脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
口約束

今回のあらすじ
アークでの悪足掻き

堂々巡りになりつつ……
歴史改変の努力を見せねば
メインストーリーも絡みたかったり

作者は知識に疎く、知略、技術的な話、理屈付けは苦手です。 その為、見苦しい言い訳や妄言、矛盾が多分に含まれる恐れがあります。 今更ながらご了承下さい。


step-by-step
68.陰の努力


ラプチャーとは何者なのか。

どこで作られ、どこから来るのか。

 

目的は。 正体は。

 

私達は、未だ答えを得られない。

 

人間より遥かに優れ、EDFを圧倒する技術と軍事力を保有しながら、なぜ核兵器のような大量破壊兵器を使用しない?

 

アークの位置を知っても、掘り返してこない。

 

赤道付近に点在するシャトル発射場やリニアキャノンを破壊、大気圏外への迎撃機能を封じたかにみせて、軌道エレベーターは敢えて残したままにする。

 

徹底的な様で、一貫性がない。

 

奴らは一体、何がしたい?

 

 

「奴等は何の為に人類を攻撃する?

必ず理由がある。 必ず……」

 

 

未来の火星人であるプライマーが、わざわざ時間を遡ってまで地球人を滅ぼす理由があった様に、ラプチャーも無意味に侵攻している訳ではない筈だ。

 

何にせよ、地下で唸っても始まらない。

次周に希望のバトンを渡す為にも、それをラプチャーに奪われない為にも、地底人になれたと甘んじている暇は無い。

次周に向けた計画とデータ収集が必要だ。

 

 

「手掛かりは軌道エレベーター、か。

今の人類には麓に行く力すらない。

だが過去の、開戦初期ならば……」

 

 

プロフェッサーは眼鏡を光らせながらも、薄暗い研究室で、モニター越しに図面を引き続ける。

先の大戦同様、新兵器を設計しなければ。

開戦時、初動の遅れだけでなく、兵器の質でも遅れを取ったのだ。

過去に未来の設計や戦略を持ち込めれば、何かしらの進展を期待出来る。

マイナーチェンジの域を抜けずとも構わない。

相手をするのは今の進化したラプチャーではなく、進化前の原初のラプチャーなのだから。

 

あまりに時代錯誤な新技術を敵に見せてしまうと、敵の賦活に繋がるが……それはプライマー相手にもそうだった。

だが、それくらいの事を恐れていては何も解決しないのは知り得ている。

やるだけだ。 やらずに終わるより良い。

 

 

「……技術の進歩は待ってはくれない。

敵も味方も、な」

 

 

ニケといい脳のディープスキャンといい。

技術は時として倫理を犠牲に発展してきた。

ラプチャーも同様に出来る。

そう捉えるべきだ。

ひとたび捕縛されてしまえば、最悪は脳ごと情報を抜き取られるだろう。

そうでなくても、口が軽いと困る。

 

特にツライとかいうニケは怪しい。

浮ついているというか、ただ流されている。

長年生きているだけあり、戦闘力は並以上であるものの、自発的に動くタイプではない。

だからか。 ストーム1の側にいるのは。

ニケなのに元男が素材なのも気になるが。

機密情報を守る為にも気を付けて貰いたい。

ピナという、真面目そうな娘がいるといえ。

 

 

「とにかく味方は1人でも多い方が良い。

だが、人類側にも敵はいる……」

 

 

アークを統制し始めた中央政府を思う。

どこまで信用して良いものか、と。

ツライとピナがタイムリープするキッカケになったというニケ、マリアンの侵食経路の疑惑もある。

アークには、ラプチャーとは別の敵がいる。

そう考えるべきだ。 ツライ話だが。

 

 

「焦りは隠さねばならない。

指定座標に翔べないリングの調整に出向くにも、それなりの準備がいる。

先ずは、この世界線で出来る限り情報を得てから過去に飛びたいところだ」

 

 

技研に次々と図面や論文を送りながらも、プロフェッサーは並列して考え続ける。

 

 

「相棒と私だけの努力では足りない」

 

 

作業に区切りを付け、上に連絡を取る。

極秘裏の通信だ。

 

 

「総司令部に繋いでくれ、参謀と話す」

 

 

平穏の夢見る、鋼鉄の戦争。

奴等に1発喰らわせる。 プライマー同様に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前哨基地。

アークの2階に当たる位置の此処は、地上からの資源輸送コストを抑える為に建設されるも、ラプチャーの襲撃が相次いで放棄されてしまう。

その後、ラピとアニス、ネオンらの分隊であるカウンターズが左遷されてくると、再整備が始まり、基地とは名ばかりのニケの街が出来上がる。

 

この世界線ではEDFが早々に変えた。

中央政府が管理を投げ出してEDFに譲渡したので、すかさず工事開始。

宿舎を建て直し、地上部隊の受け入れ体制を整えると、搬出入用の大型エレベーターで迎え入れ、取り敢えずの処置とした。

 

地上部隊は口約束を履行した総司令部には困惑半分、感謝半分で受け入れ、ベースよりハッキリした家と補給を受領していく事となる。

 

どこからともなくラプチャーが潜り込む為、アークより安全とはいえないものの、地上より遥かにマシだった。

 

政治的都合で正式にアークそのものには降りれないものの、アウターリム経由でコッソリ入る事も叶う。

 

 

 

そんなアウターリムもEDFが手を加える。

正史におけるアウターリムとは、アーク外縁部に広がるスラム街で、元はゴミ捨て場でしかなかった。

ところが、犯罪を犯して市民権を剥奪された者達が自然と集まり、街ができ、子供が生まれ、歓楽街なバッドドリームや裏社会の3大組織や、テロ組織であるエンターヘブンが生まれる1大とも2大ともいえる勢力に膨れ上がる。

無法地帯過ぎて中央政府は匙を投げるが、そこにつけ込む形でEDFが浸透していったのだった。

 

先ず、まだゴミ捨て場の内に行動。

表向き管理所、リサイクルセンターとした施設を建設して活動拠点を確保。

その内にやって来たならず者を労働者として囲い、再教育して戦力を高めた。

 

とはいえ、次から次へと来るゴミと悪ガキ全てを掌握するのは困難で、多少は正史通りの街ができ、裏社会が形成されてしまう。

 

それでもEDFの基盤を初期に築けたのは大きく、中央政府に表立って動けない場合の隠蓑として重宝する事となる。

 

また、セーフネットとしての機能も大きい。

市民権を剥奪され、公共サービスを受けられない人はマトモな職に就かせて貰えない。

 

そんな中でのEDFという選択肢。

これは貴重な働き口である。

 

体力仕事だし、とても危険で、その割に少ない給与だが、衣食住を提供してくれるのだ。

裏社会に堕ちるのに忌避感を持つ者にとっても、裏切りや暴力が当然となるアウターリムにおいて、秩序ある入隊窓口は救いの手であり続けたのだ。

 

そうした存在でいたからか。

ドバン副司令官の傲慢な態度が柔らぎ、何故か親父みたいになったり。

モランが絡んできたり、ロザンナ達と小競り合いが起きたり、サクラと取引が……と、裏との繋がりも出来た。

こうした関係が今後、どのようになるか分からないが、敵対するよりずっと健全なのは間違いない。

 

 

 

また、3企業にも変化があった。

付き合いの長いEDFが政財界の有権者に勧告を出した事で、それぞれが正史以上に活発な活動を始めた。

 

軍需産業で信頼と実績のあるエリシオンは、EDFの提案する新たな実弾兵器群の調整に乗り出し、基礎の底上げを計る。

 

通信、先進技術を開発するミシリス・インダストリーは、技研と共同で光学兵器の発展に取り組んだ。

また、同社に実績のある量産型、プロダクト12、23、その他ニケにオプションパーツを与えて戦力の底上げと自社喧伝を始める。

 

エンターテイメントのテトラは、EDFに対する好意的な宣伝をして貰い、中央政府からの圧力に対抗する力を貸し合う仲となる。

 

流石に時間戦術の件は伏せたが。

その辺、ミシリスが黙っちゃいないだろうし。

特に代変わりでメスガキことシュエンになると、あの我儘にはついていけない。

何故か正史より しおらしいが……。

 

 

 

他にも変化はある。

中央政府軍とEDFで管轄が曖昧だったのをハッキリさせて指揮系統を整備したり、精神主義で粗末な名ばかりの士官学校の教育を強化した。

 

これら悪足掻きをしたEDFだが。

ここでも歴史の修正力というべきか。

新星と呼ばれた優秀な指揮官であるヨハンは、どこぞの上官の冤罪を被されて、ほぼ追放モノになってしまった。

ニケの人権問題も多少軽減した程度で、ゴッデスフォール事件は起きてしまうし、ニケフォビアも存在してしまう。

 

ゴッデスの引き留めにも失敗した。

彼女らは正史通りの活動をし始めてしまう。

彼女らを裏切った中央政府としては、その方が良いだろうが、EDFは逆手に取って脅しのカードに手札に加えたかったところだ。

もう仕方ないが、ストーム1とプロフェッサー以外にも切札はあって困らない。

ツライとピナという、ジョーカーに成り得る人材も見え隠れしている。 今後に期待というところか。

 

 

 

世の中、そう上手くいかないものだ。

改めて痛感する事は多い。

 

地上は広く、終戦への道のりは険しい。

だが歩む他ない。

 

 

「プライマーと同じ轍は踏みたくないものだ」

 

 

参謀は報告書を閉じ、溜息を吐いたのだった。




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