脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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説明したり変化が少なかったり回りくどいのは良くないと思いつつ


6.不穏

どうも。 プロダクト12のツライさんです。

作戦座標を知っているというマリアンが先頭に立って皆を誘導、榴弾や掃射による全滅を避ける為に間隔を開けて前進中。

 

でも途中でポジション変更。

機関銃手がポイントマンだと咄嗟の会敵に対応出来ないし、唯一作戦座標を知っている者が戦死となっては作戦に悪影響だとして、251が先頭になった。

武装的にもその方が良いのもある。 ピナちゃんが持つ散弾銃は、照準が多少ズレても命中弾を見込めるから咄嗟の攻撃に有利だし、そうじゃなくても他の者、アサルトライフルは振り回せる。 レジスタンスの使用する小銃は大抵有り合わせの部品で修理したbroken(壊れた)ライフルでポンコツだけど、足止めくらいの効果は望めるだろう。

 

じゃあ重機関銃射手のワイはって?

銃身長くて近接戦に不利で振り回せず、単銃身だけど暫くトリガーを引いてサイクル安定させないと連射出来ず咄嗟に対応出来ず、背負うバックパックから伸びる弾帯はたっぷりあるのに、銃身1本だから直ぐオーバーヒート起こし、リロードに代わり長いバレルを沢山持ち歩いて交戦中でも交換しなきゃなワイはって?

……弾除け。 いやー、損な役割。

拠点防御なら役立つ武器だけど。

 

それでもやるけどね。 そうして生きてきた。

生前も、脳抜かれてニケにされてからも。

叡智(意味深)な指揮官の理不尽な命令(意味深)から解放されているだけ他のニケより救われている。 逆に喜んでるマゾ豚(♀)さんは考えないものとする。

今はフリーで、ピナちゃんとアーク監視所で過ごしてます。 時々エデンに行きますが。 ドロシー様に顔見せないと怖い目に遭いそうだから。 主にワイ。

 

 

「……ありがとうございます」

 

 

マリアンが礼を述べ、ピナちゃんが答える。

 

 

「構いません。 誰かを守る事は慣れています」

 

「守られるコトもね」

 

「お互い様だね」

 

 

ワイが付け加えるとエヘヘ、と笑い合った。

アークを守り抜いた時からも、その後も何だかんだ ずっと一緒にいて、今もそうで。

そう思えるのは幸せだと思う。

 

 

「仲が良いのね」

 

 

アニスが何処か羨望の眼差し。

良いぞ。 もっと見ろ。 そして脳破壊しろ。

 

 

「2人も251所属なの?」

 

 

ラピが尋ね、ピナちゃん共々首を縦に振る。

 

 

「はい。 今は監視所や前哨基地に詰めています」

 

「で、勝手にやってる。 アークに帰れないから」

 

「帰れない?」

 

 

疑問に思うラピ。

帰れない、というより帰らない、かな。

 

 

「私達はガーディアン作戦の時代からいる古いニケです。 今頃になってアークに入ったら旧式として処分される可能性がありますので」

 

「その運命を受け入れられないから、EDF

のツテで外部の巡回、連絡任務用ニケとして生かして貰ってる感じ」

 

 

これには目を見開く他のニケ達と人間のパイロット。 脱走兵モドキの件ではなく、未だ生きている老兵の方で驚いている。 251は既に知ってるので驚かない。

 

 

「えっ、あなたたち、ピルグリムなの?」

 

「本当の巡礼者程強くありませんし、ひとつ所に留まってレジスタンスの支援を受けている事が多いので、正確ではありませんが」

 

「ピナちゃん、謙遜しちゃって可愛い♡」

 

「はいはい」

 

「まさかの展開ね……」

 

 

ピルグリム、または巡礼者。

厳しい外の世界を生きるニケのコト。 その正体はゴッデスの生き残りだったりします。

何れ彼女達も知る機会が来るでしょう。

たぶん、生きれていれば。

 

 

「まぁ大した情報を持ってないから。 だから拉致してでもアークに持ち帰らないでね?」

 

 

半世紀以上前の出来事を知っている以上、生存を知られたら消される恐れがあるし。

あの時、アーク完全封鎖まで人類を守ったゴッデス部隊や志願兵は称賛された。 あのままワイ達を中に迎え入れてくれたなら英雄間違いなしだ。 選挙にでも立候補したなら100%当選しそうな程に。 ニケの地位も格段に上がったであろう。 共に戦ったEDFの支持も高まった筈だ。

だからこそ、それが面白くない屑の権力者共は恐れて権威操作の為に締め出した。 そして都合の良い話だけを残して神話としたと見る。

 

その後、地上奪還作戦でボロクソにやられた時なんかは、軍や政府に不満が向かないように「全部役立たずなニケのせいですぅ〜!」として支配権の保持に躍起になり、ニケはまんまと被差別階級に仕立て上げられた。

市民権を、人権を剥奪され奴隷に、道具とされていったのである。

そんな事してニケに叛逆されないのかって?

ご安心下さい! NIMPHで人間にほぼ手出し出来ません! 安全圏から ごゆるりとニケの尻を虐められますよ旦那!

可哀想だって? そんなコト言う人間はニケと同類、更生館にブチ込んで治安維持法万歳! なんて完璧で究極の政権ざましょ!

後は市民を扇動。 すると勝手に支持率が安定する。 いやぁチョロかったろうなぁ。 だからヒトカスなんだよ。 早く絶滅して、どうぞ♡

 

逆に成り手不足になりそうなものだが、そこもヒトカス様である。 借金からの人身、臓器売買、末期患者の"有効活用"であろうさ。

事故死でも脳が無事ならブッこ抜かれてニケにされるパターンもある。 ワイとかそっち側だ。 それがマシとも思えないが。 倫理観レ◯プで気持ち良くなってる人類終わってんな。

 

中央政府は、そんな情報を撒かれたくないだろう。 フェイクニュースだのプロパガンダだのでっちあげたり権力で揉み消せる内に動かせるモノは動かすだろうし、ニケを良く思っていない世論は信じたい方にしか信じないとしても。

 

要略。 ニケは闇がお深い♡

 

 

「……事実確認出来ない不確定要素が多い。 現在遂行中の作戦に無関係として、聞かなかった事にする」

 

「ラピも真面目可愛くて好き♡」

 

 

そして、ラピは頭が固い子ではなかった。

周囲も同意してくれて嬉しい……嬉しい。

抱きつきまでしませんが、褒めておく。

 

 

「……ふーん。 真面目な子なら誰でも良いんだ」

 

 

ピナちゃんが変な目で見てきたけど放置。

こんな世界だ。 ふざけられる内が花よ。

いずれくる別れは覚悟しているけど、なんだかんだで半世紀。 量産型の癖して、よく互いに生き残ってると思うの。

 

そんなピナちゃん(+ワイ)のお陰か、空気が穏やかになっていく。

人間も気持ち軽く、マリアンを慰める。

 

 

「なんでもニケに頼り切り、おんぶに抱っこ、全てレディファーストとはいかないさ。 折角野郎がいるんだ、役立たせてくれ」

 

「無理はしないでくださいね。 お気持ちは嬉しいですが指揮官を、人間を守る為にニケがいるのですから」

 

「逆に人間がニケを守っちゃならねぇ、なんて決まりもない。 アークでどうあれ、ここでは働かせてくれ……俺たちの存在意義を奪わないでくれ」

 

聞いたニケは、複雑な表情で黙り込む。

これだけで互いの扱いを察せるというもの。

 

一方で股間の欲求に従って尻、胸、太ももーッ! なラピとアニス、マリアンらニケに良い所見せたいという下心と、シリアスにマリアンの"異常"を察してのカクテル思考もある。 ワイは詳しいんやで。

それに、と最後尾を歩く新鋭装備の人間を見やる。 アークの人間とは訳あって、こうして本能的に互いに距離を取りたいのもあった。

直接的に仲が悪い訳じゃ無いけど、同じEDF、同じ人間であれ一枚岩とはならないのが人類だ。 それも半世紀以上も続いているとなると、慣れを通り越してアホくさなのだが。 怨み嫉みも代替わりで薄れている。

 

その微妙な距離感を察して指揮官は首を傾げ、コソコソ説明するは お喋りアニスだ。

でも明るくではなく、どこか諦観した声で話す。

 

 

「……知らないみたいだから説明するわ。 レジスタンスと言えば聞こえは良いけど、実際はアークに避難出来ず、地上に取り残されている人達なの。 今もアークは彼らの存在を認知していながらも受け入れない」

 

「"どうしてだ?"」

 

「表向きは人口問題、アーク市民の反発。 限られた資源を外の人間にまで回せないってね。 実際は悪感情に生きてるだけだけど。 地上を必死に生きる彼等のコトを市民権を得られない負け組だと差別したり、その癖に受け入れたら復讐されると恐れてる」

 

「"…………"」

 

「地上ごと見捨てられ、裏切られ、それでも生き延びたのに、支援もしてくれない彼等の憎しみは、決して軽くないと思うわ。 和解する努力はとうの昔に諦められた。 現場の兵士同士やニケとは良好だけどね」

 

 

うん、そうだね。

でも昔程じゃない。 孫の代にもなってきて、憎しみの伝播は弱まっている。

でもアークはヒトカスムーブ。 地下の温室ぬくぬく育ちは余裕が違います。 自分より劣る者を探して差別しないと生きていけないらしい。 人間らしいとも言えるけど。

その辺、アウターリム、ニケへの扱いに似ている。

ただ良いコトと言って良いのか、差別されても暴言を吐いたり投石をしに、わざわざ地上に上がって来ないコトだろう。

地上に出られるのは限られた人だ。 仮に好き勝手出られても、自ら安全圏を出て「やーいテロリスト予備軍」等とケチつける現実を知らない脳内お花畑ヒトカスパリピな輩はいない。 いたら馬鹿か大物であろうさ。 そしてどうぞ、ラプチャーに殺されて下さい。 下手すると死ぬより辛い苦しみを味合わされる恐れもありますがね。

 

 

「ピナちゃん、どう思う?」

 

「……そろそろ手を取り合って欲しいな」

 

 

うん、そうだね。

ピナちゃんはそう言うよね。 真面目可愛い。

そしてソレは、多くのニケも望む事だ。

もっと協力し合えば、地上もマシになる。 そう夢見ても良いじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの? 具合悪そうよ」

 

「なんだか体調が……」

 

 

マリアンの足取りが悪く、アニスが気遣う。

周囲も心配しつつ、確信に迫り警戒色に。

ワイ含めて目を細め、マリアンを見るも、次の百合展開モドキにガタつく男共。

 

 

「メンテナンスを手伝うわ。 上着を脱いでもらえる?」

 

「え? こ、ここでですか?」

 

「?? 何? 問題があるの?」

 

「だって、指揮官や皆さんもいるし……」

 

「はは、他はともかく、指揮官様までニケを女として見るとでも? 心配ご無用。 私たちは血も涙もない、ただの戦闘兵器だから……女として見るワケないよね。 そうだよね、指揮官?」

 

「"…………"」

 

 

無言で視線を逸らす指揮官。

周囲の野郎共も黙っているも、新たな同志の登場にサムズアップしている。

 

 

「そう見てるんだ」

 

 

変な目になるアニス。

いやでもね、ムチチな太ももとかボインな胸とか異様にブルブルする尻を見せつけられたらムラムラするんだって。

他のアーク指揮官も実は内心ムラついてるんじゃないかな。 ニケの体は、機械とは思わせない程のエロい完成度よ?

ワイが男ボディのままだったら危なかったね。 ビックマグナムが暴発してたよ。

 

 

「あっ、もう大丈夫です。 不慣れな環境で、ちょっと誤作動を起こしたようです」

 

「脱いで」

 

「"!!"」

 

 

マリアンが羞恥心と気不味さ、野郎共の視線から逃げる発言を行うも、真面目ラピが真面目に言い、指揮官含む皆が再度ガタつく。

目が獣である。 見開いて血走って変な汗までかきている。 外は娯楽少ないからね。 禁欲生活だからね。 仕方ないね。 ワイは詳しいから許すよ。

……ウィングダイバーのお姉さんはゴミを見る目で野郎どもを見てますが。

 

 

「……マリアンさんも真面目な方ですよね」

 

 

ピナちゃんが何事か言った。

恥じらいを真面目な分類に入れるかは状況次第であろうけど、同意しておく。

 

 

「そうだね。 真面目可愛い」

 

「……私は どう思う?」

 

「何度でも言おう。 真面目可愛い♡」

 

「そうじゃなくて……いや、何でもないよ」

 

 

頬を膨らませてそっぽ向かれた。 何故だ。

一方でアニスらは百合百合している。

 

 

「もう、指揮官も いちいち反応しないでよ」

 

「だ、大丈夫ですって」

 

「誤作動が起きた際、メンテナンスは選択事項ではない。 必須よ」

 

「分かりました」

 

 

ヤるんだな!? 今、ここで!

 

 

「さ、指揮官様達はアッチ向いてて」

 

 

そして打ち砕かれる希望。

縋る獣達の目は捨てられた子犬の目に。

 

 

「……向いたら、どうなる?」

 

「目を剥くことになるよ。 それでも良い?」

 

「ノー、マム」

 

 

グレランの太い砲口を向けられた野郎共は両手を上げつつ退散していった。

それは良いとして……ノーマムってナニ。

 

 

「それはそうと、ワイは女だから良いよね!」

 

 

野郎共には悪いが、ワイは見るぞ!

ワイのマナコは真実を見てやるんや!

 

 

「目がイヤラシかったから駄目」

 

 

ピナちゃんに両手目隠しされた……だと?

こんなのってないよ! あんまりだよ!

 

ああ、でも温かな手に覆われている感覚を想えば、これはコレでアリよりのアリ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「異常なし」

 

「だから言ったじゃないですか」

 

 

簡単な外見チェックで終わった。

細かな検査なんて出来ないからね、仕方ないね。

でも……症状が出ないと分からないか。

 

 

「移動を続けよう」

 

「お、見えてるよ」

 

「えっ!?」

 

 

アニスが揶揄い、マリアンが慌てて自分を見る。

そして反応する悲しき雄のパピーたち……。

 

 

「ジョーク、ジョーク」

 

「…………」

 

 

アニスよ。

あまり男の純情まで弄ぶとね、分からせられるからね。 胸元のデカいマショマロを白因子で弄ばれたくなかったら、発言には気を付けようね。

 

 

『…………へ……すか?』

 

「……?」

 

 

ここで無線が。 可愛い女の子の声だ。

お預け食らって飢えた男達は即反応。

 

 

「この回線は情報部からだ。 繋げるぞ」

 

 

情報部とレジスタンスは馴染みゼロ、という訳でもない。 協力する都合、時々会話だってする。

皆も回線を合わせ、通信を傍受。

情報は共有しておきたい。 じゃなきゃ座標知ってるのが1人だけなんて事態は起きない。

あと耳の保養は多い方が良い。 いずれ万病に効く日が来る(妄想)。

 

 

『アークから地上へ! 聞こえますか? ラピ、アニス!』

 

 

どうやら知人らしい。

じゃなくても担当オペレーターか。

 

 

「通信が……こちらラピ。 シフティー、聞こえる?」

 

『あっ、やっと繋がりましたね! 状況はどうですか?』

 

「新しい指揮官と合流できた。 あとレジスタンスの人達とも。 座標も確認して、今作戦遂行中」

 

『はぁ〜良かった! 輸送機との連絡が急に途絶えてしまい、びっくりしました!』

 

 

それに文句を唱えるはアニスである。

そろそろ慣れてきた。 後は殴るキッカケがあれば手が出るのは早いと思うの。

 

 

「ちょっと、しっかりしてくれる? 敵陣のど真ん中に輸送機送ってどうするの」

 

『はい?』

 

「もう鉄屑になったよ。 おかげで完全にしくじるところ……」

 

『該当地域のラプチャーは、対空火器を保有していません! それで輸送機を送ったのですが……』

 

「……は?」

 

 

対空火器、ね。

原因はソレじゃない。

 

 

「すまない、割り込むぞ」

 

 

ここでパイロットが口を開いた。

 

 

「BA-01パイロットだ。 墜落の原因はコンテナの爆発にある。 外部からの攻撃じゃない。 恐らく積荷の爆弾が暴発したと思うが……ブラックボックスを確認すれば分かる筈だ」

 

 

マリアンの目が、どこか遠くを見ている。

一瞬、赤く見えたのは気の所為だとしたい。

 

 

『え……ただ今分析中です! 終わり次第直ぐに送ります! あともう少しです!』

 

「頼んだ」

 

『はい、少しだけお待ち下さい! さて』

 

 

ここで個人通信に切り替わった。

指揮官宛の言葉が並べられていく。

裏山。 こっちにも話しかけてくれて良いのに。

 

 

『指揮官、初めまして。 私はアーク情報部に所属するオペレーター、シフティーと申します。 これから作戦をサポートします! EDFの皆様共々、宜しくお願いします!』

 

「"これから宜しく頼む"」

 

『はい!』

 

 

地味にEDFと纏められつつ自己紹介終了。

ワイ達は再び移動を始めたのだった。




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