ? 変な奴だよな。
まぁ遠慮なく貰ったけど。
そうこう話し合ってる内に、オッサンは悪い奴じゃねえなって思い始めてさ。
熱意にも押されて、そんじゃ世界の為に人肌脱ぎますかぁってなったのよ。
いやぁー、オッサンの正体を後で知って。
ビビり直したわ。 いやいやマジだって。
人生って何があるかわかんねぇよな!
隊長や次に勝負に勝ち筋が見えない相手だ。
生身の老兵相手だと、侮った訳ではない。
だが、かの者は隙がないのだ。
単純な力比べなら、負ける道理は無いだろうが、運も良く、ボードゲームとした少々頭を使う勝負では向こうに軍配が上がる。
だが悔しさの中に楽しさもある。
負けても、この者になら納得出来るとすら。
いずれ別の勝負も挑みたいものだ。
その意味においても、他の者達に勝たねばな。
特に同様の量産型……いや、私の場合は少々改造されたボディだが……ツライとかいう者とは手合わせ願いたいものだ。
量産型でありながら、他より強い。
強きものには惹かれる。 そうだろう?
どうもツライさんです。
ニケの早期開発が始まって、ワイ用のボディを用意するとか言われて白目剥きましたよ。
いやありがたいよ?
でもさ、ワイ用の武器装備を用意してくれるって、こういう事も含まれた系かと内心、そんなに人をメス堕ちさせたいかワレェ! と悪態吐きましたハイ。
まぁ生身じゃ限界あるやろし。
100年後も活動するなら、いよいよやし。
それにニケだった時間が長かったせいか、生身が落ち着かなくてツライさん。
ワイの相棒も、こんな気持ちになっとるか?
まぁええわ。
こんなクソッタレな話は終わりや終わり!
えっ?
雌堕ちしても続けて人類を守ってくれ?
喧しいわ! ほな解散や! 見せ物やないで!
ワイ、戦わなきゃならんのでな。 ほな!
後書き
多くの謎が残る中。 エタりそう……