脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前書き
この時代のニケとなれば、ゴッデスとオールドテールで、後は量産型かな。
ネームドと絡ませるなら、この時代。 加えてEDF6の人物達と絡ませるのもこの時代に。
それとオスワルドとか。 意外と登場人物多く出来そうですよね。
そんな彼等を書けるかは、別問題ですが(苦


108.乗艦

EDFは未来情報を元に戦線を再整備。 初動の被害を最低限に抑えるのに成功する。

間髪入れず、新兵器の開発、投入を続け、場所によっては通常兵器でも戦線を押し返す程にまで成長。 人類は優勢とまで言えずとも、拮抗していると世間には思われるまでに回復。

 

だがラプチャーは成長する。 甘い相手ではない。 いずれどうにも出来なくなる。

故に地下都市アークの建造を早めさせ、収容し切れない市民の避難所として、各地の地下基地や地下格納庫の整備と調整を急いだ。

 

ただ全てに弱腰だった訳ではない。

クイーンがいるとされる軌道EVを虎視眈々と狙い、隙あらば攻め込む腹である。 第2世代と量産型の生産安定を見計らい、何かしらのアクションは起こす。

それまで戦力の増強、温存、失敗した際の撤退先は確保しておく。 土木従事者、軍人、ニケ、技術者達はそれぞれの戦場を、使命を熟す。 滅びの運命に抗う為に。 その姿勢はシンデレラ風に言えば、美しいといえた。

 

その中での一部始終が、ある場所でされていた。

 

 

「戦力を水増しするクローン生成には反対だ。 極めて生命への侮辱を感じる。 ニケだって可能なら制作したくなかった。 プライマー兵器の模倣にすら感じるのもある。 だが綺麗事を言ってられないのも事実。 そこでギリ命を自然的にひり出せる落とし所として提案する……」

 

 

プロフェッサー含む重役の打ち合わせ。

場は3隻ある潜水母艦の1隻パンドラ。

全長約1キロ。 あらゆる生命の遺伝子情報や植物の種を積んで深海に潜み、必要な戦線に物資を届ける等して支援し、万が一人類が滅んだ際は再生する役割も担う。

先の大戦でも活躍したが、今次大戦においては、その役割に加え、船内で兵器や薬品研究等も行えるようにバージョンアップされていた。

この箱から飛び出すは、人類を躍進させるモノか、不幸を撒き散らすモノかは分からない。 いや、敢えて分からなくしている。 少なくとも世間の目に触れないように。

 

それにわざわざ搭乗しているのは、主に陸戦兵器が目立つラプチャーや、V.C.T.といった権力闘争に妨害されるのを防ぐ為である。

それも最も目に届く範囲にする為、安全の確保の為か、成り行きかで戦闘指揮所……CICの隅でやっている。

 

そんな薄暗く重苦しい空気の中、1人の変態技術者は高らかに馬鹿を叫ぶ。

 

 

「ニケに妊娠機能をつけよう!!」

「コイツをCICから摘み出せッ!!?」

 

 

即拒絶……ッ! 空気弾ける……ッ!

潜水艦内で叫ぶナンセンス具合。

真の敵は無能、いや変態なのかも知れない。

 

 

「真面目に考えてくれ。 妊娠出来たとして、その間、ニケは戦えるのか? 成長速度は? 戦力を悪戯に低下させるだけだろう」

「成長促進剤でアレコレ早め、0歳の内に無理やり大人サイズに成長させるとか、方法はある! そしておにゃんこパラダイスを地上に作るんだ……そう。 俺が、俺たちが勝利の女神だ!」

「君の行き先は医務室だ。 連れて行け」

「ナニ故! おにゃんこは……良いモノだ!」

 

 

戦争で頭がおかしくなったのか。

凶悪な精神異常者を尻目に、会議を進める。

もうこの話題をしたくないのか、話は変わる代わる進んでいった。

 

 

「……えー、では次に人間とニケが共有出来る武器装備についてです。 共有する事で生産ラインを絞り、コストの削減、現場の混乱を少なくする狙いが続けられています。 今のところゴッデスに支給されたスレイドライフルを軸に統合整備を行う予定です」

「そうか。 だがラプチャーに有効で、尚且つ生身の人間が扱える武器となると……今のスレイドは大きく重く、取り回しが悪い。 よく訓練された兵士でなけば使えまい」

「作戦内容次第ですね。 ただ、既存兵器を改修するミレニアム計画は賛成です。 ニケにだけ頼って、戦局を打開するのは難しい」

 

 

ニケ両用の武器装備の開発は微妙だった。

わざわざ生身の兵士に配慮して、中途半端な威力の銃火器を作るなら、最初からニケ専用装備を作る方が良いし、そうじゃなくてもミサイルや戦車砲を量産する方が良いと考えられるからだ。

ただ、完全に考えを捨てられもしない。 歩の無い将棋は負け将棋。 最も重要な単位である歩兵の武器開発は、戦局を左右する。 少なくとも先の大戦ではそうであったが故に。

フェンサーの強化外骨格であるパワードスケルトンを着用すれば、一応はニケの武器も使える。 そうすれば両用と言えなくもない。 なので開発陣はソッチに逃げようとしている。 仕方ないね。

 

一方、ミレニアム計画……旧式の武器の改修案は上手く進んでいる。

従来の見た目と使用方法にも関わらず、諸元は改善され、ラプチャーに有効な兵器として生まれ変わっている。 現場は有難がっている事だろう。 竿1本勝負の時代は終わったんやなって。

 

 

「理解しています。 ニケが増えていけば、コンバットフレームも将来的には旧式化、改修が必要になってくるでしょう。 とはいえ、良くも悪くも人間サイズのニケには扱えない武装を施す事は可能です。 思考転換のリスクを考え、遠慮する必要はありません」

「そこが既存兵器の大きな強みだ。 部品やOSもアップグレードし、機体によっては自己学習型も組み込む。 より人間的な動きが可能になっていく筈だ。 それにより汎用性が高くなれば、ニケとの共同作戦も円滑に出来る」

 

 

人間以上の機動力と腕力を誇るニケが生まれようと、需要はあり続けるコンバットフレーム。

100年後のアークでも、治安維持にニクスA型が使われている。 鉄屑ではないのだ。 あいやミシリスの社長、クソガキことシュエンは鉄屑オブ鉄屑扱いしているが。

 

 

「……アークの方は?」

「完成は近い。 火事場の馬鹿力だな。 我々も人の事を言えないが」

 

 

アークの建設は、正史より早い様子。

演算装置ハーモニックキューブにより高速で基礎が仕上がり、後をひたすら人間が着色している形である。

 

 

「今の戦局は拮抗。 市民はそう思っている。 アークは必要無いと。 金と時間の無駄だとも。 だが違う。 奴らは波のように押しては引いてを繰り返し、やがて全てを押し流す。 それが奴らのスタイルだ」

「我々の悪足掻きを宇宙から俯瞰し、楽しんでいるのかも知れないな」

「それか、激しい憎悪を向けている。 その理由が分からない。 もどかしいな」

 

 

やはり技術発展、対策以上に、ラプチャーの正体が知りたい。 抜本的解決をする事が出来れば、人が絶望の中で大勢死に、地上が荒廃する事もない。

 

 

「これは、その解決に向けたステップアップに過ぎない。 それでもやらなければならない。 続けよう。 悪足掻きを」

 

 

終戦の日は来るのか。

運命に抗う事は出来るのか。

 

暗中模索。

人類は、未だ光明を見ていない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして。 そしてようこそデスピナⅡへ。 私はゴッデスの隊長、リリーバイスよ。 宜しくね!」

 

 

どうもツライさんです。

輸送機ノーブルのコンテナに放り込まれて、空中空母の滑走路に投下されてからの、この爽やか笑顔での挨拶。 青空ごと殴りたい、その原初の女神。 やったら負けるからやらないが(シャバ僧ムーブ)。

 

 

「……うっす。 先行量産型のツライっす」

「初めまして。 同じくピナです。 今回補助要員として配属になりました。 宜しくお願いします」

「あら、似た名前ね。 何か縁があるのかも」

「あはは……デスは余計ですけど」

「ごめんね。 仲良くしてくれると嬉しいな」

 

 

適当な挨拶の内に、他のメンバーも寄ってくる。 元気溌剌なレッドフードを先頭に、ラプンツェル、ドロシー、遅れてスノーホワイトと続く。

 

 

「おっ、噂の新入りかぁ? 私達と同じニケなんだってな! 私はレッドフード! 宜しくな!」

「どうもツライです。 量産型なんでスペックは低いんで、お手柔らかにどうぞ」

「ピナです。 宜しくお願いします、お会い出来て光栄ですレッドフード様」

「様なんていらねぇよ。 仲良くしようぜ!」

 

 

そんな軽い感じが、ワイ的には1番助かる。

別の世界線で関わりの深いドロシーでも、高貴というか、やり難さがあるし。

 

 

「V.T.C.からも報告を受けました。 他の皆さんより先に作られたとか。 特に、ええと、そのぉ……ツライさんは元男というのは本当ですか?」

「せやで。 特例過ぎて涙出ますよ」

「まぁ……! 体の具合は大丈夫なんでしょうか」

「まぁデカパイにも股間のツルツルにも慣れましたわ。 気にしたら負けやで」

「お強いのですね……はぁはぁ」

 

 

興奮する性女。

おかしい。 まだ開戦から日が浅いのに、もうエロに目覚めてる?

そんな疑問も、ドロシーの疑問に上書きされ掻き消える。 ごもっともで。

 

 

「本当に元男なのですか? ニケは女性しかなれないと聞き及んでいますが」

「証明する方法がありゃ良かったんですが。 だからと能力的には平凡なんで、お手柔らかに」

「私は通例で女性ですが、宜しくお願いします、ドロシー様。 お役に立てるよう、頑張りますので」

「はい。 宜しくお願いしますね、ピナ」

 

 

ドロシー相手には、声を上げる翼ちゃん。

向こうに記憶がないって、ツライさんだね?

 

 

「スノーホワイトです。 皆さんの武器装備の整備や開発を手がけています。 おふたりの武器も見ていこうと思います」

「ありがとうございます、スノホワ様」

「ええと……何処かで会いました?」

「……どうかな。 技研のプロフェッサーから聞いた事があるやも知れん」

 

 

適当に誤魔化すと、目を輝かせるスノホワ。

この世界線でも、彼を慕っているんやね。

 

 

「プロフェッサー!? 先の大戦、ストーム1の相棒にして天才科学者が私の話を!?」

「あー……どうやったかな」

「そんな方に会って話してるなんて、羨ましい限りです!」

 

 

大人しそうな娘が、好きなもので急に興奮する姿も、今や刺激が足りなくてツライさん。

せやからと、ワイの出来立てパイやアワビに肉棒を突っ込まれたい訳やない。 勘弁してくれ。 ストーム1とは別れたようなモンやし。

 

 

「あー……みんな、俺の事を忘れてないか?」

「あっ指揮官。 いたんですか」

 

 

皆から空気扱いの、ゴッデス指揮官も現れた。

軍帽にグラサンが似合う男。 リリスの彼氏。 手を出したら半殺し以上全殺し未満にされて、ゆっくり生首だけにされて艦首に晒されそうでツライさん。

 

 

「こほん。 改めてようこそ。 量産型ニケのスペックは高くないと聞くが、このデスピナⅡの補助や何やらで世話になる。 これから増員はしていくだろうが、記念すべき最初の先行量産型として、こうして迎え入れられた事を嬉しく思う。 期待しているぞ」

「伝説の指揮官に激励されて感激やで」

「はい! ありがとうございます!」

 

 

はてさて。 これからどうなる事やら。

 

 

「いやぁしかし、空中空母とは。 こんな超兵器が実用化されてるなんて知らんかったわ」

「一般に公開されてないからな。 知らなくても無理はあるまい」

「でも空中に浮くなんて……四方八方から撃たれないんでしょうか?」

「危険な時はレーダーに映り難いようになるエブラ粒子を散布する他、半透明のドームシールドが艦全体を覆う。 万が一突破されても、特殊装甲甲板がある。 電磁装甲、リフレクター機能で、実弾のみならず光学兵器も跳ね返すか軽減する程だ。 もし空に浮けなくなっても、従来のように海上を航行出来る。 EDFの技術は凄いな。 まぁ実際にそこまで追い詰められた事はなければ、見た事もないが。 見ようとも思わない」

 

 

せやな。 そこまで追い詰められた時、人類の存亡が決しかけてそうやし。

 

 

「まぁワイら的に1番安心出来る力は、ゴッデスやと思いますよん」

「嬉しい事を言ってくれる。 まぁ仲良くやってくれ。 性格的にあんなだが」

「とんでもありません。 関われるだけで嬉しく思います。 これから宜しくお願いします!」

 

 

ピナは真面目やね。

……ワイら、よく破滅的思考転換せんよな。

そんな恐怖、考えんようにしてるけど。

 

 

「さて、この世界線はどうなるか。 ストーム1は脳みそ狩りしてるとしても、何か歴史は変わるんかな……」

 

 

流れ往く雲を見ながら、ワイは思った。




後書き
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