脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
プロフェッサー、251へ移動中

今回のあらすじ
リングやニケ弄り

サクサク進めたいところですが……
ちょっとツライさんにはキツく当たります
改変に対しての意欲が見られないので……
ただ主任のキャラ崩壊もあるのでイラッとくると思います。 すみません……


73.鬱憤

 

 

「リングの調整に時間を貰う」

 

 

リングを前にプロフェッサーは言った。

ほぼ完成しとると聞いたから、即時間旅行3周目凸かと思っとたのに。

 

 

「どんくらい掛かるんや」

 

「はっきりとは言えないな。

そう時間を掛けるつもりは無いが」

 

 

天才が言うならそうなんやろう。

一端の兵士に過ぎんワイには手に負えんよ。

 

 

「生きている内に出来そうなん?」

 

「そう急かすな。

第一、ループ先でのやる事は決めてるのか?

慌てず、この世界線で出来る事をするべきだ」

 

「出来る事?

既に荒廃した地上で足掻いて、何になる?

聖女様みたいに墓巡りとお祈りかい?」

 

「規格外の脳だと、思考が難しい様だな」

 

 

なんか煽られた。

あいや、そう言われて仕方ないか。

捻くれた言い方してもうたし。

 

 

「君の場合、その戦闘能力を用いた偵察任務をするなり、過去に備えて出来る事はあるだろ」

 

「やっとる。 けど他はからっきし。

その穴埋めが、アンタや」

 

 

ワイは工兵でもなか。

元整備士という旦那の指導で、多少の修理や知識は得たが、それだけや。

未来を変える程の大きな力に届かない。

 

 

「他力本願だな」

 

 

ごもっともで。

しっかし先程から辛口でツライさん。

ヤダ勃起しちゃう……中指が。

 

 

「アンタ好みに言えば合理的という奴や。

ソレが互いの仕事やろが。

改変の知識があるだけで、アレもこれもやらなきゃならんなら抜けるでホンマ。

元々マリアンを助けたくてループしたんや。

その目的を達成したら万々歳なんよ。

十分働いた。 量産型の分際でよぅやった。

それでも人類を救うなんて、手の届く範囲でやってるだけ感謝して欲しいくらいやぞ。

ワイは野となれ山となれと流されて生きていきますから、後の改変はやりたい人がやれば良い……そう言いたいわ。

人手が欲しいなら、信用ある隊員なりニケなりに掛け合って道連れにすりゃええんやで」

 

 

鬱憤を吐き出す様に言う。

どやっと奴を見るも、対して効いとらんかった。

 

 

「責任を持った仕事が出来ないようだな。

だが確かに、君の代わりは幾らでもいる。

多少戦闘力があるくらいの量産型ニケだ。

200年も過ごして大して成し得た事もない。

歴史改変が出来ると知っても足掻きもしない。

運と仲間の上に胡座をかいてるだけだ。

自分本位で他者の犠牲が当然と思ってる。

個人を助けた程度で良い気になっている。

痩せこけた良心を満足させ、終わるんじゃない」

 

 

なんやと? 恩知らずの眼鏡青服野郎めが。

誰のお陰でアンタがいられる思うとる?

コレがストーム1の相棒たぁ、笑わせる!

 

 

「感謝こそすれ、ここまでほざきおるとは。

流石苦労と努力の天才様、違いますな!

こんなのが先の大戦で人類救うとは。

実は嘘なん? マジ幻滅やわ。

ただのウザいオッサンたぁ驚きや。

それともナニか?

敵も味方も怪物過ぎて感覚バグっとる?

或いは己に酔っとるんやないの?

周囲を下げて格上げしたいだけやないの?

救った数でマウント合戦したいの?

それか知識量や実績自慢かい?

……馬鹿にすんなや!」

 

 

感情のままにキレるワイ。

本題と関係なくキレ散らかすも、プロフェッサーは無表情のままメガネを直す。

 

くそっ、急にムカつく野郎や!

ナニが1番ムカつくって、嘘は言ってない事!

ワイのなぁなぁをズバリ指摘して、人生を否定してきおる!

でもワイの言い分だって正しい筈や!

ワイが否定されるなら、他全員もせやろがと!

 

 

「はっ、所詮アンタも量産型や!

ニケ差別者と大差ない。

現場の苦労を知らずに、偏見と齧った知識で知った気になり、都合の良い妄想を生み出す道具じゃなきゃ許さんって奴や!

過去にどれだけ苦労したか存じませんがね、人の粗探して虐めて、つまらない人生を満足させるの止めて貰ってええか?

適任者は他に幾らでもいるんやろ?

どうしてもいなきゃ己だけでやりゃ良い!」

 

「そっくり返す。

現実を知っておきながら、それを変える手段を得ておきながら、ただひたすらに目を逸らし続けている君に。

まぁしかし、完全に間違いとは言わない。

臆病だからこそ生き延びてきたのだろう。

生存戦略、兎に獅子と戦えと無理は言えん」

 

「せやったら……!」

 

 

ここまで面倒な男とは思わなかった。

いや、なんでここまで言ってくるんや。

たかが量産型やぞ、ワイは。

少し変わった経歴を持っただけの、P12や。

 

 

「だが最初に言った通り、君なりに出来る事はあると言えるし、逆に君にしか出来ない事があるが故に頼みたい。

少なくとも私は100年後まで生きていないだろう。 相棒も同様に。

けれどニケの君は生き延びていると信じる。

であれば、このリングを用いて100年単位の大雑把な改変のみならず、数年、数十年の規模での細かな運命の改変や、その際の情報は多い筈だ。

その中に人類を救う鍵が、この戦争の答えが見つかるかも知れない。

それを出来るのは君なんだ。

人類を救えるのは、ニケである君しか。

責任を放棄されては困る。 分かってくれ」

 

 

せやから重いのは嫌なんやって……!

責任、重過ぎて圧迫死しちゃうんやって!

 

 

「天才の癖して、解釈が飛躍し過ぎ……!」

 

「間違いではないだろう」

 

「間違いや。 ワイは勝利の女神ちゃう。

……脳みそ、男やしな」

 

「女になるタイミングもあるだろう。

どちらにせよ、君はニケだ」

 

 

ホンマ……ッ! ツライさんッッ!!

 

 

「良いからさっさと直せ!

そう思うとるんやったらなッ!!」

 

 

ワイ、レンチを乱暴に手渡した。

プロフェッサーは口角を上げた。

 

バカなワイは、やっと気付く。

結局、ワイは良い様にされとるやなって。




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