脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
物資分配

今回のあらすじ
EDFのススメ

兵器の設定等な妄想も多分に含みます(今更感
書き直しや現実逃避やニケの設定を見返しては筆が進まぬ中……


34.導入

コンバットフレーム。

EDFの搭乗式強化外骨格。

テロリストとの市街戦を想定し、爆発物から搭乗者を守りつつ、敵を制圧する事が出来るとした二足歩行ロボット。

二足歩行メカの面で、ニケのご先祖扱いされる様になるが、100年経っても改修されながら現役であり続けた。

 

先の大戦ではブイブイ猛威を奮うも、ニケが実戦投入されると、どうしても見比べられてしまう対象になり、小回りの効かなさや被弾面積の大きさ、整備性の問題で旧式だのポンコツだの馬鹿にされる羽目になった不遇の存在でもある。

 

だがその火力は侮れない。

人間サイズのニケでは携行困難な大型火器を複数同時装備出来るし、優秀な姿勢制御で走破性は高く、多くの地形に適応出来た。

 

こうした点を再評価され、随伴歩兵にニケを抱かせてセットで運用する事が理想とされるようになる。

 

最前線から後方まで多くの戦線で活躍。

元々多くのバリエーションの機体や武器を制作していたのもあり、近中遠の交戦距離に対応、対空戦闘もある程度こなせる優秀な兵器であり続けたのだった。

 

だが、ラプチャーの物量に対処出来るほどの機体/弾薬の生産が間に合わず。

激化する戦争で研究や補給線もままならず。

 

それだけでなく、マイナーチェンジの域を抜けず展開力や小回りに問題を抱え続けたコンバットフレームに対し、ラプチャー側の進化が凄まじいのも良くなかった。

 

結局人類は敗北。

以降はアークで細々と製造される程度に。

 

 

 

100年後。

アーク内の起動巡察部隊A.C.P.U.やアーク内テロ鎮圧部隊等にも配備され、治安維持に役立てる。

 

他にも地上のEDFが形を変えながらも運用を続けており、厳しい環境を生き抜くのに活用していた。

トラックの荷台に上半身を載せて無理矢理使用していた、あのアンバランスの奴である。

 

地上に基地を構えているエデンにも、研究用や訓練用に運び込まれている。

 

また少し異なるが、ニケを鉄屑扱いしているミシリスCEOシュエンは、ニケ以上の鉄屑オブ鉄屑扱いしており、結果、ニケへのヘイトが少なくなった副次的効果を齎した。

 

生産は企業に委託。

従来の機体と実弾の生産にはエリシオンが関わり、エイレン型の使用する光学兵器の場合はミシリスが関わる。

テトラは……エンターテイメント系なのでデザインに関わっていたかも知れない。

 

 

 

とにかく。

コンバットフレームはラプチャーとの戦いでも有効な大火力として活躍し続けた。

そんな火力を人間もニケも同様に扱える。 腕次第で大群を翻弄する事も出来る。

操縦方法さえ分かれば、だが。

 

何よりとして二足歩行ロボットは格好良い。

狭いコックピットに所狭しと並ぶ、スイッチや操縦桿、モニターに全て手が届く空間。

ロマンである。 男の子が憧れる何かがある。

 

そんな男の子であったツライさん。

ストーム1が来て消化試合の日々と化した今、余裕のある内に操縦を学びたいと彼に強請る事にしたのであった。

 

話を聞いたストーム1も戦線に余裕がある内にと承諾し、快く教えてくれる事に。

ツライとピナだけでなく、配給時間や大休止に入ったニケや隊員にも訓練を施した。

ただコンバットフレームだけでは偏るからと様々な兵器の取り扱いも学ぶ事になる。

 

そうして束の間の平和の中、量産型は操縦を学び、フェンサーのバックパックを使用した高機動戦闘等を経験しながらも、付け焼き刃的に戦闘技能を拡張。

これによって戦術の幅や戦力が増強、一定の戦果が得られたとして後の世にも影響を与える事になるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで君はフェンサーのバックパックを背負ってるの?」

 

 

ピナちゃんに質問され、ワイは頷いた。

今のワイが背負うは従来のリュックではなく大きなジェットパックの様なフェンサーが使用するモノ。

これは弾帯を格納するマガジンラックの機能だけでなく、スラスターやブースター機能もある背嚢(ランドセル)だから重量は増加、腰や脚への負担は増えたが、ニケにとっては微々たるものだ。

 

あれ、1周目より負担が増加の一途じゃね?

オプションがマイナスになってツライさん。

 

 

「どう? イケてるっしょ!」

 

「うん。 でも使い熟せるの?」

 

 

煽りおってからに。

ここは分からせる必要がありますねぇ!

 

 

「何を言うか。 見とれよ!」

 

 

そう言って、ブースターを蒸して空高くジャンプしてみせた。

こうする事で臨時監視所や遠く全体を見渡す事が出来て、視界を広く確保すると共に射撃に有利なポシジョンを得られるのだ。

 

着地の際、脚を大きく曲げて衝撃を逃しながら大きな砂埃に塗れつつも、ピナちゃんにドヤる。

 

 

「どうよ?」

 

「凄いね。 まさにフェンサーだよ」

 

「せやろ」

 

「でも負担が大きそうだね」

 

「まぁ、ニケはスケルトンじゃねえから」

 

 

それは仕方ない。

腕力の強化と衝撃を吸収する外骨格であるスケルトンは省略しているが、余裕があるなら着用した方が負担は少ない。

けれど、アクチュエーターがワイらニケの反応速度に追いつかないのだ。 手足の自由度が下がってしまい、素早い照準や細かな動きに制限が掛かかってしまう。

下手すると生存率を下げる結果を招く。

そうなるなら、元から戦闘用の身体である己がニケボディにモノを言わせて戦った方が良いと判断。 ワイ以外のベテラン量産型も同じ事を思って敢えてバックパックのみを背負った者が多い。 或いは装着を諦めた。

 

一方ウィングダイバーの飛行ユニットは、ニケの体重を浮かせる程のパワーが無い。

光学武器はバッテリーを内蔵した自立兵器なら使用出来るが、そうしたものは護身の域を抜けず、主力には出来そうにない。

ミシリスやエデンに頼めば、改善の余地がありそうなんだがね。 軽量なのに威力あるから使い勝手が良さそうだから。

 

 

「無理しないでね。 飛べば視界も広がって撃ち下ろす形になるから有利だけど、自由落下中や着地の瞬間は無防備だし、遮蔽物のない空中じゃ格好の的だから。 ウィングダイバーみたいに自由に飛べないし」

 

「分かっとるよ。 もうルーキーちゃうねん」

 

 

その辺は実戦あるのみなんやで。

ニケの標準装備や戦闘データから離脱した試みなんだ、しゃあない。

100年後もコストの面から、EDFの装備がリプライスのニケに導入された事例は少ない。

エリシオンのニケは、生存率や成績が良ければレベルの高い装備が与えられたそうだし、アーク内のテロ鎮圧用にレンジャー装備を所持する事もあったが、それで如何程の影響があったのかワイは詳しくない。

レストアに毛が生えた程度なら、今回も劇的な変化は望めないかも知れないが、やる前から駄目だ無駄だとするのも違う気がする。

 

 

「ただ教えてくれたフェンサーは、べらんめぇな奴ばかり。 習うより慣れろってスタイルだったからなぁ」

 

「だからって訳じゃないけど、私は大地を蹴っていた方が戦い易いかな」

 

「名前負けしとるやんけ」

 

「気の所為だよ」

 

 

得意不得意あるからね、仕方ないね。

訓練期間も短過ぎた。

まるで末期の軍隊みたいだぁ(直喩)。

 

頭に戦闘データや知識がある程度入った状態で生まれるニケであっても、EDF歩兵の動きはレンジャーが主だった。

なのでフェンサーの動きは1から勉強しなければならない。 それとビークルの操作……コンバットフレームについても。

 

 

「コンバットフレーム、どうだった?」

 

 

その件を聞いてみる。

対するピナちゃんは苦笑するばかり。

 

 

「起動シーケンスから学んだけど、それが大変だったかな。 それと跳躍やブースターを吹かしながらの移動や攻撃は慣れないと難しいね」

 

「それな」

 

 

やはりか、皆して似たり寄ったりの意見。

ストーム1は跳躍やブースターを吹かしながらでも攻撃していたが、空間把握能力や操縦テクが高くないと難しいと実感。

何でもそうだが、達人の動きは見た目以上に難しく真似出来ないのであった。

 

 

「思えば、他の隊員が駆る機体が飛び跳ねているのを見た事ねぇや。 つまりそういう事なんだろうさ」

 

「うん。 無理に格好付けない方が無難だね」

 

「やっぱストーム1は別格なんやなって」

 

 

彼は対等に見てくれたが、ワイとしては追うべき背中なんよ。 あいや全兵士にとってそうした存在なのやも。

けども決して超えられぬ壁である。 けれど到達点が目に見えて、それが味方なのは大変頼もしいもんだ。

 

それでもワイはストーム1ではないし、ストーム1はワイではない。 人間とニケ。 英雄と量産型。 別次元の存在だ。

それぞれの身の丈に合った方法がある。

 

 

「色々教えてくれたストーム1や隊員には悪いんだが正直、付け焼き刃を戦場で試すのは手段が無い時にしたいね」

 

「そうだね。 私達は100年の間に染み付いた戦い方があるから」

 

「従来のやり方が悪いとは言わないが、新しい事は新兵達に任せる」

 

 

悪く言えば責任の押し付けであるが。

新しい事は若人の方が得意そうだ。

一応ワイらも努力はするが、期待するなよ。

 

 

「でもやり方さえ分かれば、ストーム1がいなくても教える事は出来るから」

 

「……100年後とかな」

 

「そう暗くならないで。 別れは何れ来るんだ」

 

 

現実的だね。

変に励まされるより優しいと思う。

 

 

「……例え話だが。 エデンに来た新星、ヨハンみたいに機械化するか、ワイみたいにニケ化すれば希望を引き継げるんじゃないか?」

 

「悪い冗談だね」

 

 

目を細めるピナちゃん。

嗚呼、異常者を見る様に責めるなよ。

 

 

「例えの話だよ。 そう、飽くまでも」

 

「……ニケは彼のバトルデータを参考にしていそうだから、その意味では既に引き継いでいるんじゃないかな」

 

 

眉唾物だけどな。

だって彼の戦い方、滅茶苦茶じゃん。 100年後にもそんなニケは聞いた事ねぇや。

 

まぁでも抑制してたり、一部はそうかも。

希望は潰えてないとしたい。

 

 

「もしそうならニケの父とも言えるか……アレ、コンバットフレームが先祖でストーム1が父って、ややこしくね?」

 

「君としては父より夫の方が良いもんね」

 

 

ピナちゃんニヤニヤ。

しつこいんやけど、誰か助けて。

 

 

「もうその話やめろって……」

 

「そう言う君は、自分を男だなんだって言い続けてきたじゃない」

 

「謝るから、な?」

 

「恨みは怖いんだよ。 知ってるでしょ?」

 

 

ああ、うん。 知ってる。

アークに裏切られたドロシー様の恨み節は聞いていてツライさんでした。

今回は多そうだな。 ピナちゃん含めて生存者多いから。 ピナちゃんの場合は違う意味も含まれそうだが。

 

 

「勘弁してくれよ……」

 

 

ワイはボヤくのみ。

白旗振ってもね、攻撃をやめてくれる保証はないのよ。 ラプチャーもだが。

 

故に戦いは続くよ何処までも。

ほんまツライさんですわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーク防衛線における戦闘記録は通信越しに断片的ながら回収される。

ニケがフェンサーのランドセルを使用した立体機動や、コンバットフレーム他ビークルの操縦等のデータは一定の評価を得た。

 

100年後、成績優良者は任意で装備でき、コンバットフレームやビークルも改修されてニケの搭乗が許可される様になる。

並んで支援要請も許可され始めるとニケの生存率や作戦成功率が上昇。

更なる支援を円滑にする為に地上残存戦力……レジスタンス、残地諜者との連携を保つ様になると、地上に点々とした拠点、ベースが活用されるように。

 

防衛線とまではいかないが、ゲリラ戦を散発的に展開する事でラプチャーを翻弄し、アークへの危険性を下げる結果を生む。

 

この結果を得て、アーク管理AIのエニックは正史と異なる判断を下す事となるのだった……。




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