脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
胸囲の格差

今回のあらすじ
プロフェッサーの痕跡

現在ヨハンとセシルの過去は不明ですし
メインストーリーとは別の路線ですが
進められたら良いなと思いつつ
情報に誤りあれば、やんわり指摘願います


54.ブレインストーム

 

 

「揃いましたか」

 

 

呼ばれて飛び出てセシルの研究室へ。

ピナちゃんも来室しており目が合った。

 

 

「ピナちゃんも呼ばれたん?」

 

「うん。 この件は私も関わってるから」

 

 

そらそうか。

居ないとおかしいもんな。

寧ろ居なかったらどうしようかと。

ワイ、伝言ゲームは苦手やから。

後で伝えておいて系はミスを誘発すんよ。

だから成る可く共にいたい系民のワイ。

 

もし他の人に伝えなきゃいけない場合でも、2人いれば互いに補完し合えるからな。

油断してると一緒になってミスるが。

その点、ピナちゃんは真面目だから助かる。

一言一句狂いなくは無理でも要点は抑える。

これ、意外と難しいんや。

少なくとも馬鹿なワイにはな。

 

 

「では、分かった事を伝えます」

 

 

セシルが司会し、姿勢を改める。

ナニを言われるかと身構えるも、内容は拍子抜けのスカスカであった。

 

 

「貴女達の追っているプロフェッサーは、予想通り研究所に出入りしていました。

当時に研究開発されていたフェアリーテールモデル6号機シンデレラと武装であるガラスの靴の能力試験に立ち会おうとしていた様ですね。

ですが以降の記録が無い事からベース251のデータと照会、その通りなら……。

ラボはラプチャーの襲撃を受け壊滅。

生存者ゼロとの事なので、おそらくはプロフェッサーも死亡したかと思われます」

 

「それだけっすか?」

 

「それだけです」

 

 

えぇ……ワイらの予想通りやん。

てか、そのまんま過ぎて何も分かっとらん!

研究資料とか、重要そうなの無いんかい!?

 

 

「以上です。 私も忙しいので退室願います」

 

「あの、セシルさん!

リングについては、何も?」

 

 

ピナちゃんが挙手して食い下がるも、セシルは表情変えず首を横に振るだけ。

 

 

「搬入履歴に、それらしき記録があるだけです。

詳細は簡略化の為、いえ、意図的に伏せられていたので、そういう事でしょう」

 

「では"直接会いに行く"しか?」

 

 

一瞬の静寂。

タイムリープ。 リスクある行為やから。

 

 

「……正直その方法はお薦めしません。

量産型2人だけで行くとはいえ、未来に与える影響は未知数です。

貴女達の身の危険に留まらず、事態は悪い方向へ向かう可能性もあります。

リング自体、どの様な構造かも不明です。

貴女達の話を鵜呑みにするなら、NIMPH以上に不安定で危険な存在ですらあります。

私が貴女なら、使用は非常時に限定し、それまでは構造の調査や使用方法の確立を目指しますが」

 

 

言わんとしてる事は分かる。

でも、ここで変に頑固になるは反骨精神か。

 

 

「ニケやらNIMPHやら、意味分からん技術を100年使い回して今更ナニ言うてんねん。

リングを潜るリスクは経験済みのワイらが承知や。

結果、世界が微妙に変化したのも理解しとる。

それに……地上が荒廃してる有様より酷い状況になる事ってあるかいな」

 

「世界の責任をたった2人で背負うと?

傲慢過ぎますね。 ループの記憶を保持出来るのが貴女達だけだから、エデンが、人類がどうなろうと責任逃れを幾らでも出来るからでしょうか。

……その気になれば貴女達を拘束出来ます。

それでもタイムリープを続けるつもりで?」

 

「転機が必要なんや。

……このまま終わるよりマシやろ」

 

「何故そこまで?」

 

 

なんでやろな。

人間時代から酷い目に遭っとるのに。

差別、偏見、貧富、騙し合い、怒鳴り声。

ヒトカス滅んでまえ! なんて何度思ったか。

 

 

「それでも」

 

 

ピナちゃんがジッとワイを見守る。

たぶん、それでもと。

おおよそ……皆の気持ちは一緒やから。

 

 

「希望は必要や。 せやろ?」

 

 

打算もなく感情論の様なソレを翳す。

そう言えば許される便利な免罪符の様に。

頭の悪い者が都合良く使える道具の様に。

 

そんな情けないワイに、セシルは溜息。

溜息を交えながらも……口を開く。

 

 

「ヨハンや皆には黙っておきます。

私も聞かなかった事にします」

 

「ありがとう」

 

 

放逐された。

セシルがワイらを、この世界をどう思って生きているかは分からないが。

先ずは前進したものと見て宜しいですね?

 

 

「ですが2人だけというのは不安です」

 

 

セシルはナニかを付け加えようとしてきた。

どうするというのか。

よもや新たな従者か?

せやけどタイムリープは、今の所その時々のワイらに未来の記憶を持って憑依するようなものやから、過去に存在しない者は使用出来ないと愚行しとる。

簡単に言えば、少なくとも生まれる前の時間軸には飛べないみたいな感じ。

それはセシルにも伝わっていると思う。

であれば、ワイら以上の古参ニケがトモに?

 

などと思考していたワイ、ホントバカ。

 

 

「ストーム1を連れて行って下さい。

正確には脳ですが」

 

 

ドンッ、と渡されるブレインシェルター。

えぇ……となるは勿論ワイ。

 

 

「は? えっ!?」

 

「困惑も無理ないでしょう。

伝えてませんでしたから。

簡単に説明しますと、ストーム1がエデンに運ばれた後、脳を摘出しました。

卓越した戦闘データを抽出し、ニケやエデンの発展に活かす為に。

分析は後回しですが、データは ふんだんに採取出来ました。 脳が用済みという訳ではありませんが……脳を持って刻を遡れば、今の記憶を過去のストーム1に送れるかも知れません。

貴女と同じ様な、不明瞭な希望的観測をするのは癪に障りますが、試す価値はあります。

100年後、そちらの世界線の私に結果をお伝え下さい。 幸運を祈ってます」

 

 

ぺらぺーら。 ぺーら。

セシルの言ってる事が頭に入らんのやけど。

えっえっ、どういうこと?

 

混乱するワイ。

収めるは隣のデスピナちゃん。

わっるい笑顔を浮かべ、耳元で囁くのだ。

 

 

「つまり夫婦で時間旅行ってコトだよ」

 

 

───脳を落とさなかったワイを誰か褒めて?




更新常に未定

これでずっと一緒だね(病
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