脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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書き方に違和感や後悔、未練を残しつつ
EDFも空気なので、出番増やしたくもあり

前回のあらすじ
未来の情報を話し合う

今回のあらすじ
原作をなぞりつつ


24.アークからの要請

 

 

「アークから連絡が来ました」

 

「えっ!?」「それは本当かね?」

 

「はい。 皆で聞きましょう」

 

 

ドロシーがゴッデスの皆に言えば、それぞれが驚きと共に明るくなった。

直ぐに音声ファイルを持ってきた収集ロボットの周囲に集りに移動する。

 

正史ほど追い詰められていないとはいえ、重圧と物資不足に喘いでいる中だ。

その最中、楽園からの連絡。 それは孤立無支援な防衛線に差した一筋の後光。

何を言われるか分からない。 けれど、不思議な安堵感がソコにある。

自分たちは1人じゃない。 忘れられていない。 価値のある立場にいるのだと。

 

それはモブのワイらにとってもそう。

だから、この連絡を聞けた時は嬉しかった。

 

誰も真実を知らなかったからな(絶望)

 

 

「おや」

 

 

集まった時、メンバーに声を上げるは紅蓮。

 

 

「ストーム1は良いとして、ピナにツライもいるのかね?」

 

「2人は特別ですから」

 

「まぁ他より強かったのは認めるが……」

 

 

唸る天才剣客。

 

言いたいのは分かるよ?

正史はワイらしか生きてなかったし、心身疲れていたから仕方なかったが、この世界線は違う。

他にも多くの量産型と隊員がいる。

なら来るにしても士官、赤ヘルだろと。

 

ワイらの階級は低い。

消耗品、道具扱いだからやろうけども。

今は亡きゴッデスのリーダー、リリスは少佐だったそうだが、アレは特別枠過ぎる。 ゴッデスというだけじゃなく全てのニケの元祖に当たるし。 元パイロットらしいし、その影響かも。 時代の影響もある。

別に士官になりたい訳じゃない。 けれど人と同じく二等兵ないし一等兵相当の待遇改善を要求したい。 倉庫にブチ込まれて乱雑に扱われたり、ボディの耐久年数近くなったら生き埋めにしたりゴミ扱いしないで欲しいなぁと。

 

で、現実に戻るが。

他のメンバーは気にしてない様子。

スノホワとラプンツェルは平常顔だ。

 

 

 

「ドロシーが良いのなら構わない」

 

「はい。 おふたりも望むなら」

 

 

クールな白雪と寛容な聖女様で助かるね。

ワイ、お辞儀して感謝しとく。

 

 

「あざっす。 輪に入れてくれて感謝します」

 

「輪に挿れ……ッ!?」

 

「ツライが失礼しました」

 

 

ピナちゃん、別の意味で頭を下げる!

なんでワイだけ悪者なの?

勝手に言葉狩りして、えっちな妄想に浸る性女様は無罪放免なの?

 

 

「紅蓮、俺からも頼む」

 

 

ストーム1も無視して言ったよ。

ここは真面目に進めるか。

 

 

「2人には強い分、多く動いて貰う機会もあるだろう。 それには情報を共有しておきたい」

 

「お主までいうなら、何も言うことはない」

 

 

結局、ワイとピナちゃんは許された。

別に悪い事をしてないんだがね。 なんか、この感覚は好きになれないね。

 

 

「じゃあ、始めてくれ」

 

「分かりました」

 

 

やっと落ち着いたところで、ストーム1が号令を出し、ドロシーは従う。

カタツムリみたいなシルエットの収集ロボットに近付くと、ロボットが機械音声で指示を求める。

 

 

『アークから転送された音声ファイルがありマス。 お聞きになりマスか?』

 

「はい。 お願いします」

 

 

言うや、言葉を認識したロボットが即座に命令を実行。 どこかにあるスピーカーから若い男の声が流れ始める。

 

静かに傾聴を始める皆さん。

 

でもね、それはワイとピナちゃんにとっては怨みの募る声なのよ。 裏切り者には死を、イツカ殺スと中指立てたいの。

まぁ……彼だけの問題じゃなかったろう。 政府や軍も関わっている筈。 物事は単純であれば良いけれど、真実は大抵複雑だと思うの。

 

さても挨拶から始まり、女神へのなが〜い命乞い、祈りを聞いてやろうじゃねぇか。

 

 

『アークからゴッデス部隊及び各隊へ。 先ずゴッデス部隊リーダー、リリーバイス少佐の死に哀悼の意を表します。 彼女は最高かつ完璧な、人類の守護神でした。 アークの多くの人々が、彼女の死を悼んでいます。 そしてアークガーディアン作戦を完遂して下さり、ありがとうございます。 アーク全市民を代表して感謝申し上げます。 本当に、お疲れ様でした』

 

 

詐欺師の挨拶乙。

そうと知りながら聞く偲びの言葉は、寒い。

 

 

『物資及び兵力面に関して多方面から調査中ですが、EDFが支援を行うとの事です。 ですがアーク内で多数の問題が発生しており準備が遅れています。 ご理解下さい』

 

 

そういや今回、正史より連絡が早かった。

たぶん、ストーム1が司令部に連絡したからだろう。 連鎖してアークの封鎖責任者にも連絡が回ったのだ。

本来なら、追い詰められ、途方に暮れ、無力感と絶望、冷たい障壁、瓦解していく部隊の無様さに苦しんだドロシーが、何度もアークに連絡を試みて、やっと返信される。

 

それが早まった。 その点もストーム1様々。

同時に改めて、英雄の発言力スゲーと思う。

これは首脳部にとって邪魔ですわ間違いない。

 

 

『また、アークの封鎖作業は終盤に向かっていますが、問題が発生し、作業が停止した状態です。 この問題は全て地上で発生しています。 その為、現在、地上に残留している最強の戦闘力を誇るゴッデス部隊とストーム隊に問題の解決を要請します』

 

 

だが断る。

皆が皆、真実を知った上でコレ聞いたら、そう言う奴の1人や2人はでそう。

 

 

『この問題を解決して下されば、アークは封鎖に成功し、人類に平和が訪れます。 詳細を確認し、ご決断下さい。 勿論決定権はゴッデス部隊リーダー代行であるドロシー様にあります。 我々人類は皆さんに大きな借りがあります。 今までのご活躍だけでも十分感謝しています。 ですから、決断において負担に思われる事はありません』

 

「「…………」」

 

 

皆して黙り続けるも、詳細とやらが別枠なのか間が空いた。

スノホワがドロシーに尋ねる。

 

 

「ここで終わりか?」

 

「いいえ。 続きがあります」

 

「聞いてみようではないか」

 

 

紅蓮が促せば、再び再生される声。

皆で詳細とやらを確認していく。

 

思うんだが、それらを無視したらアークってどうなるんだろうか。

本当に滅ぶのか、それとも。

ああいや、皆はやると言うだろうさ。

 

 

 

『1つ目。 ラプチャーの通信能力を防ぐ為に建設したエブラ粒子発生装置を破壊して下さい。 発生装置の効果が強過ぎる為、その影響がアークにまで及んでいます。 その為、その一帯のアーク封鎖作業が進んでおりません』

 

『2つ目。 特定座標の大規模なラプチャー部隊を殲滅して下さい。 該当座標の封鎖作業は、地上と近い場所で行われます。 封鎖作業には騒音が伴う為、ラプチャーに見つかる可能性が高いのです』

 

『3つ目。 物資運搬用の大型エレベーターを破壊して下さい。 該当のエレベーターはアークに各種物資と食糧を運搬していたルートであり、封鎖後は使用しません。 アークと繋がる直通エレベーターです。 最悪の場合、ラプチャーが使用する恐れがあるので、必ず破壊をお願いします』

 

『……もしミッションを遂行して下さるなら、エブラ粒子発生装置の破壊からお願いします。 皆さんが守っているアークの入口と最も近く、それが破壊されれば、皆さんとの通信が可能となります。 EDFからの支援も期待出来るでしょう』

 

『以上です。 ゴッデス部隊の決定をお待ちしております。 そして、この言葉が支えになるか分かりませんが』

 

『アークはゴッデス部隊を待っています』

 

『皆さんの犠牲や奮闘を全て忘れられる程の報酬を準備しておきます』

 

 

───そんな君に送る言葉、この嘘つき♡

 

 

『───音声ファイルの再生が終了しまシタ。 新しい音声ファイルは[0]件デス』

 

 

 

さても想像通りの内容だったな。

ストーム1が聞いた通りだろう。

 

 

「……ふむ」

 

「アークの封鎖に問題があった様ですね」

 

 

紅蓮とラプンツェルは理解し、呟く。

 

無視したいけど、喰えぬ誇りとヒトカスの為に命を捧げるんだ。 ワイは知っているんだ。

 

 

「行こう」

 

 

スノホワが迷いなく即答。

紅蓮がツッコミを入れる。

 

 

「決断が早いのぅ」

 

「行かないのか?」

 

「まさか」

 

 

ほらね。 あの時と同じだ。

スノホワと紅蓮は行くという。

 

残るラプンツェルは、ドロシーに尋ねる。

真実を知った今、どう出るかな?

 

 

「ドロシー、どう思いますか?」

 

「勿論、行くべきです。 そうでしょう?」

 

「そうだな。 行こう」

 

 

おや。 変わらず行くと決めるか。

楽園の呪縛からは逃れやしないか。

 

 

「当然賛成だと思いました。 では、私達も全てに同行します」

 

「えっ、無理ですよ。 いくらドロシーでもそれは過酷過ぎます。 EDFの皆さんと相談して、手分けしてこなしましょう」

 

「未確認の場所には先ずリーダーが足を運ばねばなりません」

 

「意地を張るでない。 精神的にも辛い時に何を言っておるのかね」

 

 

歴史は変わらないか。

そう落胆もあったが、ドロシーの雰囲気は、少し穏やかだ。 憑き物が少し、剥がれた感じの表情で、けれど精神崩壊した訳でもない。

 

 

「楽しみなのです、この先の未来が。 希望が持てた事が、とても嬉しいのです」

 

「……ドロシー様」

 

 

ピナちゃんは不安気に見つめるも、ストーム1は力強く頷いて見せる。

続けて周囲も同意していく。 未来での出来事は他に伝えない方針。 その方が幸せだろう。 余計に混乱を広める事もない。 今は。

 

 

「そうだ。 希望は、必要だ」

 

「……確かに必要だろう。 下を向いてばかりもいられまいて」

 

「はい。 振り返ってばかりもいられません」

 

 

アークに行く事が楽しみ、とは言わなかったあたり、多少は受け入れたか。

或いは半信半疑にしても。 それでも正史より酷い事にならないと信じる。

 

 

「では先ず、エブラ粒子発生装置からだな。 俺としても通信は回復させたい。 アークとだけじゃなく、空軍にしろ衛星にしろな」

 

 

ストーム1はいう。

兵科の都合、通信強度は命綱だろうからね。

 

 

「では、メンバーは───」

 

 

ドロシーが言うので、挙手して立候補。

 

 

「ワイとピナちゃん、ストーム1はセットでお願いします。 厚かましい願いですけど、ご理解の程、お願いします」

 

 

これにはドロシーは言わなかった。

まさてやストーム1が賛成しているとなれば、誰も反論の余地はない。

 

それだけストーム1という存在は、カリスマ性に溢れた、不思議な影響力のある男なのだ。

恐らくは、ワイとピナちゃんより、ずっと。




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