脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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書き直ししつつ、EDFのノリ。


2.EDFのいる世界

 

 

「プライマーの次はラプチャーだとよ!」

 

「戦争に勝って此処で死んだら笑えるな!」

 

「人々が"大喜び"してた時が懐かしいぜ!」

 

「携挙って言いたいのか?」

 

「終末論に立ち会えて光栄だぜ畜生!」

 

「喋る暇あるなら撃ちまくれ!」

 

 

地球の平和はアッサリと瓦解した。

侵攻してきた火星人との戦争に勝利して、束の間の平和を享受していると、天より新しい来訪者が現れたのだ。

圧倒的な数と高い防御力、火力を備えるソレらは虫にも見え、機械とも生物とも取れる存在であり、決まって好戦的な存在であった。

プライマーとの戦争でも、そうした侵略性生物が投入されていたから、ラプチャーもその手では無いかと推論されたが定かではない。

 

全地球防衛機構軍(EDF)は直ちに対処、先の大戦での退役軍人を再召集。 戦力を結集して謎の敵と交戦開始。

銃やビークル、装備の数々は戦争とエイリアンテクノロジーにより皮肉にも発展している。 軽装甲ならライフルでもダメージを与えられる程だし、強力な原子光線銃が量産されて一般兵の手元にある程だ。

だから今回も人々は、EDFが勝利する事を疑わなかった。

ところが兵士たちの奮戦を嘲笑うように、防衛線は次々崩壊。 発展した都市部は一瞬で瓦礫の山へと変貌を遂げていったのである。

 

 

「空軍か砲兵の支援は無いのかよ!?」

 

「そんなもん、とっくに全滅しただろうが」

 

「基地もシェルターも殆ど破壊された。 この世の終わりも近いかもな!」

 

「今度こそ人類滅亡か。 泣けるぜ」

 

「ケブラーを対地戦闘に参加させろ! 弾幕を張るんだ! とにかく使える物を掻き集めて、時間を稼ぐ!」

 

 

敵は味方より多いぞ。

弾薬、物資、足りてない。

装備も敵より劣ってる。

 

空軍、海軍全滅だ。

陸軍、壊滅寸前だ。

 

残った部隊も。 それでも。

 

 

「俺たちは何者だーッ!」

 

「「EDFッ!!」」

 

 

闘志だけは負けてない。

 

 

「人類はまだ負けていない! 負けてないぞぉ!」

 

 

だけど、それも限界がきた。

入ってきた通信で、人類の敗北は決定的となる。

 

 

『総司令部より全兵士へ! 現時刻を以て防衛陣地を放棄! 動ける者はアークへ速やかに退却せよ! コードNを発令する! 繰り返す! 地下都市アークへ退却せよ! コードN発令を宣言する!!』

 

『N6、緊急発射シークエンス開始!』

 

『ベース228、235がミサイルを発射!』

 

『総員退避! 総員退避ーーーッッ!!』

 

「……聞いたか? 俺達の悪運も尽きたって訳だ」

 

 

光線が飛び交い、爆音と銃声が響き渡る中、遠くの空で無数の閃光が落ちていく。 次の瞬間、閃光が巨大化した。 それは大火球となって空を突き破るように膨れ上がった。 世界を焼き尽くす劫火だった。

直ぐにも強烈な爆風と衝撃波、土煙が津波となって押し寄せ、地表を空を、全てを薙ぎ倒していく。

 

それは建物も、ラプチャーも、市民も、必死に戦っていた兵士も無差別に巻き込んだ。

 

とてもアークまで辿り着けない。

 

いや、辿り着けても中に入れるかどうか。

 

 

"人類最後の楽園 アークは皆様を歓迎します"

 

 

そんな看板が、目に飛び込んだ。

 

 

「間に合うワケねーだろ……!」

 

 

吐き捨てるばかりだ。

 

 

「早すぎる!?」

 

「司令部め、裏切ったなああああ!!」

 

「馬鹿な! 馬鹿なああああ!!」

 

 

大量の土砂に吹き飛ばされ、世は闇に包まれた。

更なる犠牲の果て、人類は地表を追われたのだ。

それでも地下都市アークに逃げ込めた要人を中心とした1000万人は生き延び、人類は絶滅を免れるコトとなる。

 

EDFの一部兵士や僅かな民間人も、第251駐屯基地といった地下基地に逃げ込み、辛うじて大火を生き延びた。

 

そこからは、まんまとアークに逃げ込んだ人々や上層部を憎み、その"楽園"を管理運営する中央政府に敵視を向けつつも、人類は再び力を蓄え、やってくるニケと共にラプチャー討伐、地上奪還を目指す事になる。

 

 

 

 

 

『───どんな犠牲を払おうとも、人類は生き延び、戦いを続けるだろう。 これは終わりでは無い。 勝利へと続く、始まりの1歩である!!』

 

 

 

 

 

だが そんな単純明快な話で済むだろうか。

それは誰にも分からない。

 

そして、今見る歴史が、EDFにより変わった結果なのか、そうでないのか。

 

確認する術はない。

果たして未来は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今。

 

 

「やぁピナちゃん達。 ベース251へようこそ!」

 

 

男なのに量産型ニケにされたヤツと、型番は違うけど同じく量産型のピナがベース251へやってきた。

入口の丈夫な隔壁が何枚も開き、地下へと降りて行けば出迎えてくれた複数の人間の兵士───背負う通信機や被るヘルメットはボロボロだけど本人らは快活───に敬礼する。

 

"大量破壊兵器"が大地を焼いてから、軽く半世紀以上の出来事だった。

 

 

「アーク監視所から定期連絡。 本日も異常ありませんでした」

 

「ありがとう。 まさか伝令で直接とはね。 エブラ粒子が濃い訳でもなく」

 

「丁度巡回時間で。 近くに寄ったついでに」

 

「そうか、こんな可愛い子の訪問はいつでも大歓迎だ。 疲れたろう。 酒を1杯どう?」

 

「あはは……任務中ですから気持ちだけ」

 

「じゃあ俺がピナちゃんの分も飲みます」

 

「駄目でしょ。 全くもう……紅蓮様だって自重しますよ……たぶん」

 

「はっはっはっ! ピナちゃんは良い子だね!」

 

 

そして251は、EDFは緩かった。

粗悪な環境に置かれているのに皆明るく、アークから来るニケも受け入れてくれる。

アークでは差別されるニケだが、戦場でもあるこっち側が、EDFの皆がピナ達は好きだった。

 

 

「"天国の外側"ってヤツ?」

 

「いつも変なコトを言うね」

 

 

ピナが相棒に呆れつつ、けれど どこか笑みを浮かべている。

 

ここにいる間くらいは、気を緩めて良い。

そう思わせてくれるから。

 

 

「むっ」

 

 

が、そんな彼女達を叩く様に無線連絡。

切羽詰まった、ノイズ混じりの慌てた声だ。

 

 

『───BA-01ダウン! BA-01ダウン!』

 

「わっ!?」「うおっ!?」

 

「しっ」

 

 

ヘラヘラしていた通信兵が一転、真面目な顔になると、人差し指を添えて見せ、そのまま上に向けるとクルクルと何かを合図。 周囲は静かになりつつ、自動小銃を抱き寄せ無線機に耳を澄ませ始める。

 

 

「……中央政府ニケ管理部絡みだ」

 

「誰であれ放置は出来ない」

 

「緊急回線? 妙な違和感があるが、まさか」

 

「座標特定急ぎます。 そう遠くないかと」

 

「此方から繋がるか試してくれ」

 

「宛は俺たちじゃないが、可愛いお嬢ちゃんを助けに行かないとな」

 

 

ガチャガチャガチャ。

 

周囲の兵士達が動き始め、装備を整え始める。

先程の空気とはまるで違う。 歴戦の戦士だ。

 

 

「私たちも行きます!」「激しく同意」

 

「有り難いが、仕事は大丈夫かい?」

 

「これこそ仕事じゃないですか!」「だね」

 

「分かった、ニケがいるのは頼もしい!」

 

 

やがて迷彩服と帽子を被った軽装の者、ひび割れヘルメットをかぶる者、何かの補助装備を身に纏う者が整列。

 

 

「隊長、準備整いました」

 

「よし出発。 無線の内容を確かめ、必要なら救助を行う。 今回は可愛いお嬢ちゃんも協力してくれるぞ。 野郎ども、良いトコ見せるチャンスだ、励めよ!」

 

「「イエッサー!!」」

 

 

照れ臭そうなピナちゃん。

相棒は野郎側なので死んだ目になっていたが。

 

 

 

この様にEDFの戦いは未だ続く。

この先の世界は、誰にも分からない。




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