戦闘、絶望、苦痛も書かねばと思いつつ。
第2世代に救いを…ゴッデスにも救いを…(苦
当作では展開をフライング、研究所にラプチャーが襲撃したからシンデレラが侵食を受けたような解釈をし、それを阻止して仲間になる展開がありました。
ところが今回のイベント見ると、どうも人類側に裏切り者がいるような雰囲気。権力闘争もチラチラしてます。瀬戸際に人類ナニやってんだお前(絶叫
極度のネタバレ(正史通り)を避けつつも、おおよそ似た展開、オマージュ等を入れたかったり。
「ラプチャーは情報通り、軌道EV周辺を完全制圧、占拠して拠点としたか。 やはりあそこには、あの先の宇宙ステーションにはクイーンがいるのか? 何にせよ、来る日に備えて戦力を温存しなければ」
本部は戦局を俯瞰、反抗作戦に備える。
だがラプチャーは日増しに強くなる。
戦略情報部の少佐が報告、事態は悠長では無い事を告げてくる。
「空軍からの連絡です。 市街地に向かっていたラプチャーの輸送船、マザーホエールを撃墜。 しかし積荷のラプチャーが、そのまま侵攻開始。 急ぎ迎撃態勢を整えて下さい」
「高高度からの落下に耐えたか。 開戦時もそうだったが。 空を覆う程の群勢が降下してきた日……奴らは地上を埋め尽くす勢いで、ハイスペックな兵器を何処かで量産している。 その場所を、敵の正体を知らなければ、人類が勝つのは難しいぞ」
悪態を吐く司令官。
ラプチャーの頑強さと謎に頭を抱えたくなる。
だが諦めるには早い。
抵抗を続け、情報収集を続ける。
その上で正史通りにならないよう工夫しているが、結果的に宇宙な世紀みたいに有視界戦闘になって不利になったり、スペック差と数の暴力を前に苦戦を強いられる。
空軍も最初こそ護衛を掻い潜り、マザーホエールに高出力レーザー砲のバルチャーや、先の大戦で無敵に思われていた敵黄金装甲を破った特殊兵装フーリガン砲を何発も喰らわせては、鯨群のハラワタを食い荒らした。 それが今や1発喰らわせるのも困難だ。 犠牲を払い、漸くである。
進化しているのはEDFだけではない。 ラプチャーもだという事。 互いにバージョンアップを繰り返している。 まるで鏡合わせのように。 その意味では、前よりもラプチャーの進化速度は加速したと言える。
「市民に深刻な危機が迫っています。 急ぎ、迎撃態勢を整えて下さい」
「分かっている」
司令官は現場に連絡。 戦闘準備をさせる。
まだ量産型ニケも少なく、反して大半が既存兵器であるが、ミレニアム計画で強化改修された。 まだ役立つ筈だ。
加えて経験を積ませる為にゴッデスと戦闘データを回収要員なツライとピナがいる。 勝つに越した事はないが、負けてもただでは転ばない。 得るものは得る。 貪欲に求めねば敵の正体を破れない。
「……こんな状況だというのに。 第2世代を巡りEDFは政府とV.T.C.で三つ巴だ。 現場から言わせれば権力闘争をしている場合ではない……!」
こんな時ですら内ゲバ人類を嘆く。
勝つ気があるのか怪しさまである。 あいや、妙な余裕が生まれると、余計な欲が膨らむものだ。 いつの世も、きっと。
「ラプチャー接近! 戦闘用意!」
「太陽を背に展開! 山頂に陣取れ!」
「エブラ粒子上昇! レーダーに障害!」
「いつも通りだ! タンク、壁を作るぞ!」
郊外、田舎の第228駐屯基地付近山地。
曹長が叫べば、一気に緊迫が増す。
ブラッカー戦車隊のドーベル隊が前方に展開、壁を作ると、随伴歩兵とニケの混合部隊が装甲や山地の稜線を盾とし、射撃姿勢をとる。
「ブラッカーだと? バリアスはどうした!」
「都市部です! 動けるのはコレだけです!」
「くそっ! 送られてきた精鋭も、蓋を開ければ幼い少女だ! 敵を撃った事もなければ、撃たれた事もない元民間人、訓練もせず送り出す有様とは! 上はナニを考えている!?」
そんな中。 まだニケやミレニアム計画の実力を知らない曹長や現場の兵士らは、口々に不満を吐露した。 仕方ない。 予備役や防衛戦力に格下げされてきた旧式戦車に、幼い少女が戦場にいるのだ。 思っているより人類はヤバいんじゃないかと考えてしまう。 それに異議を立てるは予備役と化した老兵と、新兵扱いのニケである。
「かぁーッ! ブラッカーは現代改修を繰り返しながら現役だぞ小僧共が! なんだったら100年後だって戦って見せらぁ!」
「私達だってそうよ! 先行型ほど胸部装甲は立派じゃないし、頼りない見た目かもだけど、フェンサー並のパワーを出せるんだから!」
「威勢だけは1人前か。 ならやって見せろ!」
山岳を乗り越え、姿を表すラプチャー。
キュイーンと不快な機械音を鳴らし、直線的な動きで迫り来る。 初の実戦となるニケは緊張と共にハンドグリップに力がこもり、歴戦の隊員は狙いを定める。
「撃てーッ!!」
各自、撃ち始める。
高度差の有利のまま、大口径弾の弾幕がラプチャーの群れに突き刺さる。
E型榴弾が山腹ごと敵装甲を削り、そこにA型滑空砲が火を吹けば、コアごと貫通、敵を爆散させていく。
「まだじゃ! オマケも喰らえぃ!」
その発射間隔の隙間を副武装の機銃や、脇にぶら下げたカスケードロケットランチャーが埋める。 使い捨てなのか、撃ち切ると接合部が外れてパージ。 デッドウェイトとならないよう投棄する。
だからと隙が出来る事は無い。 随伴歩兵のニケがカバーするからだ。
「私達も負けてられない!」
間に合わせの武装であるフェンサーのハンドガトリングやハンドキャノンが火を吹き、ラプチャーを更に削り取る。
「やるじゃないか!」
手腕、威力を素直に認める曹長。
なおも砲撃を続行。 ラプチャーの残党を殲滅していく。 一方的な砲撃で、反撃を許さずに爆散させる。 やがて煙が晴れたなら、残るは跡形もなく消し飛んだラプチャーと、僅かに残る鉄屑となった。
「EDF!」
「どうだ見たか! ラプチャーめ!」
「戦車砲もまだまだ活躍出来るぞ!」
「ニケの片鱗も見せられたかしら?」
「初めての実戦だったけど、上手くいった」
「ナノマシンの詰め込みは伊達じゃない!」
沸き立つ面々。
片田舎の小さな勝利だったが、士気が高まるには十分。 改修兵器と新兵器ニケの有効性が立証されたのだから。
「ニケか。 得体が知れないが、猫の手も借りたい。 贅沢は言えんな……」
だが珍しく曹長は憂い顔である。
血の気が多い訓練教官である彼だが、やはり幼い少女が、脳を摘出されて銃を握らされている現状が健全とは思えなかった。
だが現実を知らない訳でもない。 これ以上の犠牲を払わない為には戦って勝つしかない。 道はそれだけだ。
「見ろよ! バイクだぜ!」
所変わってデスピナⅡ。
甲板に一時的に係留された物資の中に、漆黒の軍用バイク、フリージャーを見つけたレッドフードは、作業中のツライに興奮気味に話した。
「好きなんか?」
「まぁね。 私が住んでた所は田舎でさ、楽しい事なんて限られてたし。 偶に蒸してるバイクとか格好良いと思ったワケ」
分からんでもない。
娯楽の無さはツライさんよな。 レッフのヤンチャな性格的にも、向ける視線はワイルド分野になるか。
「なるほどな。 いうてそりゃ偵察隊に届ける装備や。 ゴッデス用やない。 必要もないやろ」
「別に欲しいとは言ってねぇよ。 独特なデザインで気になっただけだって」
まぁ独特か。
フリージャーは前期型は青、後期型は黒のボディが目立ち、戦場での運用という事で軽装甲に覆われ、多少は頑丈だ。
同時に前方に固定武装となる機関銃かビーム砲が2門。 或いは小型ミサイル発射装置を内蔵。 あくまで進行を邪魔する敵を払うくらいのもので頼りないが、無いよりマシ。
こうした装備に耐え、かつ速度を出す為に高出力のエンジンを積む。 強過ぎてフルスロットルを出そうものなら一瞬で加速し、暴れ馬の如く制御は困難。 グリップ力も勝てず、無理な方向転換や不整地での運用はスリップ事故を引き起こす。 こうした危険性もあってか、歴代の中には地獄のような名前を付けられたタイプもあったらしい。
それでも使い熟せるようになれば、強力な移動ツールになり得る。 故にか、こうして需要がある。 レッフの場合は完全に違う用途やろが。
「……ちょっと弄っても良いか?」
「駄目です」
「先っちょだけ! 先っちょだけだから!」
「またラプンツェルが乱れる真似を! ああ、らめぇ! ハンドル掴んだらイッちゃうでしょうが!?」
ヤンチャで制御出来ないのはここにもいた。
レッフ、無理矢理握り回し、結果、バイクは唸りを上げて1人出に暴走。 ロケットのように艦橋に飛び上がり、パリーンと甲高い音を上げる。 続いて悲鳴が児玉した。
「バイクが艦橋に突っ込んだあああ!?」
「嘘だろ!? どんだけ飛び上がるんだよ!」
丁度上にいたらしい指揮官とリリスが見下ろし、非難の目を向けてくる。
いやワイ関係あらへん。 知らんフリしとこ。
「あっ! レッドフード! あなたの仕業ね!」
だがそこは不良なレッフさん。 罪をワイに擦りつけて逃走開始。
「い、いや違う! ツライの仕業だ! 格好良いからって勝手に弄って暴走させたんだ!」
「ナニ嘘こいてるねん!? 全部お前や!?」
「あら。 嘘までついて。 いけない子ね!」
広い装甲甲板兼、滑走路を二足で爆走するレッフ。 それを割れた窓から華麗に飛び降りて人外の速度で追い掛けるリリス。
混乱する管制塔。 必死に静止を求める誘導員。 タッチアンドゴーで空中退避する戦闘機。 折れるギアの音。 胴体着陸で火花が散る甲板。 地上に零れ落ちる部品。
「あーもう滅茶苦茶だよ」
女神の姿か……? コレが……?
ゴッデスの日常。
慣れるまで時間を要する平和。 いや、平和といえるのか? 被害出てるんですがそれは。
「EDFとゴッデスは活躍。 迫るラプチャーを跳ね除けているものの、被害も増えている。 正体も不明な中、耐えるだけでは何れ戦力が底を尽き、どうにも出来なくなる。 そこで、これ以上の悪化を招く前に、士気が高い内に敵拠点と予想される軌道EV攻略を計画している。 その時こそ、お前たち第2世代が出撃する時だ」
第2ニケ研究所。
V.T.C.首席研究員にして、寝るのが面倒いという理由で量産型ニケのプロダクト23となったエイブが、第2世代フェアリーテールモデルを開発、調整し続けてきた場所。
それももう直ぐ役目を終える。 エイブが皆に言うと、色めき立つ空気。
開口1番に言うは、同じV.T.C.であるレッドシューズ。 大きな赤い靴状の武装兼移動ユニットを履き、それを支える為か、太い太ももと大きな胸が特徴的な機体であった。
他にも液体金属を操り、言霊によりラプチャーや人間の動きを制限する特殊能力持ちのリトルマーメイド。
様々な薬品を生成、射撃を行う双子のヘンゼルとグレーテル。
そして特殊なガラス装甲と武装、ガラスの靴を操る最高傑作のシンデレラが並び立っている。
「遂に出撃ですか?」
「正確な日時は決まっていない。 だがいつでも出撃出来るよう万全にしとけとお達しがきた。 そう遠くない筈だ」
「ヘンゼルは、そう言ってまた焦らされるんじゃないかしらと思うわ。 グレーテルもそう言っているわ」
「あう、あうあう……」
「そうね。 でもゴッデスに迷惑を掛けない為にも、美しくある為にも万全であり続けるべきよ」
それぞれが意見を言う中、エイブは咳払い。
話を続けた。
「それと落ち着いて聞いて欲しい。 その際、戦闘スタイルなどの理由から、初陣を飾るのはシンデレラ1人を予定している。 それもゴッデスとの共同作戦だ」
「ゴッデスと!? どうしましょう、心臓が張り裂けそう……! 上手くやれるかしら?」
「だから落ち着けと言っている! で、他のメンバーも安心しろ。 ストーム隊と共に別ルートで進行。 最悪、陽動として役に立って貰う」
「ストーム!? 先の大戦の、伝説の遊撃班ですよね! 凄いです!」
「だから落ち着け……はぁ」
注意しても騒ぐ娘達に溜息を吐くエイブ。
戦う為に、人類の為に作られたのだ。 なのに訓練や調整ばかりで不満だったのだろう。 それが遂に役立てる。 その日が来ようとしている。 嬉しさを隠すのは難しいか。
「……まぁ、正直ここまで製造や調整が進むとは思わなかった。 戦線もここまで持ち堪えるとは。 かなり善戦している。 プロフェッサーのお陰だな。 最初は急に横槍を入れてきた厄介な客員だと睨んでいたが」
また会えたら礼を言おう。
あの変態、ツライも労ってやろう。 体を捨ててまで戦い続けているのだから。
ストーム1とやらにも会いたい。 シンデレラみたいな熱狂的憧れは抱くつもりはないが、やはり先の英雄には興味がある。 データではなく、直接見てみたいと思った。
だがエイブも、プロフェッサーらも知らない。
シンデレラの侵食経緯を。
歴史の修正力を。
いつだって油断は禁物だ。
世界は思うようにならない事で満ちている。
後書き
更新常に未定
いっそ最初から書き直せれば…だとしても、面白く書けなさそうでツライさん。原作側で謎も多い中……