指定座標のラプチャーに先制攻撃
今回のあらすじ
巨大エレベーター破壊
話数引っ張り過ぎなので、巻かないと……でも結局この始末⭐︎
それとゲーム中の台詞をまんま引用し過ぎるのも良くないと思い、深く意識しない部分もあります(今更感
現場に足を運ぶも、壊れ掛けのラプチャーが弱々しく赤色灯を点滅させるばかり。
ラプチャーに情けを掛ける気もないので、皆で掃射し、紅蓮は介錯して帰還した。
『指定座標のラプチャーの殲滅を確認しました。 流石ゴッデス、お見事です』
「やったのはストーム1だがね」
アークとの通信中、紅蓮は不満気に口を挟んだ。
正史だと紅蓮がスパパッと斬り伏せたんだけどね、今回は空軍の力で速攻であった。
正史でも文句言うんだけどね。
この程度で終わりか、物足りんみたいな。
強者の言う事は違うね、ワイら量産型も言ってみたいよ。 本当に言ったら死亡フラグが立つから言いたくないけど。
『ストーム1? 伝説の兵士がそこに?』
オスワルドが無線越しに反応。
これは記憶にないな、当たり前だが。
「過去の栄光だ。 今は女神様の相伴に預るよ」
で、ご本人は様式美ともいえる返答。
対する反応も似たものだった。
『御謙遜を。 先の大戦を勝利に導き、今次大戦においては開戦初期、ニケ投入前の2年間から多くの戦果を上げられたではありませんか』
「今回は5年で済みそうにない」
暗く言うストーム1。
ここでいう5年というのは、プライマーとの戦争期間の話である。
けれどタイムリープを繰り返した彼からすれば、50、100年も続いたツライさん。
それを真に理解するは行方不明のプロフェッサーなる者だけだ。 上層部やワイとピナちゃんは情報として知るばかり。 理解者、記憶する者がいないのもツライさん。
それも更に100年経てば、曖昧にしか伝わっていない。 伝わるだけマシだろうが、風化は否めなかった。
ワイらは何度タイムリープをするのか。
その中で成功を掴めるのか、分からない。
『……そうですね。 ですが皆に希望を与えたのは事実です。 人類は地下へ逃れましたが、未来を託す場を得ました。 改めて感謝致します』
「安心するのはまだ早い。 あとエレベーターの破壊が残っている。 それと、封鎖までの防衛だ」
『はい。 封鎖まで持ち堪えられるよう、エレベーターで最後の支援物資を送ります。 受け取った後、破壊をお願いします』
「了解した」
通信を終えるストーム1。
なんか、いつの間にか仕切って部隊長になっているんだが、誰も何も言わない。
逆らう気はないし、理由もないが。
これがカリスマ性ってヤツなの?
「聞いた通りだ。 行こう」
人使いが荒い気がするが、やっぱ逆らう気は起きないんだよなぁ。
けれど一応質問程度はする代行のドロシー。
「今からですか?」
「支援物資は早く回収したい。 特に飯は」
それはそう。
理論上、コア動力で活動出来るニケだけなら兎も角、EDF隊員は人間だし、飯食わなきゃ飢えてしまう。
ドロシー達第1世代も脳にカロリーを送らないといけないらしいので、やっぱその意味でも生きるのに必要な事は多い。
「……昔、そうした問題に見舞われた」
経験者が言うと深く重い。
戦争は銃火器だけでやっていけんのである。
軍隊は胃袋で動く、という言葉がある様に。
「そうですね、私達だけじゃありませんから。 隊員の皆様の為にも行動しましょう」
ラプンツェルは理解を示すと、釣られて紅蓮も同意した。 内容は彼女らしいものだったが。
「そうだな。 酒もあるやも知れんし」
「紅蓮、真っ先に浮かぶは酒ですか」
即ドロシーからツッコミを受ける紅蓮。
全盛期からこんな調子だったのかな?
「まぁ、これは本能みたいなものだ」
誤魔化す様に笑うが、責める気もない。
楽しみなんて僅かに飲食だ、それすら奪いたくはない。 時と場を選んで欲しいだけで。
「では出発。 メンバーはドロシーとツライとピナだ。 良いな?」
「アッハイ」
「ラジャー」
断れないモノに了解を取るやり方嫌い。
後で問題になっても、飽くまで本人の意思で来たとか、向こうが勝手にやったとするクソ野郎がいるから。
まぁ、ストーム1は多分、そんな事しない。
そうした信頼をさせてくるのも狡いと思った。
輸送機を呼べるからと、ストーム1は赤い発煙筒を投擲、また何かを要請する。
空から落下してきたコンテナからは、武装装甲車両が出てきた。 これで移動するってさ。
「ニケや物資を載せる都合も考慮し、資源回収班が使用しているモノより、パワーがあるRZタイプを要請。 砲身は連射砲、弾丸は貫通力が高く、ラプチャーにも有効だ」
説明されてもチンプンカンプンだが、つまり他より高級品である事は分かった。
「流石、英雄の待遇は違うっスね」
「ちょっとツライ、失礼だよ」
ピナちゃんに咎められるも、仕方ないやん。
この待遇が他も受けられるなら、どれだけ助かった事だろうか。
いや良いのよ、楽できるなら。
ワイが砲塔代わりに乗り出す事もないし。
「分かるよ、その気持ち」
ストーム1は怒るでもなく、淡々と返す。
寛容な人だ、アークの指揮官も見習って♡
「軍曹の部下にも似た事を言われたもんだ」
「へぇ?」
「専用EMCが用意された際に小言を言われたよ、壊した際も言われた。 1台1億ドル以上の高級品だったからな。 それを何台も壊したもんだ」
懐かしむストーム1だけど、ワイ的にはえぇ……である。 余程激しい戦闘だったんだろうけどさ。
各自、準備して乗車しながらも、ドロシーは好意的に接した。 高慢な態度が和らぎ、心境に変化が見られる……気がする。
「ですが、それだけ大役を任されたのですね」
「荷が重かったが。 大掛かりな作戦だったからな、弱音を吐く訳にもいかなかった」
最後にストーム1が運転席に乗り込み、エンジンの振動が響き渡ると、動き始める輸送車両。
兵員室からは僅かなスリットから覗くしか景色を感じられないが、これはこれで安心感があるのかも知れない。
窓が大きいと、その分装甲面積が小さくなるし、兵士によっては戦場の光景に緊張感が増してしまうだろうから。 特にワイみたいな小心者は。
結局は戦場で降車する事になるにしても、緊張感までフルスピードで駆け抜けるのは嫌かもだし。
「それに期待してる奴もいた。 頼ってくれる仲間がいた。 俺には出来る事があった。 出来る事を精一杯やって、足掻いて、喰らい付いて、犠牲の果てに漸く達成だ」
ストーム1の言葉を黙々と聞くワイら。
煩いエンジン音、不整地を走る故の不快な振動も、何処か遠くの事の様。
「今回も出来る事をやる。 それだけだ」
語りを締める頃には巨大エレベーターの前。
トーチカの様な建造物に大きな隔壁があり、横に小さくパネルの灯が宿っている。
停車すれども、エンジンはそのまま。 緊急事、即時出発出来る様にだった。
「全員降車。 物資を確認、食糧を優先して積み込む。 残りは資源回収班に手伝ってもらう。 終了後、工兵にCA工作爆弾を設置して貰い爆破する。 連絡は俺に任せてくれ」
「……英雄が荷役っすか?」
ワイが相変わらず甘えて軽口を言えば、ストーム1は同じ事を繰り返すのみ。
「出来る事をする。 それだけだ」
大層な事で。 ケッ。
「そうですね……私も学ばせて貰います」
ドロシーも進んで前に行く。
こう……上に頑張られちゃうとさ、ワイら量産型は倍働く気でいかんと駄目じゃね?
「ドロシー様、大きな荷物は共に運びましょう」
「ピナ?」
「量産型は戦闘じゃ頼り無いかも知れませんが、こういう時こそ存分にお役立て下さい」
「ありがとうございます」
ピナちゃんまで……いや、ピナちゃんは元から従順な節があるからね。
でもストーム1の言葉も影響がゼロではない筈。
「わ、ワイも手伝いますって!」
「おっ?」
くそっ、フルフェイスヘルメットの下で絶対笑っとるやん、声色的にも!
やりゃ良いんでしょ、やりゃ!
でなきゃ仲間外れやん、ワレェ!
「ストーム1は人間だし、特別若くないし! ワイがいなきゃ腰ヤッちゃいますよ!」
せめての抵抗に悪口を混ぜつつ言うも、彼は優し気な口調で頭を撫でてくるのだ。
「助かる、ありがとう」
少なくともワイは影響喰らっとる。
撫でられ悔しくて、なのに嬉しかったから。
「〜〜ッ! 荷物の中に機関銃に使えるオプションパーツないかな!?」
「無理するな。 顔赤いぞ?」
「あら。 本当ですね」
「煽るな! ワザとッスね!?」
ストーム1は揶揄い、ドロシーは悪い笑み。
照れ隠しを看破され、ズケズケ心を擽る彼。
ざけっ……ふざけっ……ふぅー!?
「記憶より物資が多いから、あるかもね?」
ピナちゃんが助け舟というか、声を掛けてきた。
うっし、ここは下ネタを投下して揶揄い返しつつ、茶を濁して話題をズラす!
「アッ野郎もいるからゴムキャップもある?」
「急にナニ言ってるの!? 仇で返す気!?」
「ヤダなぁ、ピナちゃんのえっち! ナニ想像したの? ワイが言うたんは銃口に泥が入らないようにするカバーなんだけどなぁ!?」
「言い訳聞き苦しいよ!?」
仕事しつつキャーキャー言っとけば、怒られるなりして真面目モードになるだろう。
そしてワイの醜態を揉み消す、そう目論むも。
「……ストーム1に惚れるのは分かりますが」
ドロシーが爆弾を投下しやがった!?
事態悪化! それこそザケンなよ!?
「えっ……そうなんだ。 ふーん……」
「違ェよ!?」
ピナちゃんが目から光彩を消しつつ言った!
一方、ストーム1はイケボで対応。
「こんな老ぼれより、もっと良い人がいるさ」
「アンタはそこまで歳取ってねぇだろ!?」
「ああ、やはりそうでしたか……」
「ドロシー様は揶揄ってるのかマジで言ってるのか分かんねぇけど、勘違いだと言っておく!」
テメェらザケンなよ、いつかコロスぞ!?
ワイの中身は男なんだよ、そんなクロス棒はワイには無理! 拒絶、マジ勘弁、想像するだけで吐き気を催す邪悪だわ!!
「なんでや……なんで、こない事に……」
「絶望は何の役にも立たないぞ、若人よ」
喧しいわ!
更新常に未定