脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
申し訳程度の雌要素

今回のあらすじ
プロフェッサーとストーム隊

ストーム隊も書かねばと思いつつ……


72.護衛

ストーム隊はアークガーディアン作戦以来となる要人護衛任務を遂行していた。

その重要人物は言わずもがな、プロフェッサーである。 向かう先はベース251、そこに鎮座するリングが目的だった。

 

リングは先の大戦におけるプライマーの技術を利用したタイムマシンだ。

先の戦後、欲を掻いた人類は極秘裏に再現を試みたが、今次大戦の混乱で251の倉庫に押し込められてしまった。

 

ただし、ほぼ完成している。

決められた時空座標に飛べない点を改善すれば、より戦術的で効率的な改変が可能となるだろう。

プロフェッサーは、その改善の為に向かっているのだ。

 

 

「……約5年で、ここまで荒廃するか」

 

 

瓦礫の上を歩きながら、彼はボヤく。

かつての喧騒は、どこにもない。

 

 

「プライマーとの戦争も5年ループだった。

今次対戦も似た状況になるとは。 皮肉だな」

 

「そうかもな」

 

 

短く返答するは、ストーム1。

その声は明るく、視線も前を向く。

 

 

「だが俺達がいる。 希望はある。 信じろ」

 

 

その言葉を繋げるは、ストーム2。

レンジャーであり希望の象徴であり続けた。

 

 

「その通りだ。

時間戦術の記憶は俺達には無いが、2人が言葉に尽くし難い努力をしてきたのは理解しているつもりだ。

今回も苦労を掛けるが、全力で援護させて貰う。

ストーム1、プロフェッサー、頼むぞ」

 

 

大尉が力強く言えば、3人の部下達も続く。

 

 

「俺からも頼むぜ大将!」

 

「EDFは今回も乗り越えられる。 大丈夫だ」

 

「信じてますよ」

 

 

黒鎧フェンサーのストーム3も堂々言ってくる。

 

 

「任せろ。 守護神の渾名は伊達じゃない」

 

 

それを煽るは、赤い飛行ユニットの女性。

ウィングダイバーのストーム4。

 

 

「元死神も随分と丸くなったな?」

 

「人の事を言えるとは思えん」

 

 

言葉は少しキツイが、苦笑し合っている。

それだけ歳を重ねた。 自然の摂理だ。

 

 

『反目はやめろ。 任務を忘れるな』

 

 

本部も加えれば、かつての面子か。

まだまだ現役でいる。 そんな実感すらある。

ストーム1は郷愁にも似たものを覚えながら、本部とも連絡し合った。

 

 

「忘れちゃいないさ。

だが、グレイプくらい寄越してくれて良かったんじゃないか?

改修で不整地への対応も強化された筈だ」

 

『エンジン音や振動でラプチャーが寄って来るのを避ける為だ。

戦力がストーム隊のみなのも、敵の目を引かないようにする為だという事を忘れるな』

 

「敵か。 ラプチャーだけじゃないと」

 

『あくまで敵性勢力とだけ言っておく』

 

 

カマ描けるも、はぐらかす本部。

 

具体的に言ってしまうと中央政府関連や企業、アウターリムのならず者などが挙げられる。

そうした連中の中には、隙あらばEDFの技術や武器装備、研究を奪取するのを企てている者もいる。

その過程でタイムマシンの存在がバレたら、どう足を引っ張って来るか分かったものじゃない。

 

 

「了解、詮索はやめよう。 任務に戻る」

 

 

そうして前進あるのみ。

ラプチャーとは、今のところ出くわしていない。

エブラ粒子や、周囲に撒かれたデコイのお陰である。 有限で万能ではないが、不要な戦闘を避けるのには有用であった。

 

特にデコイはEDF製で昔から実績があり信用がある。 見た目は人間サイズまで空気で膨らむバルーンだが、そこから微弱な音が出る事で、より欺瞞効果を高めている。

プライマーにも有効だったが、ラプチャーにも効果が発揮され、今後とも改良が施されつつ使用され続ける事になりそうだ。

 

 

「プロフェッサーが開発した武器装備のお陰で楽が出来る。 有り難い話だぜ」

 

「気を引き締めろ。 来ないとも限らないぞ」

 

 

そうは言うも、来ないのに越した事はない。

その辺の雑魚が群がってきても、ストーム隊なら蹴散らせるだろうが、プロフェッサーという要人護衛を思えば、余計なリスクは抱えたくない。

 

が、部下の軽口は続く。

 

 

「そういやよ、プロフェッサーの家族は大丈夫なのかよ。 アークに残してきたんだろ?」

 

 

世界線によっては地雷発言のソレだが、プロフェッサーは嫌な顔せず答えた。

 

 

「問題ない。 妻は理解してくれた」

 

「なら良いんだけどよ」

 

 

短く終わる筈が、ストーム1にも飛び火した。

 

 

「大将は? 専属の子は平気なのか?」

 

「……何処で聞いた」

 

「いや、噂になってるからよ。

触れちゃマズかったか?」

 

 

問題を思い出し、憂鬱になるストーム1。

さすがの鈍感も、失言かと反省。

 

どうやら隠し通せないモノらしい。

或いは専属が隠す気がなかったか。 ありえる。

英雄との子なら、自慢気にもなるだろう。

そうでなくても望んだ子か。

祝福して貰いたい、単純に嬉しいのもある。

 

男側はヤベェよマジかよ状態だが。

身に覚えはある以上、責任を取るべきなのは分かっているも、他の女ともズプズプしていた罪悪感が拭えない。

少しは己の立場を弁えれば、こんな思いもせず済んだろうに。 完全に自業自得である。 同情は出来ない。

 

 

「……そうじゃない。

ただ敵は多い。 目をつけられないか心配だ。

俺の立場に絡んだばかりに、危険な目に遭わないかと不安にもなる。 杞憂に終わると良いが」

 

 

それっぽい事を言って誤魔化した。

こんな時に、実は望んでない展開でしただの、責任取りたくないだのと屑発言をする度胸は持ち合わせていない。

言ったら言ったで、幻滅されて半殺し以上全殺し未満の刑にされるだろう。

既婚者で愛妻家の相棒は助けてくれないだろうし、女性であるストーム4からは苛烈な攻撃を受ける恐れがある。

 

今は味方らしく、安心させる為に語りかけるも。

 

 

「アークの内側なら、何とでもなる。

それに情報部には優秀な少佐がついている。

大丈夫だ、落ち着いたら会いに行けば良い」

 

「そうだな……そうしなければ」

 

 

別に変な話じゃない。

きっと専属は安全だし、守りも多少あるだろう。

他の女との経験も、ニケだから妊娠はしない。

ナニも案ずる事はない。 その筈なのに。

 

 

(なんだ、このモヤモヤは……)

 

 

脳内がグルグルする不快感に眉を顰めつつ、今ある任務を遂行するストーム1なのだった。




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