けれどキャラが言いそうな台詞を考えても、文才のなさもありボロが出るツライさん
ワイはストーム1に未来で何が起きるのかを話した。 歴史通り進むなら、こうなるぞと。
ストーム1は驚くでもなく、静かに頷き聞いてくれた。 流石、先駆け時間旅行者は違う。
「そうか、アークは我々を捨て駒にするか」
冷静なままのストーム1。
老兵足る存在の彼だ、一切の揺らぎも無い。
が、ドロシーはそういう訳にはいかなかった。
「そんな、そんな筈は……ッ」
ドロシーが我に帰り、動揺し、拒絶する。
無理もない。 希望が目の前にあるのに、届きそうなのに、そこに自分の居場所が無いと言われたのだから。
こうなると、人は簡単に壊れてしまう。
これは正史でピナちゃんがドロシーと共にキャンプ地に物資調達しに行った時に言われた言葉だったかな。
この世界線では、ワイと隊員だけで行ったから、そうした会話は発生しなかった可能性はあるが。
どちらにせよ、辿り着く現実は同じだ。 だからこそ、ピナちゃんにはドロシーの側にいて欲しい。 互いが互いの拠り所になる。 正史通りなら。
「混乱を招く発言や不信感は看過は出来ません! そもそも未来から来たなんて、馬鹿げています!」
ワイの言った真実に取り乱すドロシー様。
可哀想だが、早めに知れて良かったね(闇)。
「証拠なら時間が経てば出てきますよ。 この後にでもカタツムリみてぇな収集ロボットが来て、アークから転送された音声ファイルを持ってくる筈です。 そうでなくても、2ヶ月経てば……話した3つのトラブルで3週間遅延という話も出るかもですね。 それでも信じられないなら、封鎖完了の最終結果をお待ち下さい。 現実が来ます」
「ッ、ピナ、ピナはどう思うのですか!?」
「……ツライの言う通りです」
「あ、ああ……」
申し訳なく俯くピナちゃん。
信憑性が増し、衝撃に項垂れるドロシー様も美しいべ(白目)。
ワイは信じなくても、最終的にピナちゃんで信じるからツライさんポイントも高い。
まぁでも、少しは受け入れ準備おk?
非常に残念だが、これが人間のやる事だよ。
人の心とかないんかって?
あったと思うよ? 期待通りの涙と葛藤、苦渋の決断という素晴らしいドラマが。 でも邪悪な心もあったと思うよ(闇
後々のアーク支配といった政治思想を絡めれば、ゴッデス達ニケやEDF、特にストーム1は圧倒的に邪魔な存在だ。
だって世間からしたら英雄だもの。 その行動や発言が人類全体に齎す影響は強い。 危険分子に違いない。
ただの兵士に過ぎない存在が、ただの兵器や部下に過ぎない存在が。
自分より強い立場になる。 豪華な椅子に座る。
許せない。
プライド的にも地位や名誉、財産的にも。
それらを守る為にも。 失わない為にも。
そうなる前に政治や保安上の理由を幾らでも並べ立て、地上というゴミ捨て場に放り出す。
あとは勝手に野垂れ死ねば良い。 安全という名の愉悦に浸り、地下で偉そうにしながら楽園を好きなように弄り支配して忘却の彼方へ追いやるだけだ。
戦力的価値にしても、主に機械部品で構成されたニケはアップグレードされていくから、ゴッデスのスペックは「当時としては最高性能」と過去のものになる日が来るし、ストーム1とかいう異能生存体が1人いたところで人類は救われない。 救われたなら、地上は荒廃せず、人類は地下に逃げ込んでいない。
開発初期は敵兵器を圧倒するスペックなオンリーワンともいえる機体だとしても、末期は敵側もそれ以上ともされるスペック兵器を開発、量産してくる。
バトルデータの差がエグいから、それら新型機に負けずとも、苦戦はしていくし、戦略的に見たら1機だけでやれる範囲に限界があり、部分的にしか勝てない。
そうなると、やはり、質より量という話も出てくるし、戦争を終わらすやり方も模索しなければならない。
ラプチャーの場合、親玉……女王とやらさえ倒せば全て解決するなら狙っていきたいが、何処にいるかも分からない。
そして恐ろしい事に、奴らもまた進化する。 ニケや人類をより効率的に殺せる機体を生み出してくるのだ。
アークという限定的な場所で活動せざるを得なくなった人類が、連中を出し抜いて地上を奪還出来る方法や兵器を生み出せるのか疑問だが……何とかなる、という希望的観測は危険だ。
とにかく。
それが心、お気持ち表明、結論、大の為に小を切り捨てる、種の保存、理に適ったやり方とやらだ。
ゴッデスは犠牲になってね、死して偽りの勝利の女神様になってね、ワイらは君達に罪押し付けて楽園で生き延びっから(笑)である。 捨てられる側はたまったものじゃない。
ヒトカス許せない。 じゃあ……死のうか?(殺意)となっても仕方ない。
人の楽園だ。 ニケの楽園じゃ無い。
幸せな未来は一瞬の叶わぬ幻に過ぎない。
けれど人類はゴッデスのお陰で生き延びる。
その史実は何人たりとも消せはしない。
では……人類の皆様、改めて言う事は?
ゴッデス部隊ありがとう♡(マジキチスマイル)
いやでもなぁ、文字通り完全封鎖したから入れられませんと言われたけど、暫くしてから、アークからニケが上がってくるからな。
落ち着いてから上がれる道を作ったんだろうけど、それだったらエレベーターを破壊しろと言わないだろう。
100年後もアークの外側、地上に近い前哨基地とかにもラプチャーはやって来る。
以降の防壁や兵力が強固でも、場合によってはエターナルスカイをブチ破って侵入出来んじゃねと素人考えをしてしまうのですがそれは。
「ドロシー様」
ピナちゃんが彼女に近づく。
見上げる形となるドロシー。
今この場では、ピナちゃんの方が強く見える。
「それでも未来に希望はあります。 あるのです」
「アークに、楽園に行けないのですよ?」
震える声で縋る。
懺悔ではないが、迷える天使である。
導くは誇り、その翼だ。
「私とツライを見てどう思いますか。 100年後も元気にしていたから、今この場にいるんですよ」
「私は……私たちは?」
「元気です。 バラバラになってしまいましたが、それぞれ目的を持って行動しています。 ドロシー様は、私たちと新たな楽園を見つけて、温かな場所で仲良く暮らしていくのです。 これ以上失ったものはありません。 逆に新しいものを沢山得るのです。 どうです? 希望が持てるでしょう?」
笑顔で語るピナちゃん。
少し脚色も混ざっているが、そのまま言わす。
ドロシーはそれでもアークへの憧れを捨てきれないのか、残りの期間、どうアークを守れば良いのか困惑しているようだった。
そりゃ詐欺師だと分かっている相手に尽くすなんて、何の利も無いし、心が冷める。 或いは怒りでおかしくなる。
ワイだったら、守るのをやめて放置プレイでええやんってなりそうだね。
それを他が知っても、ゴッデスとEDFは、最期まで守り抜くだろう。 ここまでの犠牲を無駄にする訳にはいかないから。 何より誇りがあるから。
女神は人類を見捨てない。
EDFは仲間を見捨てない。
絡んだ運命は解けない。
けれど溶かす事は出来る。 きっと。
「何とか未来を変えたい気持ちもありますが、この段階から変えられる事はそう多く無いかに思えます。 でも変わった事もあります。 コードNは中止、ストーム1がこの場に来てくれた。 そして多くの生存者がいる。 これは私の記憶に無い事です。 本来はもっと……悲惨でした」
ピナちゃんが憂いを混ぜていう。
正史では皆死んで、食糧庫も戦火で駄目になって、飢えて死ぬかラプチャーで死ぬかの2択を迫られた。
当時、ピナちゃんはどっちも変わらないと言っていた。 死ぬという結果だけ見れば、そうかも知れなかった。
けれど足掻いて生き延びた。
今回もそうするだけだ。
今、こうして生きている。 余裕もある。
皆、知らないだけだ。 本当に前は悲惨だった。
「でも私が、私とツライが、皆が支えます。 ですからどうか。 希望を捨てないで下さい」
「そうだ。 希望は、必要だ」
ここまで黙っていたストーム1も加勢する。
ドロシーに手を差し伸べ、立ち上がらせる。
「ウチの司令官もいっていた」
「EDFの……」
「作戦指令本部のな。 アークへいかず、地下施設で活動している。 戦略情報部もな」
そうだったのか。
上層部は皆、腐って保身に走る連中の塊かと思っていたが、違う奴もいたようだ。
「そして、勝利の女神には微笑んで欲しい」
「……ふふっ、本当、こんな時まで。 でも、ありがとうございます」
まだ真偽不明の事もあって混乱もあるだろうに。
2人は立ち上がってくれたのだった。
「ワイも……気持ちを新たにしないとな」
呟きに混じり、無限軌道の様な音が。
振り返れば、カタツムリみたいな物資収集ロボットがやって来て、ワイらの前に止まる。
それは質の悪い、ノイズ混じりの機械音声で報告と指示を求めた。
『アークから転送された音声ファイルがありマス。 お聞きになりマスか?』
「……きたね」
ピナちゃんの言葉に頷くワイ。
ドロシーは心の準備を進める。
「ゴッデスの皆を集めます。 お待ち下さい」
ドロシーが離れ、ワイらとストーム1が残る。
時間旅行組らしく、それとなく話した。
「───前は悲惨といったな。 今はどうだ?」
「希望があります」
「同じく、そう思います」
「そうか。 君達の望む形になると良いな。 だが、先輩としてアドバイスだ」
ストーム1は声を厳しくして、忠告する。
「タイムリープの回数は少ない方が良い。 ラプチャーは情報も糧にし成長する様子を見せているからな、ループが多い程、情報が漏れる恐れがある。 奴らに餌を与える真似は避けろ、でないと」
どこか冷たさを孕む言葉は、鋭利なナイフを首筋に当てられてるようだった。
「今度こそ人類は滅ぶ。 プライマーの二の舞は踏むな……約束しろ」
タイムリープした時点でパラドックスの危険は常に付き纏うか、などとしつつ。
「……ラジャー」
ワイとピナちゃんは、何とか言葉を飲み込み、敬礼で返した。
この瞬間のワイらには、これが限界だった。
掘り下げず、とんとん感……
会話量にも悩みつつ
更新常に未定