脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
ストーム1突然の死

今回のあらすじ
再走

どう変わったのか。 マリアンはどうなるのか……


チュートリアル'
41.変化した世界


どうもツライです。

2周目になってもヒトカスはクタバレと謳歌する今日この頃。 それでも進展あったかに思えますので、ご報告申し上げますよ。

 

荒廃世界なのは変わりありませんがね。

廃墟と瓦礫の山、喧騒なく寂寥感漂う地上。 ラプチャーが跋扈する中、腹と銃を鳴らし、地球の黄昏共々虚しさ彩るワイら歩兵隊。

けれど自決の勇気は無く、相変わらず希望なき日々を戦い抜いております。 対して地底のアーク人は懺悔や免罪符として鎮魂祭を開催していますが、管理された平和を脅かしてまでワイらに手を差し伸べやしません。 楽園に入れなかったのを負け組だと罵るまである。

誰の為に地上で戦い続けとる思うとるねん地底人どもが。 努力せず与えられた平和に感謝せず自慢してイキリマウント取るなよ。 戦場に放り込んで外の現実分からすぞ屑どもが⚪︎ね(早口

 

けれど周回者のワイとピナちゃんには分かる。 これでも1周目よりマシやと。

アーク人に税金泥棒呼ばわりされつつもアークの支援は細々と続き、人員と装備品が増えたのがそうだ。 お陰で全体の生存率と火力が増している。 皆はひもじい寒い疲れたと草臥れる日々も、何だかんだ生きているのは最大の戦果だ。

 

最も新たな問題もある。

兵員補充要請で来るのは左遷された奴や脱走ニケ、アウターリムのならず者が大半で、装備品は旧式ばかりだった。言う事聞かぬポンコツばかりを押し付けられた感が酷い。

 

アークでも原子光線銃ブレイザーとか量産しているだろうに……とワイが愚痴ったら、ピナちゃん曰く補給や設備がままならず訓練や整備も碌に出来ないから、送るメリットが少ないんじゃと言う。

それは否定出来ない。 けど実弾系にしても良い銃はある。 それに設備や訓練云々述べるなら、アークから技師や教官を送って欲しいね。

 

ある物無い物言うても仕方なし。

使える物は何でも使え。 ストーム1がしていたように、粘って教育を施し、修理をし、使えるようにしてやりくりしていく。

それに生存者が多い事で、その分の戦闘データ、給養員、整備士らの記録や技術が受け継がれ、環境は1周目より改善している。

ニクスワゴンの荷台のガタつきが少なくなって集弾性能が上がり、弾丸と燃料の補給のアテが出来て無理な節約頻度も減り、戦闘力は増した。 歩兵の持つ銃の予備や部品も増えて、整備も出来る様になると、其方も同様に強くなる。

食糧も何とか確保し、美味い飯も作れる様にもなれば、スープだけじゃなく固形物も口に運べる様になって自然と士気も上がった。

隊員のみならずニケも精神は人間だ、美味い物食べて嬉しいのは同じ。 食事大事。

 

そんな中、アークから嬉しいプレゼントも。

グラビス型コンバットフレームだ。

 

ニクス型より歩行システムが旧式で、1つ目な頭部メインカメラに、背中から生えるロッドアンテナ、デザートタンカラーの装甲で覆われた、機動力に問題を抱えるクラシックな機体だ。

けれど重装甲大火力をコンセプトに開発された重戦車のような当機は、脚が撤去されたワゴンより使い易く、拠点防衛やタイヤが駄目になる悪路でも運用が出来たので大変重宝する。

コンバットフレームの操縦も、ストーム1が現役だった頃に教わっていたワイら量産型ニケや、アークから来た者が頑張って思い出して操縦、新世代の隊員とも共有した。

 

武装は両腕にヘビーリボルバーカノン。 放たれるはラプチャーの装甲も貫く大口径の徹甲弾。 それをバーストではなくフルオートで撃ちまくれるようにし、歩兵の火力とは比較にならない威力と弾幕を張れる。

場合によっては片腕のみ装備し、空いた方にショルダーシールドを加工したショートシールドを装備、腹部コックピットを守りつつ射撃するという、フェンサーのような真似も出来るように。

両肩に時限式グレネード弾射出機……は、使い難いのと友軍誤爆の恐れから撤去され、ニクスB型が使用するミサイルポッドが搭載された。

歩行システムの脆弱性を補う為の高出力ジャンプブースターは、スラスターとしても使用出来るよう改造され、突進や、より高度な立体起動が取れるようになる。

 

この辺は現地改修なので安定しないが。

決まった規格はなく、基地ごとに色々な派生が生まれる事になった。 雪山や砂地のある戦線は、間接部に異物が入る事によるトラブルを軽減させる為に、ダクトカバーの様なモノを付けるなど他に無い対策が見られる。

頭部メインカメラの左右にバルガンポッドが取り付けられ、牽制用の武装が追加された機体も見られた。

戦闘だけでなく、塹壕掘りや資材運搬用にマニピュレーターがショベルに換装されたりバックパックがウェポンラックコンテナな機体も生まれる。 悪く言えば共食い整備で失ったパーツを別の物で代替しているだけとも取れるけど。

それらも整備技術等が受け継がれた事で成し得た1つの結果といえた。 鼻が高い。 ワイらが直接やった訳じゃないが、ワイらが行動した事でここまで変化を与えられたのが分かったから。

 

ポンコツを寄越してくるアークの事なので、グラビス型はいらない子認定なのだろう。 市内の治安維持にしてもニクス型やエイレン型があるので十分なのだ。

比較すると確かに、グラビスは見た目が格好良いばかりで性能は微妙。 運用するメリットがない。

装甲も古く、ラプチャー相手には頼りない虚仮威しだ。 けれど捨てるには惜しいからと地上のワイらに押し付けたとみた。

常に資源に喘ぐ地上部隊からすれば有難く受け取る話だが。 ゴミ捨て場のアウターリムにも放れない危険物の処理を地上部隊に押し付けてる感も否めないが、使い道がある内は上等である。

 

……ゴミ処理に税金が如何程賭けられてる?

なんかワイらの為だと予算組む口実作って、その金を悪事に使ってない?

あいや、政治なんてサッパリだし、現場はそれどころじゃないし、実際どうなのか分からんけど。 事実がどうあれワイには関係ない。

 

結局、人は変わらない。

諸悪の根源なんて便利な物は無い。

 

程よく諦観し、期待せず生きていく。

それが人生を少しでも楽にするコツだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今。

 

 

「やぁピナちゃん達。 ベース251へようこそ!」

 

 

男なのに量産型ニケにされたヤツと、型番は違うけど同じく量産型のピナがベース251へやってきた。

入口の丈夫な隔壁が何枚も開き、地下へと降りて行けば出迎えてくれた複数の人間の兵士───背負う通信機や被るヘルメットはボロボロだけど本人らは快活───に敬礼する。

 

アークを守り抜いてから軽く半世紀以上の出来事だった。

 

 

「アーク監視所から定期連絡。 本日も異常ありませんでした」

「ありがとう。 まさか伝令で直接とはね。 エブラ粒子が濃い訳でもなく」

「丁度巡回時間で。 近くに寄ったついでに」

「そうか、こんな可愛い子の訪問はいつでも大歓迎だ。 疲れたろう。 酒を1杯どう?」

「気持ちだけ受け取ります」

「じゃあワイがピナちゃんの分も飲みます」

「駄目でしょ。 全くもう……紅蓮様だって自重……しないよね」

「はっはっはっ! 隙あらば呑む人だからね!」

 

 

記憶通り251は、EDFは緩いまま。

粗悪な環境に置かれているのに皆明るく、アークから来るニケも受け入れてくれる。

アークでは差別されるニケだが、戦場でもあるこっち側が、EDFの皆が好きだ。

 

 

「酔っ払う勢いで医療用まで手を出さないで欲しいですがね、マジで」

「うん、ニケとはいえね……」

 

 

ピナ共々呆れつつ、けれど笑みを浮かべた。

 

ここにいる間くらいは、気を緩めて良い。

EDFは、そう思わせてくれる。

ストーム1亡き後でも……。

 

 

「むっ」

 

 

が、そんな彼女達を叩く様に無線連絡。

切羽詰まった、ノイズ混じりの慌てた声だ。

 

 

『───BA-01、指定座標に到達!』

「なんだって?」「無線?」

「しっ」

 

 

突如、無線機からノイズ混じりの声が届く。

ヘラヘラしていた通信兵が一転、真面目な顔になると、人差し指を添えて見せ、そのまま上に向けるとクルクルと何かを合図。 周囲は静かになりつつ、特殊小銃ミニオンバスターを抱き寄せ無線機に耳を澄ませ始める。

 

 

「……中央政府ニケ管理部絡みだ」

「誰であれ助けが必要なら行くだけだ」

「俺らも使う回線だ。 つまりそういう事だ」

「座標特定急ぎます。 そう遠くないかと」

「此方から繋がるか試してくれ」

「宛は俺たち全体か。 可愛いお嬢ちゃんの援護に行かないとな」

 

 

ガチャガチャガチャ。

 

周囲の兵士達が動き始め、装備を整え始める。

先程の空気とは違う。 見慣れた歴戦の戦士だ。

その姿にワイらも倣って声を出す。

 

 

「私たちも行きます」「激しく同意」

「有り難いが、仕事は大丈夫かい?」

「これが仕事ですから」「だね」

「分かった、君らがいるのは頼もしい!」

 

 

やがて迷彩服と帽子を被った軽装の者、ひび割れヘルメットをかぶる者、何かの補助装備を身に纏う者が整列。 その中には量産型の姿も見られる。

雰囲気的に歴戦だ。 もしかしたらアークガーディアン作戦からいるのかもな。

 

 

「隊長、準備整いました」

「よし出発。 無線の内容を確かめ、必要なら援護する。 今回はツライとピナが協力してくれるぞ。 野郎どもは足を引っ張るなよ!」

「「イエッサー!!」」

 

 

照れ臭そうなピナちゃん。

ワイとしては皆の荷物にならんか不安。

 

 

 

この様にEDFの戦いは未だ続く。

この先の世界は、誰にも分からない。




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