正史より苦労する
今回のあらすじ
引き続きストーム1の戦闘
まだ2つのお題を残しているようで、1つはクリアしてそうですね……
ツライさんがヒロインみたいな場面もあったかもですが、メス堕ちもワンチャン……(殴
EDF5、6でもストーム1はちょいちょい包囲されますが、脱出どころか殲滅して帰還するスゴイさん。
情報に間違いあれば、すみません(今更感
ストーム1は空軍や砲兵、その他支援に寄りかかるだけの、虎の威を借る狐ではない。 英雄と呼ばれるだけの名声は、そう安売りしているものではないのである。
それを証明するようにして今、ラプチャーの敵陣の中心で暴れているは彼単騎のみであった。
彼の駆る青い機体、最新鋭エイレンⅥは、機動力を活かし飛び回り、ブースターを蒸して空中を転回。 誘導弾のミラージュを最大ロックオンで発射。 ポッドから出たピンクの光弾は直ぐに軌道を曲げ、目標に着弾していく。
主兵装である両腕の電磁レーザーは銃口から常に伸び続け、ラプチャーの装甲を抉り続ける。
時々、肩部の強力な粒子ビーム砲から閃光が煌めけば、ラプチャーは混乱の渦のまま飲み込まれて融解していくばかりだ。
それを見た防衛線の友軍は、絶望も忘れて魅入られたように騒ぎ出した。
「あのエイレン機、ストーム1なのか!?」
「なんて操縦技術だ!」
「特別機じゃ、ないよな?」
「スペックを凌駕してるな……」
「す、すごい!」
隊員とニケは、そういうしかない。
単なる火力任せではなく、機体を把握し、手足の様に動かしている様は見た目ほど簡単ではないのだ。
ストーム1は全方位を意識しつつ、的確かつ効率的にラプチャーを始末し、1方面をあっという間に制圧してしまった。
そこを4人の歩兵……ドロシーとラプンツェル、ツライとピナが突破するのが小さく見えた。 ニケなので、その脚力は凄まじく、EDFの脚力強化装備アンダーアシスト以上の速力に思える。
それはそれで凄いのだが、ストーム1の戦闘技能を見せられた後では霞んで見えてしまうのだった。
「英雄は本当にいるんだな」
スノーが珍しい事を言うもんだから、紅蓮も揶揄うように言ってみる。 最もゴッデス全盛期にも、英雄の活躍を聞く機会はあったが。
「今まで信じてなかったのかね?」
「ああ」
悩む事なく即答するスノーホワイト。
目も表情も相変わらず冷めている。
「ニケでもない、生身の歩兵がラプチャー相手に無双するなんて、誇張にも程がある」
「それは私も思っとったよ。 だが、こうして目の当たりにしてしまえば認めるしかあるまいて」
「機体や武装の性能だけでは、ああも戦果は出せない筈だ。 やはりアレは」
事実を呑み込むと一拍おいて、結論をいう。
「ストーム1の力だ。 間違いなく」
刹那、空を貫く光の柱がラプチャーの群れの真ん中に突き刺さる。 軍事衛星サテライトW1によるバルジレーザーの照射が始まったのだ。
「今度はなんなの!?」
「光の柱!? ラプチャーの新兵器か!?」
「いや、アレはバルジレーザーだ!」
「衛星砲か、よく無事だったな!」
その光の柱はジッとせず、意思を持ったかの様に動き始めると、周囲のラプチャーを次々と呑み込み始め、擦り潰す。
実態のない攻撃にラプチャーは迎撃も叶わず、一方的に数を減らすしかない。
「アレもストーム1の力と思うかい?」
「武器そのものは思わないが、使い手は評価に値する。 どう効率良く運用するか、性能を最大限引き出すか、生かすも殺すも持ち手次第だ」
思考転換前から武器職人である彼女がいうと、妙に重く信憑性があった。
「君が言うなら、そうなんだろう」
紅蓮は鞘を指先でつつぅ、と撫でる。
周囲が銃火器を使用する中、自身は近接武器を扱うが故の行為なのか。 その意味は深く重いようで、結局は本人にしか分からぬ事。
スノーホワイトは意に介さず、現実へと対処していく。 見るべきは兵器ではなく敵であるから。
「話している暇はない。 ストーム1は活路を開いた。 私達も続こう」
「勿論。 勝機を逃すつもりはないよ」
有効射程圏に入り始めた敵を撃ち始め、紅蓮は抜剣し、凄まじい脚力で敵を撫で回すように次々と切り伏せていく。
ストーム1とゴッデスの規格外の戦闘力。
それを間近で見る事が叶った兵士達は、きっと幸運だろう。 何よりは死ぬ事なく、この場を切り抜ける希望を抱けるのだから。
『砲身融解! 修理が必要だ!』
そう衛星操作員が無線で報告し、レーザー照射が終了してしまった。
それまでにはラプチャーも多く片付けたが、まだまだ多くが跋扈。 ストーム1にお礼参りだと怒涛の攻撃。 ビームを容赦無く撃ちまくる。
「怒り狂っても、もう遅い」
彼は慌てる事なく操縦桿を操作、回避行動を取るも、図体が大きいコンバットフレームだ、何発も被弾している内に装甲が溶け火花が散り、黒煙を撒き散らす。
「とはいえ、無茶が過ぎたか」
シートベルトを外すと、やむ得ずストーム1は脱出。 地面を転がるように移動して、近くの瓦礫に身を隠し機を窺う。
コンバットフレームは撃たれすぎて装甲が融解、大破、バラバラに弾け飛んで鉄屑と成り果ててしまった。
好機とばかりにラプチャーが肉薄するも、護身散弾銃サプレスガンで蜂の巣にされ返り討ちに。 火花を上げて ひっくり返り、今度はラプチャー側が大破、爆発する。
「コンバットフレームに宜しくな。 機械にあの世があるのか分からんが」
冗談を呟く余裕を見せつつ次に備える。
サプレスガンは一見強そうだが、飽くまで護身銃の域を抜けない。 メインを張れるスペックは無いのだ。 射程はほぼないのと、連射性や装弾数も悪くリロードも遅い。 あくまで咄嗟の護身レベルなのだ。
「ストーム1!」
そんな時、ドロシー達が追いついた。
ストーム1に群がるラプチャーに銃撃を浴びせて、取り敢えずの安全を確保していく。
「行進間射撃でこの精度。 さすがだな」
「言ってる場合ですか。 無茶をしないで下さい」
「コンバットフレームが大破、空中分解した時は肝が冷えましたよ」
流石に苦言を申すドロシーとラプンツェルだったが、戦局は好ましくない。 直ぐに行動に移さねば。
「取り敢えず予定通り包囲網の外に出たな。 このまま反転、挟み撃ちにする。 その頃には空軍や砲兵、運が良ければ潜水母艦の支援を受けられる」
「成り行きですが、それが良いでしょう」
「よし。 準備が出来たら1方面ずつ始末する。 味方も楽になるはずだ」
「こちらは楽ではありませんけれど」
「そう言うな。 ここが踏ん張りところだぞ」
言うや、再び駆け出すストーム1。
無謀な様で考えているようだ……一応。
その背中を再び追いかけながら、ドロシーはツライとピナに言う。
「英雄には私たちが必要です。 ツライとピナ、援護お願いします」
「ういっす」
「はい! ドロシー様!」
刹那の絶望も、粘れば希望が見えてきた。
英雄の無茶振りに振り回されながらも、別働隊は走り回るのだった。
どうもツライさんです。
ストーム1が単騎で突っ込んだ時はマジかと思いましたが、卓越した操縦技術でラプチャーを圧倒して見せたのでビビリました。
最初は英雄の癖に要請ばかりするから、口達者なセコイ奴だと思っていたのに、ズルいと思うの。
「英雄ってのは理不尽な生物の総称なの?」
「君は何を言ってるの」
ピナちゃんのツッコミを受けつつ、ストーム1を援護するワイら。 量産型とはいえワイらもニケだ。 腕力や走力は人より上なので、彼に遅れを取る事はない。
重機関銃をパワードスケルトンなしに振り回し、抱えたままフルオートもしちゃう。 ドロシーのようにハイスペックウーマンは走り回りながら全弾命中の芸当も熟す。
そんなワイ、バイポット欲しい。
あとハイマンウト。 スリングも欲しい。
予備銃身やメンテナンスキットも欲しい。
歳月経つとパーツ劣化で腰がツライさんだから、リペアしてくれる環境も欲しい。 あと お⚪︎ん⚪︎ん下さい。 それは元から持っていたのに奪われたんです。 返して下さい。
でも今は頑張る。 欲しがりません、勝つまでは。
などと欲望と共に戦っていたら、新たな通信。
『エピメテウス、浮上した!』
威厳あるオッサン声が鼓膜を震わした。
通信が共通なのは果たして良いのか悪いのか。
「間に合った様ですね!」
ラプンツェルが喜んだが、あまり知らないワイは疑問符を浮かべるばかり。 察してかピナちゃんが答えてくれた。
「1キロ超の潜水母艦、その1隻だよ」
1キロ? それは潜水艦として平気なの?
ステルス性とか、水圧とか、メンテとか。
EDF謎の技術で何とでもなってる系?
「戦線の支援だけじゃなく、地上が荒廃した後も再起出来るように様々な遺伝子情報を積んでいる、まさにノアの方舟だよ」
「そうかノアか。 エデンを思い出すけど、今のワイには関係ないのだ」
「聞いたのは君だよ!?」
いやほら、戦闘中だから(逸らし目)。
それに遺伝子云々は虚しさを感じたというか……ワイらの体は機械だし、唯一生身の脳を大切にしたくても、最悪NIMPHのバックアップコピペで別の脳に上書き出来ちゃうし。
ワイらニケってなんやろうなぁって。 この世に自分だけのモノがあると言えるのだろうか。 魂があるやろと言い張って縋るだけなのはツライさん。
その意味でも……ワイは男なのに、機械とはいえ女にされたし、方舟に乗せてくれないだろう。 楽園にも行けない。 やはりツライさん。
エデンの地上最高の盾持ちの偉大なノア様にざぁこ♡される100年後がもう懐かしい(記憶混濁)。
「良いタイミングだ」
ストーム1は間髪入れずビーコンガンを構え、敵陣に照射開始。 また何かしらが投射されてくるんだろうな。
ただ照射を続けている間は無防備。 その間は歩兵が援護しないといけない。 つまりワイらの出番。
「確かに、英雄にも援護は必要っすね」
フルオート、弾幕を張りストーム1を援護。
弾幕が形成され、ラプチャーの勢いが鈍る。 その隙にピナちゃんやドロシー、ラプンツェルが押していった。
戦場の旋律、ドラム奏者の重要性である。
こういう時ほど、重機関銃射手のワイは存在意義が示せて嬉しい……そう思うワイはとっくに精神が歪んでいるのかも知れない。
平和だった昔に、人間の時代に、男に戻りたい筈なのに、今この狂気の演奏に興奮してる節もある。 どこまでも救われないね。
「分かってるな。 偉いぞ」
そんなワイを知らずしてストーム1は褒めてくれた。 量産型を気に掛けてくれるなんて優しいね。 偉そうな口調は偶に傷だけど。
「それで何を要請してるんですか?」
既に信頼してるも、一応聞くドロシー。
答えは無線先が答えた。
『ミサイル発射管、開け!』
「うおっ」
思わず変な声が出ちゃったよ。
ミサイル? ミサイルが飛んでくるの?
まさか街を吹き飛ばせるテンペストか? いや、あんなデカいミサイル、潜水艦が発射出来るとは思えないが。 潜水母艦とやらがどんな見た目か分からんけど。
「ライオニックUA45を要請した」
「えっナニソレは」
ストーム1、説明してくれるのは嬉しいんですけどね、こちとらニケ組はアンタの為に撃ち続けてるの忘れないでね?
「見ていれば分かる」
刹那、連続した爆発音。
ストーム1が照射する先、地平線をなぞるように小型ミサイルが大地に、ラプチャーに突っ込んでいき爆炎が並び始める。
その光景に、ワイらは唖然とするしかなかった。
「おいアレを見ろ!」
防衛線にいた隊員が叫ぶ先、地平線が爆炎になぞられて世界が赤く燃えていく。
それはアークを囲い込む様に巻き起こり、まるで新たな隔壁が立ち並ぶかのよう。 対して隊員とニケのいる防衛線は、唯一の安全地帯となっている。
「まるで此処は……台風の目だな」
エピメテウスから発射された45機もの小型ミサイル、それをストーム1が上手く誘導した結果だった。
あれだけいたラプチャーは瞬く間に爆炎の壁に噴き上げられ、物言わぬ鉄屑に。 レーダー上では敵表示が湯水の如く消されていくのが分かる。
「なんて火力してやがる……」
「ストーム1の力か、これが?」
「凄い……あれだけの敵を排除するなんて」
茫然とする兵士たち。
紅蓮とスノーも例に漏れない。
「強いな?」
「ああ」
やっとそれだけ言った。
ストーム1を見て、改めて分かった。
彼を敵に回してはいけない、という事が。
原作に戻らないとですね……
更新常に未定