脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
紅蓮と酒

今回のあらすじ
腹ペコホワイト

メンバーや状況説明で話数が伸びると、エタってメインも進まない気がしたので、程々にと思いつつ。


38.白雪健啖

ある日の森の中。

ベースの食糧確保だと、動物用の罠を見に行ったら、スノーホワイトが掛かっていた。

網の中で丸まり、空中に浮く間抜けなホワアアである。 とても熊さんに見えない。 ドーナッツにも見えない。

 

 

「お久しぶりです。 不自然に置かれたレーションに飛び付くとは、腹ペコですね」

「……すまない。 降ろしてくれると嬉しい」

 

 

そう言うもんだから、素直に降ろしてやる。

そんで礼の1つでも言うかと思えば。

 

 

「これは食べても良いだろうか」

「スノホワ様、食への執着は相変わらずで」

 

 

この始末。 怒る気にもなれない。

いや、変わらない雰囲気に喜ぶべき?

 

 

「……駄目か?」

 

 

なんでそこで間違いに気付かず、強請る目で見てくるんだよ。 クール型がプリティ系にジョブチェンジかよ、可愛いかよ。

 

 

「古いですよ」

「構わない」

「じゃ、どうぞ」

 

 

負けて許可した刹那、レーションが消失。

恐ろしく早い食事、ワイは見逃しちゃったね。

 

 

「ありがとう。 久し振りの栄養摂取だった」

「早過ぎません? 手品っすか?」

「戦闘糧食は短時間で効率的に取れる」

 

 

ああ、そう……でも経口摂取だよね?

人間サイズのお口で平らげたんだよね?

早食い王でも目指してるのかな?

 

 

「開発者も、この早さは想定してねぇかと」

「良い結果だ問題ない。 寧ろ誇って欲しい」

 

 

左様ですか。

貴重な飯をこうもありがたく取られたなら、価値もあったよ。 うん。 その分誰かの腹が減るんやけどな。 特に君の目の前の奴が。

けれどもこれ以上、ツッコミしても仕方ないので話を変える。 罠は再設置だけどな畜生。

 

 

「しかし驚きでした。 北地で雪塗れとばかり」

「私は常時同じエリアにいるとは限らない。 ラプチャーを追う以上、場所は選ばないからな」

 

 

そうか。 そういえばそうだ。

名前や性格、見た目やループの印象で勝手なイメージを押し付けていた。 反省。

 

 

「では、この辺りにラプチャーが?」

「ああ。 だが駆除した。 今は最寄りのベース251に向かうところだった。 食糧を貰えると有難い」

 

 

クールな口調で欲張るね この子!

サバイバルの達人なのに、貰えるなら貰うという無遠慮さ。 腹ペコキャラはブレないんだなおい。 ラプチャーを始末してくれたのは有難いけど。

 

 

「まぁ肉や魚の干物ならありますが」

「多くは望まない……ツライの料理は?」

「なんでも良いなら」

「それは楽しみだ」

 

 

望みまくってるじゃねえかよスノホワさん。

いや良いんだけどね、希望があって。 貪欲なのは問題やけど。

 

1周目は欲深くなかった気がしたんだがなぁ。

やはり歴史改変は成功したのだろうか。

 

 

「……整備もしていくと良いですよ」

 

 

それにしてもと、スノホワを見て言った。

正史通り度重なる戦闘でボロボロで、ラプチャーの部品で己を修理している彼女に。

いずれラプチャーを狩るラプチャーに、心までラプチャー側に染まりそうで おっかない。

もう何十年と寝ると100年目である、それまで平気だと知りつつ、けれど寝返りがありそうで怖い。

 

 

「必要ない。 チェックは終えたばかりだ」

 

 

身体を見られるのが嫌で拒否するも、ワイは食い下がる。 大切な事だから。

 

 

「ストーム1は元整備士だそうですし」

「……ニケの経験が?」

 

 

彼の名を出せば、反応するスノホワ。

やはり偉大な存在は無視出来ない。

 

 

「学びの最中ですが」

「なら自分でやる。 玩具じゃないんだ」

 

 

が、専門じゃないと知るや拒否する。

そりゃそうか。 ニケは精密機械だ。 コンバットフレームとはワケが違う。

それにニケは女の子。 抵抗がある。

ワイは別の意味で未だあるが。

スノホワはクールだが、風呂場の事故でナニかを見る羽目になった時、赤らめていた気がするし。 いくら相手が伝説の英雄でも、男である以上はツライさんなのだろう。

けれどワイは容赦しない。 他のニケを救う為に協力して貰う。 ベースの整備士のレベルが上がれば、ニケの生存率が上がる。 決して裸を見たい訳ではない。 断じてな。 ぐへへ。

 

 

「後学の為、協力して貰えればと。 ワイの飯を食べたんですし、更に食う気ですし」

「……分かった」

 

 

流石に逃げなかった。

少々ズルい言い方だったが、許せ。

 

 

「…………ストーム1になら、許せる」

 

 

スノホワ、そう言って頬を朱色に染める。

うん、ストーム1は罪な男よな。

ワイのような奴でも、名だたるニケも振り回してくれるんだから。 共に十全を歩めない、なんと口惜しい事か。

 

後世にも君臨し続けてはくれまいか、そう願えども現実はやって来る。

ヨハンの様に、一部を機械化してでも生き延びて欲しいが、そこまでの技術は今のベースにはない。

その意味でも、次の機会に備える為にも。

この100年は鍛え直しの期間であり続ける。

 

少なくとも、世界を無駄死にさせずに済む。

ニケもまた、命を貰って生きていく。




薄味気味に。
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