脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
指定座標のラプチャーに先制攻撃

今回のあらすじ
巨大エレベーター破壊

話数引っ張り過ぎなので、巻かないと……でも結局この始末⭐︎
それとゲーム中の台詞をまんま引用し過ぎるのも良くないと思い、深く意識しない部分もあります(今更感


32.物資受取

現場に足を運ぶも、壊れ掛けのラプチャーが弱々しく赤色灯を点滅させるばかり。

ラプチャーに情けを掛ける気もないので、皆で掃射し、紅蓮は介錯して帰還した。

 

 

『指定座標のラプチャーの殲滅を確認しました。 流石ゴッデス、お見事です』

 

「やったのはストーム1だがね」

 

 

アークとの通信中、紅蓮は不満気に口を挟んだ。

正史だと紅蓮がスパパッと斬り伏せたんだけどね、今回は空軍の力で速攻であった。

 

正史でも文句言うんだけどね。

この程度で終わりか、物足りんみたいな。

 

強者の言う事は違うね、ワイら量産型も言ってみたいよ。 本当に言ったら死亡フラグが立つから言いたくないけど。

 

 

『ストーム1? 伝説の兵士がそこに?』

 

 

オスワルドが無線越しに反応。

これは記憶にないな、当たり前だが。

 

 

「過去の栄光だ。 今は女神様の相伴に預るよ」

 

 

で、ご本人は様式美ともいえる返答。

対する反応も似たものだった。

 

 

『御謙遜を。 先の大戦を勝利に導き、今次大戦においては開戦初期、ニケ投入前の2年間から多くの戦果を上げられたではありませんか』

 

「今回は5年で済みそうにない」

 

 

暗く言うストーム1。

ここでいう5年というのは、プライマーとの戦争期間の話である。

 

けれどタイムリープを繰り返した彼からすれば、50、100年も続いたツライさん。

それを真に理解するは行方不明のプロフェッサーなる者だけだ。 上層部やワイとピナちゃんは情報として知るばかり。 理解者、記憶する者がいないのもツライさん。

それも更に100年経てば、曖昧にしか伝わっていない。 伝わるだけマシだろうが、風化は否めなかった。

 

ワイらは何度タイムリープをするのか。

その中で成功を掴めるのか、分からない。

 

 

『……そうですね。 ですが皆に希望を与えたのは事実です。 人類は地下へ逃れましたが、未来を託す場を得ました。 改めて感謝致します』

 

「安心するのはまだ早い。 あとエレベーターの破壊が残っている。 それと、封鎖までの防衛だ」

 

『はい。 封鎖まで持ち堪えられるよう、エレベーターで最後の支援物資を送ります。 受け取った後、破壊をお願いします』

 

「了解した」

 

 

通信を終えるストーム1。

なんか、いつの間にか仕切って部隊長になっているんだが、誰も何も言わない。

 

逆らう気はないし、理由もないが。

これがカリスマ性ってヤツなの?

 

 

「聞いた通りだ。 行こう」

 

 

人使いが荒い気がするが、やっぱ逆らう気は起きないんだよなぁ。

けれど一応質問程度はする代行のドロシー。

 

 

「今からですか?」

 

「支援物資は早く回収したい。 特に飯は」

 

 

それはそう。

理論上、コア動力で活動出来るニケだけなら兎も角、EDF隊員は人間だし、飯食わなきゃ飢えてしまう。

ドロシー達第1世代も脳にカロリーを送らないといけないらしいので、やっぱその意味でも生きるのに必要な事は多い。

 

 

「……昔、そうした問題に見舞われた」

 

 

経験者が言うと深く重い。

戦争は銃火器だけでやっていけんのである。

軍隊は胃袋で動く、という言葉がある様に。

 

 

「そうですね、私達だけじゃありませんから。 隊員の皆様の為にも行動しましょう」

 

 

ラプンツェルは理解を示すと、釣られて紅蓮も同意した。 内容は彼女らしいものだったが。

 

 

「そうだな。 酒もあるやも知れんし」

 

「紅蓮、真っ先に浮かぶは酒ですか」

 

 

即ドロシーからツッコミを受ける紅蓮。

全盛期からこんな調子だったのかな?

 

 

「まぁ、これは本能みたいなものだ」

 

 

誤魔化す様に笑うが、責める気もない。

楽しみなんて僅かに飲食だ、それすら奪いたくはない。 時と場を選んで欲しいだけで。

 

 

「では出発。 メンバーはドロシーとツライとピナだ。 良いな?」

 

「アッハイ」

 

「ラジャー」

 

 

断れないモノに了解を取るやり方嫌い。

後で問題になっても、飽くまで本人の意思で来たとか、向こうが勝手にやったとするクソ野郎がいるから。

 

まぁ、ストーム1は多分、そんな事しない。

そうした信頼をさせてくるのも狡いと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輸送機を呼べるからと、ストーム1は赤い発煙筒を投擲、また何かを要請する。

空から落下してきたコンテナからは、武装装甲車両が出てきた。 これで移動するってさ。

 

 

「ニケや物資を載せる都合も考慮し、資源回収班が使用しているモノより、パワーがあるRZタイプを要請。 砲身は連射砲、弾丸は貫通力が高く、ラプチャーにも有効だ」

 

 

説明されてもチンプンカンプンだが、つまり他より高級品である事は分かった。

 

 

「流石、英雄の待遇は違うっスね」

 

「ちょっとツライ、失礼だよ」

 

 

ピナちゃんに咎められるも、仕方ないやん。

この待遇が他も受けられるなら、どれだけ助かった事だろうか。

 

いや良いのよ、楽できるなら。

ワイが砲塔代わりに乗り出す事もないし。

 

 

「分かるよ、その気持ち」

 

 

ストーム1は怒るでもなく、淡々と返す。

寛容な人だ、アークの指揮官も見習って♡

 

 

「軍曹の部下にも似た事を言われたもんだ」

 

「へぇ?」

 

「専用EMCが用意された際に小言を言われたよ、壊した際も言われた。 1台1億ドル以上の高級品だったからな。 それを何台も壊したもんだ」

 

 

懐かしむストーム1だけど、ワイ的にはえぇ……である。 余程激しい戦闘だったんだろうけどさ。

 

各自、準備して乗車しながらも、ドロシーは好意的に接した。 高慢な態度が和らぎ、心境に変化が見られる……気がする。

 

 

「ですが、それだけ大役を任されたのですね」

 

「荷が重かったが。 大掛かりな作戦だったからな、弱音を吐く訳にもいかなかった」

 

 

最後にストーム1が運転席に乗り込み、エンジンの振動が響き渡ると、動き始める輸送車両。

 

兵員室からは僅かなスリットから覗くしか景色を感じられないが、これはこれで安心感があるのかも知れない。

窓が大きいと、その分装甲面積が小さくなるし、兵士によっては戦場の光景に緊張感が増してしまうだろうから。 特にワイみたいな小心者は。

結局は戦場で降車する事になるにしても、緊張感までフルスピードで駆け抜けるのは嫌かもだし。

 

 

「それに期待してる奴もいた。 頼ってくれる仲間がいた。 俺には出来る事があった。 出来る事を精一杯やって、足掻いて、喰らい付いて、犠牲の果てに漸く達成だ」

 

 

ストーム1の言葉を黙々と聞くワイら。

煩いエンジン音、不整地を走る故の不快な振動も、何処か遠くの事の様。

 

 

「今回も出来る事をやる。 それだけだ」

 

 

語りを締める頃には巨大エレベーターの前。

トーチカの様な建造物に大きな隔壁があり、横に小さくパネルの灯が宿っている。

 

停車すれども、エンジンはそのまま。 緊急事、即時出発出来る様にだった。

 

 

「全員降車。 物資を確認、食糧を優先して積み込む。 残りは資源回収班に手伝ってもらう。 終了後、工兵にCA工作爆弾を設置して貰い爆破する。 連絡は俺に任せてくれ」

 

「……英雄が荷役っすか?」

 

 

ワイが相変わらず甘えて軽口を言えば、ストーム1は同じ事を繰り返すのみ。

 

 

「出来る事をする。 それだけだ」

 

 

大層な事で。 ケッ。

 

 

「そうですね……私も学ばせて貰います」

 

 

ドロシーも進んで前に行く。

こう……上に頑張られちゃうとさ、ワイら量産型は倍働く気でいかんと駄目じゃね?

 

 

「ドロシー様、大きな荷物は共に運びましょう」

 

「ピナ?」

 

「量産型は戦闘じゃ頼り無いかも知れませんが、こういう時こそ存分にお役立て下さい」

 

「ありがとうございます」

 

 

ピナちゃんまで……いや、ピナちゃんは元から従順な節があるからね。

でもストーム1の言葉も影響がゼロではない筈。

 

 

「わ、ワイも手伝いますって!」

 

「おっ?」

 

 

くそっ、フルフェイスヘルメットの下で絶対笑っとるやん、声色的にも!

 

やりゃ良いんでしょ、やりゃ!

でなきゃ仲間外れやん、ワレェ!

 

 

「ストーム1は人間だし、特別若くないし! ワイがいなきゃ腰ヤッちゃいますよ!」

 

 

せめての抵抗に悪口を混ぜつつ言うも、彼は優し気な口調で頭を撫でてくるのだ。

 

 

「助かる、ありがとう」

 

 

少なくともワイは影響喰らっとる。

撫でられ悔しくて、なのに嬉しかったから。

 

 

「〜〜ッ! 荷物の中に機関銃に使えるオプションパーツないかな!?」

 

「無理するな。 顔赤いぞ?」

 

「あら。 本当ですね」

 

「煽るな! ワザとッスね!?」

 

 

ストーム1は揶揄い、ドロシーは悪い笑み。

 

照れ隠しを看破され、ズケズケ心を擽る彼。

ざけっ……ふざけっ……ふぅー!?

 

 

「記憶より物資が多いから、あるかもね?」

 

 

ピナちゃんが助け舟というか、声を掛けてきた。

うっし、ここは下ネタを投下して揶揄い返しつつ、茶を濁して話題をズラす!

 

 

「アッ野郎もいるからゴムキャップもある?」

 

「急にナニ言ってるの!? 仇で返す気!?」

 

「ヤダなぁ、ピナちゃんのえっち! ナニ想像したの? ワイが言うたんは銃口に泥が入らないようにするカバーなんだけどなぁ!?」

 

「言い訳聞き苦しいよ!?」

 

 

仕事しつつキャーキャー言っとけば、怒られるなりして真面目モードになるだろう。

そしてワイの醜態を揉み消す、そう目論むも。

 

 

「……ストーム1に惚れるのは分かりますが」

 

 

ドロシーが爆弾を投下しやがった!?

事態悪化! それこそザケンなよ!?

 

 

「えっ……そうなんだ。 ふーん……」

 

「違ェよ!?」

 

 

ピナちゃんが目から光彩を消しつつ言った!

一方、ストーム1はイケボで対応。

 

 

「こんな老ぼれより、もっと良い人がいるさ」

 

「アンタはそこまで歳取ってねぇだろ!?」

 

「ああ、やはりそうでしたか……」

 

「ドロシー様は揶揄ってるのかマジで言ってるのか分かんねぇけど、勘違いだと言っておく!」

 

 

テメェらザケンなよ、いつかコロスぞ!?

ワイの中身は男なんだよ、そんなクロス棒はワイには無理! 拒絶、マジ勘弁、想像するだけで吐き気を催す邪悪だわ!!

 

 

「なんでや……なんで、こない事に……」

 

「絶望は何の役にも立たないぞ、若人よ」

 

 

喧しいわ!




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