脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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歴史改変の流れへ
EDF6のネタバレ、説明含みつつ。
ニケ世界は不確定要素が色々だと思いますので、分かる範囲で改変したく。
それでも矛盾や間違いがあるかもですが(殴


12.遺失物:タイムマシン

 

 

「刻が戻るなら、どうする?」

 

 

真顔で隊長に言われたワイ、反応に困る。

対して隣のピナちゃんは目をキョトンとしたあと、僅かに微笑んだ。

ツライ現実を生きてきて散々打ちのめされたのだ。 怒る気力はなく、夢に寄り添う様に返す。

こんな時代、こんな時だ。

明るい話をしたくなる。

 

 

「そうですね、マリアンさんを救いたいです」

 

 

それはそう。

直近の例としては。 ワイは更に付け加える。

 

 

「欲張れば先発隊も、今まで救えなかった全員」

 

 

第1次ラプチャー侵攻から、多くが死んだ。

民間人、軍人、ニケ。 動植物。

あとワイの肉体と息子(意味深)。

80億人近く死んだのだ。 人類の喪失はデカい。

 

正体不明な機械共の奇襲、圧倒的な科学力と軍事力の暴力は津波となって、瞬く間に地表を蹂躙し、火の海にしてしまった。

当時EDFは頑張ったが、どうにもならなかった。

それでも今ほどの科学力はないにせよ、対策や戦略を変えれば救えた命は少なくなかったかも知れない。

たられば、の話をしても今更だが。 あの時の人類が、いや……今のワイらとて最適解がナニかなんて答えられない。

そもそも未だラプチャーの正体不明、マリアンだけ救いたくても、侵食の原因がナニかも分からない。

良くて警告するだけで終わる。

ワイらが滅茶苦茶強くて、クイーンとやらもワンパンですよって訳でも無い。

タイムスリップしても変わらないだろう。

 

 

「そうか」

 

 

隊長は頷いて続けた。

 

 

「それが出来る可能性はゼロじゃない。 タイムマシンを使えばな」

 

「わぉ。 とうとう、おかしくなりましたか」

 

「ちょっと失礼だよ?」

 

 

ツッコミしたらピナちゃんに注意された。

でもね、タイムマシンなんてある訳ないじゃん。

 

 

「構わない、それが普通の反応さ」

 

 

そう言える内は理性があるアピールかな?

まぁでも、与太話として聞いておこう。

 

 

「ラプチャー侵攻前、EDFはプライマーと戦い勝利した。 それは知っているな?」

 

「まぁ、軽くなら」

 

「はい。 宇宙人が侵攻してきて、EDFは応戦。 5年もの歳月と総人口3割の犠牲を経て、勝利したと聞きます」

 

 

ピナちゃん、よく覚えてるね。

まだニケが生まれる前の時代の事、経験してなければ、眠くなる歴史の教科書や人伝に聞くしかないのに。

 

 

「そうだ。 だがプライマーについて詳しく知る者は少ない。 奴らの正体は何だったか、知っているか?」

 

「いえ、遠い宇宙から来たのかとばかり」

 

「それが分かりやすいからな……奴らの正体、それは未来から来た火星人だった」

 

「は?」

 

 

思わず口が開いたんだが。

宇宙人侵略は、まぁ、分かる。

空からやって来たとかいうラプチャーも、実はそうなんじゃね、という考えがあるから。

火星人……はまぁギリ。

でも未来から来たって……ナニ?

 

 

「説明が難しいんだが……何十万年と先の未来では火星文明が生まれて、逆に地球、人類は滅んだみたいでな。 ただ人類がいた頃の文明の痕跡は残っていたっぽく、それをプライマーが見つけた。 よほど興味を惹かれたのだろう。 タイムマシンを作って、まだ人類がいた頃の時代に戻り、干渉したんだ」

 

「それがプライマーの侵攻ですか」

 

「いや、いきなり戦争になった訳じゃ無い。 プライマーが最初に人類の前に現れたのは、EDFが出来る前、まだ原始的な人類の前だ。 神でも気取りたかったのか知らんが、プライマーは大昔の人類に文明を授けたらしい。 当時の人々は感謝して、壁画や神話として残したという」

 

「良い人たちだった? じゃあ、なんで戦争に」

 

「時間旅行の弊害が起きたらしい。 本来存在しないモノや技術が地球に齎され、結果、未来に何らかの影響があった。 それは火星人にとって悪いモノだったんだろうさ。 下手すると存在そのものが脅かされるレベルに。 だから火星人、プライマーは地球に戦争を仕掛け、人類を滅ぼそうとした。 全て無かった事にする為に。 結果としては……地球、EDFの勝利となった訳だが」

 

 

完全に置いてけぼりになり、眠気に襲われ始めたが、何とか噛み砕いて質問へ。

 

 

「……あー、そのタイムマシンがあると?」

 

「そうなる。 正確には奴らのエイリアンテクノロジーを解析、人類なりに解釈を含ませたりして出来た紛い物だが」

 

「それを使えば、過去に戻りやり直せる?」

 

「そう。 それが251の倉庫に隠してある。 実験もしてなくて危険だが、こんな時代だ。 このまま終わるより良い。 そう思って、打ち明けた」

 

 

そうですかい、ワイらがモルモットになれと。

所詮ニケですよ、人権ありませんよ。

EDFの人は良くしてくれるから少し違うけど。

 

 

「ピナちゃん、どう思う?」

 

 

そして、こんな時にまで尋ねるワイ。

ピナちゃんは悩んだ後、挙手する。

 

 

「隊長に質問です」

 

「何だ?」

 

「タイムマシンを作る技術がプライマーにあったなら、人類はどうやって勝利したのですか?」

 

「……タイムマシンを破壊したのさ」

 

「人類が運良く、プライマーが時間を遡っていると知って、ですか」

 

「……そうだ。 ある技研主任と伝説の兵士がソレを知り、皆に伝えて破壊した。 破壊しなければ相手は延々と時間を繰り返し、やがてどうしようもなくなり負けるからね」

 

「では、もうひとつ質問です……火星文明はどうなったんですか?」

 

「……勘の良いピナちゃんも可愛いよ」

 

 

えっ、なんなの?

どういうコトだってばよ?

 

 

「えーと、可愛いピナちゃん、説明して?」

 

「プライマーはタイムマシンを作れる。 なら、人類が1つや2つ破壊したところで、また新しく作れば良いだけの話だよ」

 

「あー、そういう……じゃあ勝てなくね?」

 

「うん。 だからたぶん、人類は、EDFは火星文明が生まれないようにしたんだ。 そうじゃないですか、隊長?」

 

「その通りだ」

 

 

隊長は淡々と、けれど少し重く口を開く。

 

 

「EDFは特定の時間軸のプライマーと戦っていた訳じゃ無い。 全ての時間軸のプライマーと戦っていたんだ。 タイムマシンの技術が相手にある以上、実質的に人類に勝ち目は無い。 だからEDFは決断した。 未来で生まれる火星文明を滅ぼすと。 その為に文明が生まれる前である今の火星に有害な化学物質を送り込み、プライマーの発生を阻止したんだ」

 

「でも、それだと矛盾が起きませんか。 タイムパラドックスが」

 

「鋭いね」

 

 

ごめん。 ペラペーラ語に置いてかれてる。

 

 

「……え、えーと、ピナちゃん?」

 

「火星に文明が生まれなかったら、今の人類は無かったかも知れない。 それに戦争も起きない。 火星に攻撃もしなかった。 そして生まれないプライマーは地球に戦争を仕掛ける。 時間矛盾、タイムパラドックスだよ」

 

「……もうちょい砕けない?」

 

「自分が生まれる前の過去に戻って、親を殺したら、おかしなコトになるでしょ。 生まれない存在に殺されるっていう」

 

「えーと、親殺しのパラドックス?」

 

「そんな感じ。 それを知っていて良かった」

 

 

なんか馬鹿にされてる気がするけど、スルーしておこう。 今は理解をするなり事態を進めるなら収拾をつけたい。

 

隊長は説明を続ける。

 

 

「実際、タイムパラドックスが起きておかしな現象に見舞われたそうだが……プライマーと伝説の兵士の決闘、兵士が勝利した刹那、全てが終わった。 人類は生き延び、プライマーの存在は消えて無くなった……らしい」

 

「曖昧ですね?」

 

「大昔の話だからな。 そう伝わってる」

 

 

結論。

与太話だな、そうとしか感じない。

 

 

「まぁ、こんなツライさんな世の中です。 そういうお伽話をして娯楽として楽しむ。 そういうコトにしておきますよ」

 

「じゃあ、その延長線で良い。 そのタイムマシンの場所に案内するから、覚悟が決まっているなら試してくれ。 幸運を祈るよ」

 

 

……実は酔ってんじゃね、隊長。

251に来た時、酒瓶あった気がするし。

 

 

「で、ピナちゃん。 どうする?」

 

「やってみよう。 例えダメでも、さ」

 

「駄目で元々だね、ラジャーだよ」

 

 

やる気のない敬礼の後、251の倉庫へ直行。

薄暗く気味悪い地下空間を銃に取り付けたライトで照らしつつ、錆びたコンテナの山を抜けると、埃を被ったボロい機械の前に案内された。

 

 

「───これが?」

 

 

それはリングだった。

ひと1人が潜れる程度の、フラフープを分厚く大型化したようなもので、それを土台の上に固定している。

ワイらが目の前に立つと、勝手にシャボン玉の膜のようなのが出来上がった。

 

 

「そう。 技研が密かに制作していたものだ」

 

「潜れば過去に行けると?」

 

「分からん。 実験する間もなく、ラプチャーが侵攻、ラボは破壊されたからな。 コイツは戦乱のどさくさで流れ着いたらしい」

 

「不安要素だらけだね?」

 

「だから言ってる。 試さなくても良いぞ」

 

 

 

はぁ、アホくさ。

そう思いつつピナちゃんを見るも。

 

 

「やってみよう。 やってみたい。 どうせ駄目でも。 夢だったとしても。 何も起きなかったら、それはそれ。 笑い話だから」

 

 

ラピっぽいコトいうのね、ピナちゃん。

 

 

「長く生きて、思考転換でも起きた?」

 

「それは君もでしょ」

 

「……かも、ね。 どうする? 死ぬかもよ?」

 

「十分生きたよ」

 

「ドロシー様が悲しむよ?」

 

「皆、きっと分かってくれる」

 

「まぁ送り出されてる時点でね……」

 

 

妙な覚悟、妙な気楽さを添えて。

ワイはピナちゃんの手を握り。

 

 

「じゃ、行ってきます」

 

 

リングを、潜った。

 

ピナちゃんの温かな手の感触の中、目の前が真っ白に染まり。

 

やがて晴れてきて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───アーク封鎖シーケンス開始。 同時ニアークガーディアン計画ヲ実行』

 

『───人類文明存続ノ為ニ地上ニ残ッタ兵士ニ感謝ヲ。 ゴッデスニ感謝ヲ。 EDFニ感謝ヲ』

 

『───コードNが検討されてます』

 

『───動ける者はアークへ向かえ!』

 

『撃って撃って撃ちまくれ!』

 

『人類はまだ負けてない! 負けてないんだァ!』

 

 

気が付いたら半世紀以上前。

人類がアークへ避難している段階でした。

 

───うん。 戻り過ぎじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The Earth Defence Force NIKKE1

begins now.




リングあれば、後で都合良く書き直せるから(逃
更新常に未定ですが(殴
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